7日間の醜いゲーム。 続き11

182: 名前:+椎名+☆2011/07/26(火) 18:13:23
「ただいま・・っと」




家に帰っても誰も出迎えてくれない。



いつもなら龍が迎えてくれるのに・・・








あいつらのせいで・・もう龍の声も・・姿も・・二度と見れない。


絶対許さない。




許さない。




許サナイ。






来世も・・そのずっと先も。





そう思っているとリビングから声が聞こえる。

私の声だ。




「グス・・龍、龍ぅ・・グス・・・・」



そう、これはテープだ。


これを近所にかすかに聞こえるくらいの音量でかけておいた。


もちろん何度もリピートさせて・・・




だってあいつらを殺したのは龍を殺された恨みと見られちゃって私を疑うだろうし。


近所で一日中泣いてるアリバイだよ。






私はまだ・・死ぬ訳にはいかない。

























    気に入らない奴らを殺すまではね。

183: 名前:+椎名+☆2011/07/26(火) 18:34:38
次の日、




予想通り私の下に真っ先に警察が来た。




こいつらの頭って小学生以下ね。



「佐野蘭さん、警察です」



私は少し悲しげな顔で警官を見た。


「・・はい、何でしょうか・・?」



警官が口にしたのはやはりあいつらの事だった。


「昨夜、RIDEと言う怪しい店で殺された男が13人見つかりました」


私は演技に拍車をかける。

不機嫌そうに答えた。


「・・・だから何ですか?」

「昨日の晩、何をしてたか聞きたい」



ほら、やっぱ私を疑ってる。


警察は人間の屑の塊だよ。



「・・は?それって私を疑ってるんですか?」



怒ったような素振りを見せ、挑発した。



「龍君を殺されて憎かったんだろ。
お前があの男達を殺したんだろ!」



    • こいつあったまきた。


調子に乗りすぎだろ。



「ちょっと!やめなさいよ!」



玄関でもめているのを見て近所の人が止める。



「蘭ちゃんは龍君を殺されて・・昨日夜遅くまでずっと泣いてたのよ。
弟を・・たった一人の家族を失った子を疑うなんて最低よ!」


「私も聞きました。龍君の名前を何度も呼びながら泣く声が」

「私もです」


近所の人が次々に嘘のアリバイを言う。

これで警察の人気もがた落ち・・信じてもらえないかもね。




「ちっ・・」



舌打ちをして警官はパトカーに乗り、どこかへと行ってしまった。




「あの、皆さんありがとうございます」






「いいのよ。蘭ちゃん・・気の毒だったわね」



やめて・・・



「困ったことがあったら言ってね?」



やめて・・!




「蘭ちゃんの力になるから・・」




そんな同情の目で私を見ないでよ!



同情なんてしないでよ!

184: 名前:+椎名+☆2011/07/26(火) 18:45:43
同情なんていらないの・・



誰も私の悲しみなんてわからないから・・





「しかし酷いわね、あの警官。警察のトップとは思えないわ」



トップ・・?


何それ。



どこがトップなの?










そうか。



あいつも殺せばいいんだ。



私は気がつけば気にいらない奴は殺して済ませようとしていた。





どうせなら苦しんでほしい。


極限までね。



その日、私はパソコンであいつのことを調べた。



パソコンはたまにバイトで使っていたが最近は使っていない。



「○○警察・・と」




検索すると○○警察のホームページが出てきた。


そこにはあの男の写真と名前がかいていた。




「山田哲自・・気に入らない名前。どうやって苦しんでもらおうかな」







そうだ、いいこと思いついたかも。



山田・・お前には死んでもらうから。

185: 名前:+椎名+☆2011/07/26(火) 18:59:11
その日私はいろいろ使えそうな道具をそろえた。



睡眠薬、ロープ・・・それにムチとか。





何するかって?








 私に従ってもらうの。





さてさて、目をつけてた奴に従うのってどんな気分かな?


さぞ屈辱でしょうね。




私はあいつが見回りする時を見計らって差し入れを用意する。



睡眠薬入りのね。





あいつはみまわりは一人でするらしいから都合いいのよね。



私の予想ならもうすぐ来るはず・・・






私はかつらをかぶり、靴で背丈を変えてさらに服も着替えた。

男の変装。



靴見られたらばれるけど夜だしだいじょーぶでしょ。



    • と思っているうちに来た!




私は山田が運転しているパトカーに手を振る。



「はい?何ですか?」



良い子ぶっても、正体は知ってるのよ?



「あの、タクシーと間違えました・・」



「・・そうですか」



少し切れ気味に言う山田。



何きれてんの・・



今すぐ殺してもいいのよ?

186: 名前:+椎名+☆2011/07/26(火) 19:18:55
「では、失礼します」



は?





もう行くの?


予想よりはやい・・仕方ない!



「あの!」

「!!」


私は声を高くした。



「・・女の方でしたか」

「男にみえますか・・すみません」


「あ、いいえ。あの、よろしければお送りしますよ」


女には優しいのね。

くだらない奴。



「いいのですか?」

「はい」




まぁいいわ。

乗り込めたし。




私は予定通りすすめた。



「あの、もしよろしければケーキをお礼に」

「いえいえ。おかまいなく」


いや、無理やりにでも食べさせる!

こうなれば恥ずかしいけど。



「いえ、どうぞ」


「・・!で、では・・」



無理やり口元に持っていく。

ちっ・・これもこいつを殺す・・いや、苦しめるため。


仕方ない。




「どうですか?」

「美味しいです」



山田は上機嫌。


笑った顔は気持ち悪い。




しばらくすると睡眠薬が効いてきたのか、眠そうにする。



「・・あら、うとうとしてますよ?車を止めてお休みになられては?
よければ私が運転しますよ」


「いえいえ・・・それは・・」




と、言ってる途中で眠ってしまった。



私が指定した場所は近くの空き地。


ここから家に運んで・・・






ここからはお楽しみ・・ね?

187: 名前:+椎名+☆2011/07/26(火) 19:27:49
私は車のエンジンを止めた。



まぁ適当に押したらとまっただけだけどね。




私は山田を私の家まで引っ張る。




重たい・・食いすぎだろ。



私は家に着くと口にガムテープをはる。


さらに山田の持ち物を取り上げて手錠をかける。



足は・・ロープで縛っておくか。




え?こいつはまだ殺さないよ?













こいつには龍の学校の奴らを殺すのを手伝わせるから。





で、私はこいつに殺されるの。







警察が罪もない人を撃ったとなればどうなるかな?








人生はどん底から始まるでしょうね。





あー楽しみ!



192: 名前:+椎名+☆2011/07/30(土) 15:20:57
「うぅ・・」



暗い私の家の中で山田が目を覚ます。




「オハヨウゴザイマス、山田さん?」

「うぅんーーっ!んーっ!」

ガムテープを貼っているのでうまく喋れてなかった。



私はかまわず話を続ける。


「聞いて?私ね、あなたが憎いの。龍を侮辱したあなたが。
だから殺そうと思うの」

「・・!」



山田は殺すと聞くと汗を流し、目を見開いて恐怖の色がうかぶ。


「でも、もし私の言うこと聞いてくれるなら開放してあげる。
あ、大声をだして逃げ出そうとしたり私のいないとこでいらないことしたら殺す」



私は山田の取り上げた銃をちらつかせる。

山田は必死に首を縦に振る。



「素直でいい子ですね、山田さん。ほら、ガムテープはずしてさしあげます。
おびえないでくださいよ」


私はガムテープをはずした。
そしてもう片方の手には銃をかまえていた。


「--っ!」

「・・山田、あんたには命令するまでここにいてもらうから」


私が案内したのはひとつの部屋。

外から鍵をかけるタイプの部屋。
以前は倉庫としていろんなものを入れてたが最近片付けをして物を結構捨ててしまった。

ここなら十分でしょ。



さてと、ここからがお楽しみよ。

193: 名前:+椎名+☆2011/07/30(土) 15:47:39
まずは・・手始めに万引きでもさせようかな。



いきなり殺す手伝いさせてもし従わなかったら。
そのことも考えないとね。


だからテストしないと。



「山田」

「はいっ!」


私は勢いよく扉を開ける。


おびえすぎ・・敬語になってるし。



「あんた、今からコンビニ行って万引きしなさい」

「えっ?」




刑事が万引き・・・なんてどんなに屈辱かな?


「わかった?」

「・・・はい」





私はさきほどのパトカーに乗る。


5分ほどでコンビニに着いた。



「じゃあペットボトル。あんたとあたしの分盗んで来なさい。
まぁ警察が万引きするとは思えないからだいじょうぶだと思うけど」



私は微笑むと耳元でささやいた。








「失敗して見つかったら・・顔は知れてるから一発でわかるよ?
多分クビかも・・いや、人に信用されないかも」



そうささやくとびくっと反応し、また首を縦に振る。


「よし、じゃあ適当になんか買ってついでに盗みなさい」


「はい」




山田は車から降りるとコンビニに走って行く。




私はその様子をパトカーの中からじっと見ていた。

194: 名前:+椎名+☆2011/07/30(土) 16:02:13
山田side












くそ・・なんで俺がこんなことを・・・



全部あの・・佐野姉のせいだ!





なぜあんなガキに従わないといけないんだ・・・


俺は警察トップだぞ・・!?



でも今はあいつの飼い犬。

従わなければ・・殺される。



でも生きていればいつでも殺す機会はある。


だから開放された時、佐野姉を・・殺してやる。




今は我慢して言うことを聞くか。

たかがこんな事で済みそうだしな。
やはり考えることはガキか。



俺はコンビニに入る。


「いらっしゃいま・・あ、山田さん。お疲れ様です」




店員が言う。


まぁ俺の顔は知れ渡っているだろう。
俺はとりあえず愛想笑いをする。




そうだな・・おにぎりでも買っていくか。


俺はおにぎりを6つ取る。



いよいよ本題。



俺は後ろの飲み物のところに行く。

あいつのは炭酸のソーダでいいか。
俺はソーダを取り、ビールを取った。



俺はカメラのないところへ行き、鞄に入れる。




あいつも言っていたが・・もしばれたら・・・・






「お仕事お疲れ様です。675円です」


「あぁ・・」



俺は千円を渡し、おつりの325円を財布にしまう。


ばれてないだろうか・・・



「ありがとうございました」



ほっとして急いでコンビニを出ようとした。





「あっ・・山田さん」







店員に呼び止められ、びくっと立ち止まる。












「お仕事頑張ってください」




何だ・・ばれてないか・・・・




「あぁ、ありがとう」




また愛想笑いをすると足早にその場を立ち去った。

195: 名前:+椎名+☆2011/07/30(土) 16:07:43
リリスside











しばらく待っていると山田がコンビニから出てくる。



「お疲れさん」


「盗んで・・来ました」



山田は鞄から飲み物を取り出す。





「ふぅん・・・いいわ。合格」

「・・え?」



山田は驚いた顔を見せる。





「あれ?こんなので済むと思ってたの?
あんた・・今のはちゃんと従うかのテストよ?
これからは人を殺すのを手伝ったりしてもらうから」


「・・・!」



言い終わると私はソーダを一口飲む。



ね、覚悟してなさい。


















これからあんたを徹底的に苦しめるから。



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最終更新:2012年08月11日 06:11
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