241: 名前:+椎名+☆2011/08/13(土) 13:32:19
「はぁ・・はぁ・・・」
暁君の体力はそんなに長くは持たなかった。
そこにリリスちゃんがせまる。
「暁君、追いかけっこは終わりにしよ?」
もう限界なのにまだ迷ってるの・・・?
どうすれば・・・
「り、リリスちゃん!」
私は何の考えもなく名前を呼ぶ。
「なあに?」
「ねぇ、もうやめようよ。友達同士で殺すなんて・・・」
嫌だよ。
もう何もかも。
「今更何言ってるの?友達同士で殺しあう?
あなたもここにいるってことはその友達を殺して勝ち上がったんでしょ?」
そうだ。私は友達を殺してしまってるんだ・・・
どんな理由であろうと
真波を撃ったことも
香菜を死なせてしまったことも
事実だ。
だからこそ思う。
「どっちも助けたい」
たとえ1%の確立でも可能性があるなら
私はそれにかける。
「ふふ、あなたって優しいのね。私を友達と言ってくれるなんて。
でももうここまで来たら戻れないのよ」
リリスちゃんは暁君にナイフを構え、突進する。
「!!」
愛する人の為に友を殺すか、
友の為に愛する人を殺すか、
この究極の選択。
そしてこの最悪の状況。
あなたならどちらの道を選びますか?
245: 名前:+椎名+☆2011/08/13(土) 17:39:09
リリスちゃんを止めないと・・!
でも・・・刺すなんて・・・
ごめんね・・・リリスちゃん・・・
私は・・・敵対しているあなたを殺さないといけない。
「リリスちゃん!」
「・・・っ!」
私はナイフを振りかざす。
しかし寸前で思いとどまってしまった。
そしてあっさりとかわされる。
「・・・!」
「雪奈ちゃん、本気で殺しにかからないと死ぬよ?」
リリスちゃんはより不気味に笑う。
私はナイフを落としてしまい、拾おうとするとリリスちゃんがナイフを踏みつける。
そして後ろの方へと蹴り飛ばす。
「まずは雪奈ちゃんから・・・死んで見る?」
「雪奈!」
ざしゅ・・・
ポタ・・ポタ・・
小柄な少女の体から
赤い血がぽたぽたと零れ落ちていった・・・
249: 名前:+椎名+☆2011/08/14(日) 20:02:41
あれ?
私の体に痛みはなかった。
刺された感じもしない。
ということは・・・
「・・・ぅ・・・」
リリスちゃん・・・!?
そのすぐ後ろには私の落としたナイフを持った暁君・・・
暁君が刺したの・・?
「リリスちゃん!」
リリスちゃんは持っていたナイフを落とし、私のほうに倒れこむ。
「不覚・・・ね。暁君に・・殺されるなんて・・・
雪奈ちゃん・・・アリガト・・・」
リリスちゃんはそれだけ言うと動かなくなってしまった。
「葉山、リリスからすぐに離れろ」
「・・・えっ?」
「早く」
私は暁君に言われたとおりにする。
「暁君、どうして?」
私が問いかけると暁君はゆっくりと口を開いた。
「お前に友殺しは似合わない。
それに・・・・」
それに・・・?
その瞬間、管理人の声が聞こえる。
そうだ・・
確か殺された人と殺した人の映像が写るんだ。
リリスちゃんの近くにいたら私もうつってしまう。
そして私が殺しても・・・
暁君・・・私の為に?
それに・・・・
「暁君」
「ん?」
「雪奈ってよんでくれた・・よね」
「・・!!」
暁君の顔は赤くなる。
「あ、す、すまねぇ・・・」
「い、いや、いいの・・あのさ、まずは名前からってどうかな?」
何言ってんだろ・・・
また頭の中がパニックだ。
「あ、あぁ・・・よろしくな。・・・雪奈」
「うん。ありがと・・・・玲地」
こうして私達の戦いはひとまず終わった。
リリスちゃん・・助けたかった。
ごめんね。
そして私達は気づかなかった。
この光景を見ていた人がいたことを・・・
250: 名前:+椎名+☆2011/08/14(日) 20:13:22
???side
あーあ、つまらないなぁ。
毎回毎回同じように殺してさ。
何か面白いこと起こんねーかな。
って思ってた刹那。
面白い光景が僕の目に入る。
男が一人、女の子が二人。
殺し合いをしてる。
「なーんか面白そうだなっ!」
僕はしばらくソレをずっと見ていた。
見ているうちに、女の子の一人がリリスだとわかった。
「お、リリスか。どんなグロイ殺し方すんのかなー?」
僕はずっと見ていた。
参戦する気はない。
そしてまた、相手の男女の顔は見えなかった。
今はとにかく男が逃げている。
女の子は立ちすくんでるのかな?
それに男の動きは鈍かった。
多分怪我でもしてるんだろうね。
「さってと、どこまでもつかな?」
女の子の方は動かない。
仲間を見捨てるつもりなのかな?
「暁君、追いかけっこは終わりにしよ?」
リリスが言う。
フーン、男の方は暁っつーんだね。
興味ないな。
面白いことなさそうだし。
すると今まで立ち止まっていた少女が口を開いた。
「どっちも助けたい」
!
へぇ、結構マシな人間もいたもんだね。
それとも口だけかな?
まぁじっくり見させてもらうけど。
251: 名前:+椎名+☆2011/08/14(日) 20:21:40
やがて女の子は小型ナイフを持ってリリスに振り下ろす。
あの暁って奴を助けるんだね。
しかし女の子の振り下ろしたナイフは
リリスに刺さる寸前で停止する。
「優しい子だねぇ、ふふ」
ああいう面白い人間、僕は好きだよ。
楽しませてくれるからね。
女の子はナイフを落とし、リリスがそれを後ろに蹴り飛ばす。
形勢逆転。
かわいそうにね。
「雪奈ちゃん、死んでみる?」
終わったかな、
と思っていると暁という男はさっきの小型ナイフをリリスに深く突き刺す。
やるねぇ。
あのリリスを殺すなんてね。
今回は面白くなりそうだ。
252: 名前:+椎名+☆2011/08/14(日) 20:25:53
さっきの殺し合いでわかったこと。
片方の男の名は暁玲地。
そしてもう片方の女の子の名は
葉山雪奈。
この二人、僕を楽しませてくれそうだ。
明日、二人に会うことにしよう。
別に僕は管理人チームだけど殺すつもりはない。
まぁ、飽きたら殺すかもしれないけどね。
さて、僕を楽しませてね?
暁君。
雪奈ちゃん?
253: 名前:+椎名+☆2011/08/14(日) 20:31:10
雪奈side
次の日、私達はいつもどおりに戻る。
「おはよ、雪奈」
「おはよう・・玲地」
昨日あんなことがあってから私は後悔してる。
リリスちゃんの席は空いている。
「・・・」
「雪奈、気にすんなよ。お前のせいじゃない」
必死に励ます玲地。
そうだ、玲地は管理人チームに顔を知られてる。
なのに私の心配を・・・
ありがとう。
「そろそろチャイム鳴るな」
玲地がそう言った瞬間、
教室の扉が開く。
「おはよう」
嘘・・・なんで?
リリスちゃん・・!?
最終更新:2012年08月11日 06:24