63: 名前:杏☆01/19(水) 15:40:17
「どうしたの、彩花ちゃん?」
-ハッ
われに返ったあたし
あたしを心配したのは
あかりんだった
「うんう、なんでもない! あかりんって呼んでるから、あたしのこと、彩花でいいよ?…って今関係ないけど!」
あかりんとはクラスも違うから話さなかった
「ありがと! あたし友達いないから…まだ。」
「じゃ、あかりん、バスケ頑張って!」
「…うん!!」
そうあたしは、あかりんと友達に言って、あかりんを送り出した
「はぁ~」
ため息だけが口から出てくる
「なんで、なんで……、」
唇を噛み締めた
涙を流さないよう
そして、みんなにないてる声を
聞かれないように
声を押し殺した
そうしなければ
今にも泣いてしまいそうだったから
64: 名前:杏☆01/19(水) 16:05:44
-キュキュキュッ
シューズの音が体育館に響き渡る
-シュポッ
ゴールに入った時の音はとてもいい。
「なぁ、龍さぁ背高いからダンク行けんじゃね??」
ある男子が、龍に一言行った
「いや、無理無理、俺前までバドやってたし。 あんまわかんないからさ!」
「なんだよ~! でも上達すれば、できんじゃね?」
「無理だからっ! お前も成長して頑張れ」
「うっせなぁー」
とその男子と会話していた
「彩花ぁ~大丈夫?!」
「あっ!? あぁ-大丈夫だ! そろそろ出なきゃ」
優花は様子を見に来て見たい
なんか、それだけで安心する気がした-
「じゃ、3年生から順々に入れてってね!」
【はい】
みんなが、【はい】と言った瞬間から
先輩達が走り出した
キュキュッ-
ステップを踏む音が何回も何回も聞こえる
「彩花? もうすぐだよ! 大丈夫なの、マジで!」
「あっ……うん」
大丈夫…きっと
「じゃ、2年生! 優花」
「はい!」
優花がゴールを決める
軽いステップの踏みで
うまいから尊敬されている
「じゃ、夏海」
「はい」
なっつも、軽いステップを踏む
こちらも皆から信頼されている
「じゃ、次彩花」
「えっ!?…あ、はい!」
あたしも走り出した
-クラッ
バッタン
踏み出した瞬間座り込んでしまった
立とうとしても、足が動かない
「あっ、大丈夫です、すみません」
あたしは無理やり足を動かし、やっと立てた
「じゃ、もっかいやって!」
「はい」
あたしは、やっと二度目で
ちゃんとゴールに入った
65: 名前:杏☆01/19(水) 16:54:12
「じゃ、今日は終了 お疲れ様」
「お疲れ様でした!」
今日は部活が早く終わった
あたしはそのほうが良かった
「龍居たじゃん!」
「頑張れ~」
……頑張る必要ないし
もうそういうの……やめようよ。
あたし、もう無理だから――
時計を見ると4時半
「はぁ…」
「彩花~! 帰ろう!」
「うん。」
あたしはどうすれば
龍を諦められるのでしょうか……――
「元気ないじゃん!!」
「そう…?」
心配してくれてるのは有難いが
今はそっとして置いてほしい
でも、自分でこの気持ちが整理できない
あたしは、優花にすべてを打ち明けようとした
「優花……あのさ「おっ! ころっけとチビじゃん!」
もっとも、最悪なパターンででてきた
もう、現れないでよ
あたしの前に……――
龍
66: 名前:杏☆01/19(水) 17:11:16
「あたし先行く」
今会いたくない人ナンバー1位
に会ってしまった……。
「龍寂しいねぇ~彼女も居ないなんて!」
「……」
なんで、無言なのよ
言えばいいじゃん、あかりんと付き合ってるって
「あかりんじゃないの彼女。」
ボソっと言う。
もちろん優花にだけ聞こえるように
「えぇ~???! あかりんなの!? あんたの彼女、あかりん!?」
“聞きたくない”
あたしはそう思い、龍が口を開こうとした時耳を手で押さえた。
「いや、彼女なんていないけど」
今のは、空耳ですか――?
67: 名前:杏☆01/19(水) 17:15:49
「彼女いるわけないし」
……あたしが耳を押さえていても聞こえたその言葉
確かに、空耳じゃない…神様
あたし救われた気がします
「彩花と付き合えば良いのに!」
「「……??!!」」
な、ななな、何言ってんの!
優花~~~~!!
顔は次第にあっつくなる。
そんな顔を見られたくなくて
ついつい、隠してしまう
「うーん…だって俺の好きな人…………
ころっけだし…………」
68: 名前:杏☆01/19(水) 17:18:03
“だって俺の好きな人ころっけだし”
今度こそ空耳だろう
「良かったじゃん! 両思い!!」
「……」
優花の言葉なんか入ってこない
あたしには、「龍の一言」
しか入ってこない
龍……絶対嘘言ってる。
分かる。あたしのことなんか好きじゃないことくらい
絶対嘘だ
69: 名前:杏☆01/21(金) 20:12:05
「ごめ、先帰る」
あたしはそういい残して
その場を立ち去った
「彩!?」
止められたのも押し切って
あたしの心の中には
期待と不安が同じくらいだ
本当にそうだったら嬉しいけど
嘘だって思う不安な気持ちがある
本当って信じたい―
あたしは、走りながらそう思い続けた
70: 名前:美希☆01/21(金) 21:12:41
帰宅後あたしは部屋に鍵を閉めて
声を押し殺して、泣きじゃくった。
あれは本当なのか
嘘なのか
どっちらか分からないからこそ
不安になる気持ちは多くて
あたしには、今泣く事しかできない
まるで、小説で号泣したかのように…大粒の涙を流し
泣いた
あたしは、今何をしてるのだろう
なんの為に泣いてるのだろう
そっか、龍の為か。
龍、
最終更新:2011年03月07日 18:13