ROCKETEER内検索 / 「御剣中学時代妄想」で検索した結果

検索 :
  • 御剣中学時代妄想
    率直に言って、御剣怜侍は問題児だ。 別に素行が悪いわけじゃない。成績はいい。良すぎる。ついでに顔も。 だけど何で俺があいつのことを「問題児」呼ばわりするのかというと、あいつには友達がいないから。それも自分からわざと作らないようにしてる。俺はあいつとこの三年間同じクラスだったけど、あいつがクラスメイトと必要最低限のこと以外話してるのを見たことがない。無論、俺も含めて、だ。 あいつには友達を作ってそいつらと時々バカやりながら愉快で陽気な学校生活を送るって考えはないらしい。いつも俺には正体不明の難しそうな本を読んでいて一人でいるのも気にならないみたいだ。そんなんだからあいつに話し掛けるやつなんていなくなったし、不気味すぎてイジメの対象にもならない。教師達も最初は何とかしてあいつが皆と馴染めるように色々やったらしいけど、そもそも本人に馴染むつもりが無いんだから無駄なことだった。最近では教師も...

  • ...下さい。 御剣中学時代妄想 御剣のクラスメイトの一人称語り。 未必の恋 裏なSS。蔵の外とは設定が違うので注意。 甘くて、苦い。 切なさの味。 星座づくり 変わらない想いが残ったら。 色―イロゴト―事 散文風味。成歩堂視点。 戻る -
  • PAST→FUTURE3
    数日後の午後の「成歩堂法律事務所」。 所長室から成歩堂が出てきた。手には書類が入っているらしい茶封筒を持っている。 「ちょっと裁判所行って来るね」 「うん?書類ならあたしが……」 「いや、ついでに調べたい資料があるから」 「そっか。行ってらっしゃい」 留守番頼んだよ、と言い残して事務所の主は外に出る。 春の日差しがデスクワーク漬けの目に眩しい。並木の桜は大方散ってしまっていて、それが少し寂しかった。 「あ。ついでに買い物も頼めばよかったよ」 真宵が一人ごちたのは、それから数分後のことだった。 裁判所の地下にある資料室を出たのは、成歩堂がそこを訪れてから二時間が経とうという頃だった。 (すっかり入り浸っちゃったな。早く帰らないと……) 自然と急ぎ足になる彼の歩みは、しかし、ロビーへと続く階段を上がりきる前に止まった。 (げっ……、あの遠目にも派手な赤いスーツ...
  • Past→Future5
    駅で真宵を見送り、成歩堂は御剣の車に乗り込む。 「じゃあ悪いけど事務所まで」 「家までじゃなくていいのか?」 「うん。荷物置きっぱなしだし、自転車もあるしね」 御剣は、そうか、と言って車を発進させた。その横顔を見て先程まで見ていた光景を思い出し、成歩堂はくすりと笑った。 「なんだ?」 訝しげな視線が投げられる。 「いや、御剣にラーメン屋って似合わないなーって」 「まぁ・・・確かにあまり行かないな・・・」 「だよねー。あはは・・・ははは」 笑いが止まらない。 「何だ、ここで降りたいのか」 「すいません」 睨まれて姿勢を正す。 しかし成歩堂は内心安堵していた。 (案外、普通に話せるじゃないか) 避けていた自分が馬鹿みたいだ。意識すればするほど忘れられなくなるというのに。 やはり「友人」が一番自然な関係ということだ。 成歩堂の心の穴に何かがすとんと落ちてきて、...
  • ドライフラワー
     寝室に入るなり、御剣はベッドに倒れこんだ。体が重い。今日の仕事自 体は然して忙しくも無かったが、日々の疲労は蓄積していく。一日、ゆっ くり休養できる日が欲しかった。  ふと、恋人のことを思い出す。休日の前の夜は彼と過ごすことになって いた。幼馴染でもある、青い弁護士。彼の腕の中で迎える夜と朝は、御剣 にとって特別なものだった。強い信頼と深い愛情を感じると、何もかもが 大丈夫だと思えた。  成歩堂龍一という人間を欲するようになったのはいつのことからだった か。十五年の月日を経て再会して、最初に抱いたのは強い拒絶だった。  御剣の裁判における無敗の経歴に傷をつけた男。自分に会う為に弁護士 になったという、その不純極まりない動機も気に喰わなかった。  そして何より真っ直ぐに自分を見つめる、その視線に耐え...
  • 色―イロゴト―事
    愛しい相手を抱きしめるということは、その存在との物理的に一番近い距離を手に入れるということだ。 抱きしめて、それでもまだ残る隙間を埋めていくようにキスをした。 御剣の額、御剣のこめかみ、御剣の鼻の頭、御剣の唇、喉、首筋、鎖骨、胸、脇腹、臍、腰、太腿、膝、脹脛、くるぶし、爪先。全身に。丁寧に。時々、うっとりするような溜息が降って来て、御剣が僕のことを感じてくれてるんだと思うと嬉しくなる。 だけど、どうしてだろう。 それでも君を遠くに感じるのは。 色―イロゴト―事 繋がると、いつもどこか欠けている君の、その欠けている部分を埋めることが出来るような気がして僕は満足感を得る。それは暖かくて甘い何か蜜のようなものになって溶けてしまいそうな感覚だ。 何処までが僕で何処からが君なのか、混ざって分からなくなって、君の側より他に行く場所がなくなれば良いと思う。 ...
  • 冬の海 夕暮れ 愛の言葉
    「さむっ!」 車から出た成歩堂が身震いした。 「風が強いな」 運転席のドアを閉めながら御剣が眉を顰める。 「誰もいないなー」 「当たり前だろう。真冬にこんな所へ来るのは相当の馬鹿だな」 「怒ってるの?」 成歩堂が手を差し出す。 「・・・・・・寒いだけだ」 その手を御剣が握り。二人は歩き出した。 目の前には砂浜。そして、曇り空を映して鈍く光る海があった。 しばらくの間、言葉も無く波打ち際をぶらつく。時刻は確か三時を過ぎた頃だと思ったが、二月とはいえまだ日は短い。太陽は西へ傾き始めていた。波の音が、二人を包むように海岸に響く。カモメがあちこちで群れを作り、風をやり過ごそうとしていた。 「寒いね」 いつものグレーのダッフルコートを着た成歩堂が呟いた。 「そうだな」 御剣は仕事に着ていくトレンチコートではなく、黒いピーコートを着ていた。くすんだ背景にマフラーの赤...
  • 未必の恋
    触れ合った熱い指先が、これが現実だと告げている。 男の舌が歯列をなぞる。 少しだけ口を開けてそれを受け入れると、上顎を撫でられて体が跳ねた。 口角を変えて更に貪る間にも、性急に服を脱がしあう。 直に体温を感じたい。早く繋がって身も心も一つになりたい。 押し倒されたソファの上で、ただその欲求だけが脳を侵食していく。 唇が離れて、今度は首筋に息がかかる。それと同時に男の右手に脇腹を撫でられ、思わず小さく声が出た。 「御剣・・・」 男が呟く。 熱を孕んだ甘い声と雄の欲に潤んだ瞳。 そんな声で呼ばないでほしい。そんな目で見つめないでほしい。 欲情と、何故か切なさが体中に満ちて、堪らなくなって御剣は男の名を呼んだ。 「成・・・歩堂・・・」 夕方に届いた、今日これからの予定と明日の休日を確認するメール。 「二人でうちで飲もう」 誘ったのは成歩堂だった。その文面に期...
  • Past→Future7
    差し出されたデパートの紙袋を見て、成歩堂は(やっぱり・・・・・・)と思った。 「君には安物かも知れないが」 「あ、いや、それは・・・・・・」 口篭もった成歩堂を見て、御剣がフッと笑った。彼にはお見通しなのだ。 (こんな時にも皮肉かよ) 成歩堂はそう思ったが、あえて口に出すことでもないし、そもそも御剣が素直でないのは充分に思い知らされているので、彼なりの謝罪なのだと思うことにした。 「・・・・・・その、すまなかった・・・・・・」 御剣がぽつりと言った。 彼が買ってきた新しいカップに早速、紅茶を淹れて差し出したときだった。 「え?ああ、いいよ。本当に気にしてないから。逆に申し訳ないっていうか、ぼくがあんな事聞かなければ・・・・・・」 そこまで言って、成歩堂は自分の発言を後悔した。 御剣はわずかに身を硬くしたが、今度は何も落とさなかった。その代わり、二人の間に硬質の...
  • Past→Future4
    夕暮れの街を、成歩堂は最近いつもそうしているように真宵と共に駅に向かって歩いていた。 寄り道の学生、買い物の主婦、習い事帰りの子供。通りは賑やかだ。 「ナルホドくん、お腹空いたね」 「そうだね」 「ナルホドくん、ラー・・・」 「嫌だよ」 真宵が言い切る前に否定する。 「何で!?」 「昨日も食べただろ!?」 彼女が言いたいことは分かっている。「ラーメンが食べたい」。 「違うよ。今日はいつものお店じゃなくて駅前にできた新しい・・・」 「ダメ。そんなにラーメンばっかり食べてたら血圧上がっちゃうだろ」 「もー!ナルホドくんの年寄り」 「はいはい」 何と言われようと二日続けてラーメンは精神的にきつい。 そんなやり取りをしているうちに、二人は裁判所の前を通りかかった。 成歩堂は横目で通い慣れた建物を見上げる。 数日前に御剣を見かけて以来、裁判所へは行っていない。ただ、...
  • 金曜の動揺
    成歩堂の事務所に向けて車を走らせていると、ふと歩道を歩く見覚えのある姿が目に入った。二つの輪に結った髪、個性的な服装。大きなスーパーのビニール袋を引きずるようにして歩いて行く。 時刻は七時を過ぎたところ。子供が一人で出歩くには充分に遅い時間帯といえる。 御剣は車を車道の脇に寄せ、助手席側の窓を開けてその少女に声をかけた。 「春美くん」 「あ、みつるぎ検事さん!こんばんは」 愛らしい笑みを返した少女の名は綾里春美。従姉の綾里真宵と共に成歩堂法律事務所に出入している。 「こんな所で何を?」 「はい、おつかいです。これから事務所に戻るところです」 「では乗りたまえ。私も成歩堂の所へ向かっていたのだよ」 「ありがとうございます!」 御剣は一旦車を降りて、助手席のドアを開けて春美を乗せてやった。 「わたくし、どなたかの車に乗せていただくのは初めてです!」 と、はしゃぐ春美を微...
  • 未必の恋(弁護士ver)
    背後の温もりが離れていく気配に目が覚めたが、敢えて気づかずに寝ているふりをした。 恐らく御剣はこのまま帰るつもりだろう。起きて見送れば引き止めてしまいそうだ。 昨夜を思い出す。 何度名前を呼んでも、何度名前を呼ばれても、そのあとに続くはずのたった一言が言えない所為で満たされた気がしなかった。 さすがに御剣が気を失ってしまった時には反省したが。 多分、正しい判断だった。 障害の多い関係は御剣を傷つけるだけだ。だから想いは決して口にしないと決めていた。 玄関のドアが開いて、閉まる音がした。 成歩堂は寝返りを打って、虚しく空いているスペースに手を伸ばした。 シーツはまだ御剣の気配を残している。 「ずるいよね。・・・ぼくもお前も」 昨日、メールで誘った時には本当に飲むだけのつもりだった。 求められたような気もするし、求めたような気もする。 けれど、無かったことにしてしまえ...
  • 例えば、こんな日も
    開け放った窓から蝉の声が流れ込んでくる。 成歩堂は自宅のリビングの床に寝転がっていた。ぼんやりする頭の中に、微かに車のエンジン音とドアを開閉する音が届く。御剣が来たな、と思った。この状況を見れば彼は怒るだろう。冷房も入れず、いつも通り散らかった部屋の真ん中でだらしなく寝そべる自分。何事もきっちりさせたがる御剣の性格とは正反対の部屋だ。 彼は部屋に入って室内の状態を見るなり何事かイヤミを言って、冷房のスイッチを入れ窓を閉め、寝ている自分を無理矢理引っ張り起こしていつもの小言が始まるのだ。容易に想像できる。そこまで分かっているのなら事前に行動を起こせばいい。今からでも遅くは無い。しかし、成歩堂にそんな気力は無かった。 9月間近の晩夏の土曜日は真夏日らしい。 らしい、というのは成歩堂自身が気温を測って確かめたわけではないから。朝に見た天気予報で今日の予想最高気温は32度だと言っていた。 ...
  • Past→Future6
    「ウェッジ・ウッド・・・」 成歩堂は今聞いたばかりの単語を口の中で繰り返した。 そして千尋の言葉を思い出す。 「自分のものはシンプルに。お客様には良いものを」 この事務所にあるものはほとんどが千尋が集めたものだ。当然、来客用のカップも。 ブランドに疎い成歩堂でも「ウェッジ・ウッド」くらいは知っている。 「そうだよぉ。あの御剣検事が手を滑らせるなんて・・・。ナルホドくん、いじめたんじゃないの?」 「そんな事するかよ」 否定はしたが、いたずらっぽい真宵の視線が良心に刺さる。 御剣が訪れた翌日、カップが一脚消失しているのに気づいた助手に説明を求められ、「御剣が手を滑らせて割ってしまった」とだけ言った。 何だか責任転嫁してしまったような気持ちもしたが、詳しく話す気にはなれなかった。 そして割れてしまったカップの正体を知った。 (いじめたわけじゃないけど・・・) 自...
  • 甘くて、苦い。
    喧騒の中を電子音が響いて、別れの時が来た事を告げた。 「じゃあ、な。御剣・・・」 「ああ」 出発ロビーの入口の前で、残された僅かな時間を惜しむ。 成歩堂の左手が差し込まれたスーツのポケットが、物言いた気に小さな音をたてている。 「電話とかメールとかしろよ。お前すぐ忘れそうだけど」 「うム。・・・心がけよう」 御剣が海外へ行ってしまう。少なくとも一年は会えない。 「元気でやれよ」 「君も」 そう言った御剣の前に、先程までポケットの中にあった成歩堂の手が差し出された。飴の包みをのせて。薄いプラスチック製のそれは、彼の手の中で弄ばれていたらしく、既にヨレヨレになっている。 「何だそれは」 「餞別」 「子供じゃあるまいし・・・」 呆れ顔の御剣に強引に押し付けた。 「貰ってよ。食べてくれなくていいから」 小さな袋に、自分の心を託して。 「じゃあ、な・・・」 もう一...
  • Past→Future1
    「あ。幸せ捕まえたー!」 真宵が何もない空間で両手をパチンと合わせた。 穏やかな春の午後、「成歩堂法律事務所」は平和だった。 「何やってんの?真宵ちゃん」 デスクの書類から目を離さずに成歩堂が声をかける。 「幸せを集めてるの」 「・・・・・・ふうん」 意味が分からない。 「最近はナルホドくんのお陰で大量だよ」 「は?何でぼく?」 「だってナルホドくん、溜め息ついてばっかだもん」 「え」 顔を上げると、真宵が上目遣いににやりと笑った。 「無意識なの?年だねぇ」 「うるさいな。まだ二十五だよ」 冷めかけたコーヒーを口に運ぶ。隣で真宵が「悩みなら真宵お姉さんに・・・・・・」とか言い出したのには「はいはい」と御座なりな返事をする。 真宵の「幸せ集め」とやらは恐らく、「溜め息をつくと幸せが逃げる」というあれに由来するものだろう。 それにしても、 (そんなに溜め息ば...
  • 寝息
    自分の意識が覚醒するのを感じた。目を開けても周りは暗い。あまり寝た 気がしないのは、実際それほど時間が経っていないからだろう。 (一時間くらいかな・・・・・・) 成歩堂はぼんやりと思った。隣にいる御剣は熟睡しているらしく、規則正 しい呼吸が聞こえてくる。 その寝顔に穏やかな愛情を覚え、同時に先刻の激しい熱を思い出した。 どれだけ求めても、まだ足りないと思う。手を離せば消えてしまうので は、と不安になることさえあった。 自分が御剣を想っているのと同じように、彼も自分を想ってくれているの だと言える自信はある。 ただしそれは現在に関してのことで、これから先のことは何も言えるはず が無い。 元々、この関係は信頼から派生したものだ。 (最後に、御剣の選ぶ人がボクじゃなくても・・・・・・) ...
  • 恋しい夜
    事務所を閉めたのは午後九時を過ぎてからだった。 外に出たとたん冷たい空気が身を包み、吐く息が白く暗闇に咲いた。 冬の寒さはじわりと体に染みる。自転車を漕ぎ出しながら、 (こんな日は鍋が良いな・・・・・・) と、成歩堂龍一は思った。 鍋といえば複数人数でやるものだ。 すぐに二人の人物が浮かんだが、一人は彼女と一緒だろうし、もう一人は仕事が忙しいのか、最近ろくに連絡も取れない。そもそも「これから一緒に食事でも」と誘うにはすでに遅い時間だ。 (御剣・・・・・・) 二人目の人物を思い浮かべる。 (ちゃんと食ってんのか、あいつ・・・・・・?) そういえば、二、三日メールも電話もしていない。 『仕事に目途がついたらこちらから連絡する』 確か、最後に送られてきたメールはそんな内容だった。 成歩堂の方も暇とはいえない状況だったから、今の今まで恋人から何の音沙汰もないことは気にも止...
  • Past→Future2
    キリのいい所で一旦仕事を終わらせ、一息つこうと時計を見ると既に五時を過ぎていた。事務所を閉める時間だ。 隣の応接室では真宵がソファに陣取ってドラマの再放送を見ていた。 少し前に話題になって、未だに二時間のスペシャル版を時々放送したりする。成歩堂にとっては縁も興味も無いものだ。 「真宵ちゃん、今日はもう閉めるからそれ見終わったら帰っていいよ。駅まで送っていくから」 「あ、うん。ありがとう、ナルホドくん」 真宵は事件の直後こそ、無理に明るく振る舞っているようなところがあったが、最近では自然に笑顔を見せるようになってきた。それでも、成歩堂としては彼女を一人にさせることにはまだ抵抗があり、しばらくは駅まで送っていくことにしていた。 カップにお茶を注ぎ、真宵の隣に座る。 テレビの中では一組の男女が言い争いをしている。成歩堂はこのドラマを見たことが無いので話の流れが分からないが、どうやら...
  • 恋は微熱に似て
    目が覚めて、寝返りを打つ。御剣の寝顔がそこにあった。閉じられた瞳を飾る長い睫毛。前髪が無造作に頬にかかる様子は普段の彼から受ける印象よりもずっとあどけなくて、それを知っているのは自分だけなんだと思うと、成歩堂の口元は自然と緩んだ。 朝日が遮光性ではないカーテンを透かして、寝室に淡い色彩を注ぐ。柔らかい空気のなかに御剣の小さな寝息を感じた。 ただこうして隣にいるだけで、心が熱くなって、体温が上がる。血が濃度を増して、ぼんやりする頭の中が愛しさでいっぱいになる。 「……ん……」 御剣が僅かに身じろぎした。それまで隠れていた鎖骨が露わになって、成歩堂はそこに昨夜の痕を見つけた。自分がつけたもの。思い出して、幸せが濃くなる。 抱きしめたら、目を覚ましてしまうだろうか。 けれど、我慢できなくて。 このまま、腕の中に閉じ込めておく事ができればいいのに。 「ん……なるほどう……?」 「...
  • 決起前夜
    最近、足繁く通うようになった店から出たところで、成歩堂に会った。 「あれ、御剣?どうしたんだよ、こんな所で」 今、一番会いたくない人物だ。 「別に……。夕食を済ませたところだ」 「へぇ。ここってさ、よく雑誌とかに載るレストランだよね。お前も来るのかぁ」 「何だ?」 「いや、高そうだな、と思って」 そう言って、へらり、と笑う。御剣は、その笑顔から目を逸らした。 いつでも真っ直ぐに投げかけられる視線。今まで彼が扱った事件の真相と同じように自分の心も暴かれてしまいそうで、御剣は居たたまれなくなる。 「御剣?顔色悪いけど大丈夫か?」 「あ、ああ……。平気だ」 努めて平静に。そんな余裕など、無いのに。 「この後、用事があるので……失礼する」 「うん……?あんまり無理するなよ」 「巨大なお世話だ」 捨てるように言って踵を返す。 ここから駅まで歩いて五分強。それから電車で...
  • NOVEL
    ドライフラワー 成歩堂を想う御剣。 寝息 一人でカッコつける成歩堂。短いです・・・。 冬の海 夕暮れ 愛の言葉 海岸を散歩する話。 恋しい夜 寒いから、温かくなりたい。 Past→Future1 2 3 4 5 6 7(完結) 馴れ初め話。 金曜の動揺 成歩堂、二股疑惑。 決起前夜 御剣失踪前。 恋は微熱に似て 朝のひと時。 例えば、こんな日も どんなときもイチャイチャ。
  • 星座づくり
    「ここだとさ、ちょっとは見やすいだろ?」 手を引かれて連れてこられたのは成歩堂のマンションの非常階段だった。 建物の陰になって街灯の光が届かないそこからは、確かにベランダからよりは星がよく見えた。 「さすがに天の川までは見えないけど」 「ああ……」 成歩堂の隣で御剣はぼんやりと相槌を打った。 星空を見上げるのは何年ぶりだろう。ましてや、その為だけに時間を取るのは子供の頃以来かもしれない。 人々が寝静まった深夜。音の無い闇の中で見る星には、吸い込まれるような感覚を覚える。 「あれとあれと、あれを繋げてさ……」 ふいに成歩堂の手が宙を泳ぐ。その先には一際大きな光の粒。 「ぼくと御剣の星座にしよう」 「何の形をしているのだ?」 「……愛の形……?」 あは、と笑う声に呆れ顔を返す。 「そんなことを本気でやるとはな……」 「いいじゃないか、形なんて何でもさ」 そっと右...
  • リンク集
    逆転裁判 □携帯サイト様 管理人:印南キイチ様 成+御リバ/ノーマル/OYACO!/個性的な魅惑画 □PCサイト様 管理人:楳口真実哉様 ナルミツ/イラスト/漫画/艶!!! 管理人:富士宮三郎様 ナルミツ/イラスト/他ジャンル有/ポップな絵柄が萌v 管理人:亙靭冬様 ナルミツ/ミツ受/イラスト/御剣パラダイス☆ 他ジャンル □携帯サイトさま 管理人:印南きいち様 オリジナル/ふわふわ夢見心地v □PCサイト様 管理人:五月様 デビルメイクライ/十二国記/イラスト/漫画/満足し過ぎて消化不良v 管理人:may様 オリジナル/確立された独創的な世界観
  • @wiki全体から「御剣中学時代妄想」で調べる

更新順にページ一覧表示 | 作成順にページ一覧表示 | ページ名順にページ一覧表示 | wiki内検索

目安箱バナー