257: 名前:+椎名+☆2011/08/18(木) 17:00:45
り、リリス・・ちゃん?
本物・・?
バーチャル?
「おはよっ!雪奈チャン。暁クン。
先日はどーもっ」
先日・・・てことは
本物!?
でもなんで?
あの時鈴地が殺したのに・・・
「お前、何で生きてんだ!?幽霊か?」
といってさりげなく私の盾になる。
「幽霊ねぇ、ある意味そうかも」
え?
「どういうこと?」
「言ってなかったっけ?
私はすでに何度も死んでるし私達が死んだら嫌でも
管理人さんの力でよみがえるって」
嘘・・じゃあリリスちゃん、あの時死んで管理人に蘇生してもらったの?
「まぁ一応殺されて脱落なんだけど。
だからあなた達を殺すことはできない」
「リリスちゃん・・・」
「だから私もあなた達について行こうかな?」
258: 名前:+椎名+☆2011/08/18(木) 17:11:03
え?
「いいの?」
「いいんじゃない?面白そうだもん♪
それに私を殺したのはあなた達が二番目ね」
リリスちゃん・・・
管理人チームなのに協力してくれるなんて。
「雪奈ちゃん!?」
「どうした!」
私の目からは安心の雫がこぼれていた。
「リリスちゃん、よかった・・・」
「・・・雪奈ちゃん」
リリスちゃんは私の方へと近づき、強く抱きしめる。
「ありがと・・・私のことそんなに想ってくれてるなんて」
「・・・リリスちゃん」
顔は見えなかったがリリスちゃんも泣いているのがわかる。
私も強く抱きしめかえす。
「ん?暁君うらやましい?」
「わっ!そ、そんなことねえよ!」
鈴地の顔は真っ赤になる。
「嘘つけぇ」
「嘘じゃねーってばっ!」
ここまではっきり言われると逆に腹立つなぁ。
「そ、それよりよぉ、お前を殺したの二番目って最初は誰だよ」
うわ、無茶な話題のそらし方。
しかしそれを聞いた途端、リリスちゃんの表情はおかしかった。
「・・・!」
何か思いつめているようであり、何かに怯えるかのようであった。
「・・・教えてもいいけど戦いを挑まれてもすぐ逃げること。いい?」
「あ、あぁ・・・」
「うん・・・」
リリスちゃんの表情はすごく真剣だった。
そしてそのリリスちゃんはいつもより怖かった。
259: 名前:+椎名+☆2011/08/18(木) 17:23:22
「あのね、管理人さんは管理人チームを自分で選ぶの」
そうなんだ・・・
「つまり管理人が自分で選んでチームを作ってるのか?」
「そう。そして私もそのうちの一人。
そして私を初めて殺したのは
残りの六人のうちの一人なの」
殺したってことは・・・
「その人も参加者だったの?」
「ええ。そしてその人は第一ゲームを30秒で終わらせた。
友人を迷うことなく殺してね」
30秒!?
確かに迷っている暇はないくらい早い・・・
でもそんなのって・・・
「そして管理人にナイフをむけ、自ら第二ゲームに参加するって言ったの。
でもね、その人は管理人チームも味方も全員ころしてしまったの」
そんな・・・
味方を殺すなんて・・・
「そしてその後、管理人に謁見して願いを言ったの。
もっと面白い物をみせてくれ ってね」
じゃあその人は自分のために
みんなを殺したの?
酷すぎるよ。
「そうして管理人チームになったの。
人殺しを楽しんでる。私みたいにね」
人殺しを・・・楽しむ。
そんなこと・・できいるわけがない。
あってはいけない。
260: 名前:+椎名+☆2011/08/18(木) 17:38:07
「リリスちゃんとは違うよ」
「雪奈ちゃん、ありがとう」
「でも、六人のうちの一人ってことはだいぶやべぇな。
すぐに殺しかかってくるんじゃねえか?」
鈴地がそういうとリリスちゃんは首を横に振る。
「いいえ、じっくりと楽しんで飽きたら殺すから・・・
しばらくは何もされないわ」
じっくり楽しむ?
飽きたら殺す?
何ソレ・・・私達は・・ただのおもちゃなの?
「でも時間がたったら飽きて襲い掛かってくるでしょうね」
ふざけてる。
人間を遊び道具としか思ってないなんて。
「私は絶対そうならない。変えて見せる」
「雪奈・・」
「雪奈ちゃん・・・」
その途端、教室の出口から声が聞こえる。
「へぇ、なんの話してんの?」
「・・この声は!」
三人同時にそっちを見ると男の子が立っていた。
茶髪の髪にピアスとネックレス。
そして開いた襟元にまくりあがった袖。
誰・・・?
リリスちゃんは姿を見ると警戒した表情を見せる。
「やあ、リリス。参加者チームの味方になったのか?」
「・・十六夜・・!」
262: 名前:+椎名+☆2011/08/18(木) 18:13:15
「リリス、寝返ったのかい?」
「・・・さぁ?あなたはなにしてんの?」
なんだかリリスちゃんが怖い。
まさか・・・この人が・・・
「まぁいいけど、用はそっちの雪奈ちゃんにあるし」
!?
私?
「なんで名前を・・・」
「昨日リリスを殺してたでしょ?
いやあ、すっごく面白かったよ」
昨日偶然見てたってこと・・?
「雪奈ちゃんに何する気!?」
「あぁ、そうだ」
二人が私の前に立つ。
二人とも・・・
「いやあ、気に入っちゃったんだよね」
彼は二人を通り越して私に近づく。
「だからさ、こっち来ない?」
!
顔が近い・・・
じゃなくて!
こっちって・・管理人チームのこと?
「・・嫌」
「そうか、残念だな」
そういって私の頭に手をのせる。
!!
な、なにこの人・・っ!
「!てめぇ雪奈に触るな!」
「そうよ!」
彼はふっと笑うと鈴地の方に向き直る。
「へぇ、雪奈ちゃんの彼氏?」
「・・!ち、違う・・けど・・!」
そして彼はすれ違い様に鈴地の耳元でささやく。
「油断してたら雪奈ちゃん、もらっちゃうかもね?」
「!!」
な、ななな!
「ふ、ふざけんな!」
「あはははっ、じゃあね」
彼はそういうと教室を出て行った。
263: 名前:+椎名+☆2011/08/18(木) 18:31:05
「なんなんだあいつ!」
鈴地が怒ってる・・・
っていうか・・・
「リリスちゃん、さっきの人・・・」
リリスちゃんは首を縦に振る。
「彼がさっき話してた人・・・
十六夜零斗」
い、十六夜・・・零斗・・・
見るからに危険そう。
「残念ね、雪奈ちゃん。
彼に気に入られるなんて。
彼は気に入った相手も最後に殺すと思うわ。
ひとりぼっちになってからね」
一人ぼっち・・・
つまり私のまわりの人が死んで私に孤独を味わわせてから・・・
私は一人で・・たった一人で殺される・・・
絶対嫌・・!
「まぁ私達が守るけど、ねぇ?暁クン」
「ああ、あいつはきにいらねぇな」
二人とも、ありがとう。
でもこれがのちに二人を危険に犯してしまうなんて・・・
267: 名前:+椎名+☆2011/08/20(土) 08:23:41
「暁君!」
「?」
鈴地は突然クラスの女の子に話しかけられる。
「なんだ?」
「…あのぅ…その…お、お話がありますっ…」
「……わかった」
鈴地は黙って女の子についていく。
鈴地無防備すぎ!
あの子が管理人チームならどうすんの!?
っと思ってた時、
かすかに彼女の口元が笑っているのが見えた。
…嫌な予感がする。
「リリスちゃん、あの子…」
「ごめんなさい。こういうことあまり喋っちゃいけないの。
そういうルールになってるから…
でも止めないと暁君死ぬわよ?」
!!
リリスちゃんは言葉を変えて伝えてくる。
あの子も管理人チームだ!
私は鈴地の後を追いかける。
* * * *
「いいのかい?仲間を売るような真似して」
「……あなたには関係ないわ、十六夜」
「いいのか?もし寝返って管理人チームが全員誰か教えた場
合……
君は本当に死ぬんだ」
本当の死。
それは唯一の恐怖。
今までみたいにはいかない。
今度こそ本当に死ぬんだから…
「…僕も教えたし、あと四人教えたら君は死ぬ。
龍君も助けられないよ?」
「…あなたには関係ないっつってんでしょ!」
少女はその場を立ち去る。
不安を抱えながら……
「あーあ。 自らの死 を選ぶなんて
リリスらしくないね。
まあこれはこれで面白いけどね」
青年も上機嫌でその場を立ち去る…
268: 名前:+椎名+☆2011/08/21(日) 03:26:38
鈴地side
「で、話ってなんだ?」
俺がそう問いかけると女の子は不気味に笑う。
「暁鈴地君…参加者さん。私は一文字優華。
そして……さようなら?」
彼女はそういうと俺の腹に包丁を突き刺した。
俺の体から赤い血がこぼれていく…
…っていうのは嘘だけどな。
「…!」
「馬鹿じゃねえの?顔知られて用意してない訳ないだろ」
そう、背中と腹を守るために教科書を入れてる。
動きにくいけどな。
「じゃーな。一文字優華さん?」
俺は逆に包丁を刺し返した。
「きゃああぁ…」
あれ?
俺ってこんなにすぐ人殺せたっけ…
今の俺は…すごく怖い気がする。
これでいいんだよな?
「……動かない、か」
すでに出血多量で死んでいた。
本当によかったんだよな?
いや。半端な覚悟じゃ雪奈は守れない。
あの時もそうだったのに……
最終更新:2012年08月11日 06:26