※短編だらけ※ 続き5

228: 名前:時雨☆10/31(土) 16:01:57
一時期テニ○リのバトロワにハマってた時に書いたものです。しかも原作を見た事無いので殆どオリジナル設定orz
変な所が多々あると思いますが、触れないでやって下さいm(_ _)mしかも長いです。
※※





【死神が暇してる。】




 何故こんな事になったんだろう--
 それはその場に居た全ての人間が思った事だった。
 代わり映えがないながらにも、平穏だった日常が壊されたのは昨夜。突如やってきた仮面を付けた男は、この小さな村の人間全員に村全体での “殺し合い”を命じた。
 平穏だった日常に訪れた劇的な変化。最後の一人になるまで殺し合いを続けなければいけないこの状況はまるで地獄のようだった。
 男、女。小さな子供に年老いた者。自分が生き残る為には他人を殺さなければならない。それは友人でも恋人でも。例え家族だろうと。
 男は言った。「生きたければ殺せ」と。
 そして、血と狂気に塗れた
 BR(バトル・ロワイヤル)は始まった。

 制限時間は48時間。
 反則行為無しのなんでもあり。
 制限時間内に一人が決まらなかった場合は全員の命はない。
 ただ一人のみが、生きて残れるのだ。





「いや、いやだ……死にたくない、死にたくないっ」


 両足を抱えるようにして物陰に隠れながら男は何度も同じ言葉を繰り返す。
 定期的に場所を変えながらこそこそと動いていたこの男は、一夜明けた今の今まで奇跡的にもまだ、誰とも接触はしていなかった。その代わり途中、幾つも今ではただ蛋白質の塊と化してしまったものを見てきていた。
 戦わず、ただ逃げ回っている自分。卑怯で臆病で意気地の無い自分。
 男の手には小型のナイフが一つ握られているだけ。支給された武器の中には銃などの銃火器なども含まれている。実際、男も何度か銃声を耳にしていた。
 一体どれだけの人間が死んだのだろう、自分も殺されるのだろうか。そんな事ばかりが頭の中を巡り、余計に自分自身の恐怖心を煽った。


「っ!」


 ふと、すぐ近くの草むらが揺れた。思わずナイフをぎゅっと握り締める手に力が入る。ジリッ、と僅かに後退する。
 いつでも逃げ出せるように足に力をいれた。BRが始まってから初めての遭遇者だが、相手は間違いなく誰かを殺めているに違いないだろう。
 まだ日が出ている時間とはいえ樹々に囲まれた此処は薄暗く、相手の姿までは目視出来ない。漸く慣れてきた目を凝らして男はその場に凍り付いた。


「こんな所に居たのか」


 現われたのは泥と血で全身を汚したかつての自分の親友だった。
 いや、男にとっては今現在も進行形で親友であった。その親友の手には彼の支給武器であるらしい軍刀。その軍刀からは真っ赤な血液が伝い地面に赤い水溜まりを作っていた。


「探したんだぜ。生きてたんだな」


 そう言う親友の口元が歪に吊り上がる。本人は笑みを作っているつもりなんだろうが、それはお世辞にも“笑顔”とは良い難かった。
 歪に口元を吊り上げる親友が軍刀を握る腕を振り上げた。その瞬間、男が我に返りギリギリの所で振り下げられた軍刀を避け駆け出した。


「逃げるのか? お前は本当に臆病で、」


 卑 怯 者 だ な。





 背後から迫ってくる自分以外の足音。自分の心臓の音が妙に煩かった。
 背後を振り返る余裕もない。無我夢中で走り続け、漸く見えた民家に飛び込んだ。


「ヒッ!」


 民家に飛び込んだ男がその思わず目を覆いたくなる様な惨状に引きつった声を上げる。
 元人間だったものが俯せに倒れ、床一面に赤黒い染みが広がっている。この家の住人だったものだろうか、はたまたBRが始まってからこの家を拠点としていたものだろうか、今となっては知る者はいない。
 男は胃が痙攣し中身を空にしようとする衝動を必死に堪え、急いで扉を閉めつっかえ棒を置いた。
 肩で荒く呼吸を繰り返し、「これで大丈夫だ」と一息吐こうとした瞬間、大きな音と共に男の目の前の扉がゆっくりと男の方へと倒れてきた。
 男の足元ギリギリに倒れた扉。辺りに砂埃が舞い、涙を浮かべながら身体を折り曲げ咳き込む男に影がさした。
 床を見る男の視界に自分以外の人のものの足先が映り、見覚えのあるそれに再び凍り付く。


「俺から逃げられると思ってたのか?」


 歪な笑みに濁った瞳は狂気の証。
 男はこんな状況になっても尚、壊れる事の出来ない現実を呪った。いっそ壊れてさえしまえればこんな想いをする必要は無かったのに、と。


「知ってるか? あと生きてるの、俺とお前の二人だけなんだぞ」
「えっ……」


 親友の言葉に男からサッと血の気が引いた。
 確かに小さな村とは言えたった一日で残りの人数が自分を含めて二人にまで減るものなのだろうか。
 怯え、震える男の頬に軍刀が当てられ頬に赤い線が引かれた。皮膚を薄く切られその部分がジンジンと熱を孕む。
 相手の武器は軍刀で、自分が今手に持っているのは小型のナイフ。リーチの差から見ても自分が不利なのは明らかだ。


「生き残った方が“勝ち”だ」
「……殺す、のか?」


 いや愚問だ。そうしなければどっちみち二人共死ぬ事になる。自分が生き残る為には自分以外を殺し最後の一人にまでならなければ、自分が殺される。


「あぁ。俺の為に死んでくれよ」


 ギリッと奥歯を噛み締める。
 死にたくない。けれど殺したくない。そもそも何故こんな馬鹿げた事をしなくてはならないんだ。つい二日前までは平穏に過ごせていたのに。
 今となってはそれは過去の事。けれどそう割り切るには余りにもそれは大き過ぎ、また重過ぎた。


「ぉ、お前は、それで満足なのか?」


 尋ねられた彼の顔が怪訝に歪む。しかしすぐにそれは狂気に塗り替えられた。


「いんや。足りねぇな。まだまだ殺し足りねぇよ」
「え、?」
「自分の獲物が他の奴の肉を骨を切り裂く感覚が堪んねぇんだ。特に子供の肉は柔らかくて……、ぐっ」


 自分の握る軍刀に頬擦りをしながら恍惚とした表情で言う男が途中言葉を途切れさせた。
 その胸には男の持っていたナイフが深々と突き刺さっている。
 止めなくては、と思った。これ以上彼を狂わせてはいけない、壊させてはいけないと。


「ぁ、あ……違っ、僕は……違う、殺すつもり、な、んて……っ」


 鈍い音を立てて倒れ込んだ身体は最早生命活動を止め、男が今まで何度も見て来た蛋白質の塊と同じものになってしまった。
 床に新しい染みが広がっていく。彼の方もまさか自分が殺されるとは思っていなかったのか、驚愕の表情で事切れていた。
 そんな変わり果ててしまった親友だった彼の姿と自分の手を染める赤に男は恐怖し慄いた。
 そして震え真っ赤に染まった手で自分が支給された武器の入った袋を開ける。
 男は袋の中から取り出した拳銃を暫し見つめ、口の中に溜まった唾液をごくりと溜下した。
 男の支給武器は所謂“当たり”だった。しかしその重みといい、人の命を簡単に奪えるそれに畏怖した男はたまたま拾ったナイフをせめてもの護身用として持ち歩いていたのだ。
 結果的にそのナイフが己の親友の命を奪ってしまう事になったのだが。
 男がその銃口を自らのこめかみにあて、ぎゅっと目を瞑り引き金を引いた。
 乾いた音と共に血飛沫が辺りに飛び散った。ゆっくりと男の身体が傾き、その場に倒れ伏す。





「……まぁまぁだったな」


 そう言い放ち腰掛けていた椅子から立ち上がった男の顔には真っ赤な仮面。
 そしてその仮面の男が今まで見つめていたそこには、胸にナイフが刺さった男と自らの頭を打ち抜いた男を映した画面があった。


「王子。優勝者がおりませんが如何致しましょう」
「死体共々全て燃やせ。何も残すな」
「承知しました」


 王子と呼ばれた仮面の男は従者が立ち去ったのを気配で捉え小さく息を吐いた。
 つい今まで殺戮が行われた様子を映していた画面を見れば、仕事が早い従者のお陰か、燃える自分の退屈凌ぎだったそれ。


「これも飽きたな。もっと面白い遊びを考えねば。また暇になってしまった」




 その日、
 一つの村が地図の上から消えた。


231: 名前:時雨☆11/01(日) 13:41:52
ウ○キとグー○ルは私の友達!(殴
銃の性能やらなんやらはウィキ参照!!
もうなんなの私!!←
NGワードのバカヤロー!!!
※※






【殺し屋さんの気紛れ】




 殺し屋なんて、危ない仕事とかをしていない限り、殆どの人間が自分には関係の無い、一生縁の無い職業だと思っていると思う。


「なぁー、暇ぁー」
「つい先日、やっと大きな仕事が片付きましたからね。仕方ないです」
「だからって暇すぎる。もういっそ死にたい」


 それでも存在してるもんはしてるんだ。
 なんたってこの俺が、そうなんだから。
 ただ、それに気付かないだけ。映画なんかに出て来るグサランした厳ついオッサンとか、筋肉質な野郎とか、そんなの想像した奴。馬鹿だな。
 そんなあからさまな風体してたら怪しまれて下手したら殺し屋ってバレてそこで終わりだ。
 どこにでも居そうな、そんな奴が実は殺し屋だったりするんだぜ?
 まぁ、変わり者が多いのも確かかもな。
 もちろん、こんな職業オープンには出来ない。この事務所だって表向きはただの便利屋だ。


「ふざけないで下さい。死にたがりが。貴方の変な条件、ですか? あれが無ければもっと仕事入るんじゃないんですか?」
「えぇー、そればやだなー」


 神経質そうに眼鏡のブリッジを上げながらそう言ったのは経理担当の……えぇっと何だっけ? まぁいいか。
 それで経理くんの言った条件の事だけど俺達殺し屋はそれぞれ自分のポリシーみたいなものを持った奴が殆どだ。
 大金を用意しろ、自分が面白そうだと思った仕事しかしない、仕事の内容に一切口出し無用だ、とか他にも色々。
 俺の場合は“女しか殺さない”だ。
 大抵の場合は大物政治家だったり、殺す標的は男が断然多い。そのせいもあってか仕事の依頼は月に1回あれば良い方。


「その事で前から聞きたかったんですが、何故ターゲットが女性のみなんです?」
「んあ? あぁ、俺ゲイだから。おまけに女嫌いだし」
「……はい?」


 俺、はっきり言ってこの世の女、みんな死に絶えれば良いと思ってるし。因みに依頼主が女だった場合は他の奴に応対させてる。それか追い返すか。
 だから女なら躊躇い無しで殺せる。男は依頼されて、もしもターゲットが俺の好みだったら面倒だから引き受けない、ただそれだけ。断るのも面倒だしさ。
 俺、面倒臭がりだから。


「--あ。安心して? 経理くんは俺の好みじゃないからさ」
「そう、ですか……。て、経理くんて何ですか!? いい加減名前を覚えて下さい!」


 そんな感じで俺は今まで仕事で失敗をした事がない。
 依頼は決して多い方じゃないが、一回の報酬がかなりのもんだから生活もしていけてる。


「全く……。でも、本当に男は殺さないんですか?」
「うーん……」


 経理くんの言葉と窺う様な視線に唸りながら、それまで手で弄んでた愛用の拳銃を見つめた。
 キングコブラ。アメリカのコルト社が生産してた回転式拳銃。マグナム弾の衝撃に耐えられるように従来のリボルバーより強度を意識したつくりになってる上に、錆に強いステンレスを使ってる。その所為でシルバーカラーが標準仕上げになってるんだが、俺シルバー好きだし問題無しだ。
 高い耐久性と安定した性能のおかげで、アメリカの一部の警察関係でも使用されたんだ。格好良くね?


「そうだなー……」


 手に持つソレの銀色を見つめていて、ふと頭を何かが過ぎった。


「なっ、何してるんですか!?」


 経理くん煩いよ。
 何、って銃口を自分の頭に向けてるんだよ。見れば分かるでしょ?


「丁度死にたいと思ってた所だし、これで俺が死 ねば男、殺した事になるでしょ?」
「そ、そんな馬鹿な事やめてください!」
「やだ。もう決めたし。それじゃあ、経理くん。……バイバイ?」


 そう言って俺は引き金を引いた。
 やっぱり耳元だと五月蠅いね。あは、目の前真っ赤だよ。




 それは最初で最後の、
 殺し屋さんのほんと迷惑な気紛れ。


232: 名前:時雨☆11/01(日) 16:54:11
【傷だらけの背中】




「あ……」


 ふと側で着替えていた龍を見遣って、目に入った龍の身体に思わず声を出してしまった。
 ベッドに腰掛けている龍はオレに背中を向けながら寝間着に使っているTシャツを着るところで、声を洩らしてしまったオレを振り返って来る。


「どうした?」
「これ……」


 身を乗り出して露になっている龍の広い背中に触れる。男らしい背中に何本も走る痛々しい線。指先でそれをなぞれば龍が引きつった声を洩らす。


「ッ……」
「あ、ごめっ……痛いか?」
「いや……平気だ」


 これは間違いなく自分が付けたもの。龍と身体を重ねた時に無意識に爪を立ててしまっていたみたいだ。
 今はそうでもないが、きっと付けられた当初はみみず腫れなんかが酷かったに違いない。そう思ったら、オレは無意識の内に龍の背に唇を寄せていた。


「恭悟?」


 驚きを滲ませた龍の低い声に名前を呼ばれて顔を上げれば、龍が身体をこちらに向けてきた。
 どうした? なんて頬を撫でられる。


「痛いだろ? ごめん……」
「背中の事なら気にしなくて良いぞ? 男の勲章ってな。それに、オマエが付けたモンだし」
「でも……」


 言葉を続けようとしたら、もうそれ以上何も言うな、と言わんばかりに唇を塞がれた。啄むような接吻けを何度か繰り返してから、深く貪られる。


「ん……んんっ」


 熱く濡れた舌で歯列をなぞられ、上顎をくすぐられる。かと思えば舌を舐められておずおずと自らも舌を差し出せばすぐさま搦めとられた。甘く吸われでもしたら、背筋に危うい快感が走って腰の辺りに熱が溜まる。


「んぅ……ふ、っ……はぁ」


 最後に唇を舐められてから漸く長い接吻けから解放された。でももう暫くは甘いキスの余韻に浸る。


「背中の事はもう気にするなよ?」
「ん。…… わかった」


 未だどこかふわふわと地に足つかない様な思考で龍の言葉に頷く。
 そうしたら龍の顔が近付いてきて、耳朶を甘噛みされた。


「これからも好きなだけ感じて、背中に傷付けてくれな?」




 翌朝、早速オレは爪を切った。
 思い通りになんてなってやるもんか。






※※
228
と言い、
231
と言い。
↑今更だけど薔薇要素無いじゃんか←
てな事なんでお兄ちゃんズですw←
背中に引っ掻き傷とかホント堪らないww
そういえば私って受け目線で書く事多い…
爽と言い恭悟と言い……
考えておこう←


238: 名前:時雨☆11/02(月) 20:13:29
【コレ、何だと思う?】




「今日さ、ちょっと違う事シてみない?」


 これから二人でベッドイン! て所で俺は予め用意してた“ある物”を先にベッドインしてしまってたこの子に見せた。
 まだまだこーゆーコトに疎いこの子は俺が持ってる物の正体が判らないのか首を傾げてる。


「コレ、何だと思う?」
「なに? それ」


 くりくりの大きな瞳を更に大きくさせて首を傾げる姿は小動物を連想させて、なんだか一人擦れてしまってる自分が嫌になりそうだ。


「簡単に言えば気持ち良くなれる薬」
「気持ち良く……?」


 俺は頷きながらベッドに乗り上げる。お互いの唇が触れそうな程に近付いた所で、普段そういうコトをしてる時みたいな声で囁いた。
 案の定彼は顔を耳まで真っ赤にさせて。


「大丈夫。身体に害はないから。ね? 気持ち良く、なろう……?」


 そして俺は小さく頷いた彼に媚薬を含ませ、ゆっくりとベッドに押し倒した--




 今は綺麗な所に居れば良い。
 だっていずれ俺の所に堕ちるんだから。








※※
なんだコレは←
またも蔵出しです。
というより最近、何をあげて、あげてないのか分からない……orz


239: 名前:時雨☆11/02(月) 23:02:33
【もしもの話】




 もしも、もしもだよ?
 俺が死んだら、君はどう思う?


 なんとなくそう思って、聞いてみた。誰だっていつかは死ぬんだから。
 俺がそんな軽い気持ちで聞けば、君は何故だか沈痛な面持ちで俺の側までやってきて俺を抱き締めてくれたよね。
 俺はその時思ったんだ。
 あぁ、馬鹿な事聞いちゃった。って。


「……ごめんね。変な事聞いちゃって」


 腕の中に収まりながら謝れば、俺を抱く腕に力が入る。


「本当です。ばかな事言わないで下さい」
「うん、ごめん……」


 君の声はいつになく真剣で。俺は数分前の自分を殴りたくなった。


「貴方が居なくなるなんて考えたくもありません」


 こんな馬鹿な俺を許してね?
 俺も君が居なくなるなんて嫌だから。


「……あの、もしもですよ?」
「うん」




 もしも僕が死んだら貴方は泣いてくれますか?








※※
「そうだね。泣いて泣いて、泣きまくった後に下手したら後を追っちゃうかも」
なんて続けば良いと思います←


ダメだーーーっ!!!!!
最近ホントにネタが降りて来ないし書けないっ!!!!
最近気分落ち込んでるせいか!?
そうなのか!?そうなんだろ!?!?←


誰でも良いから詳しい設定等をリクエストとかと称して提供してくれないだろうか←
おこがましいな。分かってますとも←


あ。双祈様のリクエストは現在死に物狂いで執筆中です。ご安心を←
だから“執筆”ってなんか格好いry(殴


240: 名前:時雨☆11/03(火) 15:46:27
 私はどうなったのだろうか。
 誰か、教えて欲しい……。


【corruption - 堕落 -】


「っあ……も、いやだ……っ」


 私は今、神の前で無理矢理身体を開かれている。
 ここは教会で私は神父。
 教会と言っても田舎の小さなもの。祈りを捧げに来る者といえば年老いた者だけ。若い者は出稼ぎに町へ出てしまって、居るのは私くらいだ。
 それで何故、私がこんな目に遭わなければいけないのか分からない。
 私の目の前に居るのは神とはまったく別の生き物。真逆の漆黒の翼を持った悪魔。
 神に仕える神父の身で、私はこの悪魔に心の弱い部分に付け込まれてしまった。細心の注意を払っていた筈だったのに、この悪魔の方が私より何枚も上手だったのだ。
 ただでさえ屈辱的なのに、神の目の前で祭壇の上に寝かされ足を開かされているなんて想像したくもない。


「ひぃ……っ、ぁあ……」


 それでも何度も開かれた身体は素直に受け入れてしまう。
 目の前の悪魔が口の端を吊り上げて私の事を嘲笑う。


「神父様が神の前でこんなに淫らな姿晒してさ。そんなに気持ち良いのか?」


 肉をズタズタに引き裂き、臓物を抉り、骨をしゃぶって血を啜る。この悪魔は私を“食べる”という事はしなかった。
 ただこうして私を神の前で汚すだけ。
 私にすれば死よりも苦痛だ。


「ぃ、っ……あ、っ、くあっ……」


 悲鳴にも似つかない、喘ぎ声。
 禁欲が基本の神父。その私がこんな事に慣れている訳もなく、どうすれば逃れられるのかなんてもちろん知る筈がない。
 それ以前に男に犯されるなんて冗談じゃない。
 これは罪なのだ。私は罰せられて当然の事をしてしまった。いや、してしまっている。
 神への冒涜行為を--。
 毎晩のように蹂躙される。
 人間とは違い疲れを知らない悪魔に私は何もかもが限界だった。
 肉体的にも、精神的にも。
 それこそ、今まで信じてきた神に祈りを捧げようという事にさえも。
 神は私を救ってはくれなかった。


「ほら、アンタの中も俺のを咥え込んで離さないぜ?」
「あぁっ……あ、ひ、ぃ……っ」


 悪魔の言う通り、私の身体は肉の擦れる度に快楽を拾う程になってしまっている。 私はもう彼の掌の上で踊る人形と化していた。
 揺さぶられる度に声が洩れてしまう。
 もう身体だけでなく心まで堕ちてしまいそう。
 いや、弱い部分に付け込まれた時点で堕ちたも同然なのかもしれない。
 もしかしてここまで己の意思を保てたのは神のご加護があったからなのだろうか。
 今となってはそんな事はどうでも良い。


「なぁ、いい加減俺のモノになれよ」


 私の身体を巡る快楽と似た甘い囁き。
 彼のモノになる?
 そうすれば私は楽になれるのだろうか?


「俺の元に堕ちろ。そうすれば楽になれるぞ。神なんて、所詮こんなものだ」


 私の心を読んだような言葉。
 そうか、楽になれるのか。
 もう抵抗する気力もない。私にあるのは断続的に与えられる快感と慢性的な疲れ。
 そして信じるものを失った虚無感。
 虚ろな頭で彼の囁きを理解した私は無意識に首を縦に振っていた。


 今まで信じてやまなかった神を裏切り見限った瞬間。
 悪魔と契約の鮮血の口付けを交わしてしまった瞬間。




 私はついに堕ちた--








※※
またも蔵出しです。
【悪魔×神父】で神父視点です。
あぁ…拙い……←
私成長してない……←
頑張ってるつもりなんだけどなぁ……←


ところで話は変わりますが、今更ですけど私携帯から書き込んでるんですよね。だからきっとPCからだと改行ウザイと思うんです。
すいません!!!m(_ _)m←


243: 名前:時雨☆11/03(火) 18:24:22
【耳元で低く囁く愛】




「…… 何のつもりだ」


 リビングでテレビを見ていた恭悟をなんか無性に抱き締めたくなって、後ろから抱き締めたら一番に言われたのがそれ。
 恋人にそんな言い草は酷いと思う。普通のスキンシップじゃねぇか。


「別に良いだろ?」


 言いながら恭悟の腰に回した腕を自分の方に引き寄せる。腕を叩かれようが抓られようが知るか。
 俺は俺のしたいようにしてやる。


「龍。離せ」
「嫌だ。絶対離さねぇ」


 ハッキリと宣言しながら恭悟の細い腰に回した腕に、恭悟が苦しくならない程度に力を込めた。必然的に密着する形になって自分の鼻腔をくすぐる甘い体臭に少しの間だけ酩酊する。大きく息を吸って、ゆっくりと吐けば、零れた吐息は自分の意思とは別に酷く熱っぽいものだった。


「ちょっ……発情するな」
「オマエが悪い。……スッゲェ甘い匂いがする。堪んねぇ……」


 わざと低い声で囁いて、後ろから恭悟の形の良い耳をゆっくりと舐め上げる。
 恭悟が息を呑む気配がした。コイツは俺のこの声に弱いからな。


「なぁ、シようぜ? オマエが欲しい」
「っぁ……ゃ、んっ……」


 聞こえたのは明らかに体臭同様に甘さを含んだ声だった。恭悟自身もそれに気付いたのか、両手で自分の口を覆って声を出さないようにする。
 手が使えなくなったのを良い事に恭悟の身体をまさぐる。すぐに指先が恭悟の胸を控え目に飾る突起を見つけだして、摘んでやればぴくりと肩が跳ねた。


「んぅ……ん」
「全部任しちまえよ。…… オマエがもう良いって思う位、愛し尽くしてやるからさ」




 あ。
 後ろからじゃなくて
 正面から言うべきだったか?







※※
あぁ…そーゆー“コト”してる訳でもないのに淫靡な雰囲気が出せる小説を書ける様になりたい……←
BLよりMLの方が書きやすい気が…←
お兄ちゃんズ書きやすいんですw←
龍…こんなキャラじゃない筈なのに。何故だか恭悟相手だと甘くなる……(ΘoΘ;)誰


250: 名前:時雨☆11/04(水) 17:40:00
 悪魔を見てみたい。
 誰しも一度は思った事があるだろう?


【desire - 欲望 -】


 俺は本当に運が良かった。
 ただそれだけの話だ。


「よぉ。お加減はどうだ?」


 教会の地下。
 この教会の神父である俺でしか足を踏み入れる事のない場所。そして此所はそこにある所謂“地下室”って所だ。
 俺が声をかければジャラッ、と金属同士の擦れる音がする。暗い部屋でも猫の目のようにハッキリと見える二つの紅。それがまっすぐ俺に向けられる。
 手探りで電気のスイッチを探して、電気を点ける。紅い目を細めて眩しそうな表情をしたソイツは、俺が朝出て行った時と変わらず部屋に備え付けられてる簡素なベッドに手首から伸びる鎖で繋がれていた。


「テメェ、絶対殺してやるからなッ」


 開口一番に言われた死刑宣告。
 状況が状況だけに、そんな事を言われても怖くもなんともない。


「その台詞は聞き飽きた」
「うるさい!」


 コレは、数日前にこの教会に落ちてきた“悪魔”らしい。
 随分と間抜けな悪魔なこった。
 落ちてきて、その上無傷、って時点で人間じゃないとは思ったがそれがまさか悪魔とは思わなかった。
 でも、悪魔[コイツ]の背中、肩甲骨の辺りから生える漆黒の翼に尻尾。それに加えて天然の深紅の瞳とくれば信じざるおえない。本当は神父って職業柄、悪魔を退治しなきゃいけないんだろうけど、悪魔が俺の好みだったから力を奪って此所に繋いでいる。


「来るなっ!」
「オマエ、何度言えば分かるんだ?」


 俺には勝てないって分かってる癖に相変わらず反抗的な態度をとる悪魔を眼鏡の硝子越しに睨みつける。


「ッ……」


 息を詰まらせ、ほんの一瞬だけその瞳に怯えが映った。


「俺は、他人に命令されんのが大嫌いだって言ったよな?」
「ぃ、いや……っ」


 悪魔が繋がれてるベッドに乗り上げればギシッ、と軋んだ音をたてる。これからされる“コト”に悪魔は恐怖で顔面蒼白。声も上擦ってる。
 ここまでくれば、悪魔が俺の元に跪くのも時間の問題だ。


「たっぷり可愛がってやるよ」


 悪魔の深紅の瞳に見えたのは楽しそうに笑う俺のカオだった--


「……あッ、あッ! も、っゆ、赦しっ」
「ダメだ。俺が満足するまでこのままだ」


 悪魔を凌辱し始めて何時間だろうか。
 この地下室には時計を置いていないから正確な時間が分からない。日の光も届かないこんな地下に何日も繋がれて、毎晩のように凌辱され続ければ、余程強い精神力を持ってなきゃ発狂してるに違いない。


「赦してっ、また、またイクッ、!」


 泣きじゃくりながら俺に赦しを請い、何度目か数えるのも面倒になった白濁を己の腹に放つ。数を重ねるごとに量が減り、色も薄くなってるのが分かる。


「クッ……!」


 俺もまた、悪魔のナカに何度目かのソレを吐き出した。そして、快感の余韻に浸る暇もなく悪魔のナカを再び蹂躙していく。
 神父は禁欲が基本?
 そんなの知るか。
 普段、この教会に来る奴等には“優しい神父様”を演じてやってるんだからそれで良いだろ。
 そのストレスを、俺は悪魔で発散させてる、それだけだ。


「やっ、あ……あっ……もう、出ない、からっ……やぁ、っ、 たす、助け……ッ」


 うわ言のように助けを求める悪魔の瞳にはすでに最初の頃のような輝きは無く、虚ろなソレには何も映ってはいない。それでも身体は貪欲に快楽を欲しがってる。その証拠に、悪魔の中心は未だ反り返って先端から先走りを垂らしてる。


「なに言ってんだ? オマエのコレは全然元気そうだぞ?」
「ひぁぁあああっ!」
「……ほら、出たじゃねぇーか」


 とは言ってもホントに少量だ。
 案の定、悪魔の方も意識を飛ばしちまったらしい。反応が返って来ない。思わず舌打ちをして悪魔の頬を何度か叩いて起こそうとする。


「おい。誰が寝て良いっつった? 起きろ」
「……ん……ぅっ……」


 ダメだ。
 呻き声は上げるけど一向に目を覚まさない。
 今度はさっきより強めに悪魔の頬を打ってやる。そしたらさっきは起きなかった悪魔の目がうっすら開いた。どこか虚ろな視線を彷徨わせ、俺を映す。
 キレるか?
 そう思った俺の思考とは裏腹に悪魔は俺の姿に表情を崩した。
 その初めて見る悪魔の表情に判断が遅れる。何故悪魔が笑ったのか意味が分からない。


「……デ、ザイア……」


 悪魔が口にしたのは初めに会った時に教えた俺の名前。
  “desire”=欲望。
 神父の名前が欲望ってどうなんだとは思うけど俺はこの名前、嫌いじゃない。
 何度も言ったのに意地でも呼ぼうとしなかったソレを今、確かに呼ばれた。


「……どーゆー風の吹き回しだ」
「デザイ、ア、デザイアぁ……」


 聞いてみても俺の名前を何度も何度も繰り返すだけの悪魔。妙に甘ったるいその声に、何となく状況が掴めてきた。


「……セオ?」


 悪魔の名前。無理矢理聞き出したのは良いけど呼ばずにいたソレを初めて呼んでやる。耳元で甘く。


「ん。デザイア……っ」
「セオ。俺はオマエの何だ?」
「うん? デザイア……?」


 俺の質問に首を傾げたセオに勝手に口元が笑みを象る。
 セオの心が壊れた。
 ……否、俺が壊した。もう笑みを隠す必要はない。
 俺を見上げてくるセオの頬を両手で包みセオの深紅の瞳を見つめる。


「俺はオマエの所有者だ」
「しょゆう、しゃ……?」
「そうだ。オマエは俺のモノだ」


 目を瞬かせながら俺の言葉を反復するセオ。
 もうセオには俺しか居ない。セオは俺が居なきゃろくに生活も出来ない。セオ[コイツ]の従うべきは俺だ。


「おれはデザイアのもの……?」
「あぁ。俺はオマエのご主人様だ」
「ごしゅじんさま……」


 今のセオは何も知らない赤ん坊みたいなもの。そして生まれたばかりの鳥の赤ん坊よろしく目の前の俺を親みたいなもんだと思ってる。今のセオは、俺の言うことならなんでも素直に聞き、受け入れる。
 いつかセオが元に戻って俺を敵視するかも知れない。だが、それもそれで、また壊す楽しみが出来るってわけだ。これ以上の玩具はない。


「セオ。俺にキスしてみな?」
「うん」


 ゆっくりと俺の唇に重ねられたセオの柔らかいソレ。
 旧約聖書のアダムとイヴは禁断の果実を口にして天界を追われたという。
 いくら良い人ぶっても、所詮、人間は欲望の塊だ。
 そして悪魔も自分の欲望に負け天界を堕落され、今度は人間を落とそうとする。
 だが見てみろ。




 ついに悪魔が俺の元に跪いた--





※※
またまた蔵出しですd(・ω・´)←
昨日のと逆 CP、【神父×悪魔】でまたも神父視点です。悪魔視点は多分無理です。だって私人間だもの←(馬鹿
いや、拙いですねorz


ちょっとした裏話?
神父のデザイアさんはそのまま“欲望”さんなんですが、悪魔のセオくんは西方世界の悪魔(所謂ルシファーとかサタンとか)のオセから名前を拝借しました。(と言ってもひっくり返ってますが;)
オセは【人間に狂気、妄想をもたらす、大きな体躯の優美な豹として現われる悪魔】だそうです。
セオはそんな感じ全然しませんねσ(^◇^;)
では、長くなりましたが、ここまで読んで下さりありがとうございます。
少しでも楽しんで頂けたなら幸いです(笑)


255: 名前:時雨☆11/04(水) 21:15:11
ふざけてます←
色んな意味で痛いです←
もはや小説ですらないです←
いや、ごめんなさいm(_ _)m
お、怒らないで!!!!Σ(゜Д゜≡ ゜Д゜)!!
※※






【何を隠そう俺は君が好きすぎる】




「今日も可愛いね」


「あぁ、その横顔も堪らないよ」


「あ! もちろん正面から見ても可愛いよ」


「ねぇ、可愛い声を聞かせて?」


「柔らかそうな唇にキスしたいな」


「その白い肌には女の子も敵わないよ」


「その大きな瞳で俺を見ないで?」


「照れちゃうからさ」


「睫毛長いよね」


「ほっぺもぷにぷに」


「柔らかいくせっ毛、ふわふわだね」


「君の全部が堪らないよ!」




 何を隠そう俺は君が好きすぎる!




 全然隠れてないってば。


258: 名前:時雨☆11/05(木) 17:06:32
【君を誘う声色は、】




「--よし! 今日こそは涼をぎゃふんと言わせてやる!」


 一人、自室でそんな事を言いながら固く決意を決めた爽は、この部屋に入ろうにも入れないでいた存在に全くと言って良い位気付いていなかった。
 程無くして、扉一枚を挟んだ所に居た涼が間をみて、もう良いだろうと判断してから部屋に入る。


「あ! 涼ってば丁度良いとこに!」
「どうかしたか?」


 まさか、自分が今までずっと扉の前で聞き耳を立てていたとは言えず、まぁ聞き耳と言っても涼からすれば聞かざるおえなかった訳だが、涼は恰も知らなかった風を装い爽に合わせる。


「うん。あのさ--」


 不意に言葉を途切れさせた爽に涼が首を傾げるのと同時に涼の身体が、普段爽が寝ているベッドに沈んだ。


「……は、?」


 涼が状況を理解する前に、ベッドに乗り上げた爽が涼の身体を跨ぎ涼の腰の辺りに陣取る。自分と同じ顔をした、今は目を瞠って自分を見つめている弟をどこか満足そうに見下ろした。
 ペロリと自らの唇を舐めて濡らし、淫猥に微笑む。


「シよ?」


 何を、なんて無粋な事は聞かない。こんな事までされて、言われれば、先程の爽の思惑を聞いていなかったとしても容易に想像が出来た。
 涼の返事など聞かずに爽が身体を折って涼の唇に己のそれを重ねる。頭を涼の喉元に移したかと思えば、涼が皮膚を引っ張られる感覚に顔をしかめた。


「お前、強く吸いすぎだっ」
「俺のモノだってシルシだよ」
「馬鹿か」


 『馬鹿』と言われ爽が唇を尖らせる。先程爽が顔を埋めていたそこには特有の鬱血痕。


「馬鹿じゃないもん。馬鹿って言った方が馬--っ!?」


 爽が不意に言葉を途切れさせた。己の背中への柔らかい衝撃に目を瞠る。漸く自分がベッドに押し倒されたのを理解すれば、一気に顔を真っ青にさせた。
 これでは計画が台無しだ、と。
 そもそも計画云々は既に涼に知られてしまっているのだが、その事を知らない爽は見るからにあたふたしだした。


「な、なんで押し倒すの!?」
「「シよ」っつったのはお前だろ?」
「いや、それは……そうだけど……」


 あからさまに慌てる爽の様子は涼を楽しませた。


「なんだよ、シたくねぇの?」


 わざとらしく少し沈んだ様子で言った涼に爽が首を激しく振る。爽が涼の着ているTシャツの襟を掴んで自分の方へと引き寄せた。
 涼の眼前には同じ顔をした兄の顔。そして唇には、やはりその兄の唇が。


「……ね、シよう?」
「もっと甘える様に言ってみろよ。俺をぎゃふんと言わせるんだろ?」
「え、知ってた……の?」


 みるみる内に真っ赤に染まっていく爽の顔。それに涼が微苦笑し、爽の耳元に唇を寄せた。


「イイ事、シようぜ……?」




 君を誘う声色は、
 とびきり甘い誘惑の色。







※※
久し振りの双子!!
最近はお兄ちゃんが多かったし…(ΘoΘ;)
誘う声色、まさかの涼の事ってね←
爽は色々空回ってれば良いと思う←
双子、なんか書きたい(●ーωー)=3

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最終更新:2010年05月19日 20:00
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