04.古傷
旭達は完全に身を隠したつもりだったが
旭が振り返った瞬間
岩場の隙間に潜んでいた一匹のシャクラーが
腹部に目掛け体当たりをした
完全に不意を突かれた一撃である
「ぐううううっ!!!」
「マスター!!!」
さくらとチャトが悲鳴をあげたと同時に
旭の身体は大きく吹き飛ぶ
さらに大きなシャクラーの牙が
追い討ちをかけようと旭に噛み付こうとするが
旭は既に体勢を立て直し
向かってくるシャクラーに対し抜刀した
ズバン!!!
横薙ぎに一閃
シャクラーは大きく血飛沫を上げ倒れる
「やったニャ!!マスター!!!」
喜ぶチャトだが旭は唇を噛む
自分の意思とは相反して
身体が勝手に動いてしまったからだ
「チッ、しまった・・・・」
倒れたシャクラーの血に反応し
アクアリウムの周りにいたシャクラーの群れが
攻撃した旭に対し一斉に襲ってきた
「くっ・・・」
旭は大きくバックステップしながら距離を広げようとする
このまま近距離で複数のシャクラーと戦闘に持ち込んだら分が悪い
そう判断した旭は岩場や地形などを利用し
シャクラーとの間合いを取りながら
一匹ずつ着実に攻撃
そして仕留めたらまた間合いを取る
単調ともみられるが
一番確実で安全である
最終更新:2009年12月05日 00:25