171: 名前:+椎名+☆2011/07/25(月) 19:21:35
リリスside
あなたは・・・
忘れたくても忘れられない
人生の中で一番嫌な記憶。
私の頭の中で雪奈ちゃんの言葉が何度も響く。
何であんな酷い殺し方を・・
私の目を見て!
途端に雪奈ちゃんの顔も浮かびあがってくる。
嫌だよ・・そんな目で見ないでよ・・・
同情する目で見ないでよ・・っ!
「うああぁぁぁぁーー!!」
私は大声で叫び、全てを破壊したかった。
そんな目で見てるだけで・・助けてくれないくせに。
私の気持ちなんてわからない。
誰の助けもいらない・・!
みんな苦しんで死ねばいいのよ・・!
172: 名前:+椎名+☆2011/07/25(月) 19:31:07
私は龍のことがほうっておけなかった。
唯一私が龍のたった一人の家族だもん。
それで私はね、何があったのか探っていたら手がかりを見つけたの。
「じゃあ姉ちゃん、行ってくる」
「うん、行ってらっしゃい・・」
たまたま学校もバイトも休みで家にいた土曜日の昼のこと・・
龍は出かけてくるってどこかに行ったの。
しかも毎週土曜日は必ず夜まで出かけてるらしいの。
だから私はあとをつけてみることにしたの。
それでわかったんだ・・・
龍が私に内緒でバイトしてるって・・・
173: 名前:+椎名+☆2011/07/25(月)
私が見つけたお店は[RIDE]っていうお店でね、
かなり危ない店だったみたいなの。
んで、丁度龍と多数の男の人が出てきて・・
一番体の大きな男が龍を一発殴ったの。
「・・・!」
私は思わず飛び出しそうになったの。
でも頑張ってこらえたわ・・
真実を知るために。
そもそも龍がバイトをする必要なんてなかった。
生活も私のバイト代で一応やっていけてたはず。
その考えと龍の考えは違ってたんだ・・・。
174: 名前:+椎名+☆2011/07/25(月) 19:50:12
とある男が龍に言ったの。
「なぁ、お前ねーちゃんの役にたちたいんだろ?」
「・・!」
そう、龍がバイトをしてた理由。
それはいつも支えている恩返し・・
つまり私の助けになりたいと思っていたようだった。
「・・はい」
龍は殴られた頬をおさえて返事をした。
「だったらもっと働けよ」
「評判わりぃんだよ。お前」
「すみません・・・」
龍は何度も何度も頭をさげる。
「ちっ、もういい。もどれ」
「はい・・っ」
龍は足早にその場を立ち去った。
どうしよう・・ちゃんと言ったほうがいいのかな?
お店をやめさせてくださいって・・・
その時、丁度話声が聞こえてきたんだ・・・
「おい、ここのルールわかってるよな?」
「あぁ、役立たずは・・・・・」
そこからはよく聞こえなかった。
「とりあえずクビだな。あいつ」
最後にはっきりと聞こえた言葉。
よかった・・バイトやめれるなんて・・・
- でもね、それはただの「偽りの言葉」だったんだ・・・
175: 名前:+椎名+☆2011/07/25(月) 20:05:26
次の日、
私はバイトを終え、いつものように家に帰った・・
「ただいまー。ごめんね、遅くなっ・・・」
私は目の前の光景に愕然とし、もっていた鞄を落とす。
私の目の前には・・・
血まみれで倒れていた龍。
何回か包丁で刺された跡があり、すでに息絶えていた。
「龍・・龍っ!」
私は血まみれの弟を抱えた。
「いやあああぁぁぁぁ!!」
* * * *
しばらくして警察が家に来た。
そう、事情徴収だ。
「蘭さん」
私は警察の人に手招きで呼ばれた。
「・・リビングのテーブルにこんな物が・・」
手渡されたのは一つの封筒。
その中にはお金と手紙が入っていた。
[dear 姉ちゃん
いつも生活支えてくれてありがとう。
実は内緒でバイトをしてました。
このお金で姉ちゃんの助けになればいいと思ってます。
僕の事は気にしないでね。
from 龍]
そう綺麗な字でかかれており、封筒には数百万入っていた。
「・・龍・・うぅっ・・」
私は涙をぽたぽたとこぼした。
しかし封筒にはもう一枚紙が入っていた。
[役立たずは消す]という紙が・・・
176: 名前:+椎名+☆2011/07/25(月) 20:20:18
あの人達が言ってた事と一致した。
私は必死に警察にこのことを伝えた。
でもだめだった。
昼のあいつらの店は蛻のからだったんだ。
結局犯人は見つかってないことにされてしまった・・
なんで・・・あんな奴らが警察なの?
そして2日後、龍の学校でお葬式が行われた。
もちろん私も行った。
龍のクラスメイトがしていた話が聞こえてきたの。
「なぁ、佐野(私達の苗字)って危ないバイトしてたんだろ?」
「あー、あのあざもそうでしょ?」
「俺見たぜ!怖いよなぁ」
「てゆーか自業自得なんじゃね?」
自業自得?
「ちょっとー・・そんなこと言わないでよ。
結構龍君かっこよくて狙ってたのにぃ」
事情もしらないのに・・!
「でも何か哀れよねぇ」
龍の事を貶すんじゃねぇよ!!
私の為に・・龍はっ!
龍のいない今、自殺しようと思ったけど
この際死ぬなら・・
あいつら全員殺してやるよ。
177: 名前:+椎名+☆2011/07/25(月) 20:39:31
私はその日、夜にもう一度あの店に行った。
凶器をもってね?
もちろん正面から行ったよ。
「いらっしゃいませ、申し訳ないですが閉店時間で・・」
「ねぇ、あなた達だよね?
弟を・・・龍を殺したの。私は龍の姉です」
龍という名前を聞いて男の人は少し微笑む。
「あぁ、あのできそこないのお姉さまですかー」
やや笑い気味に言う。
「ふざけんなよ・・」
どす・・っ
ぽた・・ぽた・・
私は男の腹を包丁で刺した。
何回も何回も。
そして死んだあとも・・
なーんだ、人殺すのって簡単で楽しいじゃん。
私は人を殺すことに快感を覚えた。
そして結局、その日で13人という人数を・・
その店にいた男達を全員殺してしまった・・
誰かわからないほど顔を潰して・・・ね。
181: 名前:+椎名+☆2011/07/26(火) 18:03:49
私はふと我にかえる。
気がつくと周りは死体の山・・・
血まみれで何度も刺した跡があり、顔はもう誰だかわからない。
これを・・私が一人で・・?
「ふふっ・・あははは!いい気味よ!地獄に落ちてもっと苦しめ!」
血を帯びた包丁を拾い、高らかに笑う。
なんだか・・龍を苦しめた奴が苦しむのは面白いのね・・
私はそう思った。
「・・今何時だろう?」
時計を見るとここに来たのは10時。
そして今は11時半。
結構遅いし帰ろう・・・
私は持ってきていた袋に包丁をしまい、店を出た。
さて・・と。
次は龍のクラスメイト・・いや、
龍の学校の奴ら全員・・よ。
知ってたくせに、助けてくれなかった。
哀れんで馬鹿にしていた。
そんな奴は生きる価値なんてないよ。
最終更新:2012年08月11日 06:08