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守護の心




俺が前で見たのは紛れもなく悪夢だった。
いくら家でゲームをずっとしていたってあんな残酷なシーンは耐えれない。
ゲームならではの耐久が出来るのに、現実じゃ無理だろう?
もしも杏達もいて………あんなの見てしまったら………。
間違いなくトラウマ確定だ、この先の人生が辛くなってしまうかもしれない。
杏達幼稚園児にはまだ早いグロデスクシーンだ。
精々、いない事を願いたい………。

普通の………といえるか知らないけど、幼稚園の先生が何で………?
特別な存在でも何でもない俺が何で人殺しをしなくちゃいけないんだ?
意味が分らない、それだけじゃない。
この殺し合い、つまりバトルロワイアルの参加者に山本先生がいたらどうなる?
……………嫌だ。
山本先生が死ぬ?それは嫌だ!
そして杏達だってまだ短い人生なんだ、死ぬなんて………考えたくない。
絶対、何があっても俺は杏達と山本先生が死ぬことを考えない。
………でも可能性がある。
杏達や山本先生がいる可能性、そして死んでしまう可能性。
両方の可能性は現実から目を逸らしたくなる可能性。
いなければ安心………自分の死も考えると出来ない。
が、それでも知人が死ぬ恐怖を感じなくて済む。
自分の保身を考えて行動していけばいいだけだ。
もしも知人、この場合は山本先生が死ねば心の傷もでかい。
つまりは、自分の死も他人の死も恐れることだ。
その半分、他人の死が消えれば楽にもなれる。
もちろん死にたくはない。絶対に何があっても生きたい。
でも俺なんかがたった一人の生き残りになれるのか?
運動は得意じゃない、ずっと家でゲームして幼稚園に遅れる先生の俺が残る?
考えると、不可能なのかもしれない。
………でも、死にたくない、やるしかない。

幼稚園の先生、土田直純の考えとしては生き残る事を重視だ。
園児や同僚がいるならば助けたい気持ちもあるが、何より自分を大切に考えた。
生き残る可能性として、少ないだろうが関係無しに生き延びる。
彼はそう決めた。
生き延びる為には人と遭遇せずにどれだけいられるかだ。
ずっと隠れるに越したことはない考えが土田にはあった。
彼がいる場所は物が色々置いてある古道具屋のような場所だった。
隠れるに適さない場所と判断し、早めの移動を考える。
………が、店内が気になって役に立つ物でもないか探してしまう土田。
早く移動すべきというのに、何かある期待をして探すのは好奇心か。
置いてある道具はよくわからない物ばかりだが探す。
土田は探しまくった、でも結局収穫は0だった。
棚においてある物はガラスがあって開ける事も割る事も出来なかった。
普通に置いてある物もいらない物ばかりで、何だこの店と土田も呟いた。

「外は真っ暗だな………」

開始時刻は0時丁度の為、深夜だ。
暗闇の中、参加者を見つけるのも難しい筈だ。
今が移動のチャンスであった。
店内に電気はついていた為、誰か参加者が近付いて来ている可能性がある。
遭遇は絶対にしたくないので、こっそりと外へと出る。

「………で、どこに行くべきだろう?
 ってか、何か背中に背負ってるな」

土田はいつのまにか背負っていたデイバッグに気づいた。
中身の確認がしたいので、どこか人目につかない場所を探す。
幾らか歩いたら、道も険しくなってきていて、そろそろ良いかと思ってデイバッグの中を見た。
優しいことに、懐中電灯はついていた為に中身を見るのが楽だった。
ただ、光で参加者が気付いてやって来るかもしれない為、気をつけて電気をつけた。
中には食料と水、地図と思われる物に包丁一本、白紙の紙にペンが一つずつ、
それと変な丸い球体、触るとネバッとした物体があった。
これが支給品という奴だろうか?使い方もわからない物体を支給されても困る。
だが中をよく見るとちゃんと説明書も入っていた。


         チューインボム

 誰かの身体にひっついてから10秒後ぐらいで爆発します。
      ※取扱にご注意ください※


「………危険すぎるだろう!?」

自分の命が誤って消し飛ぶ予感のするような危険物だった。
だが、上手く使えば誰かを殺す事も可能な訳だ。
既に包丁があるから人殺しも不可能という訳じゃないが、
それでも近距離になれば一般人の自分じゃ不利だろう。
運動も得意じゃないなら尚更だ。
使う時には注意がかなり必要、唾を一回飲む。

「で、地図を見てもここがどこかわからないな………。
 というか、俺の知らない建物の名前があるんだが………?」

普通に図書館や映画館ならわかる、だが紅魔館なんて聞いたことない。
同じく妖怪の山なんて近くにあったか?白玉楼がどんな所か知らない。
迷いの竹林なんていったら最後、出られなさそうだ。
この地図は出鱈目じゃないのか?ああ、絶対そうだと思っている。
地図が正しくない、つまり現在地を突き止めるのは不可に近い。
土田は不安というか心配を感じる。
本当に自分は生き残れるかどうか、そしてこの場所がどこなのかもわからない。
山本先生がいる可能性とか考えると頭が痛くなってくる。
自分は一体、どうすべきかと。
このまま自分だけ生き残る為に動くだけでいいのか?
幼稚園児を守ってあげなくていいのか?
そんな囁きが土田を苦しめるが、今は生きる事を考える。
幼稚園の先生は、生き残る為に隠れ続ける事を突き通そうとした。
考えが破れることは、今はなかった。
土田の死にたく気持ちが生き残るだけを考えさせた。
人を守るなんて自分に出来ないと思いこみ、幼稚園児を守る考えなど捨てた。
杏達は別の人にでも保護されるか殺害されるとでも思って、それだけで土田は心を楽にしようとする。

前へ前へ歩いて行ってみるが、道はさらに険しくなってまるで山みたいだった。
山なのだが、土田は真っ暗なのと恐怖心だけで場所を考える余裕はなかった。
まだ参加者に会わず、でも土田の生き残る道には参加者に出会わない結果でOKなのか?
人は協力し合ってこそだ、人の土田が協力しないならどうなるか?


………今は、土田の様子を見る段階だ。


【I-6 - 妖怪の山】
【土田直純@はなまる幼稚園】
【状態】健康 恐怖心
【服装】私服
【装備】万能包丁@包丁さんのうわさ
【道具】基本支給品 チューインボム@スマブラX
【思考】基本思考:とにかく生き残る為に参加者と出会わないようにする。
1、とにかく生き残る。
2、杏達や山本先生は別人に保護されることを期待しておく。


【万能包丁@包丁さんのうわさ】

 至って普通の包丁、でもこの包丁を使う事で包丁さんを呼べる。
 包丁さんが使うと扉をも切れる切れ味となり、まさにチートアイテム化するだろう。

【チューインボム@スマブラX】

 真ん中に赤い何かと周りに水っぽい何かで包まれたボム。
 非常に強い粘着力を持ち、一度ひっつくと誰かになすりつけるしかない。
 10秒後に爆発する、結構短時間な為、かなり強力なアイテムといえる。


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最終更新:2011年09月03日 13:56