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古市憲寿『働き方は「自分」で決める』


つながりの力

 大企業に所属しないで働く人にとって決定的に大事なのは、「つながり」の力だ。あるアメリカのミュージシャンは、「成功」のためには「大勢の友人をもつこと」が大切だと答えている。「いい演奏をやらなくちゃいけないが、いろんなバンドに友だちをつくっておかなければならない」というのだ。「友だち」というのはただ相談に乗ってくれるような存在ではない。ある時は新しい仕事を紹介してくれ、ある時は「彼の演奏は確かだよ」と保証人になってくれる。組織に属することのないフリーミュージシャンたちは、人間関係の数と質によって職業を安定させているのだ。ここでいう「友だち」というのは、何も本当に親しい友人である必要はない。社会学者のグラノヴェターが言うには、強い絆で結ばれた親しい友人同士は同じような業界で、似たような仕事をしていることが多い。一方で、「弱いつながり」の相手は自分と異なる世界で暮らしている可能性が高い。だからこそ、「強い絆」の世界では決して見つからないような、新しいチャンスを提示してくれるのだ。「つながり」のことを社会学では「社会関係資本」と呼ぶ。この社会関係資本は「ブジッジ型」と「ボンド型」の二種類に分けることができる。ブリッジ型というのは、架け橋のように異質な者同士の関係を指す。一方で、ボンド型というのは同質的で親しいもの同士のつながりのことだ。

 

 

〔スケッチ0〕

「起業した方がいいと思いますか?」よく相談される。でも、僕のこたえは「一〇〇%絶対に起業はやめた方がいい」に決まっている。どんなに成功の要素が詰まっていようと成功する保証なんてないし、成功し続けない限りそれは失敗と同義の起業は確率論で言えばかなり分が悪い。そのことを知りながら、人生を賭ける判断を相談された時に、起業した方がいいなんて無責任なことは言えない。そもそも、「起業はやめた方がいい」と言われて起業しない人は起業に向いていないんだ。やめた方がいいと言われたって、その方が分が悪いと思っていたって、自分の心の底からやめることができない気持ちが沸き起こってくるくらいでちょうどいいんだから。だから僕のこたえは「一〇〇%絶対に起業はやめた方がいい」。そして、僕のこたえが外れることを願うようにしている。(松島隆太郎)

 

僕たちのゼント

走り続けるプロデューサー

旅に出た俳優

つながりのちから

あきらめられない不幸

僕たちの前途

 

対談 SEKAI NO OWARI

 僕らはとにかく売れたいと思っているんです。「売れたい」って言うのはダサいという価値観は理解できなかった。自分たちが命削って作ったものは、死ぬ気で売りたいし広めたい。高校球児が試合で勝ちたいと思うくらい単純なんです。他のバンドより売れたいし、トップミュージシャンにだって勝てるまで死ねない。それは「お金持ち」になりたい気持ちでは全然ないんです。逆にそんなに稼いでも何に使っていいかわからない。ライブハウスを作ることから音楽活動を始めて、どうやったら集客できるか、ライブハウスを運営できるかを考え続けました。僕たちが他のグループにない強みは「売れる」ことを誰より意識してきたこと、そしてそのための戦略を間違えなかったことだと思います。今日までずっと一つの家に住み、同じ夢を見て、互いに補い合ってきました。仕事でも家でも僕たちは話す機会が圧倒的に多い。仲間が何を考えているか、何をしたいのか理解と共有ができている。僕らは友達じゃなくて家族っていう表現が一番近いのかもしれません。『ONE PIECE』のように、夢の過程とその中で叶えられる小さな夢の積み重ねを、仲間と楽しんでいます。

 

最終更新:2014年12月07日 23:55