6: 名前:雷蓮☆2011/07/15(金) 22:52:52
春---。
これから新しい学校生活を送る。
これほどに興奮したことはあっただろうか。
高校生活は絶対に充実させたい!っていう願望が強いせいか、
神社で御守を3つも買っちゃった・・・(汗)
私が入学するのは、
「星光学園」というちょっと人気の学校。
そこの問題児が集まるクラスに私はふりわけられた。
別に嫌なわけじゃないんだけど、不良とかいないかな・・・(汗)
「舞~!!舞~!!」
今、超息切れしながら走ってきてるのは
クラスメイトの早乙女 鈴音。
「わぁ~、いつにもまして息使いが荒いね!」
「ちがうわ!!息切れしてるだけ!!(汗)」
「もう、嫌だなぁ鈴音~ww冗談だよ~ww」
「知ってるわ、アホー・・・(汗)」
こうやって毎日、鈴音とショートコントをするのが
日課でもあるんです。
「一緒に行きたいから待ってて言ったの、
舞でしょうが!!」
「えぇ!?そんなの記憶にございませ・・・」
「何か・・・言った??(黒笑)」
「い、いえ!!!!!!!!!何にも!!!!
やっぱり、ガ○ガ○君はソーダ味だよね!って言っただけっス!!
すいませんね、お嬢(汗)活舌悪くって(汗)」
「そ?ならいいけど・・・(笑)あれ??
あそこにいるの・・・」
「いーーーーーーーーーえっふぅぅぅぅぅぅぅーーーーーーー!!
主役は俺様!!才色兼備!!眉目秀麗!!
完璧過ぎる俺、罪な男ーーーーーーーー!!!」
「鈴音・・・。あのバカも一緒だっけ・・・?」
「忘れたい・・・忘れたいけど、そう・・・」
「おいっ、お前らぁ!!!!
俺より早く登場するんじゃねぇ!!!!!!
大砲ぶっぱなすぞ!!」
「もう、うるさ・・・」
「まだ、話の途中だぁぁぁ!!
俺様、今度写真集でも売ろうか迷ってんだ!!
なぁ、お前らどお思うよ??やっぱ、買う??」
「いいかげんに黙れ」
ごふっ!!!!!!!!!!!!!!
「鈴音・・・。空手何段だっけ??」
「九段だけど(ニコッ ??」
「そこに転がってるバカの脈は動いてますか(汗)?」
「う・・・こ、こやつ・・・何・・も・・・の・・・」
パタっ・・・
「うん、さようなら」
「ほら、入学式に遅れるよ(汗)」
「あっ、はーい!」
9: 名前:雷蓮☆2011/07/16(土) 07:26:16
星光学園に着くと、
生徒会長らしき人に入学のバッチをもらった。
キラキラ光って、とっても綺麗。
康介なんか「俺にピッタリだぜ!」とか言って
生徒会長さんに自慢してた。
生徒会長さん、苦笑いだった・・・。
~体育館~
「ねぇ、あの子たちもそうなのかな?」
「きっとそうじゃない?嫌だぁー。どうしようー」
何か陰口たたかれてるような・・・。
「ねぇ、何か私ら陰口言われてない??」
「なんか知らないけど、
さっき悪魔がいるから関わらない方がいいって
他のクラスの子言ってたよ」
「俺らが悪魔ってことか??」
「いや、違うよ。きっと、問題児とかじゃん?」
「問題児ってこのクラスにいんの?」
「舞、うちらのクラスは問題児が集まってるクラスだよ。
いないハズがないでしょう」
「でも、悪魔って・・・。何か可哀想・・・」
「可哀想??そう思う舞の気持ち、俺は分からん」
「だって、変な “あだな” つけられてさ。
可哀想じゃん・・・」
「でも、それなりのあだ名をつけられるくらい
大きな問題起こしてるわけだから
可哀想とは言えないんじゃない?」
「あぁ・・・」
するとまもなく、学園長があいさつを始める。
「みなさん、星光学園にご入学、おめでとうございます。
本日は天候もよく、すばらしい入学式となりました。
(以下省略)・・・。
では、みなさん。これから、素晴らしい学園生活を
送ってくださいね。」
パチパチパチ・・・
「それでは、各教室に戻ってください」
放送と同時に生徒達が移動する。
私たちも足早に教室へと向かった。
10: 名前:雷蓮☆2011/07/16(土) 07:59:49
~教室~
「舞」
「うわっ!?」
後ろから突然声をかけられたから、
びっくりして思わず体が跳ねた。
「俺は変質者か・・・」
「伊玖!!」
そこにいたのは、幼なじみの 蓮堂 伊玖。
クラスは違うけど、よく絡んでる。
家もお隣なんだよね。
「違うクラスだね。伊玖がいないと寂しいな~」
「っ・・・!」
ふいに伊玖の顔が、赤くなる。
「伊玖!?どうしたの!?顔、赤いよ!?」
「う、うるさい・・・。こっち向くな!」
「わっ!ご、ごめんね!!」
慌てて後ろを向く。
それを見て、笑っている鈴音。
「な、なに、鈴音!?」
「いや?べっつに~」
そう言うとスタスタと席についた。
待ってよ!!なに!?気になるじゃん!!
「舞」
「へっ!?」
「俺、違うクラスだから行く・・・」
「あ、そか・・・。じゃあ、またね」
「・・・・・・。」
「伊玖??行かないの??」
「舞の顔、忘れないように」
「な、なんだそれ」
「舞は分からなくていいよ。じゃ」
伊玖は、少し私を見て笑ってから行ってしまった。
大丈夫かな・・・?伊玖、顔赤かったし・・・。
「伊玖って、あんなに心開くんだなー」
まるで、珍しいものを見たような言い草。
伊玖は、クールだから誰にでも心を開くわけじゃない。
私とは、保育園の時からの仲だから
何でも話してくれる。
そのせいか、小学生のときに変な噂がたった。
舞と伊玖は付き合ってるって噂。
お互いにあっさり否定したからすぐ、なくなったけど。
「伊玖は、康介とも話すでしょ」
「まぁな。俺らは、小学生の時からだし!」
「うちもだけどね」
鈴音も康介も、二人共小学校のころからの友達。
もう心友って言えるくらい大の仲良し。
「相変わらず、舞は気づかないよねー」
鈴音があきれた顔で私を見た。
「100%天然の舞だからな。気づかねーよ」
康介もやれやれと肩を下ろす。
「何のこと???」
チンプンカンプンな私には、到底理解しがたい。
「伊玖も疲れねーのかな」
「伊玖も変わり者だから・・・」
「だからか。お互いに仲が良すぎてるのは」
「何?教えてよー!!」
「「舞には、まだ早い」」
二人揃って、同じことを言う。
まだ、私は理解できなかった。
11: 名前:雷蓮☆2011/07/16(土) 08:23:06
しばらくすると、担任の先生が入ってきた。
「はい、席につけー」
女子がざわざわといい始めた。
理由は言うまでもなく、先生がイケメンだから。
このクラスの担任になったことだけでも、
奇跡に等しいからかな。
それを面白くなさそうな目で見るのは、男子たち。
さすがの私も、それには気づく。
「俺の名前は、武塔 涼。
ま、これからよろしくなー」
「先生!」
さっそく女子の手が上がる。
「彼女・・・とか、いますか??」
「今んとこはフリーだ」
「先生!気になる人は?」
「いない。生徒一筋だ」
「「キャーーーーーー!!」」
女子たちの黄色い歓声に、男子は耳をふさぐ。
唯一、叫んでいない女子は私と鈴音。
鈴音なんか髪、いじってるし・・・。
「他にないか?」
「先生!俺、イケメンじゃね??」
バカな質問をくりだすのは、もちろん康介。
女子が冷めた目で見ている。
康介・・・。
「あぁ。俺よりかっこいい」
「っしゃあ!!」
先生の一言に女子は、
「「先生、優しい~~~~~~!!」」
って目をハートにして言う。
私は、ふと思い出した。
そういえば、問題児がいない・・・。
みんなの自己紹介を聞いていて問題児らしき人は・・・
「せんせ~!私、男も大好きです!!」
オネエ系の 蔵間 じゅん 。
ただ一人、怪しい人物・・・。
「おぉー、そうかー!先生も、蔵間好きだぞー」
「きゃーーー」
「康介と同じくらい、アイツ危ないな・・・」
鈴音がぼそっと言う。・・・確かに。
でも、蔵間君が気になる。
後で少し、話してみようかな。
こうして入学式当日の行事は、すべて無事に終わった。
12: 名前:雷蓮☆2011/07/16(土) 08:54:57
「さーて、帰ろうかしら」
「待って!蔵間くん!」
「ん?あら、舞ちゃんじゃない!どうしたの?」
「もう、私の名前知ってる!」
「レディーの名前を一番に把握するのが、基本よ」
「そうなの?って、違う違う!
蔵間くんって、問題児知ってる??」
「問題児??さあね~。イケメンだったら、知ってるわ」
「そっか・・・、ありがとう」
「力になれなくてごめんね。じゃ、また明日」
スタスタ・・・
「手がかりなしってトコ?」
鈴音が声をかける。
「うん・・・。でも、なんか怪しいんだ」
「あいつは元からおかしいだろーがよぉ。
彼氏にすんのだけは、やめとけな」
「康介、いたんだ」
軽くショックを受けて落ち込んだ康介。
鈴音は嬉しそうに見てる。
「ちょっと、後つけてくる」
「危ないよ!やめな!!」
「大丈夫だよ、鈴音。ケータイあるし!!」
「ダメ!!!舞!!!」
「いやだ!絶対に行く!」
「あんた女の子なんだから危ないことの区別くらい、
つかない!?うちはこの後、家庭教師あるし
助けに行けないよ!?」
「おい、鈴音。何言っても無駄だぜ??」
「っ・・・!」
「鈴音、心配してくれてありがとう。
ごめんね?すぐに戻ってくるから」
「・・・分かった。何かあったら、すぐ連絡して」
「うん、ありがとう。康介も」
「あぁ。俺も、この後はバイトだから。
何かあったら連絡な」
二人と約束して、
すぐに蔵間君の後を追った。
13: 名前:雷蓮☆2011/07/16(土) 09:03:36
蔵間君は、
外見はオネエじゃない。
中身がオネエってだけらしい。
顔は、綺麗に整っていてまるで
漫画にでてきそうなくらいイケメンだ。
なのに残念・・・。
体系は、少し痩せてるくらいだけど
がっちりしていていかにも鍛えてそう。
スラッと長い足に、サラサラの髪の毛。
あとちょっと伸びたら肩につきそうな髪。
あとは、彼自慢のボイス。
オネエのときでも、かっこいいボイスは
きっと蔵間君の切り札。
甘い声で囁かれたら、女子は気絶だと思う。
もったいないなー、蔵間君・・・。
14: 名前:雷蓮☆2011/07/16(土) 09:50:21
蔵間君を追ってから、
星光学園から徒歩15分くらいの港まで来た。
どれくらい歩いたか、よく覚えていないが
少し疲れた・・・。
でも、蔵間君は何食わぬ顔で
スタスタと歩いている。
どこまで行くのか、もうそろそろ限界・・・。
港にいくつか立ち並んでいる、一つの倉庫の前で止まった。
その倉庫には「9」という番号が印されている。
蔵間君が倉庫の前に立つと、
閉まっていた大きい扉が開いた。
ガラガラガラと引きずった音を立てて、
ゆっくりと開いていく。
私は、気づかれないように蔵間君の後を追った。
15: 名前:雷蓮☆2011/07/16(土) 16:35:36
私は倉庫の中の、
大きい荷物の陰に隠れた。
意外と倉庫の中は広くて、
人一人の声が響くくらいだった。
「本当に遠回りしてきたのか?」
蔵間君じゃない、低い声の男が喋る。
顔は、逆光でよく見えない。
「もちろん。もう、15分の道のりも
慣れちゃったわ~」
「フン。なら、いいがな・・・。
もし、ここに猫がいたらどうする?」
「あれ?ここの中まで入ってこれたの?」
「どういうことだ、蔵間。お前、分かってたのか?」
「もちろん。でも、15分も歩いたし
ここまで来たらもういいかなって・・・。
だけど、本当に倉庫の中までくるなんて・・・」
うそ・・・。もう、バレてるの!?
どうしよう・・・。鈴音たちに連絡しなきゃ!
「おっと、連絡しようったって無駄だぜ?」
ヒョイッ
「へっ!!?」
「舞ちゃん、何でついてきたのか
事情は説明してもらうよ」
「うぅ・・・」
携帯を取り出した瞬間、
低い声の男に取り上げられてしまった。
「ん?お前・・・よく見たら同じ学園じゃん」
「え・・・?」
私からはまだ、逆光で顔がよく見えない。
「俺は、亜久間 蓮。
蔵間と同い年で幼なじみ」
彼がそう告げた瞬間、
視界が明るくなり逆光が解けた。
その男に惚れるまで、あと5秒---。
16: 名前:雷蓮☆2011/07/16(土) 17:05:54
私は、初めて恋をした---。
初めて、心臓がうるさくなって顔が熱くなった。
逆光で見えなかった彼の顔が、
今私の瞳に映っている---。
「・・・い、おい!!」
「はぇっ!?」
「そこのぼーっと突っ立ってるお前!!」
予想外の彼のイケメンぶりに、
驚いていた性か、
呼ばれていたのにまったく気づかなかった。
「お前、名前は?」
「えっ・・・」
「名前だよ。名無しのごんべえか?記憶喪失か?」
「ちっ、違う!私は、佐藤舞!」
「同い年なのに、背、ちっせぇのな」
「なっ・・・!?人をバカにしてるの!?」
「背低い奴は、いじめたくなるんだよ。
お前、ジェットコースターとか乗れんのか?」
「無理!!怖いから!!」
「即答かよ・・・。ま、いいや。
それよりお前、何でここまでついてきたんだ?」
「そ、それは・・・」
「言わねぇと、家に帰さねぇかんな」
「ごめんね、舞ちゃん。
俺も気になるんだ~」
うぅ・・・。やっぱり、素直に話そう・・・。
ここにずっと拉致されてるよりはマシだし・・・。
「実は、私のクラスの問題児を探しにきたの」
「問題児?」
「舞ちゃん、それ探しにきたの・・・?」
蔵間君がなぜか泣きそうな顔。
「うん、そうだよ。
でね、他のクラスに避けられてるの。
その問題児がいる性で。
確か、みんな 悪魔 って言ってた・・・」
「悪魔・・・」
「ごめんね、蓮・・・。
これからは、ちゃんと後ろをよく見てここに来るから・・・」
「・・・お前」
「ん??」
「俺の名前、聞いてなかったのか?」
「え?聞いてたよ?」
「ちゃんと思い出してみろ。名字から名前まで」
えーーっと・・・。
確か変わった名前だったよーな・・・。
名字は確か・・・っ!!!!!!
「あ、あ、亜久間 蓮!!!・・・さん」
「フン・・・。お前、記憶力なさすぎだな。
女にしては倍トロいし・・・」
「なっ!!?失礼な事言わないで!!・・・ください」
「後々、敬語つけんなよ」
「蓮、本ッッッッ当にごめん!!!」
なぜか、蔵間君が土下座している。
私に問題があったのかな??
17: 名前:雷蓮☆2011/07/16(土) 17:46:36
とにかく、
私は一刻も早く帰宅したいわけで・・・。
「あの、もういいですよね??」
「まだだ」
「うそー・・・」
泣きそうになるよ・・・。
「お前、ここの場所を誰かに話したり、
案内したりしたらどうなるか・・・
もちろん、分かってんだよな・・・??」
「え・・・あ、はい・・・」
だんだん怖くなってきた・・・。
男相手だし・・・。
「よし。今日はもう遅い。
他のやつらがくるともっと面倒だ。
蔵間、送ってこい」
「俺?」
「お前以外に誰がいるんだ。
車のカギ、持ってんだろ。左ポケット」
「バレてましたか・・・」
「早く送ってこい。じゃあな、チビ女」
「チビっ!?」
「はーい、舞ちゃん行くよ~」
文句を言う前に、蔵間君に連れ出された。
~蔵間の車の中~
「舞ちゃん、もうここに来ちゃダメだよ?」
「どうして?」
「怖かったでしょ?ああいうとこだから。
毎日、平凡にあそこに俺たちがいられるわけじゃないんだ。
一応、不良やってるから。いつ追手がくるかわかんないし」
「あ・・・そっか・・・」
「それに、女の子の血だけは散らしたくないから。
蓮も同じ事、思ってるだろうよ」
「そ・・か・・・。ごめんね」
「いや、分かってもらえればいいよ」
「うん・・・。あ・・・。あ。あ!!」
「どうしたの!?いきなり・・・」
「蔵間君、オネエ語!!オネエじゃないの!?」
「あ、忘れてた・・・」
「フリ!?フリだったの!?」
「まあねー。俺、素はこっちだし。
回りに怪しまれないようにオネエ系にしてた。
学校で別のキャラしとけば、みんなにバレないと思うし」
「いつもそっちの方がいいよ?」
「そ?あんがとな。じゃ、こっちでいくわ」
意外とあっさり決めた・・・。
「あ、ここら辺でいいのかな?」
「うん、ありがとう!えっと、お礼・・・」
「いいよ、いらない」
「え・・・?」
「キスしてくれたら」
「え、えっ!!?」
「うっそ!冗談だよ。クラスメイトだからお礼はいらない」
「え、いいの??」
「うん、もちろん。ただ、秘密は守ってね」
「あ、うん!!口が避けても言わないよ!!」
「そう!その意気で!んじゃ、明日ね」
「また明日」
私が行こうとしたとき、
「あ、待って!!」
蔵間君が、車の窓から顔を出す。
「明日は、蓮も行くんだ。
怖がんないで普通に接してやって。んじゃ」
「うん、分かった」
ブウウウウン・・・
とは言うものの、
普通にってどんな感じに!?
18: 名前:雷蓮☆2011/07/16(土) 18:37:31
~翌日~
ついに、きてしまった・・・。
亜久間 蓮 ・・・。
名前だけで背筋が凍る。
自分でも分かった。これが恋だと。
でも、相手は不良で俺様。
鈴音に言ったら、反対されるだろうな・・・。
密かに好きでいた方が幸せかな・・・?
そう思いながら学校への道のりを、足取り重く行く。
はぁー・・・。もう何度目のため息??
「お!舞じゃんか!!」
後ろから元気な声。
声の主はもちろん、康介。
「康介、おはよ」
「おう!どうした?顔、真っ青だぜ?」
「え!?あ、いやねー、昨日のテレビが面白くって~」
「あぁ!面白かったよな~」
セーフ!バレるトコだったー!!
でも、鈴音には隠せないかなー・・・。
「「キャーーーーーーー!!!」」
突然、女子の黄色い歓声。
さすがの康介も、驚いて声のある方を探す。
「お、おい!!舞!!あれ、蔵間じゃね!?」
「えっ!?あ!!」
校門前に止まったリムジンから降りてきたのは、
蔵間君と亜久間 蓮・・・。
タイミングの悪さに、私はもっと真っ青になる。
亜久間 蓮が問題を起こさなければいいんんだけど・・・。
「蓮様~!!!!!!」
「蓮様、かっこいいです~!!!!!!」
「蓮様、お弁当です!!!!!!!」
女子たちは、蔵間君と蓮君を囲み言いたい放題。
あ、蓮君の顔に怒りマークが・・・。
「お前ら、昨日何してた?」
蓮君が突然の質問。
それに答える一人の女子。
「入学式ですけど、どうかなさいました?」
「俺のこと、悪魔って言った奴探せ」
「「えぇっ!?」」
回りの女子が驚く。私も康介もそれにはびっくりだ。
「この学園のどっかにゃいんだろ。
どうやら、いいふらしてるのはこれだけじゃねぇ」
みんな真剣に耳を傾けている。
「あらぬウワサまで流されてんだ。
ほっとくわけにはいかねぇだろーがよ。
お前らにも協力してほしいんだ」
「「分かりました、蓮様!!」」
「俺からも頼みます」
「「分かりました、蔵間様!!」」
両方のファンが多いため、
もう何人かなんて数えられない。
軽く100は越えてるくらいで・・・。
でも、蔵間君と蓮君ってこんなにも有名なんだ。
それにまとめ方も、素人とは全然違って覇気がある。
男らしさを感じるなー・・・。
しばらくすると、遠くの方から鈴音が来た。
21: 名前:雷蓮☆2011/07/16(土) 22:56:18
「一体、何の騒ぎ?」
鈴音は、走って来たらしく息切れ。
「あ・・・、その」
「亜久間!!蓮だよ、蓮!!」
「あくま?蓮?あ、あれ?」
思いっきり指さした方向に、蓮君がいる。
それに気づいた蓮君・・・。
え・・・。ちょっと待って・・・。
なんかスタスタこっち来るんですけど・・・。
ちょ、ちょっとーーーーーー!?
「そこの女!!」
鈴音のことだ・・・。
「なに?今忙しいんだけど?」
「忙しくねぇだろ。完全に。
お前、同じクラスの早乙女 鈴音だな?」
「てめぇがウワサ、流してんじゃねぇだろうな?」
「変なウワサ立てるより、空手やってる方がいい」
今、サラッと趣味を言ったよね。
あ・・・。
それ聞いた康介が、
ものっすごい真っ青な顔で鈴音を見てる。
「フン・・・。蔵間、コイツじゃあねぇみてぇだな」
「はい、おそらく」
「次、当たるとすっか・・・。ん?」
あ・・・。
ふいに彼と目が合ってしまった。
心臓の鼓動が早くなる。スピードを上げて・・・。
「ど、どーも・・・」
「お前・・・」
「・・・(ごくっ)!」
何言い出すの・・・!?
「チビなのに顔はマシだったんだな」
カチン・・・
「あ、蓮・・・。それは失礼じゃ・・・」
「失礼も何も、感想を述べただけだ。悪かないだろう」
その一言にもっと頭にきた私・・・。
「鈴音、康介。先、教室行ってる」
スタスタスタ・・・
「「あ、舞!!」」
私は二人の声に振り返らなかった。
「蔵間・・・」
「うん?」
「女って・・・分かんねぇよ」
「・・・・・・。」
もう、アイツは知らん!!
いくらチビでも女扱いの一つもないなんて!!
一人、イライラしながら教室へ向かった。
最終更新:2012年09月06日 04:30