好きって言ってよ。 続き31

101: 名前:杏☆02/03(木) 17:24:59
彩花SIDE


「……」


あの日龍に背を向けられてから…2ヶ月が立った。





今日はなんだか騒がしいが、今そんなのどうでもいい。








あたし、龍になんかした?
やっぱ言葉遣いが悪かったかな?





考えてみる、






でも、答えは見つからない。







明日龍に話そう。







そう決めて、学校へ入った。












次の日―




「龍いる?」

「……ころっ…って違う違う。 佐藤先輩じゃん! 龍なら……、昨日引っ越したじゃん」
















嘘……だよね。









太一…嘘でしょ?














102: 名前:杏☆02/03(木) 17:27:01

「嘘言わないでよ! 太一冗談キツイ!」

嘘って思い込む。
太一の言葉を笑い飛ばす。


「嘘じゃね…ってかお前知らねぇのかよ」
「っ……」




あたしそんなので別れを告げられた?








ねえ龍教えてよ。



















103: 名前:杏☆02/03(木) 17:30:21
早送りします[>>>
もう龍がいなくなっちゃったんで、高校生編行きます。

@@



龍があたしの隣からいなくなって3年……、





あたしは、高2になっていた。







「この高校さ、勉強ハード…すぎ」
「だよね~ってか今日入学式じゃん! 楽しみ~」
「ホント、年下しか狙わないねぇあんた」
「彩花も年下どう?」
「絶対いや!」




高校に入って親友になった來と話していた。
來は年下LOVE!






あたしは、二度と年下なんか好きになんない。









好きになっても、裏切られるだけだ。











105: 名前:杏☆02/04(金) 18:57:24

「年下~! やっぱらぶい!」
「そんなに、いいかねえ?」
「もちろん! なんで彩花いやなの?」
「理由はないけど」
「じゃ、好きになれば?」
「それは、無理」






無理に決まってるだろ!
付き合えたと思ったのに、1ヶ月後に振られて……。







年下だから、年上だからとかそういうの関係ないのかもしんないけどさ、





もう、龍に裏切られたから、恋はしたくないんだ。









所詮、本気の恋なんて叶いっこないんだ。








「彼氏~ほしい!」
「あんた、この前いたじゃん」
「え、だってさぁなんか合わなかった」
「はぁ~」





優花は最近1年くらい付き合ってた彼氏さんを振ったそうで






やっぱ、合わないのか…みんな








あたしは、もう本気な恋なんかしないんだ。







しても、意味ない。









110: 名前:杏☆02/06(日) 07:15:36

「入学式~」

おーい…だめだこりゃ…。
來はもう「新入生男子!」に期待しすぎて壊れてる。


「もぉ!」



渡り廊下を歩く。
桜が満開に咲いている。



「もうこんな時期なんだねー」
「え、なんかいった?」
「いや」



あーあ……もう会う事もないのに、しょうもないこと考えてる。





会う事ないのにっ。

龍となんか……。
会ったら、運命っしょ。












111: 名前:杏☆02/06(日) 21:56:04

あの時間なんだったのだろ。



卒業なんてしたくなかった。
そのまま小学生が良かったよ。





龍と別れるなら――。






「でもちょっと寒いねぇ」
「うん」






桜が満開に咲いていてもまだ、風邪は少し冷たかった。
春のそよ風に髪が靡いた。







あたしは、学校へ入ってくる新入生の中に見てはいけない人を目撃してしまった。







「……」








あまりの衝撃すぎて発する言葉を失った。








「嘘でしょ」







他人でしょ?
赤の他人。







だよね……?













112: 名前:杏☆02/07(月) 16:30:24

「りゅ……う……?」





嘘だ、嘘だ。
居る分けない。







いないんだよ、もう違うとこいんだよ?
なに勘違いしてんのあたし。







「龍って誰? ……!!」

「見間違いだよ―あいつ居るわけ無いじゃん!!」








そうだよ。









居るわけ無いよ。








116: 名前:杏☆02/09(水) 16:40:01
「いるわけないじゃん! いるわけ…アハハ」

笑ってごまかす。
でもあたしは分かった。 あれは龍だ。



「ブツブツ...」



あたしはブツブツ独り言を言う。






怖いんだ。
あんな別れ方をした龍と高校が一緒なんて…。







死んでもあり得ないと思ってたのに…――










117: 名前:杏☆02/13(日) 21:23:29
ありえねー…ありえねぇー!!!
なんであいつココいんの?
普通に可笑しいよ.


「なんでいんだよー」



と心の中で思いっきり叫んだ
声に叫んだからジロゾロとみられると思ってね




やっば…目合ったよ今.
でも……あれ? すぐ目を逸らされた…







うっわぁあたしだと分かってない?
ってかなんでこんな遠い、学校に――





不思議でしょうがないわ.




「龍だねえまだ思っちゃった? あの感情を思い出しちゃった?」
「ば、っば、バカな! んなわけないよ!」







そうだよ。
あんな昔の話し…知らない








119: 名前:杏☆02/19(土) 12:58:29
(久々に更新させていただきます)


「んな昔の感情がわき出るはずないじゃん!!」
「つまんなーい」


そ、言いつつ、あたしの心のなかに
またあの感情は広がっていたのだった。


小学生の時の恋を引きづってるのか、
それとも中学生の時、あんな別れ方された龍を怨んでいるのか



自分でもあまり分からない。
正しい答えというのが見つからないのだった。






――






新入生代表の言葉。
まさかって思った、龍じゃないかな?って。





予想は的中してしまう。
こんなにもあいつを分かってしまうあたしってどうかしてる。






そんな幼い時の恋など絶対叶わないんだ、
叶わない…そう……叶わないんだよ。







期待に満ち溢れた高校生活が不安に満ちて行く。
怖さで…龍に次会ったらどうしようと言う意味で。








でも、あたしはこの答えを龍の口から直接聞きたかった。








“なんで…さよならしちゃったか”








それを聞きたいんだ。







120: 名前:杏☆02/19(土) 13:07:26

「おっ! イケメン発見!! 年下可愛いなぁ」
「どこが……?」
「えぇーかっこいいじゃん! あのことか!」
「え~あたし絶対無理」
「なんで!」
「性格悪そう」





指差したのが龍だったってのが驚いた。
なんで・・・・・?





龍なんかいなくなっちゃえばいい。
あたしの前から消えて。
そうすれば君への感情はなくなる。





そう思ってた。









「佐藤先輩いますか?」
「っへ?!」
「おい、来いよ」
「ちょ、ちょ…っと」





あたしを呼び出し、あたしが驚きのあまり行動にうつせなかったから、その男はあたしの腕を掴み資料室連れていこうとしているんだ、





「ちょ…はなし…って!」
「うるさい」
「……っ」





あたしの腕を引っ張ってるのは――.









龍だ。







――がっちゃん





「何でいんのよ…――」
「悪い?」





あの頃のようにドS……。
性格は変わんない。
でも身長はやっばいね。






あたし160センチ
龍180センチ以上はある。




「いつみても身長ちっちゃ」
「うっさい」





恥ずかしさのあまりに、顔を逸らしてしまう。









駄目だよ…この感情を再びわき起こさせないで。
また「好き」にさせないでよ――









121: 名前:杏☆02/19(土) 17:17:47
「別れを告げた人に何のよう?」
「ハハッそれいっちゃったら駄目だっつーの」
「え…」
「わかんねーの? 俺がお前に別れを告げたわけ」
「っは!? 何言って…」
「お前がすぐ泣くから、別れたんだけど」






嘘つけ。
そんな都合のいいわけねーっしょ。
あははっ




「嘘……だ」
「嘘じゃねーし」
「中学んときの、好きってのも嘘だっ!!」
「嘘じゃねー」





っていいつつ、おいおい!
何してんの龍!




「ちょ……っと! 何してんの!!?」
「もう別れないって誓う」
「っは!? 聞いてる事に答えてないよ!」
「だから、もう絶対離さねー…だから俺の傍に来いよ」






涙しか出てこないよ。
……どうしたらいいの?






「ねえ、涙出させてどーすんのよ」
「お前を泣かすためにやってんだけど?」








この昔の感情が戻った今。
もう戻れない。









122: 名前:杏☆02/19(土) 20:07:25
「好き……」
「……ん?」
「ごめん……なんかまた好きになっちゃったわ」
「なんで謝るんだよ」
「…龍に迷惑かけてる」
「かけてねーよ」




腕の中でそう優しく言ってくれた
年下ぢゃない…あの昔の龍だ。






懐かしい感情に満ち溢れた。






「ねえ……、さっき絶対離さないって言ったじゃん?」
「え・・・あー……うん」

「それホント」






なんか、こう高2年生とは思えない
行動してる気がする。
絶対甘えてる・・・あたし。





「まじじゃなかったらこんなことしてないっつってんじゃん」


「龍……」








堪え切れない涙。
その涙は喜びの涙…だったのだろう。







「なあ」
「ん・・・?」






「付き合って」
「…うん」








出会いは小6
別れは中2
再び出会いは高2







あたし達もう十分、長い道のりを歩いたよね?








「なんって呼べばいい?」
「っは!? 何今更!」
「コロッケがいい?」
「ふ、ふ、ふざけんなー! それだけ無理」
「じゃぁ…」
「じゃなによ!」
「彩花」







龍知ってた?
その時あたしがどれだけ嬉しかったか。
なけるくらい嬉しかったよ。















123: 名前:杏☆02/19(土) 20:21:08
「なぁー」
「ん?」
「…好きっ言って」
「言ったじゃんさっきー」
「いいから!」




もお!







「好きだよ」






ぎゃぁ!
恥ずかしいよ
絶対顔がめちゃくちゃ赤いよー







「乙女って感じだな、お前」
「うっさい! あんたもいいなさいよ!」





「好きって言ってよ!」
「あー…もおうるさいっ! 言われる前に言うっつーの」




嘘つけ。
馬鹿。






「好きだ」






唇に少しかさなっただけのキス。






「……じゃぁな彩花」
「……ちょっ」







おい、おい、おい!!!
あたし今何された!?






「ちょ…キスした?」
「してねーし」
「うそだっ」
「嘘じゃねえって。 まさかーされたい?」
「べ、べ、べべ、別にされたくないよ」
「どうしたの? 噛んじゃって」




に、に憎いよ~
年下に逆らえないあたし…。
情けない







「ん」
「!?」






またキス……。
き…す……キス!!?





「はい、欲しかったんだろ?」
「欲しくないってえー」
「じゃーな」
「……馬鹿」









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最終更新:2011年03月07日 18:32
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