48: 名前:杏☆01/15(土) 14:42:52
優花サイド‐―*(優花&凛)(1ヶ月前)
「知ってる? 彩花がひとつ下の男子が好きだって」
あたしは凛に「龍と彩花の関係」を知ってるか聞いて見た。
「あっ……振られたとか言ってた人?」
「振られたんじゃなくてさ……返事がなかったんだよ」
そうかも……でも振られたんじゃないんだ、返事がなかったんだよ……。
あたしはそう思って凛にそう言った。
「えッ? 彩が言うにはね……『なんかさぁ、片想いしてた人に告ったら振られちゃってさぁ、もう嫌になっちゃった』って……」
嫌になってるはずないじゃん…あんなに思ってたんだから―
「彩花さあ、記憶喪失になっててさぁ、多分振られたと勘違いしてなったんだと思うの、それにあいつ違う中学行くかって噂されてて……」
あたしは、凛には分かってほしかった。
彩花といつも一緒に居るし、やたら、様子を伺うし。
「え、そうだったの?! だからか、入学式だねぇとか前行ってたのに、元気なかったのか……」
と凛も納得したようだったので、これも付け足した
「でもね、本当は……行かないの」
「じゃぁ! 彩花は!」
そうだよ、長い時間待ったんだから
もうくっつけてもいいよね……―?
「くっつかるといいねっ! ってか龍も多分好きだろうし」
「へぇーじゃあ両思い!?」
「多分ね」
両思いだよ、あんなに上級生にやるわけない。
あんなことやるなんてなにかある。
あたしは前からそう思ってた。
待ったんだからいいじゃん、
早く来なさいよ…龍……!
(この時彩花は現在存在しません)
49: 名前:杏☆01/15(土) 16:22:21
彩花サイド
「いやだぁ―っ! うざい奴が入ってくる!」
とあたしは大騒ぎ
だって…、あの最悪な人(5年男子)
が入ってくるんだよ?
「太一でしょ、友樹くんでしょ、亮でしょ…!」
「うわぁ…可哀想に!」
可哀想でしょ……。
もぉ5年男子は碌な奴いない。
「ちょっと、人の彼氏までいれないでよ~!」
「いいじゃん、あたしにとって【好き】じゃないし~!」
と梓に反抗。
いいじゃん、
好きな人が同じなだけで、
いいと思ってよ。
あたしなんか……―
違うんだから……―
「廊下に並んで―っ」
と先生が言った
あたし達は渋々と教室を出た。
渡り廊下を歩くと
そこにある桜の木から
ちらちらと
桜の花が落ちていた
まさにコレが春
って感じ
毎回同じこと言うけれど
やはりどこへ行ったとしても
校長先生の話は
長い。
いやだなぁ、
話し長いと
本当に眠くなるんだよ……。
とあたしは、渋々思ってた。
「続いて新入生代表の言葉に移ります」
あたし達の中学では、
新入生で1番成績がいい人に
言わせるらしい……。
あたしは、間違いなく
トップではなかった。
もちろん、頭がいい
梓が去年代表の言葉を言った。
「新入生代表、阿部龍」
「はい」
…………阿部……龍……!?
いや、あいついるわけない!
この学校じゃないんだから。
ステージに上がったのは……―
50: 名前:杏☆01/15(土) 16:28:20
龍だった……―
ねえなんで、
なんでいるの?
誰かあたしに
説明して。
「彩、驚いた? 本当はね行かないんだよ?」
とこっそり言ってきた
優花……―
これは……
現実ですか?
せっかく、
もう顔を合わせることが無い
そう思ったのに…。
あたしがそう思ってると
いつのまにか入学式は終わっていた。
54: 名前:杏☆01/17(月) 16:20:44
「ねぇ! 彩花!! あいついる!! 龍!!」
と落ち着けないくらいびっくりしてる優花。
「ねぇ、優花……こんなこと言っちゃ悪いかもだけどさ・・・・・」
「ん!?」
「知ってて、隠してた? 龍が○○中に来ること」
「えっ…」
以下にも“そうだよ”って言うように
落ち着かない、優花
やっぱね……。
「そうだったら、なんかありがと!」
「え?」
「あたし、もう諦めたし!! そんなことより今の恋見つけなきゃね!!」
と優花のテンションを上げようとした。
なんで、あたしこんなことしてんだろ……―
そして、なんでこんなことのために
あたしのことのために
親友までもを巻き込んでしまったのだろう……。
「なんか、ごめんあたし、すっごく迷惑かけてるね」
「迷惑じゃない…よ?」
「って、こんなくらい話より!! あたしまじで龍を諦めた!!
そこよろしく!」
とわざと明るい表情を見せる。
もう絶対、彼女……いるし。
もう諦めよう
4月の桜が散る新入生の入学式の日
あたしの、マジ恋が終わった―
55: 名前:杏☆01/17(月) 16:28:59
(放課後/帰り道)
「はぁ・・・・・」
何してんのあたしもう諦めろよばーか!
って自分に言い聞かせる
そう言い聞かせてるはずなのに
ため息しか出ない。
どうしても、あいつ(龍)とは顔を合わせられない
あんな別れ方をしてしまった以上
もう…無理だよ。
「佐藤先輩!」
最初にあたしのことを「佐藤先輩」って呼んでくれたのは、
「龍……」
でした―
57: 名前:杏☆01/17(月) 16:44:09
「でしょ?」
と言ってきた龍、
あたしの後ろにいたのは、成長してた龍がいた
「なんで……、あんたいんのよ!」
怒鳴りつけてしまった、
何も悪くない、
龍は悪くない
悪いのは…あたしだ
ただの、嫉妬じゃん。
「ん―…好きな人が一緒の学校に行くことになったから」
えっ………?
「やっぱ、彼女いたんだ!! 良かったじゃん!! 後、学校でころっけとか呼ばないでねっ! じゃぁね」
あたしは、その場から逃げた
アレ以上聞いたら、その場で泣き崩れてしまいそうで
怖かったんだ
駄目だった
忘れるなんて
58: 名前:杏☆01/17(月) 16:50:01
この現実…痛いほど分かる
どんだけ、自分は甘えていたのかを
そして、どれだけ
龍を好きだったかを―
この恋を諦められなかった自分が情けなくてしょうがなかったんだ。
忘れてよ、早く、今すぐでも
忘れろと言い聞かせても、記憶を失わせてくれない
今、記憶を全て失いたい、
そして、龍ともう会わない
好きにならない
そう誓いたい
*
朝6:30
鏡を見ると、瞼が腫れてしまっていた
「もぉやだよ~!」
とデカイ独り言。
朝ごはんものどに通らなかった
どうしても、引っかかっている
彼女は……誰?
コレを…本人に聞きたい
でも、もうあたしには聞く勇気など、もうどこにもなかったのだった。
59: 名前:杏☆01/18(火) 16:10:45
「おっはよ~!」
態と明るく見せる。
優花とか絶対心配するから
「おはよ~彩! なんか今日早くね?」
「うっそぉ! 今日朝練あると思ったからさぁ!!」
「えぇ~!? 今日ない!!」
「なーんだぁ!」
とやっぱり明るく表情を作る。
優花に、「龍…彼女居るんだって」
そう言ったら、今まで以上に心配欠ける。
あたし、皆に心配欠けすぎじゃん。
「そういえばさぁ…太一来てた! 朝っぱらから!」
太一……―?
「妻に会いに来たに違いない!」
あたしが言った言葉で
話していたみんながうなずく。
「もぉ、そういうんじゃないってば!」
と反抗。
もう、正直じゃないんだから!
とあたしは心の中で呟いていた。
「ねぇ、そういえばなんか、3組のあかりん1年と付き合ってるらしいよ??」
「うっそぉマジ!? だれだれ?」
「あかリンがかぁ…相当いい男だな」
と皆で話していた。
“1年”という言葉に反応する。
『好きな人が一緒の学校に行くことになったから』
この言葉が頭を過ぎる。
「あかりん転校生なのにやるねぇ―」
と皆があかりんを感心する。
「好きな人」
龍の彼女って……あかりん……?
60: 名前:杏☆01/18(火) 17:13:10
「そして、この公式は……―」
今日の授業、まったく耳に入る分けない。
もしかしたら……、
あかりんが龍の彼女かもしれない
そういう話をしていたから
まったく授業が頭に入ってこない……、
カチカチ...
シャーペンの芯を出す音が響く
ヤバイ……全然駄目だ
61: 名前:杏☆01/18(火) 17:21:13
キーンコーンカーンコン
鐘が鳴る
「じゃ、この宿題やっとくように」
って……いつの間にか放課後になっていた。
「早く! 部活行くよ!」
と優花に言われ
あたしは、体育館へ向かった
到着したら、やけに人数が多い
「遅いよ―2年!」
「すみません」
「すみません」
あたしと、優花がコーチに謝った。
「じゃ、新1年生発表、今日は男女共に練習だから!3年生と2年生、ちゃんと1年生に教えろよー!」
と言われ、1年生の自己紹介が始まった。
「1年1組 桜乃 莉子です」
「1年1組 柏木 優です」
「1年2組 柏木 美香です」
「1年1組 阿部 隼人です」
「1年2組 阿部 龍です」
は……?
なんで龍いんの?
一週間前に話してからもう話してない。
話す理由もないし。
同じ、部活とかって―
普通にないよ
62: 名前:杏☆01/18(火) 21:13:42
駄目だ…、あいつがいるだけで
震えが止まらなくなる
「すいません、ちょっと調子悪いんで休んでいいですか?」
「めずらしーねー、彼方が休むなんて!」
「すいません。」
「少し、休んでていいわ」
「ありがとうございます」
あたしは許可をもらい、端で待機していた
寒くもないのに、体がどうしてもガタガタと震える
怖い……
けど改めて分かったことがある。
バスケ部のエースあかりん(本名 西田朱莉)と
新入生バスケ部阿部龍は
付き合ってる。
最終更新:2011年03月07日 18:10