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なんと全商品OFFです!(品切れ的な意味で)




「な、なんですかこれー!?」

今、このデパートの中で一人の少女の叫びが響き渡った。
デパートには地下2Fから3階までと、中々の大きさだ。
尤も、外見も見てないしデパート内の地図も見てない少女はそれを知らない。
いや、それよりも今は目の前の光景にびっくりして、声を上げらざるをえなかった。
デパートなのだから大量の商品が彼方此方にあるのに、それなのに今の光景は斬新。
四方八方、商品の一つも無く棚は全て空の状態にあった。
唯一あるのは、デパートを照らす無数の蛍光灯のみ。

「こんなの、生まれて始めてみたかもー……一つも商品が置いて無いなんて……」

周りを見つつ、少女は足を動かして店内を回り始める。
商品があるなら買いたいと思ったりするのに、無いからそんな思いは生まれない。
ただすっからかん状態で照らされた店内を珍しそうに見渡すだけ。
それでも少女は、それはそれで不思議で楽しいかもと思う。
今度、事務所で皆と会った時にこの事を言ってみよう。
そしたら皆、どんな反応するかな。そんな楽しみも自然と生まれていた。
純粋無垢なままに店内を少女が駆け回る。

「そういえばお客さんだけじゃなくて、お店の人もいない…」

駆け回っている内に気付いたのは、そんな事だった。
確かに店員らしき人物はゼロ。お客様も自分以外誰もいない。
気付いてからも歩き回ってみたが、やっぱりそんな人はどこにもいない。
さすがにこれには、少女も不気味に思わざるを得ない。
幾ら何でもちょっとおかしい。良くない頭がそう答えを出した。

その前に、何で自分はこんな所にいるんだろう?

商品の置かれていない珍光景に夢中で今更な疑問を抱いた。
起きたらここにいた。そして、この光景に夢中になった。
つまり寝ていたということ。この店の床の上で寝ていた?
本当だったら凄く恥ずかしいけど、まずそれは絶対無い。
店内には人が溢れかえっている。人が倒れれば皆、助けを呼んでくれる。
バーゲンセールは戦場だけど、それでも皆は親切。
あり得ないから、別のシチュエーションを考える。

先ず、ここに買い物をしに家を出たんだろうか?
いや違う。いつもの近所のスーパーで買い物をする筈。
わざわざここまで来る程、奮発出来る程お金は今無い。
お仕事がうまくいけば、それも出来るようになるのだろうけど……。
でも代わりに時間が無くなるのかな、と少し余談。

と、なるとここに来る目的はやっぱりお仕事みたい。
以前、デパートの屋上でライブをやった記憶がある。
ライブをする前に店内を見回っていたので、半額商品を宣告したのも覚えている。
誰の案でも無い、自分の案での事だったけど、プロデューサーは笑顔のまま。
プロデューサー。アイドル活動を支えてくれるとても大切な人。
細かい事まで、アイドルである者の為にやってくれる。
プロデューサーがいないとアイドルは舞台にすら立てない。

「……プロデューサー?……あれ?」

そんな大切な人なのに、店内に夢中で気が付けなかった。
謝りたい気分、でもそれ以前にそのプロデューサーが見当たらない。
プロデューサーに見捨てられた?そんな事を思い始める。
でも直ぐそんな考えを捨てる。プロデューサーはそんな人じゃない。
きっと何かあっただけ。逸れただけ。本当に逸れただけ?
無言の店内、これが本当に逸れただけになる?

「私………どうなっちゃったんですか………?プロデューサー……?」

いつも傍にいたのに、今日はいないプロデューサー。
いないのに、プロデューサーに問う。
自分に一体何があったというのか?
泣きそうになりながらも、彼女のポイントである元気さ。
とにかく元気に振舞おうと、変な事を考えちゃ駄目だと。
ポジティブ!に。悩んでも仕方ない。

「プロデューサーを探さなきゃ!」

今、第一に考えるべきなのは合流。
これ以上心配をかける訳にはいかないから。
それに早く出会って安心したい。
やっぱりプロデューサーが傍にいないと駄目ですねー。
そんな事を心で呟きつつも、再び店内を駆け巡る。

「うっうー!」

元気一杯の765プロのアイドル候補生の一人、高槻やよいは店内を駆け巡る。


~♪キラメキラリ♪~


フレーフレー頑張れ!! さあ行こう♪
フレーフレー頑張れ!! 最高♪


~♪~♪~~♪~♪~


1階、ここにはたくさんの食料が売られている筈でした。
今ではすっからかん。全商品OFFとなっております。
勿論、レジも無人。寂し過ぎる店内。
その中で聞こえる足音、それは人を探す女の子のものです。

「プロデューサーーー!!」

大声を出してまで、やよいはプロデューサーを探す。
周りの棚に品が無いのは、いつものように近所のスーパーへと買い物に行く、
そんな母みたいな存在のやよいにはとても斬新だが不気味な光景だった。
お~やよいちゃん!これおまけしとくよ!そんな事を言ってくれる人もいない。
そりゃあ、近所のスーパーじゃなく仕事でしか行った事の無いようなデパートですから。
尤も、このデパートがライブをしたデパートでない事をやよいは知りませんが。

「どこですかー!!返事、お願いしまーす!!!」

元気一杯に叫ぶ。
絶対に見つけるという意気込みを感じられる声量だ。
思わず応援したくなってしまいますね。
フレーフレー頑張れ!!やよいっ!!
お金じゃ買えない程大事なプロデューサーを見つけて!

心と夢で 未来ができる

やよいの強い心がプロデューサーとの遭遇という未来を作る。
未来日記に対抗出来るんじゃn(ry
そこに気付くとは、やはりやよいは賢いなぁ。

~♪GO MY WAY!!♪~

GO MY WAY!! GO 前へ!!
頑張ってゆきましょう
一番大好きな 私になりたい

~♪~♪~♪~♪~

2階、ここには衣類を中心とした物が売られている筈でした。
今ではすっからかん。全商品OFFとなっております。
勿論、何処を見ても無人。寂し過ぎる店内。
その中で聞こえる声、それは人を探す元気一杯な女の子のものです。

「プロデューサーーー!!聞こえますかー!?」

大声を出し続けるやよい。喉は大丈夫だろうか?
来いよやよいファン!愛なんて捨ててかかってこい!
いや、愛(i)は捨てては駄目でしょう。
ロリコンチャート1位目指して、頑張っていってね!

「ここにもいないのかな……」

小声で呟くやよい。その姿には少々不安の様子が見られます。
初めから不安だったのに、それを今まで隠していた。
そんな事が出来るなんて、やっぱりやよいは偉いなぁ。

~♪Do-Dai♪~

こんなコト アンビリーバボーだよ~っ!
ミラクル発生! 傾向と対策 友達に聞くべし!

~♪~♪~♪~

3階、ここにはゲームセンター等のアミューズメントが中心となっております。
今でも稼働するゲームセンターですが、本屋とかメダルとかはすっからかん。
全商品OFFしつつも電源ONな3階は、他よりは少し寂しくありません。
そんなゲームの音にも負けない女の子の声が、響き渡ってきました。

「プロデューサーーー!!どこにいるんですかー!?」

流石に走るのは疲れ、やよいは歩きモードへと突入している。
そろそろ休もう。さあやよい、隣に…おいで……。
そんな病気は置いといて、やよいの体力もそろそろ辛くなってきた。
1階ずつ走り回っているから、ここまでよく頑張ったと思う。
中学生の女の子でもこんなにやれている。お前等、情けないぞ。

「うーん……ということは下かなぁ……?」

1階2階3階にいないなら地下にいる。
当たり前な発想だけど、流石はやよいの発想!
当然だけども、やよいは違うなぁ。良い意味で。

「あっ、もしかしたら屋上かも……」

降りる前に気付く。そういえば屋上は?
そこで気付くとはやはりやよいは天才か、直ぐに屋上へと向かう。
その屋上の先には、星が幾つか見える夜空。
夜だったんだと、気付かされる。
そういえば時計を見ていない。時間はいつぐらいなんだろう?
取り敢えず屋上を見渡すが、プロデューサーは不在。
やっぱり地下……と思って、やよいは屋上を後にしようした。

………と、そこで気付く。
屋上からの光景が何処かおかしい。
あの時ライブした場所は、田舎では無くむしろ都市といえる場所。
それなのに、今屋上に映る景色は明らかにおかしかった。
電灯が見られず、走る車も見れず、大きく立つビルとかも無い。
自分が知る場所とは到底違う景色がそこにはあった。

「ど……どこですか……ここ……」

自分の知る場所と思っていて探していた。
でも違う。まったく別の場所で、知らない場所で探していたのだ。
一体、どうなっているの?もう訳が分からないよ。
やよいは一気に力が抜けて、茫然と屋上を眺めていた。

知りもしない場所で一人。人もいないこんな場所で。
これから自分はどうなってしまうんだろう?

今頃、弟達はお腹を空かせて家で待っているのかな。
顔を思い出すと、涙が出そうになる。
帰りたくても此処が何処か知らないんじゃ帰れない。
やよいの帰り道は、行方不明となった。やよいマイマイである。

夜の屋上で、やよいは迷子になった事を知った。

ここにいる理由なんて、もう分からない。
プロデューサーも見当たらない、人も見当たらない。
仕事でも誘拐でも何でも無い、本当に何があったか分からない。
765プロの事務所にも帰りたい、家にも帰りたい。
でも、帰る事が出来ない。そんな厳しい現実。

「どうしようぅ………」

やよいは、どうすることも出来ない。
暫くそこに立ちつくしていた。


9:02pm (←大嘘)


どれくらい時間が経ったろう。
気付けば床に座り込んで、ぼーっと空を眺めていた。
これからどうするか。悩んで、悩みまくっている。
答えなんて出る訳が無かった。だから、やよいはもう一度元気を作る。
まだ諦めちゃ駄目だと。前に進めば、必ず道は見える。
ポジティブ!をまだやよいは捨てない。人に出会えば救いは見える。
デパートが無人なら、他を探せばいいということ。
やよいはもう一度、立ちあがったのだ。

「うっうー!」

近場に誰かいたのなら、ハイタッチしてたんだろう。
無意識に、ハイタッチをしようと思っていたりした。
もはや禁断症状レベルか?!いや、それは無い。
兎も角、やよいはプロデューサー、若しくは人を求めて屋上を後にした。
このデパートに人がいない、商品も無いんじゃいる意味も無し。
滞在する訳にもいかないので、足早とここを去る。
1階まで下りて、出口を目指して歩くと、こんな光景が。
もう商品が無い空間に慣れた者としては、珍しい光景。
まあまだやよいは慣れてるとは言えないので、ある意味安心。
………だが、ある意味安心というより余計に混乱させるだけだった。

「落し物かな?誰のだろう?」

落ちていた鞄。落し物は届けなくちゃいけません。
持ち主の名前が書いてないか、鞄の周りを見る。
………と、書いてあった。そこにはこうあった。

"高槻やよい"のデイパック

これは、やよい自身の持ち物だった。
でも………

「こんなの、私持ってません……」

その鞄を、やよいが買うとは到底思えない。
そんなデザインの鞄なのだが、やよいは拾っておくことにした。
不気味だけど、きっと誰かの悪戯なんだろう。
取り敢えず持ち歩いてみて、本当の持ち主に返そう。
やよいはそんな偉すぎる子だったのです。

さて、覚えの無い自分のデイパックを持ってやよいは出入り口へ。
やよいの目的は二つとなった。
一つは、プロデューサー、若しくは人を探すということ。
もう一つは、先程拾った"デイパック"の本当の持ち主を探して返すこと。
夜の街を歩くのは少々怖いものの、やよいはそれに立ち向かう。
色々と抱えつつも頑張るやよいは、本当に賢いなぁ。


~♪キラメキラリ♪~

ミラクルどこ来る?待っているよりも
始めてみましょう ホップステップジャンプ!!

~♪~♪~~♪~♪~



【B-2 デパート1階出入り口付近・一日目/深夜】
【高槻やよい@THE IDOLM@STER】
【状態】健康
【服装】普段着
【装備】なし
【道具】基本支給品 不明支給品1~3
【思考】基本思考:プロデューサーを探して、事務所か家に帰る。
1、プロデューサー若しくは人を探す。
2、このデイパックの本当の持ち主を探して返す。
※殺し合いをしているとは思っていないようです。


sm011:YUI&YUI 投下順 sm013:禁断の愛、残酷な現実
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最終更新:2012年06月20日 01:15