萌えます。年下男子 続き20

83: 名前:HARU☆04/02(土) 14:46:38

首筋に奏太くんの髪の毛があたり、くすぐったい

そんなことよりもこの状態、沈黙

私には自分の心臓の音しか聞こえない

触れる身体が熱い



「か、なたくん…!寝てなくちゃ…っ、ね?」
「ん……」



返事はするもそんな気配は全くない奏太くん

後ろから抱き締めたまま、私の肩に顔を埋める

ぴくっと身体が反応する



「…怖い?」
「へ?」
「や…。…やっぱ何でもない」



そう言うとぎゅう…っと少しだけ抱き締める力が強くなる

"怖い?"…って聞いた、よね



「あの…怖い、って……」
「…だって先輩、触れるといつもびくびくしてる気がするから…。
俺のことそんな好きじゃないのかな…とか、触られんの嫌なのかなとか……」
「ち、違う!」



弱々しい奏太くんの声を聞き、くるっと振り返る

下を向いて俯いてる奏太くんの頬に手をあて、ゆっくりと起こすと
風邪の影響で弱っているせいなのか、すごく寂しそうな顔に見えた


違う、怖いとかそうじゃなくて…



「ど、きどきしちゃうから…どうしていいかわかんなくて…っ。
奏太くんに触られるの嫌じゃない…、むしろ…す、好きってゆうか…っ」



言いながらだんだん恥ずかしくなって顔が見れなくなる

どっちが熱があるのかわからなくなるほど、私熱い




85: 名前:HARU☆04/02(土) 15:08:49

私がだんだん口籠もっていくと奏太くんが自分の頬をパチン!と叩く



「か、奏太くんっ?」



いきなりでびっくりして赤み掛かった奏太くんの頬に
触れようとすると、遮るようにその手をぎゅっと掴まれた



「な、何?」
「…俺、我慢する」
「へ?」
「先輩に触んの我慢する。…今のは、その気合い」



そう言うと手を離して「ごめんね」と私に笑った

い、意味わかんない……



「……一方的で困らせてるだけだしね」



誰もそんなこと言ってないのに何で勝手に決めんの

何で勝手に自己解決すんの



「ぶっ!……痛ぇ」



傍にあった枕を奏太くんの顔に投げつけた

タオルも服も続けて無言で投げる



「ちょ…っ、くるみ先輩っ?」



病人にこんなことしてる私をひどいとか言えばいいよ

でも…、胸が痛い

ムカつく気持ちと悲しい気持ち



「くるみ先輩……?」



きっと今、眉間にしわ寄せて泣きそうな顔してる

可愛くない女






86: 名前:HARU☆04/02(土) 15:40:22

「嫌い……っ」



出た言葉がそれだった



「そうやって勝手に私の気持ちまで決めちゃう奏太くん…、嫌い……っ」



溢れそうな涙を抑えて、きっ、と奏太くんを睨む

言葉に迷っている表情をしている



「一方的じゃないもん、触れられて嫌なわけないじゃん!
―――なんでっ、…そんなこと言うの…!勝手すぎるよ…っ」
「で、も」
「でもじゃない!」



がらにもなく怒る私に戸惑ってる

私だって怒りたくないし困らせたくないもん



「奏太くんは余裕かもしんないけど私はわかんないの!
いつもいっぱいいっぱいなのに奏太くんは平気なふりしちゃって…!」
「だっ、誰が平気だって言いました!?そっちこそ勝手に決めつけてるじゃん!」
「決めつけてないよ!見た感じでわかんの!」
「じゃあ俺のこと全然わかってないね!もう一回一からやり直しして下さい!」
「んな……っ!」



いつの間にか言い合いに変わってしまっていた

奏太くんが言い返すから…っ



「先輩が困ってると思ったから大人しくしてんのになんでわかんないの!」
「こ、困ってない!もっと好きにすればいいじゃん!」



そう言うと奏太くんが急にむせる

な、何か変なこと言った…?



「熱上がる…っ、てか頭くらくらするからタイム」
「あ、う……、ごめん…なさい」



少しだけ自分の熱が冷める

病人相手に何やってんだ私



「だ、だから困ってもないし嫌とも思ってないから…。
私に触れるの我慢するとかやめる、とか言わないでよ…」
「嫌だ、この人もー……」



奏太くんは自分の顔を両手で覆う

その手に触れて、ゆっくりとどける



「私にしか…、触れちゃ嫌だよ…」



頬にキスを落とす






87: 名前:HARU☆04/02(土) 16:04:23

「は……?」



そっと唇を離すと奏太くんが声を漏らした

さすがに自分から口には出来ないってゆうか…

目が合うと急に恥ずかしくなってきた



「つ、つまり…今まで通りでいて下さい…て、こと」


奏太くんにそう伝えると、今度は真正面からぎゅっと抱き締められる

あ…、どきどきいってる

奏太くんの音も、私と同じ……



「か、奏太くん?」
「我慢、したいんだけど限界、です」



身体が離れると唇が重なる

心臓が壊れそうになるほど苦しくて愛しい深い口づけ

初めから奏太くんしか知らない

これからも奏太くんだけでいい



「ひゃ……っ」



服の中に伸びてきた手に身体が反応して声を漏らしてしまう

唇が離れて奏太くんと目が合うと「駄目?」と甘い声で尋ねられる



「でも…っ、奏太くん熱…」
「そしたらまた看病してもらう」
「……は、い」



ぎこちない返事をするとこつんと額をあてて
ちゅ、とリップ音をわざとさせるキスをくれた

奏太くんの男の子の手が私に触れていく


二度目の行為は初めてよりも、触れ合った身体が熱く感じた




91: 名前:HARU☆04/02(土) 19:42:52




「…んぅ………」



ゆっくり目が覚め、もぞもぞと身体を起こす

髪の毛を触るとポニーテールは崩れていて
結んでいたゴムを探すとベッドの上に落ちていた

奏太くんは隣で寝息をたててまだ眠っている

額を触るとまだ熱かった


するとガチャ、と下で玄関の扉の鍵が外れる音がした

だ、誰か帰ってきた…っ?

慌てて乱れた服装を直し、階段を降りる



「あ、くるみ」
「わ、八尋さんっ。おかえりなさいっ」
「夫婦みたいじゃない?」
「違います」



靴を脱ぎながらそんなやり取り

夫婦みたいってのりに失礼だよ、もう



「早かったですね」
「そう?もう6時だしそんなもんじゃない?」
「え…っ、あ」



確かに時計を見ると6時すぎだった

それどころじゃなくてわかんなかった…



「髪ぐしゃぐしゃだけど寝てたの?」
「あ、わ…っ」



焦って手ぐしで直す

すると八尋さんがじーっと私を見る

な、なんだ…?






92: 名前:HARU☆04/02(土) 19:59:43

「な、なんですか…?」
「"寝てた"ことに間違いはなさそうだね」



クスッと笑うと私の頭をぽんと叩き、



「ボタン、掛け間違えてる」



と言い、リビングに入っていった



「………っ、」



さっき焦ってシャツのボタンを留めたから完全に掛け間違えていた

は、恥ずかしい!ていうか八尋さん絶対わかってた!

一気に体温が上昇する

あぁー…、駄目な奴だな私

階段を上がり部屋に入ると奏太くんも身体を起こしていた



「あ…、だ、大丈夫?」
「……ん」



そう奏太くんは返事をすると無言で両手を広げる

お、おいで…ってこと、かな

一歩一歩足を進めてゆっくりと腕の中に収まる



「あ、あのねっ。八尋さんがもう帰って来てて…」
「ネックレス」
「へ?」
「してくれてたんだ…。あと指輪も…」



顔は見えないけど、伝わる言葉が優しい

喜んでくれてるの、かな



「俺のもんだー…って感じた。…すっごく嬉しい」



その言葉に胸の奥が熱くなる




95: 名前:HARU☆04/02(土) 22:39:22

心臓爆発しそうです



「や、八尋さん下にいるから…」
「帰るの?」



帰るの?…ってそんな可愛い問いかけ反則です

帰りたいわけじゃないけどこれ以上いたらあれかなー…と



「私いたら奏太くん休まないじゃん」
「……確かに」
「ほらぁっ、まだ熱だってあるんだし部活も頑張んなきゃだし。ね?」



渋々かのように身体を離すと、少し拗ねた顔



「ちゃんと電話もメールもする。あ、会いたいって言ったらすぐ行く…っ」
「先輩は言ってくれないの?」



うっ…、またその尋ね方…っ

可愛すぎるんだよ馬鹿



「わ、私からは言わない。奏太くん部活で忙しいし、言ったら無理するし…」
「何それ。ずるい、卑怯」



私の頬をびろーっと両手で引っ張る

子供だ、この人



「い、痛いって!もー…。

………だって私は毎日会いたい、もん」



目を丸くして少し驚いた様子の奏太くん

頬を赤く染めて俯き、急にぎゅっと再び抱き締められた



「ありがと、大好き」
「わ、たしも…です」



風邪のせいか、関係ないかはわからないけど
昨日今日の奏太くんはいつもより素直で更に萌え男子でした






96: 名前:HARU☆04/02(土) 23:12:27

階段を下りてリビングにいる八尋さんの所に行く



「お、くるみ帰んの?」
「はい。まだ熱はあるみたいなんでよろしくお願いします」
「ははっ、妻みたい」



そう八尋さんに言われて顔が緩みそうになる



「よくあんな奴の彼女やってられるね。わがまま極まりなくない?」
「わがままなのは私も一緒ですから」
「器でっかいなー」



ははっ、と八尋さんはまた笑う

器なんてでかくないです、同じくらいわがままです

でも好きなんです



「ま、あんな奴扱えんのくるみくらいじゃない?見捨てないでやってよ」
「…お兄さんみたい」
「一応あいつより早く生まれてっからね」



素直に、奏太くんを托された気がした

八尋さんに、奏太くんのお兄さんに

純粋に嬉しかったりします



「気をつけて帰りなね」
「はいっ。おじゃましましたっ」



ぺこっと頭を下げて、北條家から帰宅する

妙に帰り道は気分が良かった




101: 名前:HARU☆04/03(日) 18:41:39

8月に入り、夏の暑さも増してきた上旬

只今のりと喫茶店



「まじ気の毒だわ、奏太くん」
「えっ」



アイスティーを飲みながらのりが無表情で言う

パーマのかかった長い髪を耳にかけながらため息も一つ



「あんたらあれから1回もしてなかったの?
てゆうか奏太くん男なんだから、普通にヤりたい盛りでしょ」
「ちょ…!恥ずかしいこと言わないでよっ」



さらっと私にとってギリギリの発言をするのりに焦ってしまう

ヤ、ヤりたい盛りとか…!



「奏太くんを褒めてあげたいね。くるみはもっと心許すべきだ」
「ゆ、許してるもんっ。ただ緊張ー…ってゆうか…、その……」
「いちいち確認や許可とかいらないから、雰囲気や流れでいけって」



あまりにも普通にのりがそう言うからそうなのかな、とか思うけど…

のりは八尋さんが初めての彼氏じゃないけど
私は奏太くんが初めての彼氏なわけだし…、んー…



「ま、くるみ達はくるみ達のペースでいんじゃない?
こればっかりは私がとやかく言えるもんじゃないしね」
「…が、頑張るっ」



さすがのり、恋愛に関してもサバサバしてる

そもそものりと恋愛の話ができるなんて
奏太くんと出会うまで思ってもみなかったなあ…



「のりは八尋さんがその…、誘ってきたら…っ」
「全力で蹴飛ばす」



…あぁ、と妙に納得してしまった

「気分じゃない時はね」と笑いながら付け加えてきたけど
なんだか八尋さんにほんの少しだけ同情をしてしまった






102: 名前:HARU☆04/03(日) 19:01:27

携帯がバイブ音を鳴らす



「くるみじゃない?」
「うん、千穂ちゃんだ」



隣のクラスでサッカー部のマネージャー高坂千穂ちゃん

ショートボブの元気な女の子で、…八尾くんの幼なじみ?だっけ?

仲が良いって言ったらそうだけど、連絡くれるなんて初めてだ

電話なので通話ボタンを押す



「もしもし千穂ちゃん?今部活中じゃ」
『もうくるみしかいない!』
「はいっ?」



急に意気込んだ声が携帯の向こう側で聞こえる

わ、私しかいない?ん?



「ち、千穂ちゃん?」
『来週から一週間暇!?』
「暇っていうか…」
『暇だよね!暇って言って!』
「ひっ、暇!」



あ、勢いで暇って言っちゃった

確かにバイトとかしてないから暇って言えば暇だけども…

あ、課題はまだ残ってた



『ありがとーっ!愛してる!あ、もうすぐ
午後練始まるからまた連絡する!じゃねっ』
「あ、うんっ。……切れた」



ツーツーと切れた後に鳴る音を聴きながら頭には?マーク

な、なんだったんだ?






103: 名前:HARU☆04/03(日) 19:43:37

「何だったの、用件」
「わ、かんない…」



のりも頭に同じく?マーク



「よくわかんないけどまた連絡するって言われた」
「ふーん。まぁ、何か手伝えることだったら協力するわ」
「ん、ありがと」



そのまま続けてお茶をし、街で買い物をして夕方に帰宅した


夕飯も食べ終わってすっかり夜になり、千穂ちゃんの電話のことなんて
すっかり忘れていた頃に携帯がまたバイブ音を鳴らしたので着信画面を開く

すぐに通話ボタンを押し、「もしもし?」と話す



『あ、くるみ?お昼はいきなりごめんねー』



陽気な声が聞こえる



『くるみって確か一年の北條くんの彼女だよね?』
「う、うん」
『北條くんの部活姿ずっと見たくないっ?それも泊まり込みでっ』
「え?あのっ、千穂ちゃん?話がよく見えないんだけど…っ」

『…単刀直入に言うとね、


サッカー部の合宿に参加して!』



―――…んんん?






104: 名前:HARU☆04/03(日) 19:59:27

急すぎてよく状況理解ができない



『キツさに耐えらんなくなって一年のマネが二人ともやめちゃったの。
でも来週から合宿始まるし私一人じゃ正直キツいってゆうかさあ。
や、他もあたったんだよ?でもみんな暑い中合宿の手伝いは嫌って言うし』



携帯の向こうで千穂ちゃんがぺらぺら話を一方的に続ける

確かに来週から合宿だって奏太くんも言ってたけど…



『三年も引退しちゃったからマネ今私一人だし、心細いってゆうか。
ねっ、くるみお願いします!北條くんの部活姿生で見れる特典付き!』



その言葉に胸がきゅーんとなる

奏太くんの部活生姿…、ずっと一緒、泊まり込み…

良い条件だけがエンドレスされる



『お願いくるみーっ!』



必死に頼む声が聞こえる

うん…、なんかやばい、いいかも……



「手伝う!合宿参加します!」
『きゃーっ!ありがとくるみ!愛してる!大好き!』



顔がにやけそう

奏太くんと一緒にいれて特典付きなんて美味しすぎる!



「あっ、奏太くんには内緒にしててねっ。絶対拒否られるからっ」
『了解!また詳しいこと決まったら連絡するねっ』



そう言って通話を終了した

携帯をぎゅっと握り締めたまま、どきどきする胸にあてる

雑用手伝いとはいえ、奏太くんと毎日一緒にいられるんだ…っ

楽しみのどきどきが収まらない




110: 名前:HARU☆04/05(火) 00:05:15




月曜日、合宿当日

部員より先に荷物を持って学校に行き、ラフなジャージに着替える



「奏太くんに内緒にしてんの?」
「うんっ」



千穂ちゃんの話をのりにしたら「暇だし手伝うよ」と協力してくれた

私、のり、千穂ちゃんの三人でマネの仕事に取り組むことになったのだ



「紀子のことは部員にも言ったけど、くるみのことは本当に伝えてないよ?」
「いーのっ」



千穂ちゃんの質問にも上機嫌な私

早く奏太くんに会いたいなあ


校内にある宿泊棟の一室に荷物を置き、準備完了

そろそろサッカー部が来る時間になっていた為、夏休みの校内が賑わう

宿泊棟の三階が私達のいる場所

二階が部員の使う場所

一階が食事や入浴の場所だ

「じゃあ行こっか」という千穂ちゃんの言葉に従い、
階段を下りて行く



「え!相沢先輩!?」
「なんで相沢いんのっ?」
「倉重だけじゃなかったっけ!」
「うわっ、相沢くるみ先輩いるんだけど…っ」



くるみを見た一年、二年は口々に驚き、声を漏らす

とりあえず手を振り、にこっと笑うくるみ

みんなの驚く顔がほんの少し楽しいと感じる






111: 名前:HARU☆04/05(火) 00:17:09

「――――――…は?」



明らかに周りと違う声をあげた人物が一人



「あ、奏太くんっ」



サッカー部専用のジャージ姿をしてこっちを見ている

あぁ…、萌える

奏太くんは完全に理解ができない表情をしていた

奏太くんがのりの顔を見ると、のりは無言で頷く

これが現実です。とでも言うように



「私も今日から合宿のお手伝いしまーすっ」
「いやいやいやいや、なんで。帰りなさいって」
「やだ。千穂ちゃんのお手伝いするんだもんっ」
「…………」



はぁーっ、と長いため息をつく奏太くん

やられた、とでも言うように



「最近妙に機嫌が良いと思ったら……」
「どう?びっくりした?嬉しい?」
「…びっくりした」



嬉しいについての感想はなしですか

気付くと周りが私と奏太くんのやりとりを見学していた



「羨ましい…」
「奏太のためかよー」
「でもラッキー」
「合宿の癒しだな、これ」



別に私はみんなのために来たんじゃありません

奏太くんのためだもーん


怒濤の一週間、サッカー部合宿スタートです!




121: 名前:HARU☆04/06(水) 22:21:56

全体で合宿の挨拶と日程の流れを確認

基本的な伝達を終えるとすぐに練習開始

私とのりは千穂ちゃんと一緒にマネージャーの仕事をする

スポーツドリンクの補給、ユニフォームの確認、グランドに水撒き

その他にも雑用はたくさん

その上、この炎天下の中だ

正直……、



「きついー…」
「くるみが来たいって言ったんだろ」



バケツに水汲みに行った時に漏れた言葉

のりは思ったよりも平気そう

日焼けする、じりじり太陽が痛い、帰りたい

そんなマイナス思考ばかり持ち合わせてグランドに戻ると
部員は二色のゼッケンでチームに分かれて練習試合を行っていた



「きゃんっ、奏太くんっ」
「立ち直り早…」



サッカーをする奏太くんの姿を見て、ピンッと元気になる

呆れ顔をしたのりはため息をつく

あぁ…っ、かっこよすぎる…っ



「ありがとーっ、ベンチ座って休憩しといて」



ユニフォームの整理をしていた千穂ちゃんがそう言う

お言葉に甘えてよいしょと腰を下ろす

ただぽーっと奏太くんだけを目で追う

男の子らしい腕、足、普段は見せない部活姿

うん萌える、鼻血出そうだ




126: 名前:HARU☆04/07(木) 21:59:15

部長の号令で10分休憩に入る

暑い、が口癖のように部員達がベンチに戻る



「お疲れ様ですっ」



くるみは笑顔でドリンクとタオルを手渡す

まるでキュンッという効果音が聞こえるかのような部員の表情

でれでれしながら受け取る

「癒されるー」と口走る部員も多々



「ふぅっ」



それにしても暑いなあ…

頭上に手をあて、真似だけでも太陽の光を防ぐ

すると頭にぽすっとタオルが被せられた



「無理はしないで下さいね」
「奏太くん…」



奏太くんはドリンクを飲みながらそれだけ言うとベンチの方へ座りに行く

―――きゅんっ

反対してた割に優しい…っ

被せられたタオルを頬に寄せると顔が緩む

頑張ろう、と再び気合いを注入

単純だな、私



「いちゃつくな」



のりにぺしっと頭を叩かれる

それでも顔の緩みはなかなかとれない

私、奏太くんのこと大好きすぎるんだもん




129: 名前:HARU☆04/08(金) 22:17:52

「正直腑に落ちないんじゃない?」



休憩の合間に一年の部員の佐々木が笑いながら奏太に話しかける



「相沢先輩、本当はここにいてほしくないんでしょ?」
「…どういう意味」
「さあ?あぁいう意味じゃない?」



奏太が嫌そうに尋ねると佐々木は顎でくいっと部員の溜りを示す

そこにはくるみにでれでれしてる一年二年

奏太の表情が少しムッとなるのを見て佐々木が笑う



「彼女が極上に可愛い上に人当たりも良いと大変だね」
「別に…、もう慣れた」



ふいっと気にしていないように目をそらすが、顔は眉間にしわ

佐々木はタオルで首元の汗を拭きながらクスクスと笑う



「確かに可愛いからね、相沢先輩」
「別に…、顔を好きになったわけじゃないし」
「ほう。じゃあどこ?」
「…言うかあほ」



「残念」と佐々木は肩を下ろす

すると再び集合の声がかかり、練習を再開する

時刻は12時になるため、太陽の光はより一層痛く熱く降り注ぐ

その中、順調に1日目の合宿の内容を終え、
マネージャーは夕飯の支度に取りかかっていた




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最終更新:2011年07月16日 16:37
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