7日間の醜いゲーム。 続き13

213: 名前:+椎名+☆2011/08/01(月) 17:21:10
私は秋山に刺した包丁を抜き、女の子に近づく。



女の子は怯えているのか逃げようとしない。





「ねぇ、あなた・・・名前は?」



私は怖がられないように優しく問いかける。

まぁ殺すことにはかわりないけど。



「・・・あなたこそ誰?」



えー?めんどくさいな。



「質問に質問で返さないでよ。答えになってないし。
もう一度聞くけど・・・誰?」



だんだんいらいらしてくる。

私は赤い包丁を光らせる。



「・・・森永芽衣子」


私は微笑みかける。
その一方で彼女は笑わない、いや、表情ひとつ変えない。


あきらか警戒されてるなぁ。




「私は佐野蘭。よろしくね、芽衣子ちゃん」




え?なんであっさり名前を言うかって?







そんなの・・死ぬ子に聞かれても問題ないでしょ?




「で、もう1つ聞くけど・・・
どこから見てたの?」



「・・・・」





だいたいなんでこんなところにいるの?

ていうか芽衣子ちゃんって何者?

こんなとこで何してるの?





まぁ相手も同じ事を思っているとおもうけど。



「あなたが・・・俊の顔にボールを投げてたとこからずっと」




ふーん、結構最初じゃん。



「というか何者?あなた」

「私は俊の彼女よ!あなたこそ・・」



なんかだんだん強気になってる。

こっちはあんたを今すぐ殺すこともできるのに・・・



「私・・?私は・・・・」






自分でもわからない。




何者なんだろう・・






でもひとつははっきりとわかる。




















     「狂った殺人鬼」

214: 名前:+椎名+☆2011/08/01(月) 17:35:47
「殺人鬼・・?俊を殺す気なの!?」




いや、今までを見てたら明らかそうでしょ。




「うん」

「ふ・・ふざけないで!」




彼女ねぇ・・・



あー、いいこと思いついた。




「山田!芽衣子ちゃんをエスコートして?」


「・・・っはい」


山田は茂みから姿を現し、芽衣子ちゃんの両腕を掴む。

さすがに力はあるでしょうね。



「だ、誰?警察?放して!」



必死に抵抗するが、びくともしない。



私はそのまま彼女の手をロープで縛る。


さてさて、愛の関係ももはやここまでね。





「二人とも、私どっちか一人を殺すわ。
芽衣子ちゃんを殺すなら秋山を、
秋山を殺すなら芽衣子ちゃんを助けてあげる。
さぁ、選んで」




究極じゃないけどこういう選択肢、あなたならどうする?



二人の答えは予想通り・・・










「し、俊を殺して・・」

「芽衣子・・っ!」





お互い相手の名前を言う。



はい、残念。




これがお互いの本心。


結局は両方殺すけどね。





「じゃあ二人ね。山田、あんたは芽衣子ちゃんね」




私は山田にナイフを渡した。



山田は迷うことなく芽衣子ちゃんの胸に突き刺す。





「きゃああぁぁ・・・ぁ・・」




芽衣子ちゃんの声はどんどん弱っていく。




芽衣子ちゃんはすぐに動かなくなった。




「で、秋山。あんたはここでね」



私は秋山を引きずって神社の裏に連れて行く。




私が手を汚さなくても出血死するだろう。










あーあ、次のターゲットは誰にしようかな。


215: 名前:+椎名+☆2011/08/01(月) 17:45:45
「山田、あんたは予想以上の働きを見せてくれるわね」

「・・どうも」




あまり嬉しくなさそうに言う。



あー昼って暇。



龍が死んでショックで学校もバイトも辞めたし。


友達にも・・合わす顔がない。




同情されたくない・・・







私は窓から外を見ているとあるものに目が行く。





「山田、止めて」





私は車を止めて近づく。




「・・・捨て猫・・か」





二匹いたが、もう片方の大きめの猫はもう死んでいるようだった。



もう一匹の小さな猫はにゃーにゃー鳴いている。








「・・かわいそうにねぇ・・きっと兄弟なのね」



私と同じ立場か。



家族が死んで一人きりで・・・









でもまったくかわいそうとは思わない。



「・・・・」



私は無意識に猫を持ち上げ、電柱に投げつける。



猫はその衝撃で死んでしまった。





「兄弟のとこへいきな・・」









私のココロは完全に壊れてしまった。










もう嫌になってきた。






いきなり自分のしてることがばかばかしくなってきた。




もう龍の学校の生徒を殺して終わりにしよう・・・

216: 名前:+椎名+☆2011/08/01(月) 17:55:37
時はどんどん過ぎていき、龍の学校でマラソンが行われる日がくる。



「・・・これで目標を・・」


「・・・・・」




山田にはどんどん笑みが戻っていく。

多分もうすぐ私を殺せるからね。





「さぁ、あんたの最後の仕事・・・
山田として一緒に味噌汁を作って毒を入れてきなさい」





やっと龍の無念が晴れる・・・



まってて龍。もうすぐだから。









同時にここで私の人生も幕を閉じるから。

217: 名前:+椎名+☆2011/08/01(月) 18:00:34
時間は流れ、あっという間にマラソンは終わった。



「みんな、味噌汁できたぞ」



「わー美味しそう!」

「いただきます」





みんながつがつ食べておかわりする。


毒入り味噌汁だって気づかずにね。






山田は誰にも見つからないように抜け出してくる。




「よくやったわ。山田」

「・・・俺はこれで解放・・ですか?」

「えぇ、家に帰ったらね」




山田はギュっと拳をにぎって喜びを表現する。





そんな・・・ハッピーエンドな訳ないじゃない。














山田、あんたにはバットエンドがお似合いよ。

218: 名前:+椎名+☆2011/08/01(月) 18:19:31
しばらくすると生徒達が体調不良を訴える。



「先生・・・俺気持ち悪い・・」




顔が?




「先生・・・苦しい」




ざまぁみなさい。





生徒達はやがてどんどん倒れていく。






そして泡を吐いて次々と死んでいく。





先生も。




一年生も。









ふふ、いい気味。




これでようやく死ねるわ。





「山田、開放したげる。家にきなさい」











そして・・・
















  私の人生の幕が閉じようとしていた。

219: 名前:+椎名+☆2011/08/01(月) 18:37:44
数分後、家に着いた私は先に家に入る。



山田を外に待たせて・・・







電話をかけるためにね。



どうせ開放されてすぐ殺す気なら・・。



警察に見てもらおうかなって。








「も、もしもし!銃を持った男が・・・!きゃっ・・」





私はそのまま演技に拍車をかけ、わざと電話を落とす。





多分そんなに遠くないからすぐ着くでしょうね。





私は山田を呼ぶ。






「あんたは今日で解放。お疲れさん」





山田は嬉しそうにし、何もしない。




「銃とか返すわ」




山田の笑みは銃を渡すとともに最高になった。





「私を殺すんでしょ?」

「・・・!」





気づいてないと思ったのかしら?



「もううんざりだ。お前はここで俺が殺してやる!」





あーあ、言っちゃった・・・





気づいてる?










電話はまだ繋がってるのに・・・




「山田、私を殺すとあんた不幸になるよ?」

「命乞いなんか聞かん!」




本当のことなのに。





「やめて!山田さん!」




私は電話に届く声で言う。




「死ねぇ!佐野蘭!」





バーン!!







私の胸に銃弾が打ち込まれる。



















そして私の人生は幕を閉じた・・・



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最終更新:2012年08月11日 06:16
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