どうして変態なんですか 続き7

番外編①
テスト期間の間の話です。
多少の誤差は目を瞑っていただきたい…です(アカンやん



一時間目、数学。二時間目、現代文。三時間目、古文・漢文。

期末テスト…それは俺にとっちゃ、最大の苦痛イベントである。

今日はその最大の苦痛イベント一日目を終えた。

特に数学!! まあ、テスト勉強しなかったんだけど、コイツは厄介なんてもんじゃねえ。

古代の、確かピタゴラスとか言う賢人はどーして、こんなものやり始めたのだろう。

今日受けた数学の結果は、返ってくる前に分かってる。もうダメだこりゃ。

じゃあどうしてその数学の勉強しなかったのかって?

…それを聞いたら終わりだろ。

「はぁ~…」

東館屋上、お気に入りの場所に寝転がりながら俺は溜め息をついた。

一応明日の二時間目にある科学の教科書を持って来てみたが、大して意味はない。だって見たって分からないから。

ちなみに明日の時間割は、1、英語 2、科学 3、日本史

日本史は所詮覚えるだけなので大丈夫。今まで少しだけだがやって来たしな。

英語もまあ…何とかなるだろう。

問題は科学。数学の次くらいにダメかもしれない。

俺は隣にパサッと教科書を投げ捨て、買ってきたパンをかじった。

「慎也みたいに頭良かったらいいのになぁ」

心に思ったことが、勝手に声となって発される。

言った瞬間、ちょっと…ほんの少しだけ慎也に憧れてしまった自分に嫌悪した。


「呼んだか?」

ガチャ。

立ち入り禁止のはずの屋上のトビラが開いて、慎也が入ってきた(出てきた?)。

"立ち入り禁止のはず"って、まあ俺もその屋上に居るんだけど。

慎也は弁当が入っていると思われる袋を持ったまま、当然のごとく俺の隣に座る。

と、俺は警戒するように慎也と少し間隔を空けた。

だって、こないだあんなことがあったから。

「屋上立ち入り禁止だろ。くるなよ」

「旭も、来てるじゃねえか。それにいっつもここで一緒に昼飯食べてるのに、いきなりなんだよ」

「今日は三時間で終わりなんだから、わざわざ学校で昼飯食べる必要ないだろ」

「それは旭にも言えることだろ?」

理に適った反論をされて、俺は言葉を詰まらせた。

慎也は、投げ放たれた俺の科学の教科書を手に取った。

「勉強してたのか?」

「誰かみたいに頭良くないしー、やらなきゃ欠点取るだろ」

数学は勉強しなかったけど。おそらく欠点取るだろうけど。

「そーか。じゃあ今日、俺の家に来い。隅々まで教えてやるよ」

「絶対に嫌です」

慎也に教えてもらうなんて情けないマネできるか。自力でやって見せるわ!!

「へえ? 絶対に80点以上取らせてやるぞ?」

そっぽを向く俺に、自信満々に慎也は言う。その言葉に、耳がピクリと動いた。

は…80点以上だと? 科学の平均が40前後である俺に、80点以上はオイシイ話だ。

「…本当だな? 本当に80点以上取れるんだな?」

「当たり前だろ」

確信に満ちた慎也の言葉で、俺は教えてもらうことを決心した。


家に帰って着替えると俺は、勉強道具を持って慎也と待ち合わせした場所に向かった。

そーいえば、慎也の家に行くのって初めてだな。小学校からの付き合いだってのに。

まあ、小中とさほど仲良くなかったし。

「よう、旭」

目前に、私服姿の慎也がいた。

慎也の私服なんて、中学校の修学旅行のときにちらっとみた以来じゃねーか?

やっぱり学ランであろーがブレザーであろーが執事服であろーが、オトコマエが着るとなんでも似合うんだな。

ボロい布切れでも慎也の場合似合いそうだ。

それはともかくとして。

慎也のあとを俺は付いて行った。

こいつの家、どんなんなんだろう。やっぱり豪邸なのかな?

「着いたぞ」

待ち合わせたところから5分もしないうちに慎也は言った。

俺の家と近いとは知っていたが、全くその通り。

自宅から学校に行くよりも近い気がする。

「ここが慎也ん家かぁ…」

っていうかマンションかぁ。

慎也のことだから、どんな豪邸に案内されるのかと思えば、3LDKマンションの至って普通の住まいだ。

305と書かれた表札の前で慎也は立ち止まり、ドアを開ける。

「入れよ」

扉を支えたまま、俺を誘導してくれた。

「あ、お邪魔します…」

定番の挨拶をつげ、部屋内に入ると俺は靴を脱いだ。ちゃんと揃えるのも忘れていない。


「アナタが旭ね!! ハジメマシテー」

「わ、わっ」

英語なまりが取れていない、独特の喋り方をする女性が俺を見るなり抱きしめた。

多分、慎也の…お母さんかお姉さんかな?

慣れないアメリカ式の挨拶に俺は戸惑う。

ブロンドの髪で、慎也と同じ、青色の瞳をしていた。

「ワタシ、エマ・中田って言いマス。慎也のマミーです」

ハーフっていっても、ずっとアメリカ人に近いハーフだ。喋り方もそうだし。

しかし、めっちゃくちゃキレイな人だなぁ。

高校生の息子がいるとは思えなくらいの。

ハーフの人とか、アメリカ人とかは、日本人の俺から見れば大概がきれいに見えるんだけども。

慎也の母親は、更に上をいってるというか。

見たところ、化粧をしている気配もないのに、顔のしわとかが全然目立たない。

少なくとも40歳前後であるはずなのに。

お姉さん、と捉えても不思議ではないくらいだ。

この人から慎也が生まれたとなると、慎也がこんなにイケメンなのもうなずける。

それにしても"マミー"か。ホントにアメリカ人っぽいなぁ。

まあ、アメリカ人っぽいのは当たり前なんだが。

父親のことは、"ダディー"って言ったりするのかな、やっぱり。

お母様と挨拶を交わした後、慎也に連れられ、俺らは隣の部屋に向かった。


俺は慎也の言葉を熱心に拾い、科学のテスト勉強に没頭した。

本当に慎也は頭が良いんだなぁ、と思う。

だってこんなにバカである俺が、今日たった一日で科学の偏差値が5はあがったんじゃねーのってくらいに感じたんだぞ?

今ならテスト範囲内であったらどんな問題にも答えられそうな気がする。

気がするだけだけど。

「うわ、やっべ。もう7時半かよ」

基本的に放任の家であるので、別に何時に帰ろうといいのだが、お腹が空いてきた。

約7時間、ずっと何も食べずに勉強してきたから当たり前なんだけど。

「80点、取れそうな気がしてきただろ?」

なんの躊躇も無く自信に満ちた声で慎也は言った。

が、その通りだ。

まったく慎也は教え方が上手い。 でもそういうところ、腹立つ。

「慎也、勉強おわったの?」

慎也の部屋から出ると、エマさんが台所に立って夕食を作っていた。

「うん、終わった。今から旭を家まで送ってくよ」

「ええ? い、いいよ。一人で帰れるからさぁ…」

この言葉に、俺は首を振る。

女の子じゃあるまいし、男が男を送っていくなんて、何か変な話だ。

「eh、旭帰るの? ワタシ旭の分までゴハン作ったのヨ」

「そ、そんな!! お構いいただかなくて良かったのに…」

俺は驚いてそう言った。

初対面でいきなり来たヤツにご飯作ってくれるなんて…ありがたいけど、悪い気がする。

頂く訳にはいかないよな。

「ダメ。せっかく作ったから食べるのがレイギよ」

笑顔できつく言うエマさんの言葉に俺は圧倒されかけた。

「い…いいんですか?」

慎也に助け舟を出してもらうかのごとく、俺はちらっと彼を見る。

「食べていったら? 母さんの料理、美味しいよ」

俺は肩をすとんと降ろし、夕食を頂いていくことにした。


「わ…ホントに美味しいです」

おわんに入ったビーフシチューをすすりながら俺は言う。

言うっていうか、本当に美味しいと思ったから自然に声が出た。

「ソウ? thank you旭」

流暢な英語でお礼を言われた。

10分くらい経つと、玄関の扉が開く音がして、

「ただいまー」

という声が聞こえた。

するとエマさんは急いで立ち上がり、玄関に向かう。

「oh, welcome back!」

甲高い女声でその人を出迎え、たくさんキスをしているのが見えた。

「気にすんな、いつものことだ。あ、あれ俺の父さんな」

あっけに取られている俺に、慎也はシチューを食べながら言う。

そうでしょうね、どう見たってエマさんの旦那さんですね。

にしても、他人である俺の前で堂々とベロチューを交わすんだなぁ。

流石はアメリカン。と納得すると同時に、慎也の人目を気にしない性格も、このご夫婦を見ていれば分かる気がした。

「あれ、お客さんかな?」

慎也のお父さんは俺を見るなり驚いた顔つきをした。

しかし…中田家ってどうなってんだ?

何でこう、揃いも揃って容姿の整った人ばっかり。

慎也よりも少し背丈の高いお父さんは、細身でスーツが良く似合っている。

イケメンっていうか…ハンサムって感じなのかな。

髪の毛は白髪も無く、薄らいでいる訳でもなく、黒々していてつやもあってとても軽々しく"オジサン"とは言えない。

正直これほどまで出来た血筋が羨ましい。

俺はまた慎也の方をちらっとみた。そして自分の容姿を思い出し、はぁっと溜め息をつく。

「父さんお帰り。俺の友達で、雪代旭だよ」

「ああ、キミが旭くんか。慎也から話は良く聞くよ。私は中田義人と言う。よろしくね」

そっか、お父さんの方は日本人なんだな。あまりにもカッコよすぎて忘れてたけど。

慎也のお父さん―義人さんはかがんで俺と目線をあわし、俺の頭を軽く撫でた。

「雪代旭です。お邪魔してます」

容姿に見とれて挨拶を忘れていた俺は、慌てて頭を下げた。


「お前の父さんと母さん、すっげー美形だな」

結局何だかんだで慎也に送ってもらうことになった俺は、帰路中にそう呟いた。

「まーな。だから俺もカッコいいんだけど」

「な!? 何だそのイヤミは!!!」

ムカつきの感情が沸々沸き起こる。 顔が格好いいのは…事実なんだけどさ。

「っていうかさ…、何か、うーん…上手くいえないんだけど、俺のこと、"友達"って言ってくれて嬉しかったよ」

しばらく沈黙が続いた後、俺は言った。

「え、どういう意味?」

と慎也は聞き返す。

「いや…なんかさ、この前その…ヤったじゃん? しかもお前が無理矢理。

だから、俺のこと…性対象としか思ってないんじゃないかってちょっとガッカリしたって言うか…」

曖昧な表現で、自分の思っていることを慎也に告げる。

っていうか伝わっているんだろうか。

慎也はじっと俺を見つめた後、

「友達は友達だろ」

と、何かを秘めたような、切なく消え入りそうな声で言った。

「ま、性対象として見てるけどな。旭可愛いから」

次に大声でこう続ける。

「はあ!? お前…ありえねーッ」

「あっはっはッ、旭顔真っ赤じゃん」

街灯に照らされた俺の顔を見るや、慎也は腹を抱えて爆笑した。

こっちは必死で否定してるのに、こうも笑われると癪極まりない。

「とにかく…明日頑張れよ。物理もアレだったら教えてやるけど」

慎也の爆笑がおさまったころにはもう、俺の家の前に着いていた。

「あ…ああ、頑張るよ。ってかお前もな。…それと」

家のカギを取り出してから、

「物理もアレだから、おっ…教えてくれ」

慎也に頼むのはちょっと癪だ。 でも教えてもらうのには最適の人物である。

了解、という風に慎也は微笑む。

「ありがと、な。今日は色々」

彼に対しては滅多に言わないお礼の言葉を告げると、俺は自分の家に入った。


やばい。

これはマジでガチで本当にやばい。

やばいっていう言葉には二種類、意味がある。

悪い意味と、良い意味だ。

俺は今、良い意味の"やばい"を体験している。

「慎也ぁぁぁぁっ!!」

テスト終了後、帰り支度もせずに俺は真っ先に慎也のところに飛びついた。

「お前、マジですげーな!! 今日ばっかりはお前のこと尊敬するよ」

いつもは尊敬できない部分がたっくさんあるけどな。

「科学、良かったんだ?」

「良かったも何も、お前に教えてもらったところそのまま出たじゃん。絶対80いける! 

もしかしたら90点台目指せるかもしんねー」

「そんなの当たり前だろ。それより、」

慎也は俺の肩に手を置くと、わざとかと思うくらいに顔を近づけ、

「また俺の家来る? 明日の物理教えてやるからさ」

と耳元で囁いた。

いつもなら跳ね返すこの体制だが、俺は素直に喜んだ。

「行く! もちろん! 嫌って言われても教えてもらいます」

昨日の反応とまったくの間逆だな、と自分でも思う。

明日の時間割は、音楽・保健・物理。

音楽と保健なんて正直どうでもいいや。

また今日みたいに気持ちよくテストを受けられるのかと思うと、俺はウキウキした。


終礼が終わると俺はカバンを持って急いで帰った。

いつもなら屋上に直行するけど、今日は昼飯はどこかコンビニとかで買って、慎也の家で食べようということになっている。

聞くところによると今日はエマさんは仕事だそうだ。

俺と慎也が通っていた地元の中学の、非常勤ALTの先生をしているらしい。

昨日で慎也の家を覚えた俺は、着替えずにパンだけ買ってその家に向かった。

「お邪魔します」

カギを開けてあるから勝手に入って来い、と言われていたので俺はチャイムを鳴らさずに入ったが、一応礼儀なので挨拶はする。

慎也の部屋に入ると、荷物を降ろしてコンビニの袋を机に置く。

そしてパンを取り出し、おもむろに食べ始めた。

慎也も同じようにパンやらおにぎりやらを食べる。

屋上での光景と同じだ。

隣に慎也が居て、お互いに食べている間は殆んど何も話さず、ただ食べることに没頭する。

違うのは、ここが慎也の部屋だってことだけ。

なのに俺は緊張して、上手くパンを食道へ通せない。

慎也は横で、長いまつげを備えた目を瞬かせながら黙々と食べている。

コチコチ、と時計の秒針を刻む音が聞こえた。

「何見てんだ? 旭」

どれだけ慎也のことを見ていたのか、俺は彼に言われるまで分からなかった。

「え? 俺の食べる姿に惹かれたとか?」

からかうように慎也は言う。

「ち、違うって」

本当に何で慎也のこと、ずっと見てたんだろう。

俺は焦る気持ちを隠すように残りのパンを口の中へねじ込んだ。


昼食を済ませると、慎也は物理の教科書と問題集を持ってきた。

「じゃあ、やりますかー」


「ふぅー」

終わったーって感じで俺は深呼吸した。

5時半か。昨日よりは少ないが、充実した勉強時間だったなぁ。

「お疲れ、旭」

慎也はペットボトルを俺に渡した。

カルピスのラベルが貼ってある。

「お、ありがとな」

俺はカルピスを受け取ると礼を言った。

エマさんも義人さんもまだ帰っては来ていない。

「じゃあ俺、帰るよ。ありがとう。明日もいける気がする」

荷物をまとめようとした時、

「ダメだ。"お礼"が済んでない」

と慎也が俺の手首を掴んだ。

「は? だ、だからありがとうって…」

動揺する。だって意味分からないし。

「言葉じゃない。俺がしてほしいお礼はこっち」

慎也が、掴んだ手首をぐいっと引くと、俺はバランスを崩して倒れこんだ。

俺が起き上がる前に慎也は腰にまかれてあるベルトを外した。

「???」

「勉強教えてやったお礼にフェラ、頼むな」


「はッ!? ふざけんな!!」

俺は、顔を青ざめた。

またこの前の屋上でのことと同じことが起こるのだろうか。

「ふざけてない。昨日からずっと楽しみにしてて、お前に触れるの我慢してたんだぞ」

知るかよそんなことーッ!!

ったくやっぱり変態だな。最終的にはコレかよ!!

ちょっと尊敬した俺が間違いだったよまったく。

「誰がするか。んなもん自分でしろっての」

俺より慎也の方が愛撫上手いのは分かりきってることなんだから。

気持ちよくなりたいなら自分で扱けばいいだろ。

「自分でしたら、お礼の意味なくなるだろ?」

慎也は例のごとく俺の下あごを持ち上げる。

「俺はな、旭が俺の下半身をしゃぶるところが見たいわけ。何も本番ヤるなんて言ってないんだから、それくらいしろよ」

「い…嫌に決まってんだろ」

「何ならオマケで、俺が旭の扱いてやってもいいぜ?」

意地悪っぽく言うと、慎也はズボンの上から俺の性器に触った。

「や…やめろッ」

服の上からなのに、俺の身体は反応を見せる。

「もう俺、下ガチガチなんだよ。早く抜いて欲しいんだけど。旭に」

そう言いながら慎也は俺の下半身を撫で続けた。

「あ…あっ、し…るかよっ」

心の中では拒絶しているのに、顔は紅潮させ、身体は抵抗することもしない。

快感を欲しているのだ。


「…シて?」

慎也はまたもや俺に依頼する。

「勉強、教えてやったじゃん」

「あ…ぁん…っ」

「俺のおかげで科学上手くいったんだろ?」

「やめろよ…ッもぉ…」

性器の形をなぞられ、それは更に硬くなっていく。

「わ…わかったから、やるから…やめて」

慎也に触れられると、本当に頭と身体がおかしくなりそうだ。

俺は結局慎也のゴリ押しに負け、再び彼の言いなりになってしまった。

やっぱ情けないな…俺って。


ぴちゃ…くちゅ…

卑猥極まりない水の音が響く。

俺は慎也の肥大した陰茎の根本を持ち、先端を口に含んだ。

「ん…ぅ」

これ絶対全部入りきらねえよ。

勃起したそれは次第に俺の唾液と慎也の体液で潤んできた。

「旭…っ、歯…立てんな」

くしゃりと俺の髪の毛を掻き撫でて慎也は言う。

歯を立てるなとか言われたって、こんなことどうやってすれば良いかわからねえんだよ!

とりあえず、アイスクリームを舐める感覚で舐めてみる。

っていうか俺、何でこんなこと…してるんだろう。

意地でも嫌だっていう旨を貫き通せばよかったものを。

「ッ…旭…」

自分のベッドに座っている慎也は、頬に汗を浮かべながら顔を赤らめている。

「ん…っは、」

慎也はまた俺の頭を撫でた。

なんかムカつく。癪に障る。

絶対に気持ちよさ味わってもらうぜ! 俺の手でな。

意味無く俺は意気込んで、慎也のモノを扱く手の速度を速めた。

「…ッん」

慎也の顔色を伺っていると自分の下半身もうずいてきた。

…え、俺って慎也の今の顔見て興奮してるのか?

だとしたら俺も変た…いや違うんなワケあるか気のせいに決まっている。

「…ふぅ」

やがて陰茎の先端から白い精液が飛び出して、俺は手を止めた。

「はぁ…はぁ」

顔に飛び散った白濁とした液体をふき取る。

慎也は目を瞑って顔を紅潮させ、息を整えていた。


「まあまあ良かったよ、旭」

ベルトを締めながら慎也はサラッと言った。

あ、そーですか。そりゃようござんした。

俺は黙って荷物を取り、部屋から出て行こうとする。

「お前は、抜かなくていいのか?」

「別にいいよ。お前じゃあるまいし」

振り向かずに言うと、慎也が寄ってきて、俺の身体を抱きしめた。

「やってやるけど」

「い…いらねぇ」

わざとチクビ部分に指を置く慎也。それにいちいち反応する自分が情けない。

「じゃ、帰るよ。勉強教えてくれてありがとうな」

「送らなくて大丈夫?」

「いらん。出来ればお前と今一緒にいたくねえ」

「あっそ。じゃあまた明日」

逃げるように玄関の扉を開けると俺は、

「お邪魔しました」

と言って出て行った。


慎也の家を出ると、俺は出来るだけ早足で家へ向かった。

下半身が…気持ち悪い。

慎也に扱いてもらうのはまっぴらだが、さっさと抜きたいです。

「旭くん、おかえりー」

いつものようにみぞれが出迎えてくれる。

俺はただいまと短めに返し、自分の部屋に向かった。

カバンを下ろす。ついでに部屋のカギを閉める。

「はあーもう、慎也のヤツ…信じらんねぇ」

服を脱ぐと、俺はベッドの上に横たわった。



番外編①終わりです。
何か旭も慎也のこと気にしだしている?的な感じで書きたかった。
でも残念な結果に。
旭の自慰行為は省略(笑

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最終更新:2010年05月22日 16:22
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