恋の歯車

1: 名前:覇王 (nP2UYCm9AU)☆2012/03/09(金) 15:49:19

僕には幼馴染がいる。

仲がめっちゃ良くて

大好きだった。

でも……

どこから僕達と歯車は噛み合わなくなっちゃったのかな…?

4: 名前:覇王 (nP2UYCm9AU)☆2012/03/09(金) 16:21:50

♪~♪~♪~

僕_____鏡美麗の部屋に携帯の着信音が鳴り響いた。
今は毎日欠かさずやっている、幼馴染____佐藤龍神とのメールの時
間だ。


From:龍神
To:美麗


今日はめっちゃ寒かったぜ……
美麗の方はどうだった?



龍神が住んでいるのは北海道。
僕が元々住んでいた所。
小学二年生の時に、僕は神奈川に引っ越してしまった。
でも、小学五年生の時に、龍神が僕の所へ遊びに来た。
その時に連絡が取れるようにと互いのメアドを交換したんだ。
それから、中学一年生になってからの初めての冬の今日までずっと
メールをしている。


To:龍神


こっちは結構暑かった~
あーあ……久しぶりに北海道の雪
触りたいなぁ



僕は、純粋に北海道に行きたかった。
雪を触りたい……
こっちはあまり雪が積もらない。
積もったとしてもベチャベチャだったりとかでなんか嫌なんだ。
そして、北海道に行きたい理由はもう一つ……

龍神に会いたい。

大好きな龍神……
五年生の時に会ったっきりで、もうずっと会ってない。
龍神……僕、すごく龍神に会いたいよ……


5: 名前:覇王 (nP2UYCm9AU)☆2012/03/09(金) 16:34:19


From:龍神
To:美麗


そうかー・・・
あ、電話していい?
すげー声聞きてぇ



で、で、で、電話ぁぁぁ!?
いや、ちょっ、まっ!
まだ心の準備がっ……!
ってか一昨日電話したばっかなのに……
よし。落ち着くんだ僕!
深呼吸っと……


To:龍神


電話? いいよー



焦っているのを悟られないよう、Coolな文章にして送った。
その2~3分後に電話がかかってきた。
りゅ……龍神だぁ……
緊張する…

「もしもし……?」

「おっ美麗?」

いつもの龍神の声だ。

「いや美麗に決まっているでしょう! 僕の携帯にかけといて何言っ
てんの!」


6: 名前:覇王 (nP2UYCm9AU)☆2012/03/09(金) 18:25:57

「あはは 冗談だよ」

こんなのに冗談もなんもないと僕は思うよ。龍神くん。

「はぁっ! まったく! んで、なんのようだったっけ?」

「なんのようっつーか……声聞きたかったんだ」

っ! い、今のにキュンとしたのはきっと僕だけじゃないはずだ!
これ言われた人は皆キュンとしたはずだ!
僕はそう願うよ!

「それだけ? ……電話代勿体無いじゃん」

「ったくー相変わらずつれねぇなぁ」

ここでデレたら僕の負けだもん。
なんの勝負かは知らないけど。

「はいはい。何度でも言っときい」

「えー」

「……なにさ」

「いや別に」

何か……恥ずかしくなればなるほど僕の言い方が冷たくなってる気
がする。
あぁーっ! 電話早く終われ!
あ、やっぱ終わらないで!
超嬉しい! でも冷たくなるからやっぱ終われ!
……どっちなんだよ…

「あぁね。そういや隼人元気?」

隼人とは僕の双子の弟だ。
龍神と隼人はとても仲が良い。
……性格は反対なのに。

「隼人? すくすくと育っていらっしゃいますよ」

「お前は看護師かよ」

なぜに看護師?
……そうゆう事か。
なんか今の言い方が病院で入院してる赤ちゃんの成長を……だぁぁ
ぁ! わかんない!

7: 名前:覇王 (nP2UYCm9AU)☆2012/03/09(金) 18:42:13

「隼人今居る?」

「居るよ」

龍神……隼人と話したいんだね。
わざわざ呼びに行くのもあれだしなぁ……
隼人来ないかな。

「ふーん」

え? 何今の反応。意味が分からない。
その時。

コンコン

ドアをノックする音が聞こえた。
多分……
隼人だ。グットタイミング隼人!
僕が「どーぞー」と返事をすると、ドアが勢い良く開けられ、ノッ
クした人物が僕にダイブしてきた。

「れーちゃん誰と話してんのー?」

れーちゃんという呼び方………
そしてこの声は案の定隼人だ。

「んー? 龍神~……つーか重い!」

隼人を床に落とすと、「ふにゃっ」という声が隼人からあがった。
か……可愛い……!
名前は隼人とかっこいいクセにショタかよ!

「ねっねっ! 龍神なんだよね! 僕も龍神と電話したいー!」

キミが来たらそうするつもりでしたよ。

11: 名前:覇王 (nP2UYCm9AU)☆2012/03/10(土) 01:41:13

「龍神とゆっくり話したいから、れーちゃんはあっち行ってて!」

それ僕の携帯なんだけど?
貸してるのにあっち行っててって酷くないか?

「えー」

「いいから行って!」

こう強くごねられちゃ仕方ないや………
僕は渋々自分の部屋をあとにした。

13: 名前:覇王 (nP2UYCm9AU)☆2012/03/10(土) 02:07:27

ー龍神sideー

「あ、隼人に電話代わるね!」

「ちょ! おい!」

今は美麗とラブラブしてんだよ!
隼人なんぞに代わるな!

「電話代わったよー?」

来ちゃったよ……
まぁでも裏は発動してないみたいだからいいか。

「よぉ隼人。元気だった「ちっ」

俺の言葉を遮ったのは隼人の舌打ちだった。
は? なに遮ってんの?
……これはもしかして……

「お前れーちゃんに何の用?」

裏が発動したか……

そう、隼人には二つの顔がある。
ショタ隼人とデビル隼人。
美麗にはショタ隼人で接してるが、俺には大体デビル隼人だ。
ったく……

「別になんも用ねぇけど?」

「ふーん……僕のれーちゃんに手ェださないでね」

…は?
"僕のれーちゃん"? 美麗はオモチャかよ。ざけんな。

「美麗はオモチャじゃねぇから誰のモンでもねぇんだよ」

「とにかくれーちゃんは僕のなんだよ」

こいつ、シスコンも大概にしろよ?
隼人だからキレてねぇが、普通だったらとっくにぶっ倒してるぜ。

「あのさぁ、美麗が好きなのはいいんだけどよ、お前らはなんも出
来ないんたぜ?」

隼人がうるさいから口が滑ったな。

「双子だからなんなんだよ。双子だけどれーちゃんの事愛してる
し」

14: 名前:覇王 (nP2UYCm9AU)☆2012/03/10(土) 09:10:09

      • プツン

俺の中で何かの糸が切れた。

「物分り悪りぃな! てめぇらは双子だろ!? 漫画とかでよくある本
当の姉弟じゃないっつーのはありえねぇんだぞ!? 分かっての
か?! 禁断の恋だろ!」

思わず声を張り上げでしまった。
やべ……隼人黙りこんじまったぞ……

「わーってんだよ。僕だってそんくらい」

あ、黙ってなかった。
わかってる? 分かってるならなんで美麗を諦めねぇんだよ……!

「それでもれーちゃんが好きなんだよ。愛してるんだよ。禁断の恋
でもいいんだよ……」

隼人……涙声になって……る?
言いすぎた…

「悪りぃはや「いいよ。これで決心ついた」

また遮られたし。
決心ってなんのだ? 美麗を諦める決心?

「れーちゃんは絶対お前に渡さない」


17: 名前:覇王 (nP2UYCm9AU)☆2012/03/10(土) 14:48:05

ー美麗sideー

話すの長くない?
30分以上絶対話してるって。
いくら仲良いからって長い……長すぎる。
あーもういいや! 携帯奪いに行くか!

ガチャッ

「隼人! 携帯貸して!」

「れー・・・ちゃん………」

え……?
隼人の声……弱々しくない……?
泣いてるの?
……っ! 龍神だな……あいつ……!

「隼人! どうしたの?! 龍神!?」

僕が隼人を抱きしめて問うと、隼人の首か小さく縦に動いた。

「携帯貸してっ!」

隼人がギュっと握りしめていた僕の携帯を取ると、耳に当て、龍神
と話す。

「龍神……隼人泣かしたでしょ……!」


18: 名前:覇王 (nP2UYCm9AU)☆2012/03/10(土) 23:30:03


「……あぁ」

「なんで……なんでなかしたのよ」

僕の声が自然と震える。
大事な大事な隼人……
大事な僕の弟……
大事な僕の唯一の家族……


……僕達には親が居ないんだ。
ずっと……2人で暮らして来た……
隼人を失いたくない。
僕……1人になっちゃう……
寂しいよ……
だから、隼人を傷つける奴は
たとえ誰だろうと

僕が許さない

19: 名前:覇王 (nP2UYCm9AU)☆2012/03/10(土) 23:39:35


「・・・」

どうして無言になるの……
隼人を泣かして逃げる気?
ふざけないでよ……
龍神……龍神は大好きだよ…
でも僕は……隼人のが大事なんだ。
だから君を傷つける。
酷い事を言って傷つける。

ごめんね

「なんで黙るの……ッ! 隼人に謝って! 泣かしたんだから! 謝っ
て! 僕の大事な隼人を傷つけたんだから……謝って!」

電話ごしなのに……目の前に龍神は居ないのに……
声を張り上げちゃう。
それはきっと、張り上げてないと涙が止まらなくなるからだね。
そもそもなんで泣いてんのかな……
僕が泣く理由なんてないのにね。
どうして……?

20: 名前:覇王 (nP2UYCm9AU)☆2012/03/10(土) 23:46:01

「ねぇ……なんとか言って?」

まだ龍神無言だ……
なんか話してくれないと、心配になっちゃうんだけど……

「あのさ……」

「!!」

「お前にとって俺ってなに?」

やっと話したと思ったら、元の話から脱線してるし……

21: 名前:覇王 (nP2UYCm9AU)☆2012/03/10(土) 23:53:56


でも……
考えたこともなかった。僕にとって龍神はなんなんだろう……?
龍神……大好き。
だけどそれは友達として? 異性として?
そこがわからない……
友達だからなのかな……

「俺はね、美麗の事
好きだよ」

「……え?」

どうゆうこと?
好き? え?
あ、でも、友達としてだよね。友達として大好きなんだよね。
そうなんだよね。
お願い……そうであって……

「それは……」

「それはどうゆう好き?」って聞きたいのに言葉が出てこない。
これを聞いたらなにもかも狂ってしまうようで
怖い。

22: 名前:覇王 (nP2UYCm9AU)☆2012/03/11(日) 00:04:36


「美麗……大好きだよ」

プツン……ツー、ツー、ツー・・・

恥ずかしい言葉を言い放った後、龍神は電話を切った。
…まだ謝ってもらってない。

「れーちゃん、龍神と……もう話さないで…」

そうだ。
僕には隼人が居るんだ。
寂しそうな目をしている隼人を、僕はそっと抱きしめた。

「龍神と……話さ……ないで…」

僕の耳元で隼人が今にも消えそうな声で何度も呟いた。
多分、僕がこれに「うん」と返事をすればいいのかもしれない。
だけど、なぜか言えないんだ。

「…………龍神と話すな」


23: 名前:覇王 (nP2UYCm9AU)☆2012/03/11(日) 00:16:47

え?
今……耳元で……隼人じゃない、別の誰かの声がしたような…
でも、ここに居るのは僕と隼人だけだ。
じゃぁ、今のは
隼人……?

「れーちゃん、ぜってー龍神と話すんじゃねぇぞ」

誰……誰誰誰……
隼人じゃない……こんな怖い人隼人じゃない…
誰なの?

「はや……と?」

さっきまで僕が抱きしめてたのに、いつのまにか僕が抱きしめられ
てた。
苦しくなってくる……


24: 名前:覇王 (nP2UYCm9AU)☆2012/03/11(日) 01:04:37


「れーちゃん……」

隼人は何度も耳元で僕の名前を呼んだ。
その度に「ん?」とか「はぁい?」って返事をしても、ずっと
「れーちゃん…」としか言わなくて……

「頼むから……僕から離れてかないで……れーちゃんが居ない
と僕……」

「隼人……」

こんなにも隼人は僕を必要としているんだね……

「大丈夫……離れてかないから……」

今日の隼人……いつもより一段と幼く見える。

「ほ……んと?」

「うん。本当だよ」

僕は笑顔で答えた。
隼人を守ってあげられるのは僕だけだ。
だから、僕がいてあげないといけない。
何があっても絶対に。

25: 名前:覇王 (nP2UYCm9AU)☆2012/03/11(日) 01:17:29

「…………誓えよ?」

そう低い声が聞こえたのと共に、僕の唇に何か柔らかいものが
当たった。

「え……?」

今何が起こった?
あの、状況がよく理解出来ないのですが……
え? あ……え?

「……何か言えよ…」

いっ……今っ……今っ今っ
キキ……キ、キスされたよねェェェェ!?
待って!? え、ねっ! ちょっ!
キス!? ファーストキスが
双子の弟!?
こんなのってアリですかぁ?!

「何も言わねぇならーー」

「待ってーっ!」

今止めなかったらまたキスされてたよね?
それは阻止!
断固阻止!

「ん?」

「な、なに!? なな、何でキスしたの!?」

やばいパニくる。
まぁそれも当たり前か………
ファーストキスが弟……しかも双子のね。

26: 名前:覇王 (nP2UYCm9AU)☆2012/03/11(日) 01:30:54

「え? だって誓いのキスってあんじゃん?」

「それは結婚する時にする「知らん」

はぁ……
なんか隼人キャラ変わりすぎ……
何か知らないけど慣れちゃったけどさ……

「あー・・・誓った感がねぇや。もっかい!」

人差し指を立てて茶目っ気たっぷりにウィンクをした隼人は僕
に近寄ってきた。
僕は必死に後ずさりするが、壁にぶつかってしまいこれ以上下
がる事ができない。

「やっめ!」

「大丈夫。怖くねぇから」

怖い・怖くないの問題じゃないの……
ただキスしたくないのさ!

パンッ

痛い音が部屋に響き渡った。
目をそっと開けると、目の前には頬をさすっている隼人が居
た。

「いってー・・・」

「隼人!! ご……ごめんね!?」

さっき叩いちゃったんだ。
嫌がりすぎでしょう僕……

「いや、僕が悪りぃからいい」


29: 名前:覇王 (nP2UYCm9AU)☆2012/03/11(日) 11:25:35


「そう……」

なんにしよ、叩いてしまった事にはかわりない。

「……れーちゃん、お願いがあるんだ」

お願い? なんだろう。
僕にできる事ならなんでもするさ。

「なに?」

「あんさ……もっかいだけ、キス……していい?」

そのくらいなら……
いや、やっぱ恥ずかしい。
でも一瞬だけの事だから我慢すればいい……よね。
僕は小さく縦に頷いた。

「ありがと」

「目ェ瞑って」と言われたので、僕は静かに目を閉じる。
そして、触れるだけの口づけをかわした。

32: 名前:覇王 (nP2UYCm9AU)☆2012/03/11(日) 18:45:26


「僕さ、れーちゃんの事……大好き」

大好き……? それって、唯一の家族だから、家族としての大好きだ
よね? そうであって……

「大好き。大好き。大好き」

そんなに言わないで……!
僕、おかしくなりそう。
どんどん心拍数が上昇してきて、顔が熱くて、頭が真っ白。

「れーちゃん、龍神じゃなくて僕を見てよ」

「!?」

隼人は僕が龍神を好きって知ってるの?
今までずっと隠してきたのに……どうして知ってるの?

「大好きなんだよ。れーちゃんが。めちゃくちゃ好きなんだよ」

また、さっきみたいにぎゅっと抱きしめられた。
隼人……身体が震え……てる?


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最終更新:2012年08月13日 02:00
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