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何処にでもいるとは思えない臆病者




この度、バトルロワイアルの会場を閲覧して頂きまことに有難うございます。
さて今回は会場内の施設について見て行きましょう。
今回紹介するのはこちら!古河家が経営していると言われるパン屋です!
ここのパンは評判でして、他では手に入らない珍しいパンが販売されているのです!
そのパンの見た目は実にビューティフル。芸術魂を擽ります。
用意がされていないのか、店内にはほとんどパンは残っておりません。
ただ一つそこにあるのは大量に売れ残っている一つのパン。
雅にこれこそが芸術魂を擽らせる伝説のパン。

そう、これこそが古河早苗が作ったレインボーパンだ!

材料は秘密。食べてみなくちゃ全ては分かりません。
名の通りにパンが何と七色に輝いております!
こんな事が出来るのは早苗さんしかいないに違いない!
その旦那様がこのパンを咥えて町内を走る姿も目撃されたそうです。
これぞ夫婦愛というものですね。
古河家はそんな、愛情に包まれた微笑ましい一家なのです。
その一家は今、レインボーパンを除けばほとんどがもぬけのからと化していました。

ですがレインボーパン以外の存在がそこに一つ、現れたのです。
怪奇現象か?何とも不思議な登場の仕方でした。
異次元から召喚されるような感じで、まあそのシーンを目撃した者はいない訳ですが。
深くはツッコまないでおいて、その存在は古河家のプライベートな場に召喚された。
一般の買い物客が足を踏み入れることはないであろう場所。
ただ主催者はそのへんに抜かりはなく、物は一切置かれていない。
タンスやクローゼット等の持ち歩きが不可能な物はあるが、中身は空だ。
台所で包丁を頂くとかそういう事は出来ないということだ。
その辺の石じゃ少し痛い程度にしかダメージを与えられない。
つまりは武器は支給品からしか得る事が出来ない、ということだ。
人生を大きく左右させる異変なのに、絡んでくるのは運。

何とも鬼畜なものである。運なんてどうやっても補えない。
実力があろうとも、強力な武器を持つ者の相手は武器無しじゃ辛すぎる。
相手がその武器の扱いに長けていなかろうが、不利なのは変わりない。
対処出来るとすれば、相手に不意打ちをかける程度しか安定した勝利の道は無い。
奇襲―――そう、それは実力。奇襲を得意とする者は少し有利だ。
相手の態勢を崩す事で武器を奪えるかもしれない。だがそれはハイリスクだが……。

少し余談をしてしまいましたが、以上がパン屋の現状となっております。
レインボーパン、そして突如現れたという何かの存在。
それでは少しパン屋内にいる存在の行動でも観察してみましょう。



                 ◆◇



「ハァァァァァ!!???」


大声を上げて飛び起きる。
その身体、中々大きい♂為にその起き方は似合うような似合わないような。
飛び起きて周りを見れば見知らぬ場所であるが………。
何も分からないから、恐怖がマッハで有頂天だ。
殺し合いという聞き慣れない単語、そんな遊戯をやる自信は無かった。
気にもなれないのではあるがそれよりも恐怖のせいでとてもやれる気がしない。
つまりヘタレなのである。その大きな身体を持ってながらヘタレである人物。
いかりやさん。いかりやビオランテこそがそれに当て嵌まる。

実際のビオランテの実力はかなりのものだ。
その大きな身体は嘘ではなく、しっかりとそれに相応する筋力がある。
幾つもの強敵と戦い、負けたり勝ったりをしてきた。
TDNコスギ、彼からFuck youという挑発を受け戦ったが敗北した。
だが後々の勝負では強敵である彼から勝利を得る事が出来た。
ビリー・ヘリントン、彼は非常に素晴らしいパンツレスラーだった。
素晴らしい肉体、見事な技、戦術も正々堂々としており世では人気だ。
自分はそんなに強くない、だから完璧なビリーに勝利を得る事は無理だった。
ビオランテの実力は大したものではあるのに、戦績は良いとは言えない。
そんな彼の弱点である精神の弱さ。ヘタレっぷり。
バトルロワイアルは実力や運も大事だがメンタル面の強さも大事である。
幾ら実力や運があろうとも狂ってしまえば………。

ビオランテは恐怖に狂うというより今はただ怯えるだけだった。
実際、前に人がいるという訳でもないのに怖い。
まるでこの空間に気を狂わせる効果を持つ空気が漂ってるような。
違うにしろ不気味な空気がこの会場内に漂っている。
つい周りを見てしまった時、ビオランテは一つの鞄――デイパックを発見した。

「!!!!!」

その得体の知れない一つの物の存在にビオランテは激しく驚き怯えた。
本当にヘタレである。恐る恐る手を差し伸べてデイパックを手に取る。
襲い掛かってこないのは当然といえば当然なのだが、こんな場所だ。
そのくらいの事があると警戒していた。だからこんなに慎重なのだ。
だから襲われなかった事には凄く安心している。
一先ず落ち着いて中身を漁り始めるビオランテが取り出したのは名簿。
それに目を通して………兄貴達の名を確認すると共に驚きの事実。

「ゆきぽ姫………!」

ゆきぽ、それはビオランテが最も愛する嫁のような存在。
元々男性が苦手なゆきぽなのだが、ビオランテの影響でそれが直りつつある。
マカーイ村での出来事から更にゆきぽとの距離を縮め………ビオランテは幸せそうである。
その幸せが失われようとしている。この名簿の中にあるのはゆきぽの名前。
本名、萩原雪歩。彼女の名がそこにはあった。
ビオランテは何度も見て間違いじゃない事を確認する。
そして悩む。この恐怖のゲームにゆきぽがいる事を知って悩む。
やっぱり殺し合いなんか出来る訳が無い。でも、ここにはゆきぽがいる。
この世界の何処かでゆきぽが助けを求めている。それを見過ごせる訳が無い。
怖い、怖いんだけどやるしかない。ビオランテは決めた。
ゆきぽ姫の為にやれるだけの事をやってみせると。
汚い手はあまり使いたくは無い為、確実でなくとも平和な終わり方がいい。
つまりはゆきぽ姫を護衛してここから脱出すればいい。
誰と出会うか分からないこの世界でひたすらゆきぽ姫を探す。
第一にそれを考えたビオランテは、名簿を再度確認して人数の情報を得る。
同時に幾つか見た事がある名前がある。チルノという名は知っている。
更にフランドール・スカーレット。記憶には薄いがレミリアに関係する者だろう。
それだけじゃない。よくよく思えばほとんど知ってる人物なんじゃないだろうか?
実際出会った事など無い人達だが、ビオランテのアニメの知識は中々のものだ。
そのキャラ達の性格等を知る彼は接し方も分かっている………のかもしれない。

名簿を仕舞い、地図を見る。大体は海に囲まれた場所となっている。
この枠外の光景が気になるのでゆきぽを見つけた後に行ってみようかと思った。
食料、筆記具に照明器具。他にあるのは?更に手をデイパックへと伸ばす。
出て来たのはチャーハンだった。あんかけチャーハンである。
ホッカホカであるそれはビオランテの食欲をそそらせた。
遠くない過去に起きた首がぶっ飛ぶ事などお構い無しに後で食べようと一先ず床に置く。
もう一つあるらしいので取り出すとそれはハンバーグだった。
真ん中に乗せられた目玉焼きの形ははなまる。これは、はなまるハンバーグだ。
桜田家の食卓に出てくる。勿論だがこれもホッカホカだった。
これも床において更に手を伸ばす。………だが、これ以上の支給品はなかった。
一息ついて、ビオランテはどっちを食べようか悩む。
床に並ぶのは、チャーハン、ハンバーグ、見知らぬ幼女………。


……………。


「うぁー!??」
「ふえっ?!ぁ、あぁぁ………」


幼女の方も暗闇によってビオランテの姿に気付かなかったようだ。
にしてもビオランテの格好は白のYシャツにジーパンなので気付けるとは思うのだが……。
でも幼女は食べ物の美味しそうな臭いに引き付けられてここに来たようだ。
ビオランテも幼女もお互いにビビッて………怯えつつ互いの姿を見つめた。
ビオランテは幼女を見つめ、幼女はガチムチな男性を見つめる。
お互い無言のまま、でも震えている。つまいお互いに怯えている。
そうこうしてる内に料理の温度は奪われていく。

長い硬直の末、先に口を開いたのは幼女の方だった。

「……ぁ、ぁぁ、あの………ぅぅ……」

だが震えてしまって、言いたい事も何も言えない。
もう涙目となっている幼女の姿に、ビオランテも勝負に出ざるをえなかった。
これ以上怖がらせてはいけないなと、紳士に立ち振舞う。

「……美味しそうだよね………。どっちか、あげようか……?」
「えっ……?は、はい…ありがとう……ございます……」

成功かと思って、ビオランテは取り敢えずハンバーグを差し出した。
多分こっちの方が好きそうだなって、単なる直感だ。
本当はチャーハンが良かったかもしれないが幼女は何も言わない。
二人が食べてる間、その空間に会話は無かった。
先に食べ終わったのはビオランテだった。食い終わった後も何も言わない。
そして幼女の方が食べ終わると、幼女は立ち上がってビオランテの方へと歩く。
ビオランテの真正面に立つと幼女は、一礼して言葉を発した。

「あの……ありがとうございましたっ!」

その顔には笑顔があった。どうやら信頼してもらえたようだ?
ビオランテは照れながらも料理の感想を述べた。
感想と言っても、それは『美味しかったなぁー(小学生並の感想)』なのだが。
でもそれは分かりやすい感想で、幼女も賛同した。
食後、ビオランテは幼女に話しかけた。

「ここって……まさか君の家………?」
「ち、違います……本当だったらいいんだけどなぁ……ぅぅ……」

落胆した。しまったなー、とビオランテは反省。
様子を見るに長い間家に帰れていないのかもしれない。

「お兄ちゃん………どこいっちゃったんだろう………ううっ」

兄がいるらしい。というか、また涙目になりつつある。
慌ててビオランテは言葉を発した。

「お兄さん、いるんだね。探してあげようか?」
「……ほ、本当………ですか?」
「もちろん。見捨てるなんて、歪んだ行為さ。」
「~~~!」

幼女の顔がパッと明るくなった気がした。
希望を見ているかのような顔だ。
必ず見つけれる保証なんか無いけど、今はこうするのが最善だろう。
こうした事で幼女は落胆した様子から一気に嬉しそうな顔になっているのだから。

持田由香と、いいます!」
「俺はいかりやビオランテ。ビオランテって呼んでくれたらいい。」
「はいっ。あ、あの………よろしく…お願い、しますっ!」
「うん、こちらこそよろしく」

二人は互いに礼をした。
このパン屋にて結成されたのだ。
いかりやビオランテという巨大な男と、持田由香という小さな幼女の組み合わせが。
凹凸なコンビだが、共通点はある。お互いによく怯えるということ。
あまり気が強くないという正直プラスとはいえない共通点。
だがそれこそが二人の意気を合わせる点になってるのだろう。
腹も満足、本格的行動はこれからだ!



【B-1 パン屋 家内・一日目/深夜】
【いかりやビオランテ@本格的 ガチムチパンツレスリング】
【状態】健康
【服装】Yシャツ&ジーパン
【装備】なし
【道具】基本支給品
【思考】基本思考:ゆきぽ姫を探し、護衛しつつ脱出する。
1、由香の兄を探す。
2、知ってる人が多いな……。
※アニメ知識は健在です。様々な人を知っているでしょう。



【持田由香@コープスパーティーBCRF】
【状態】健康
【服装】如月学園中等部女子制服
【装備】なし
【道具】基本支給品 不明支給品1~3
【思考】基本思考:お兄ちゃんを探す。
1、ビオランテさんと一緒に、お兄ちゃんを探す。
2、ハンバーグ、美味しかったな~♪


※【あんかけチャーハン@ガチムチパンツレスリング】

あぁん?あんかけチャーハン?
あぁん?ホイホイチャーハン?
あぁん?最近だらしねぇな?
あぁん?見せかけで超ビビッてんな?
あぁん?卑猥か?


※【はなまるハンバーグ@ローゼンメイデン】

はなまるの形をした目玉焼きが乗ったハンバーグ。
ただ、それだけ。何故か冷めないという効果を主催者はつけた。


sm006:なんというものを支給してくれたんでしょう 投下順 sm008:空の便利屋
START いかりやビオランテ sm000:[[]]
START 持田由香 sm000:[[]]


最終更新:2011年12月06日 19:03