04.古傷


アクアリウムまでもう少しというところで
彼らは異様な光景を目にする
普段は
シークルやポイズンパファーなど
色々な動物や魚達が泳ぎ回っている
静かな海域のはずだが
1匹も見当たらない
それどころか
大きなサメが群れを成してアクアリウム付近を徘徊している

旭はその海域を目にした瞬間
近くにある岩場に身を隠した
「シャクラー!!!バカな!!!」
「何でこんなところにサメがいるニャ?」
チャトの問いに旭は答えられない
答えられないのも無理はない
旭は過去にさくらやチャトと出会う以前から
色々な世界を回り
この町がどういう人達が住んでいるのかというのに始まり
ダンジョンやモンスターの種類など熟知しているつもりだ
むしろこの海域は何十回も通ってきた海域である
まだ数匹程度なら彼の頭の中で
迷い込んだということで処理できただろうが
その程度のレベルではないシャクラーの数である

「マスター!これじゃあ進めないよ」
「わかってる!」
(なぜだ!なぜこの海域にシャクラーがいる!
シャクラーは深海に住んでるはずだ、それも群れで・・・
群れ?・・・・・なぜ群れなんだ・・・?
いや、この前のイエティもそうだ、なぜあんなところに・・・・
「マスター!危ない!!!!」

最終更新:2009年12月05日 00:39