無能だって言ってるじゃん
「ふざけてるぜ……こんなの……」
神聖なる場所、時の神殿にて一人の男が愚痴を吐いた。
右代宮戦人は激怒した。こんなゲームを開催した主催者に激怒した。
殺し合いをしろだなんて、とても出来ない。
まず初めに胸糞悪いものを見せられて既に気分は最悪なのに。
今からゲーム
スタートと言われても、本気で立ち向かえる訳がない。
そもそも、人を殺すなんてそんなこと命令されてもやらない。
右代宮家の皆もそんな人達じゃない、絶対に……。
(俺は絶対に従わねぇからな……人殺しなんてしないしさせねぇ。
こんな場所、直ぐにでも脱出してやるよ。……俺の推理でな!)
ついでに彼、右代宮戦人はベアトリーチェと既に会っております。
だから戦人はこの殺し合いの主催者の一人にベアトリーチェもいると推測しています。
……いや、いるということを前提にこれから考えていくつもりのようです。
魔女の存在は認めたく無いが実際に会話しちゃってるからそれは仕方ないですね。
だが犯行に今まで魔女は関係していないという考えでこの推理合戦をやってきた。
いや、そうじゃないと勝負にならないんですけどね。
今回の殺し合い、ベアトリーチェ自身が魔法で誰かを殺すような事は無いであろう。
ただ集めて開催しただけで後は黙ってくれるだろう。
それでも共犯。ベアトリーチェが敵であることに変わり無し。
必ずベアトリーチェを屈服させてみせる。戦人はそう心に誓った。
と、なれば材料を揃えなくてはならない訳だが………。
(やっぱりこの首輪か……)
右手で触りながら、先ずは首輪を解析するか……と考える。
これがある限り命は主催者に握られてるも同然。
外さない限り生きては帰れないということ。
現状、一番厄介と言える存在だ。この首輪の謎を先ず解明させないと。
(……どうやって調べればいいんだ。触るだけじゃ何も分からない。
材質もよく分からない…。くそっ……)
やはり右代宮戦人は無能のようです。
早くも頭を悩ませています。むこうにいるベアトリーチェも2828してるでしょう。
いたらの話ですが。そう、いない可能性もあるんですよ。
(……駄目だ!全然駄目だ!取り敢えず協力者でも探してみるか…)
結局、戦人はどうすればいいか分からず取り敢えず味方を作る事にした。
会場内にいる参加者50人の内、何人が羊で何人が狼か。
それは分からない。しかし、食われる前に何とか救ってあげないと。
手遅れになんかさせない。あれ以上に悲惨なことをもう起こされたくない。
1人が生き残れるといっても、後の49人は全員死亡だ。そんなの認めない。
絶対に抜け出す。絶対に助かってみせる。うみねこのなく頃に……。
◆◇
神殿から出れば、そこは深い深い森の中。
こんな真夜中に森の中なんか歩いたら、遭難しちゃいますよ……。
それでも戦人は出ました。この神殿に何もないのは確認済みです。
……いや、あったといえばあった。何かをはめる窪みがあった。
あれは何か殺し合いから抜け出す為の鍵になる気がする。
戦人は神殿にあった謎の窪みを、あらかじめメモしておいた。
その際に名簿を見たりとか支給品を確認したりとかはし忘れた。無能乙。
(…にしても暗ぇなぁ……懐中電灯くらいあってくれても……ん?誰かいる?)
またまた心の中で愚痴を言ってると前方に人を確認出来た。
暗闇に目が慣れてきた頃だから人がいると分かったのだろう。
それでもよくは見えない。男か女か、何か持っているか、何も分からない。
その人は立ち尽くしていた。動く様子も無い。
声をかけてみるか?……一人ってのは危ないもんな、それが打倒か。
戦人はその人に声をかけてみることにした。
「あのー、そこにいるのはだr―――」
「っ!?う、ぅうあああああああぁぁ!」
「っ――?!!」
声をかけると、その人は奇声を発して襲い掛かってきた。
不味いと思った頃には遅い、何かが戦人の身体を切り刻んだ。
右腕に強烈な痛みが襲いかかってくる。でもそれよりも……。
逃げないと……戦人の頭の中はそれで一杯になった。
よりにもよって狼を引き当てるとは、俺も運が悪いな……。
そんな事を思う些細な余裕はあったらしいが……。
幸い、この暗闇が戦人の逃走を有利にさせてくれた。
第二撃を喰らう前に何とかまけたみたいだ。
ふう、と溜息を一つ吐いて未だに痛みがおさまらない右手を見た。
………衝撃だった。ショックだった。
そこにはある筈のものが、消えていた。
大量の血が、そこから流れていた。
「あああ……お、俺の右手が……無い…!?」
戦人の頭の中は混乱した。考える余裕も、何もなくなった。
右手が無くなった。右手が、右手が無い……。
嘘だろう?まだ、始まったばかりだ。それなのに……。
「ぅぅああああああああああああ!!!」
戦人はその場で大声を発した。
【A-6 神殿付近・一日目/深夜】
【右代宮戦人@うみねこのなく頃に】
【状態】疲労(大) 右手喪失 大量出血 混乱
【服装】スーツ
【装備】???
【道具】基本支給品 不明支給品1~3
【思考】基本思考:この会場からの脱出。首輪の解析。そして主催者を屈服させる。
1、右手が、右手がああ…?!
※主催者にベアトリーチェがあると決定しています。
※神殿にて、謎の3つのくぼみがあることをメモしました。
◆◇
「はぁ……はぁ……」
(疲れた……ちょっと、木の幹にでも座ろう……。)
疲れた……とにかく疲れた……それと、怖かった。
突然、声を掛けられたから咄嗟に手が動いた。悲鳴もあげてしまった。
……でも、これでいいんだ……こうしなきゃいけないんだ。
こうしないと帰ってこないんだ……琴吹紬は帰ってこないんだ……。
自分なんかが優勝出来るとは思っていない、でも優勝するしかないんだ……。
あはははは……もう、嫌だ……何でこんなことになったんだろう……。
普通に生活していただけだよ……?楽しく軽音部の活動をしていただけだよ……?
この広い世界に人間なんて一杯いるじゃないか。なのに、何で……。
どうして……よりにもよって私達なんだよ!?
……何で。
(もう……訳わかんないよぉ……)
……助けてよ。
(……………)
……嫌だよ……。
彼女、秋山澪。怖いものが苦手な軽音部のベース担当。
頼りがいのある人で、軽音部の良心のような存在。
なのだが………この有様だ。
彼女、秋山澪。彼女は今、壊れかけていた。
恐怖が既に絶頂に達しているのであった。
「だいじょーぶ」
「……!??」
また急に声が聞こえてきて……手にあるものを振りかけた。
でも…頭を撫でられていることに気が付いた。
撫でてくれているその手は、感じ的には小さい手だった。
誰だかわからないけど……ありがとう……。
ああ……もう、忘れたい……寝ていいかな……。
いいよね……。
「おやすみ……」
「おー、おやすみー」
秋山澪は、静かに眠った。
眠った澪を静かに一人の小学生が見守っていた。
頭をずっとなでなでしながら、見守っていた。
【A-6 神殿付近・一日目/深夜】
【秋山澪@けいおん!】
【状態】疲労(大) 恐怖MAX 睡眠
【服装】桜ヶ丘高校3年制服
【装備】???
【道具】基本支給品 不明支給品1~3
【思考】基本思考:優勝して、軽音部の日常を取り戻す。
0、………。
1、もう嫌だ……嫌だ……。
【袴田ひなた@ロウきゅーぶ!】
【状態】健康 澪の頭をなでなで
【服装】慧心学園初等部女子制服
【装備】???
【道具】基本支給品 不明支給品1~3
【思考】基本思考:???
1、おー、よしよしー。
最終更新:2012年05月13日 19:01