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Horse




「うわあああぁぁぁぁぁ!!!」

起きた途端に、混乱する。
人には誰にもトラウマというものがある。
そのトラウマに触れられれば混乱も仕方ない。
その混乱は、殺し合いで致命傷なのは違いないこと。
だがさすがに混乱というのは殺し合いという現実感の無いゲームに招かれては普通の反応だ。
逆に冷静な者こそが可笑しいといった感じだ。

「げほっ!げほっ!」

あまりの恐怖に咳が出る。
彼、がみは喘息持ちだ。
動画を投稿するボルゾイ企画の一人だが、
彼の動画を見れば分かるだろう。
がみはよく咳をしている。
ボルゾイ企画を代表する実況シリーズ『青鬼』
その動画は全partが絶叫で叫びの後は咳をしている。
プロの絶叫を持つがみ、喘息を持つがみ。
他のメンバーからも弄られるキャラの位置に立つ。
そんながみは、国語の全国一位という成績がある。
秀才な彼の頭脳、違った一面には悪代官という。
ボルゾイ企画の中でもっとも色んな設定があるといえるだろう。
そんな彼が今いる場所は見覚えがあった。
ゲームの世界の中で見たその場所、そこに自分がいる。
自分のトラウマが思い出される、永遠にやりたくないあのゲーム。

ここは、青鬼の館―――そして、その地下。

自分がいるこの場所、先に行けば記憶が正しいと―――

見てはいけない、見れば自分が壊れてしまう。
だが恐怖と行動は逆になってしまうものだ。
怖いものに惹かれ、つい見てしまう。
人間の感情というのはそういうものなのだ。
だからがみも人間として、そう行動をとってしまった。

―――それは、裏切られる。

「………何も、いない?」

そこにいる筈のアレは存在しなかった。
記憶が正しいと、この牢獄の先にいるのは最悪な生物。
その生物がいて欲しいとは思っていないから素直に喜ばしい。
………でも、安心は出来なかった。
見えていないだけなのかもしれない。
本当は存在している筈のそれ。

「一体、どうなって………」

がみには、一切理解が出来なかった。
今、自分は何故こんなところにいるのかも。
青鬼らしい変な生物が牢獄にいない理由も。
すべてが、理解出来なくて混乱が深まる。
混乱の状態のがみだったが、直ぐに彼は気付いた。
何かが近づいてくる足音が。
青鬼じゃないのは確かとは言えないが、確率は低かった。
足音無く近付いて来るのが青鬼だからだ。
怖いながらもそれは分かっている。
ならば青鬼じゃなければいるのは誰なのか?
覚えは無い。ひろしかもしれないが………。

視界の先―――そこから誰かが来る。

(………来たっ)

姿が見えた。
一体、誰なのか分からない人だった。
確実に分かるのはそれが女性ということ。
何かの帽子を被っており、現代人らしくない服装。
得体の知れない人物であるのは間違いなかった。

「む、人間か?」

彼女もこちらに気付いた様だ。
言った言葉はよくわからなかったが、普通の人で良かった。
こんな場所で普通の人に会えたというのが、がみにとってはかなり嬉しかった。

「な、泣くことまではないだろう」

気付いたら、泣いていた様だった。
取り敢えず目を擦って涙を拭き、前の女性を見る。
先程より距離は縮まっており、目の前にいる。
珍しい服装の彼女だが、取り敢えずがみは言葉を発する。

「失礼しました。俺はですね……………っ、がみと申します」

何故か間をあけて、がみは名前を言った。
それに彼女は違和感というのを感じたが、気にせず続けた。

「上白沢慧音だ。人里の寺子屋で先生をしている」

どうやら、先生さんだったようだ。
頭が良いお方なんだろう。
人里とはまた現実において珍しい場所でやってるもんだ。
それに寺子屋とまで言われてはいつの時代の方なんだと。
歴史の先生という感じがした。

「失礼な質問になるが、がみとやらはこの遊戯に乗っているのか?」

「この遊戯……それって、アレでしょうか?」

「うむ、殺し合いだ」

遊戯というので薄々予想はついていた。
混乱する直前、彼が……参加者全員がいた不思議な空間。
二人の女が殺された忌まわしき空間にて宣言された。
今宵の遊戯としての殺し合い(バトルロワイアル)を開催した。
思い出すと、どんな事が起きてるか冷静に把握出来てくる。
怖い体験は苦手なのに不思議と平静を保てる。

(殺し合い……と、なれば協力も大事になってくる。
 天才的な頭脳を持ってすれば殺し合いを使って上手く生き残れる気がする。
 自分から殺し合い乗ってると言えば殺されるのは間違い無し……)

がみは、頭の中で考えてから答えを言った。

「当然、殺し合いなる残酷なゲームはやってられない!」

こう言って、何となく思い出す。
ふひきーにさせられたゲームは基本的にこういうゲームだ。
ホラー物ばかりさせられてた。
この殺し合いだってホラーとなんのかわりもない。

「そうか。なら安心だ。私も殺し合いに乗る気は無かった。
 第一に発見した人が同じ考えで良かった」

慧音はそう言う。
がみの本当の考えなど読める筈も無かった。

(……取り敢えず、殺し合いに反対してると見せておけば自然に集まる筈。
 だから、その集まった人は精々戦力か盾として利用すれば生き残るに有利。
 人が減ってから殺し合いを始めればいとも簡単に残れる筈………)

参加者は利用する。
それが、がみの真の本性である。
慧音はそれに気付く事も無く、行動を共にするのだ。
いつ、盾とされてしまうのだろうか?
これからがみの盾とされる参加者はいかなるものか?
参加者達は、がみにとってはただの―――


―――駒、だった。


【A-3 - 館の地下】
【がみ@ゲーム実況・ゲームプレイ】
【状態】軽い恐怖
【服装】普段の服
【装備】なし
【道具】基本支給品 不明支給品1~3
【思考】基本思考:生き残る為に人を戦力か盾として利用する。
1、慧音と取り敢えず行動。


【A-3 - 館の地下】
【上白沢慧音@東方project】
【状態】健康
【服装】慧音の服
【装備】なし
【道具】基本支給品 不明支給品1~3
【思考】基本思考:殺し合いには乗らない。
1、がみと行動する。


sm036:そんな装備で大丈夫か? 投下順 sm038:里の一室、なっぴーは眠る
START がみ sm:[[]]
START 上白沢慧音 sm:[[]]


最終更新:2011年03月14日 19:38