××× 続き1

episode2

《愁目線》

「ねー! 愁ちゃん! プール行こうよー! ねー!」

直人が俺の腕をグイグイ引っ張る。

「……昨日も友達とプール行ってたじゃん」
「今日は愁ちゃんと行くのー! ねー! 行こうよー!」
「こらナオッ! あんまり愁君に我儘言わないの!」

叔母さんが昼ご飯の片付けをしながらソファの俺達に声をかける。

「ごめんねぇ。愁君も夏休みだからって直人のお守りばっかりしてもらって」
「俺は全然平気です。むしろ夏休みの間もお世話になっちゃっててすみません」

ペコリと叔母さんに頭を下げる。

「全っ然! いーのよそんなの!」

叔母さんは明るく笑う。

「姉さん達、夏休みの間も仕事で海外とか愁君も大変よねぇ。まあお陰で直人が塾通わなくて済んでるんだけど」

直人はすでにプールの用意に取り掛かっている。

「いや……俺もヒマなんでナオと遊べて嬉しいですよ」

ニッコリと叔母さんに微笑む。
直人と一緒にいられて本当に幸せだ。
しかもこの夏は恋人として過ごす事ができるなんて。
……直人がどんどんエッチになっていくから、俺も抑えるのいっぱいいっぱいだよ……。

「愁ちゃん! 用意できたよー!」

浮き輪まですっかり膨らまし終わった準備万端の直人が、待ちきれないように言う。

「ハイハイ。じゃ、俺達プール行ってきますね」

叔母さんに言って立ち上がると、叔母さんは「よろしくね~」と笑って見送ってくれた。

×

焼けつくような日射しの中、冷たい水が心地いい。
直人はキャーキャーいいながら泳いだり、浮き輪に乗ったり、潜ったりしていて。
……ほんと、こうして見るとただの小学生だよなぁ。
誰も俺達が恋人同士だなんて気付かないだろう。
程よく日に焼けた直人の体。

……
……

ついつい変な考えが出てくるので、俺は水の中に潜って頭を冷やした―――。

×

ひとしきり泳いで遊ぶと、時間はあっと言う間に過ぎていく。
夕方になり、客もまばらになってきた。
さっきまで元気いっぱいだったのに、心なしか直人の様子が変だ。
さすがに疲れたのかな……?

「どうかした?」

心配になり、水の中で直人を後ろから抱っこすると直人の体がビクンと反応する。

……これは。

「……ナオ、なに? 意識してんの?」

つい意地悪く言ってしまう。
ほんと可愛いなあ。

「だって、愁ちゃんのハダカずっと見てたら……意識しちゃう……」

あー……やばい。
今、プール上がれないかも。
服を着てない分いつもより肌が密着する。
ゆっくりと、腰に回していた手を上にあげていく。
そのまま胸の小さな突起をつまむと「ひゃ……!」と直人が小さく声をあげた。

「……声出したら、周りの人にバレちゃうよ?」

夕方になって人も少なくなってきたとは言え、大きな声を出したら気付かれてしまうだろう。
耳元で囁くと、直人はギュッと唇を噛んで快感に耐えている。
そのまま突起を弄ると、直人の息が荒くなってきた。
つまんだり、緩く引っ張ってみたり……。
その度に直人は必死で声を出すのを堪えている。

片方の手は突起をいじったまま、もう一方の手で直人の太股を撫でる。
そのまま太股を這うように手を滑らせ直人のモノに当たると、ビクンと直人の体が小さく仰け反った。
直人のモノはすでに大きくなっていて、やわやわと揉みしだいていく。

「ふっ……ぅ……んぅっ……」 
「……ナオ、声出てるってば」

胸の突起と、直人のモノを同時に強く擦っていく。

「あっ……あっ……! 愁、ちゃ……! そ……んなにしたらっ、も……出ちゃ……うよぅっ!」

必死に声を抑えながら直人が俺に訴える。

「ここプールだから出しちゃダメ」

手を止めずにシレッと言う。

「ゃあ……っ……出ちゃう……!」

直人はもう限界な様子で腰がビクンビクンと痙攣を始めている。
俺は水の中に潜って、直人のモノを口にくわえた。
水は冷たいのに口の中は熱くて、そのギャップがなんだか可笑しかった。
瞬間、口の中に直人の味が広がる。
俺はゴクンと飲み干しながら水面に顔を出した。

「愁ちゃ……汚いよぅ……ごめんね……」

直人が涙目になって謝る。

「なんで? ナオのなんだから全然汚くなんかないよ?」

俺が微笑むと、直人は真っ赤になって下を向いた。

×

シャワーを浴びて更衣室を出ると、先に出て待っていた直人は待合室でスウスウ寝息を立てていた。
今日はたくさん泳いだし……色々疲れたんだろうな。
爆睡の直人をおんぶしながら帰り道を歩く。
……今日はちょっとやりすぎたかも。
……しばらく反省しないと。

「ただいまー」

リビングに入ると、台所から叔母さんが「おかえり~。晩御飯もうすぐできるわよ~」と笑顔で返してくれた。
ソファに直人を下ろすと、直人は幸せそうにコロンと寝返りを打った。

「あら、ナオ寝ちゃってる。そんなに楽しかったの?」
「はい、とても……」

フフッと笑う叔母さんの顔を見て、俺の心がまた少し痛んだ――。

 × × ×

《直人目線》

数日後。
オレは朝起きたままの状態で、自分の部屋でベッドに寝転んで考えていた。
カチャ……トン、トン、トン……
隣の愁ちゃんの部屋からドアが開く音が聞こえて、一階のリビングに向かって階段を降りる音が聞こえる。
……いつもだったらオレの部屋に声かけてくれるのに。

むぅ。
なんか、プール行ってから、愁ちゃんが冷たいんですけど。
ちょっと恥ずかしかったけど、ドキドキして……気持ち良かったのに。
……また、体が熱くなってくる。
もうすっかり夏休みの宿題なんて終わっちゃってご褒美ももらえないし……。
ていうか、こないだも、その前も、いっつもオレだけ気持ちよくなってるし……。
愁ちゃんなんて、服すら脱いでないし。
もしかして、オレがワガママ言ってるだけで愁ちゃんはイヤイヤやってるのかも!?
そう思ったら急に悲しくなった。

……オレは目を瞑ってプールでの事を思い出す。
冷たい水の中なのに愁ちゃんの体はすごい熱くて、背中に直接肌がくっついて心臓の音が聞こえる。
トクン、トクン、トクン。
オレの心臓はドキドキ早いのに、やけに愁ちゃんの音は落ち着いていて…。
それから、愁ちゃんはオレの……。
パジャマの中に手を入れて恐る恐る胸の突起を自分の手で摘むと、ピリッと頭に電気が走る。
そのまま、グニグニと強く弄ぶ。

「……ふっ……ぅ」

息が漏れる。

「愁ちゃんと恋人になってから、オレ……どんどんエッチになっちゃってる……。今だって、一人で……」

愁ちゃんがしてくれた感覚を思い出しながら、手をズボンの方へ下げていく。
快感を覚えてしまったソレは早く触ってほしそうにヒクヒクしていて。
握りながらゆっくり上下に動かすと、全身に快感が昇ってくる。
先から出てくる液を擦りつける。

「ふっ……ん……あ……」

知らない内に声が出てしまう。
下に愁ちゃんがいるのに。
でも、もう止められない。
無心で手を動かしていると、快感の波がどんどん大きくなってきて――。
……もう、出ちゃう……。
そう思った時、ドアが突然開いた――。

「ナオー? まだ寝てんの………っ!?」

しゅ……愁ちゃん!?
愁ちゃんと目があってるのに、快感が最高潮に達してしまった腰は自動的に痙攣して、先から白い液が溢れてくる。
それを見つめる愁ちゃん。

「……やああっ! ……見ちゃダメっ!」

見られてしまった事が恥ずかしくて恥ずかしくて、オレはタオルケットを頭から被った。

ぅぅ。
ぅぅぅ~~~~~。
もう死にたい。
よりによって愁ちゃんに見られるなんて。
タオルケットの中で丸まって恥ずかしさに悶えていたら、ギュゥッと愁ちゃんに抱きしめられた。

「なんだ……言ってくれれば俺がするのに。ナオのエッチ」

かああっと顔が熱くなる。

「ぅぅぅ~~~。だって……! 愁ちゃんが最近冷たいからっ……!」

小さな声で反論する。

「……ごめん。ナオといるとどこまでも歯止めきかなくなっちゃうから自制してた」

愁ちゃんの腕に力が入る。
嫌いになったわけじゃないんだと思って少しホッとする。

「自制なんて……しなくていいのに……」

そう小さく呟くと愁ちゃんはタオルケットをゆっくり剥がして、オレの顔を挟んで優しく言った。

「……じゃあ、俺の事も気持ち良くしてる?」 

そういって、愁ちゃんは自分の服を脱ぎ始めた。
綺麗……。
スッと筋肉がついた愁ちゃんの身体。
ポーッと見とれていると、愁ちゃんは恥ずかしそうに笑う。

「……なに固まってんの。照れんじゃん」

オレが見とれている間に愁ちゃんはすっかり脱ぎ終わっていて、オレの前に座っている。

「ホラ、ナオも脱がないと。……手上げて?」

オレが両手を上げると、愁ちゃんは器用にパジャマを脱がしていく。
そして―――オレのベッドの上に座って、裸で見つめあう。

ドキン。
ドキン。
ドキン。

いっつも愁ちゃんからキスとかしてくれるのに、愁ちゃんはじっとオレを見つめたまま。

「えっ……と。いっつも愁ちゃんがしてくれるみたいにしたら……いいんだよね?」

上目づかいに愁ちゃんを見上げる。

「ナオの好きにしていいよ」

愁ちゃんは優しく微笑む。
初めて愁ちゃんにキスをした時みたいに緊張してきた……。
恐る恐る愁ちゃんに顔を近づけ、そして接吻ける。
チュクチュクと舌と舌が絡みあう音が部屋に響く。
やっばい。自分からするのって……すっごい緊張する。

唇は重ねたまま、薄く目を開けてみる。
やっぱり……何度見てもかっこいいなぁ……。
もっと、もっと愁ちゃんを気持ち良くしてあげたい。
愁ちゃんの首筋、鎖骨、肩にキスを続けて、胸に舌を這わす。
胸の突起を口に含むと、愁ちゃんの身体が小さく反応した。
あ、気持ちいいんだあ……。
舌で弾くように突起を何度も舐めると、突起が大きくなってピンと硬くなる。

「っ……はっ……」

愁ちゃんは、あんまり声出さないなぁ、ってオレが出し過ぎなのかな……。
もっと声を出させたくなって、カリッと歯を立てる。

「ん……! ぁっ」

愁ちゃんが艶っぽい声を出す。

「愁ちゃん……。気持ちいい?」

「うん……下の方も……触って?」

オレはゆっくり下に目を向ける。
愁ちゃんの……オレのよりもおっきい……。
普通はグロテスクなはずなのに、それすらも美しく見えるのは愁ちゃんのだからなのかも知れない。
そっと握ると、先から出ていた液でヌルヌルと滑る。

「ッ……ん」

愁ちゃんは顔を上げて快感に耐えているようだった。
えっと……オレがしてもらって気持ちいいように……。
親指を裏の筋に沿わせて、ゆっくりと上下に動かしていく。
――ドクドクと脈打っていて、まるで心臓を触ってるみたい。
手で擦る度に、愁ちゃんの息が荒くなっていく。
どうしたら、もっと気持ち良くなってくれるかな……。
少し考えて、オレは思い切って愁ちゃんのモノをパクッと咥えた。

「っ!? ナオ……っ!? ……こらっ、ぁ」

オレは構わず口の奥まで入れていく。

「はっ、ぁ……」

愁ちゃんがベッドシーツをギュッと握りしめる。

愁ちゃん。
大好き。
だから……もっと気持ち良くなって?
口を動かすと、ジュプジュプといやらしい音が出る。

「ナ、オ……」

舌を使って先の方のくびれを舐めると、愁ちゃんの腰がビクビクと痙攣を始めた。

「……も……ガ、マン……限界。……口……離して?」

途切れ途切れに愁ちゃんは言ってオレの頭に手をかけたけど、離す気は無かった。

「ふぁや」

“ヤダ”と咥えたまま喋って、もう一度喉の奥まで深く入れる。
その瞬間ーー口の中に愁ちゃんの味が広がる。
ーゴクンッ!
慌てて飲みこんだから、ケホケホと咳き込んでしまった。
愁ちゃんはオレを優しく抱きしめながら言った。

「……ありがとう。すごい……嬉しかった……」

愁ちゃんが嬉しいと、オレも……嬉しい。

「今度は……ナオの番だね。またおっきくなってるもん」

ふと自分のを見ると、さっき出したとは思えないくらいパンパンに張っている。
オレ……、やっぱりエッチかも……。
愁ちゃんが笑いながら囁く。

「俺以上に…気持ちよくさせてあげる…」

今日はお母さんが帰ってくるまで一日中されちゃうかも……。
そんな事を考えながら、オレは愁ちゃんに体を預けた。

 × × × 

《以下おまけ》



「ぁ……ぁぅん……っ……んぁ」



チュク……ジュッ……ジュッ



「愁……ちゃ……! もぅ……だめぇ……」



「……まだ、身体半分しか舐めてないよ」



チュ……クチュ……チュ……



「オレっ……っ……溶けちゃ……うよぅ……」


episode3

《愁目線》

久しぶりに母さん達も日本に戻ってきて、俺達は全員で花火大会に行く事になった。
人、人、人。
日本有数の花火大会とあって会場は人で埋めつくされている。
俺達はやっとの事で場所を確保し、ゴザの上に座った。
浴衣なんて、久しぶりに着る。
直人も藍色の浴衣が良く似合ってる。

「あっ! あっちに屋台があるー!」

そう言って屋台の方に駆け出す直人。
あっと言う間に人混みに紛れて見えなくなる。
母さん達は久しぶりの話に夢中の様で全然気付いてない。
……ったく、ナオが迷子になったらどうするんだよ。
俺は急いで後から追いかける。
直人は綿飴屋の前で立ち止まっていた。

「ナオ!」
「あ、愁ちゃん!」
「もー……。勝手に一人で行動したら危ないってば。」
「あのさ、この綿飴買いたいんだけどお財布忘れちゃった……。オレ、戻って取ってくるっ!」
「いいよ。俺が買うから。オジさん、一つちょうだい」

オジさんから大きな綿飴をもらうと、ハイと言って直人に手渡した。
なんで皆こんな甘いのが好きなんだ…? ただの砂糖の塊なのに。
可愛らしくない事を考えながら目を輝かして食べる直人を眺める。

「愁ちゃんも食べるー?」

口の周りをベタベタにしながら直人が見上げる。

「いや…俺は甘いの苦手だからいい。」と断ると「ぇー…そぅ?」と直人が悲しそうな顔をする。

俺はそんな姿がいとおしくなって直人の顔の周りを指で拭うと自分の口へ運ぶ。

「ん。おいしいよ」

そう言って微笑むと、直人は少し顔を赤くしてニコッと笑顔を返してくれた。
―――突然、ドドーンと大きな音が大きな歓声と共に聞こえた。
……もう花火始まった!?

「ナオ、もうみんなのところに戻らないと」

直人の手をとって人混みの中を歩き出す。
反対方向からも人が流れてなかなか前に進めない。
少し進むと、分岐点で警備員達が行き道を塞いでいるのが見えた。

「すみません。僕達、向こう側に家族が場所を取っているので通りたいんですけど…」
「あーココ花火が始まったら通行規制かかるんだわー。ごめんねー」

事務的に警備員が答える。
どうしようかと考えていると、携帯が鳴った。
母さんからだ。

「――もしもし?」
「――あ、愁? もう始まっちゃってるわよー? どこに居るのよ?」

俺は事情を説明し、ひとまずは別々に花火見物し終了後に駅で合流する事にした。

(ドン ドン ドーン)

次々と打ち上がる花火。
人混みでチラチラとしか見えない。
俺より背の低い直人は全く見えていないだろう。
あー……直人にちゃんと見せてあげたかったな。

「ごめん。ナオ。みんなとバラバラになっちゃうけど、二人で見ようか」
「うん!」

ギュッと俺の手を握り返す。
やっと河川敷まで下りて、二人分のスペースを見つけて座った時は、すでに花火は中盤に差し掛かっていた。

(ドーン ドン ドーン)

「わー! すっごーい!」

直人は歓声を上げて花火を見上げている。
やれやれ。ひとまず俺の仕事は終わったな。
夜とは言え、まだまだ蒸し暑い。
しかもギュウギュウに座っているので汗が流れてくる。
俺はパタパタと浴衣の中に風を送る。

(ドドーン ドーン)

「愁ちゃん……」

ふと気付くと隣の直人が花火ではなく、俺を見ている。

「ん? 何?」
「浴衣……はだけ過ぎ」

あぁ、さっきの人混みで崩れたのかも。

(ドドン ドーン)

「あー……ほんとだ。でも暑いからこれでいいよ」
「……良くないっ」
「えっ? なんで?」
「……ドキドキするから」

そう言って直人はプイッと顔を夜空に戻した。

(ドン ドドン ドーン)

もー……。直人はそれが誘ってるって自覚がないからずるい。
直人の瞳に花火が映る。

(ドドーン ドン ドン)

俺は顔を近づけていって耳元で囁く。

「ナオ」

ピクッと肩が上がる。

「ドキドキ、してるんだ?」

顔は花火の方を向けたまま、直人は小さくコクンと頷いた。

「でもココじゃ人がいっぱい居るからエッチな事出来ないよ?」
「わかってる……もん」
「でも想像してるんでしょ?」
「……うん」
「俺がナオのを舐めたり?」
「……愁ちゃんのエッチ」

直人は膝を抱えながら、潤んだ目で俺を睨む。
俺は笑って「想像するナオの方がエッチだよ」と返した。

×

そんな会話の後――俺達はまた花火を眺めている。

(ドーン)
(ドン)
(ドーン)

「……キスだけ」
「え?」
「キスだけ……ちょーだい?」

直人が俺を見つめる。
その時、クライマックスの花火が上がった。

(ワアァ!!)

みんな歓声を上げながら上空を見ている。
見ていないのは俺達だけ。
直人は俺を。
俺は直人を見ていて。

暫く見つめ合った後――俺達は唇を重ねた。

 × × ×
続き
 × × ×

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最終更新:2010年05月16日 03:12
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