隠す真実と誤解された情報
香霖堂………。
今や、その店内はもぬけの殻と化していた。
店主である森近霖之助不在ではあるが、彼が中を見ればどうなるか……。
置いていた筈の品物はすべて消滅してしまったから失神しそうである。
品物の無い香霖堂はもはやただの一つの家、建造物だった。
明かりすら点いていない、何とも可哀想な扱いである。
そんな香霖堂に、突如お客様が現れた。
殺し合いの開催と同時に、ここへと連れられた参加者一名様。
何もない店内を見て、何を思うか………いや、何も思わない。
そんな現実味の無い光景をつい先程まで見た者に店内の感想なんてあり得ない。
第一に先ず殺し合いの事を考えるに決まっている。
その通り、参加者は起き上がって店内よりも先に自分の状況を整理し始めた。
そうだ、ここはバトルロワイアル。夢も希望も無い絶望的な世界。
油断や行動の一つで運命が決まるという恐怖の世界。
情報量の多さ、運動能力とかいうものも重要視される世界。
その場での対応力が問われるバトルロワイアル。躊躇は死への近道。
海をのんびり見る、そんな感じな気分で歩いていれば直ぐに襲撃されて死ぬ。
さあ、この参加者はどう行動をしていくのだろうか?
このバトルロワイアルでどれだけの悲惨に遭ってしまうのだろうか?
生き残りをかけた勝負が、始まる………。
さて、ここで店内にいる参加者に触れておこう。
見た目を伺ってみれば、どうやらイケメン、男の方みたいだ。
黒髪、運動が得意そうに見える。いや、本当に得意らしい。
えーと……どうやら情報によればアイドルをやってらっしゃるらしいです。
その歌唱力、宜し。ガチトリオの一員である。
ただ実際はダンス特化なのをお忘れ無く………。
彼が歌うに相応しい曲としては、『エージェント夜を往く』という曲が。
後はもう一つ、『迷走Mind』という曲もですね。
どちらもカッコ良く歌っていますね。さすがイケメン。
そう、そんな彼。アイドルである彼こそがこの殺し合いの参加者!
香霖堂から
スタートした参加者!その名も………。
―――菊地真!!
……………。
………。
………え?男じゃないのっ?!!
そう、菊地真は男に見えるぐらいカッコイイ"女の子"なのである。
証拠としては少しだけある胸。………それと、下……………。
両方ともとても確認し辛い証拠ではあるが、確実にそこは女の子である。
真は女の子。絶対!男とか言った奴はブッ飛ばされる!
本人は男のファンを作りたい、可愛くなりたい、可愛いって言われたいと思っている。
そう、実は同じ事務所のどのアイドルよりも乙女なのである。
だが………そんな日もまだまだ遠いようである………。
ほぼ初対面の人には男と思われる。それはもう慣れてしまう程に……。
でも仕方ない。真はそんな扱いなのだ。女の子でもイケメンなのは変わりないから。
ガチでイケメンなので、それだから真は尚更逆方面へと輝いていくのだ………。
ガラン、と香霖堂の扉が開かれた。
静かに開いたつもりだったらしいが………。
その音に、真はビクッとする。
殺し合いという事を忘れてる訳じゃないから、突然の出来事には驚いてしまう。
そして―――――。
(あっ―――)
つい焦って、真は動いてしまった。
たったそれだけの行動で、ギシッと音が鳴った。
音だけで人が中にいることがバレてしまう。
あっちゃーと真は内心思いつつも……………。
「うわあぁぁ、でででで出たぁぁぁぁぁ」
そんな大声が聞こえてきて……扉は開いたまま、人は出て行った。
直ぐ状況判断をする。さっきの人は自分がたてた音に驚き………逃走。
追い掛けて追いつく自信はそれなりにあった。
でも真は追わなかった。冷静さを失わずに考えれば追わないのは正解。
殺し合いという世界は信頼を築きにくい場所。
容易に追い掛けたりして、油断したところを襲われかねない。
そんな所まで考えてはいなかったが、真は追う気にはなれなかった。
その判断が、後悔となることも知らず………。
(そういえば、あの声……聞いたことがあるような……)
真はそんなことを思いつつも、香霖堂の中をゆっくり見回り始めた。
何も落ちていない、置かれていない寂しい寂しい店内を、建築物を……。
無意味な行動を真は始めた。真は気付く筈も無く………。
そして逃げた人物の事も気付けず………声も気のせいで済ませるのだった。
◆◇
「はぁ……はぁ……」
香霖堂の扉を開いた途端に中から物音が一つ。
たったそれだけで恐怖をMAXにするのはとっても簡単だった。
怖がりという属性持ちだからこそ、こういう反応を見せてくれる。
正直に言おう。美味しいです^p^
さあ、そんな子の名は秋月涼。
876事務所所属のアイドル。
同僚の子二人とは仲良く、活動をしてきている。
勿論、彼女は女の子です。何といおうと女の子です。
こんな可愛い子が女の子の訳がありません!絶対です。
そういうこと。つまり彼女は女の子……………のようで男の子だ。
つまりは、"男の娘"である。一部の方には大好物な存在である。
男という事を隠して、女の子としてアイドル活動をしている苦労人。
そんな涼だが、趣味は料理とか掃除とか……幽霊とか苦手だとか……。
まるで男に見えません。完全に女の子です。本当にありがとうございました。
「ぅぅぅ……どどど、どうしよぉ……」
周りは真っ暗……果たして涼はこの暗闇の中でどうするつもりなのだろうか?
まったく男らしくもない男の娘、秋月涼の挑戦は始まったばかりである。
【I-5 - 香霖堂】
【菊地真@THE IDOLM@STER】
【状態】健康
【服装】普段着
【装備】なし
【道具】基本支給品 不明支給品1~3
【思考】基本思考:???(殺し合いには乗ってない)
1、香霖堂を探索。
2、あの声に聞き覚えがあるような………。
※涼との面識は一応あります。
【I-5 - 香霖堂周辺】
【秋月涼@THE IDOLM@STER】
【状態】健康
【服装】普段着(女装)
【装備】なし
【道具】基本支給品 不明支給品1~3
【思考】基本思考:???
1、どうしよぉ………。
最終更新:2011年10月16日 18:59