萌えます。年下男子

1: 名前:HARU☆01/12(水) 17:54:55

「くるみちゃん!俺と付き合って下さい!」


今週に入って三人目の告白


でも、ごめんね

私の返事はいつも決まってるの


「私、年下しか興味ないから」



        • 萌えます。年下男子






2: 名前:HARU☆01/12(水) 18:03:20

身長150センチ、華奢な身体
色白に栗色のふわふわウェーブ
小動物のような愛らしい笑顔

…に、加えて「くるみ」という可愛い名前



「くるみ、また告白断ったの?」
「中村悪くないと思うよー?」

「二人共駄目だなあ。圏外でしょっ」



…入学したその日から圏外だと決まってるたくさんの男子達


理由はただ一つ



「中村くんは年下じゃないもんっ」



年下にしか魅力を感じないから


私、相沢くるみは"年下男子にしか萌えない"、のです






3: 名前:HARU☆01/12(水) 18:23:43

休憩時間、お菓子を食べながら雑談

私が高校二年生になって一週間が立つ



「くるみの年下病、治んないよねえ」
「可愛いのに恋愛の幅狭めてもったいない」



親友の二人がため息をつきながら話す

恋愛経験豊富な満里奈
クールで姐御肌の紀子

心配してくれてるようでそうでないような会話



「年下の魅力はたくさんあるのっ」
「へぇ、例えば?」



常に初々しい感じ
年上に対しての敬語
爽やかな笑顔

鼻高々に語るが二人は興味が全くなさそう



「年下ってガキっぽいじゃん?私は断然年上」
「くるみが子供っぽいのに彼氏も子供じゃあな」
「ま、満里奈っ!のり!」



同学年は対等すぎて素敵とも思わないし、年上は上目線で嫌

もうっ、二人共全然わかってないな!



「で、新一年生に好みの子はいたのか?」
「うんっ、とりあえずみんな萌える!」
「…あのなぁ」



のりは肘をガタッと落とす


もう新一年生なんて素敵です!

この一年どれだけ待ちわびたか!

よだれもんです!食べてしまいたい!




5: 名前:HARU☆01/12(水) 18:48:27

「あっ!」



窓の外から見えたのはまさにそう、新一年生!

窓ガラスに張りつくように食い見る



「はわわ~、美味しそう」
「まさか襲うわけじゃないでしょーね」



トローンとした顔のくるみを見て満里奈が不安げに言う



「オススメはいるのか?」


のりが顔を覗かせ、聞いてくる



「うんっ、あの一番右の男の子!北條奏太くん!」
「名前までリサーチ済みかい…」



北條奏太くん
一年五組 サッカー部
幼い笑顔と爽やかな雰囲気をした男の子

とにかく超タイプ!



「可愛いすぎる萌える~うっ。
 虐めたら泣くかなあ?それも良いよね~っ」
「こ、怖!」



満里奈が顔を歪める

あう…、よだれが出る
美味しそすぎる…


…よし!



「決めた!」
「何が?」

「今から告ってくる!」



「「……はぁあぁあ!?」」




7: 名前:HARU☆01/12(水) 19:07:37

「ちょっ、くるみ!何言ってんの!」
「本気か!?…そもそも相手はくるみを知っているのか!?」
「知らないよ?」



ケロッと答える

満里奈とのりは何やら必死だ



「だって早くしなくちゃとられちゃうかも。
 じゃ、いってきます!」



二人にVサインをし、キメるとダッシュで教室を出る



「くるみっ!」
「…えー、マジかよ…」



満里奈の声も届かず、のりは頭を抱える


足早に階段を降り、北條くんの所へ急ぐ

くるみのリズミカルに階段を降りる姿を見て、他の生徒はポヤーッとする


が、熱い視線など今のくるみには全く感じない



「あんな年下フェロモンだだ漏れの男の子を放っておけますか!」



逆から先回りをする

……ビンゴ!



「北條奏太くん!」



三人組の男の子が前から来た

その一番右が奏太くん



「え、俺っ?」



周りをキョロキョロして慌てながら自分を指差す

っか、可愛い~っ
ゾクゾクする~!



「奏太くん、私と付き合って下さい!」




12: 名前:HARU☆01/13(木) 16:29:35

私の顔、にやけてないかな?

ああ~、間近で見ると本当萌えるっ!



「えっ、あの…本気、ですか?」
「本気だよ?」



け、敬語萌え!

学年でネクタイの色が違うから私が先輩だってわかって意識してる

はう~っ、それにしても可愛い顔!



「あ、私二年三組の相沢くるみって言うの」
「ほ、北條奏太です」



知ってるよ知っているとも

奏太くん頬赤くなって…、食べちゃいたいー!



「この先輩可愛い…っ」
「小さ…!小動物みたい…」



他の二人が小声で話すがくるみは無関心

今は北條奏太にしか目がいっていない



「私と付き合ってくれたら嬉しいな?」



175センチある奏太をくるみは見上げながら子首を傾げる

もちろん本人は自覚なし



「えと、その…、じゃあ…

 よ、よろしくお願いします…」



赤らめた顔に恥ずかしそうなその声

いただきました!



「本当っ?よろしくね奏太くんっ」
「うわっ、先輩近い!」



嬉しさのあまり、腕に抱きついてしまった

も、萌え死にしそう…っ






13: 名前:HARU☆01/13(木) 16:53:00

「「はぁあぁあ!?」」


「だから、付き合うことになったのっ」



教室に戻ると満里奈とのりが迎えてくれたから報告したのに

二人共「なんで!?」「本当!?」ばっかり



「でねっ、今日一緒に帰るのっ」
「なんでOKするかな、一年生…」
「くるみの外見で断る奴はいないだろ」



二人共ため息交じり

いいの、私幸せだもん

あぁ…、想像しただけで萌える…



「くるみ!襲ったりしないのよ!」
「えー、大丈夫だよう」
「逆に襲われたりしてな」






「……の、のり!」
「え、あ、ごめん。冗談のつもりで…」
「くるみは中身こそ変態みたいだけど経験はないんだから!
 そんな冗談言わないの!本当になったらシャレになんない!」
「わ、わかったって。くるみも本気にしてないって!な?くるみ!」


「……いい」
「は?」



「そのシチュエーション…
 超萌えるーっ!」



「「えぇえぇええ!?」」



年下に襲われる!?
やばっ、妄想止まんない!

敬語で言葉攻めとかされるのかなっ?

「先輩、気持ちいい?」みたいなみたいな!

やーんっ!
好きにしてー、みたいな!

妄想が止まんないよーっ!






14: 名前:HARU☆01/13(木) 17:09:54

「あ、でも今日の下着で大丈夫かな?」
「く、くるみ!」



ブラウスの襟の隙間から下着の色を確認する

クラスの男子があんぐりした顔でくるみを凝視する



「ちょっ、胸元広げすぎ!」
「ピンクだった!」



男子が「ピンク?」「ピンクだって…」とおどおどする

満里奈は急いでくるみのブラウスのボタンを閉める

のりはもうかける言葉もないようだ



「くるみ、いい?段階を踏みなさい」
「段階?」
「そう。決して先走らないこと!」



それってまず手を繋いで…、とか?

よくわかんない

私は満里奈みたいに恋愛経験ないし


あ、萌えたことはたくさんあるけど


知識だけじゃ上手くやってけないのかな



「…はあ、心配」
「なるようにしかならないだろ」
「のりは心配じゃないの?」
「心配っていうより…、不安」
「あぁ、なるほど」



私は奏太くんが「自慢できる彼女」になりたいな




19: 名前:HARU☆01/13(木) 21:07:41

「くるみちゃん!付き合って下さい!」



放課後、奏太くんと帰るために門に向かおうとしていたら
隣?(曖昧)のクラスの男の子に、堂々とみんなの前で告白された


こんな人通りの多いとこで…、
みんなに見られるのは恥ずかしいよ

奏太くんの所に早く行きたいのに



「ごめんなさい。私、…彼氏いるから」

「え」



男の子の動きと同時に周囲の動きも止まった


え、彼氏?
聞き間違いじゃない?
くるみちゃん年下しか興味ないじゃん
…年下?



「彼氏は…っと、年下とか…?」
「え、うん。そーだよ?」


*1)



周りの騒めきが大きくなった


本当に彼氏!?
いつの間に、てか年下!?
この学校の一年!?
くるみちゃん等々彼氏持ち!?



「じゃあ、私行くから。またね」



もうっ、周りうるさい!

私が誰と付き合おうがいーじゃん

みんな年下の魅力わかってないんだっ


足早に周囲の声の中を進む

靴に履き替えて門に向かうと既に奏太くんがいた


はう~っ、きゅんきゅんっ






20: 名前:HARU☆01/13(木) 21:18:50

門の横の壁にもたれかかり、ブレザーのポケットに手を突っ込んでいる

可愛い且、綺麗な顔


や、やば…、顔がにやける



「…あ、くるみ先輩」



きゅんっ
くるみ先輩、だって!


奏太くんが私に気付き、控えめに手を振る


もっ、萌える悶える!



「奏太くんっ」
「ちっ、近い!先輩!」



無意識に奏太くんの腕にまた抱きついてしまう

男の子の腕だなあ


下校中の他生徒がジロジロ見る


ここでも「くるみちゃんの彼氏?」とかいう声がパラパラ散る

当の本人は全く無関心



「えへへ、お待たせ」
「とりあえず…、離れて下さい…」



奏太くんは振り払おうとはしない

ただほんのり頬を染めているだけ


萌えます!奏太くん!
食べちゃいたいくらいに!




23: 名前:HARU☆01/14(金) 17:46:56

隣に並んで歩く

お店のガラスに移る私と奏太くん

し、身長差…、萌え~っ!



「くるみ先輩?」
「え、あ、何?」
「その…、何で俺なんですか?」



奏太くんは正面を向いたまま恥ずかしげに聞く

何でって…



「萌えたからっ」
「…も、もえ?、?」
「うんっ」



奏太くんの顔は?マークのようだ

ん?私間違ってないよね?



「一番萌えたし、タイプだったから、かな?」
「?、…はあ」

「奏太くんは?」
「え」
「何でOKしてくれたの?」



奏太くんの服の裾をツンツンと引っ張り、顔を覗き込む

すると少しこちらに向けていた顔をパッと反対方向に向ける


が、がーんっ!



「ななななんでこっち向かないのっ?
 私なんか気に触ることしちゃったっ?奏太く「そういうとこっ…!」



奏太くんが声を少しあげた

びっくりしたあ…、
な、なんだ…?



「…か、可愛いって…思ったから、です…」






ず、ず、ず、
ずっきゅーんっ!!


いっ今心臓がハートマークになっちゃったよ!

よだれも出そうだよ!
え、何その萌え発言!


そらしている顔はよく見えないけど耳は赤い

かっ可愛すぎる~っ
噛み付きたいっ!




25: 名前:HARU☆01/14(金) 18:02:30

真っ赤で美味しそうな耳に手を伸ばす



「なっ、何やってんですか!」
「ちょっ、耳!触らして!」
「な、何でですか!」



顔を赤らめながら少し抵抗する奏太くんが可愛くて…っ

爪先立ちで手を「んーっ」と伸ばす

と、グラッと身体が前に倒れそうになる


するとポスッ…、と柔らかく小さな音がし身体ごと奏太くんに支えられた



「だ、大丈夫ですか?」
「萌えるーっ!」
「うわぁっ!せ、先輩!」



大きい身体に抱き留められMAX興奮!

そのままギューッと抱きつく


道行く人は「なんだなんだ」「バカップルか」とぼやく


うわぁー、奏太くん男の子の身体だあ

温かいし骨々してるしいい匂いがする

吐血しそう(笑)



「…おっ、怒りますよ!」
「怒るのっ?今ここでめちゃくちゃにするよ!とかっ?」
「!!?」



あら?
奏太くんまた赤くなった

ん?変な発言した?



「…も、もういいです」
「怒んないの?」
「怒るって何かわからなくなりました…」



奏太くんは頭に手をあて、悩ましそうにした


???
私何か奏太くんの顔が赤くなるようなこと言ったかなあ




27: 名前:HARU☆01/14(金) 18:28:13

「…他の男の人の前ではそういうこと言わないで下さいね」
「そういうことって?」
「…俺の前で言ってるようなこと、です」



ん?
よくわかんない

なんで奏太くん困った顔してるの?



「はぁ…、ストレートすぎるのも困る」
「え?何か言った?」
「いいえ、何も」



奏太くんが小声で何か言ったようだけど聞き取れなかった


もしかして私…、うざがられてる!?

よくわかんないけど奏太くん悩ましげだし…っ

"いい彼女"になれてない!?



「かっ、奏太くん…っ」
「はい?…って、何で泣いて…!?」
「ごめんなさいー…っ、いい彼女できなくてー…っぐす」
「は、はあっ?」



考えたら悲しくて涙が出てきた

こんなの余計困らせるのに…っ



「いい彼女って…、まだ今日知ったばっかりですよ?」
「でっ、でも…「でもじゃありません」



奏太くんは服の裾で涙を拾ってくれる

や、優しい~、萌える~っ



「それに別に嫌じゃありません、先輩のペースに巻き込まれるのは」
「本当…?だって私面倒くさい子だよお…?」
「あははっ、先輩俺より子供みたい」



どきん、

奏太くんの笑った顔に一瞬涙が引っ込んだ



「俺だって男なんです。…ね?」



ちょっと困ったように笑う

でも本当に困っているわけではなさそうに見えた



「…ぐすっ、…わかってるよ?」
「本当にわかって言ってたとしたらどうなっても知りません、よっ」
「う、」



軽くデコピンをされた

そしておでこを優しく撫でてまた笑った


萌えすぎて死んじゃいそうです。






28: 名前:HARU☆01/14(金) 22:40:33

それから奏太くんは家まで送ってくれた

「家寄ってく?」って言ったら
「軽々しく男の人にそんなこと言っちゃ駄目ですよ」って


妄想の恋愛と現実の恋愛はどこか違って難しい


奏太くんは歩く速さを合わせてくれたり、
さりげなく車道側に行ってくれたり優しくて

私はますます好きになった



「本当萌えまくり~っ」



「…そりゃよかったね」



昨日の報告を満里奈とのりにしたら若干うざがられた

二人共今は彼氏いないからそう思うのかな?



「にしても、北條くんの方が意外にも大人だったねえ」
「くるみの暴走にのっかるような人じゃなさそうで安心」
「私暴走なんてしてないよ?」



二人は顔を見合わせてため息



「抱きつくとか積極的すぎ。しかも爆弾発言も」
「だって奏太くんになら何されてもいーもん」

「何って…、経験ないから簡単に発言するんでしょ。
 いくら年下って言っても男なんだよ?北條くんは。
 くるみなんてガーッて食べられちゃうんだよ?」

「いいよう。私の体は奏太くんのものだからー」



何か問題あるの?
それとも知識だけじゃ対応できない?


『くるみ先輩、痛くしませんから』



…っぐはぁ!
鼻血もんだ!萌え死にしちゃうっ!



「満里奈、言うだけ今のくるみには伝わんないよ」
「のり…」
「なるようにしかならないだろ」



好きだから何をされてもいい、何をされても嬉しい

そう思うのはごく自然なことじゃないの?


恋愛って難しい






29: 名前:HARU☆01/15(土) 19:04:56

「奏太!」
「なに?中杉」



朝学校に着き教室に入ると、高校に入ってから友達になった中杉 達也

が、なんだか焦った様子だった



「相沢くるみ先輩、超有名人らしいぞ!」
「え」



顔が自然と赤くなる

昨日の先輩の発言や行動を思い出すだけで体温が上がる

本当…、あんな積極的且無自覚な人出会ったことないよ…



「なんか二年も三年も相沢先輩に好意があるらしく
 週単位で告白とかされてるくらい超モテる人らしい!」
「…ま、まじ?」



そりゃあの外見だから好く人は多いと思ったけど、…予想以上だ

じゃあ、もしかして彼氏とか死ぬほどいたんじゃないのか…?



「あ、でも告った人は全員玉砕らしいけどなー」
「えっ?」


…あ、ちょっとホッとしてしまった



「超有名なのは外見とか告白の数だけじゃないみたいだぜ」
「な、なに…?」



「年下キラー、らしい」



……え



「なんでも年下以外は理由なくフるらしいよ?」



……なにそれ



「奏太年下でラッキーだったなっ!
 年下じゃなきゃ眼中にすらなかったんだぜっ?」



先輩の「好き」は俺自身じゃなくて


「年下」への好きだったんですか?




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最終更新:2011年05月04日 05:27
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*1 (えぇえぇええ!!?