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どうやらとんでもない場所に呼ばれてしまったようです




「何なのよこれ……歩いても歩いても何もないじゃない……」

綾乃が歩き続けて何分なのか、はたまた何時間だろうか。
それだけ歩いてるにも関わらず何も無いのだ。
あるのは闇ばかり。これには嫌になってしまうのも無理はない。
後ろをずっとついてくるモンスターは表情一つ変えずまだ後をついてきている。
ずっと綾乃の方を見て、言葉一つ喋らずついてきている。

「……はあ、ちょっと休憩しよ……もう限界よ……はぁ……」

地べたに座る。非常に規則正しくない行為だが仕方あるまい。
今は非常事態だし……それにこんなに疲れてるのだから誰も文句言わない筈。
よりかかる場所も無いので、そのまま地面に寝転がった。
のんびりの夜空を眺めながら息を落ち着かせる。

「………こんな所なのに星の一つも見えないなんて……やっぱおかしいわね…」

山の中とかでの夜空はたくさんの星があって綺麗なのに。
ここも環境的にはほぼ同じなのに一つも星は見当たらない。
そのことに綾乃は疑問を抱いた。一体、ここは何処……?

間違いなく事件に巻き込まれてる……このまま遭難の状態が続けば……。
何が目的でこんなことをしたというのか……。いや、目的も何も無い無作為な何か…?
………分からない。当然だけど。今の情報量で分かる方が怖い。
怖いといえば……こんな状況なのに妙に落ち着いてる自分自身が不気味。
もうちょっと取り乱しててもおかしくないのに、何でだろう…?

(……歳納京子に会いたい…から……?……な、な訳ないわよねー!!
 うん!有り得ない!絶対に有り得ないわ!)

バレバレですけども、綾乃は全力で否定した。
というか自演乙………。この状況で何をやっているのかなー。

(も歳納京子の事が凄く心配なのは確かで……本当にいるとしたらの話だけど。
 そ、それに他にも生徒はいるじゃない!私は生徒の安全保護もしなきゃいけない!
 だから落ち着いてる!そう、責任感が自分を落ち着かせている!うん、そういうことね!)

結局、自分で納得するのだった。顔は少し赤くなっていた。
間違い無く歳納京子の事で赤くなっているが、本人自覚無し。
傍でじっとしているクリーパーは綾乃をぼんやりと見つめているのだった。
納得した後、また綾乃は夜空を眺めた。何も無い寂しい夜空を。
あるというなら、たった一つの黄色い円。月、Moon。

(……虫の鳴き声もそういえば聞こえない……本当にここは何処なのかしら……?)

考えれば考えるだけおかしい点がたくさん出て来る。
今の季節は冬なんかじゃない。だから虫も元気に鳴いてることだろうに。
でもその鳴き声は聞こえてこない。空の上だけでなく地上も異変が起きている。
やっぱりこれはおかし過ぎる。こんなところに長居してたらどうなっちゃうか……。

「あっ…そうだ」

綾乃はそこで思い出した。そういえばあんな物があったなって。
自分の携帯。……だけど未来日記というものにされてしまった。
生存中の生徒数を知れるとかあったけど、本当なのか?
それとこれから出会う生徒との未来を記す。全然信じられないけど……。
嘘なら嘘でありがたい。本当ならこれを破壊された時点で自分は死ぬらしいのだから……。

携帯の画面を開いて、色々とチェックしてみる。
そこにはしっかりと書いてあった。数字が書いてあった。



[ 残り生徒数 31/35 人 ]


「…ぐ、偶然よ。そうよ…偶然……。」

そう思いたい。でも、これが本当だとすればもう殺し合いが始まっているということ。
現場はまだ見ていない。だから嘘であると、このゲームは夢であるという希望もまだある。
夢にしたって、こんな悪趣味な夢を見たというのは非常に嫌な事だけど……。

その他に書かれていることはない。生徒との出会いはまだ無いということ。
……あ、この未来日記っていうものが本当だったらの話だから。
信じてないんだから。そんな非現実的なものなんて………。
そう、こんなの有り得ない。この携帯が壊れたら消滅するなんてのもあり得ない。
こんな出任せを書く理由としては、持ち主が簡単にこの携帯を手放さない為。
自分の携帯を他人に渡したりなんてしない。そんな事しなくてもいいのにねえ。

(普通の携帯、と思ったら大分気が楽になった気がする……まあ、信じる方がどうかしてるわよね。)

綾乃は未来日記の存在を否定した。その結果、気が少しは楽になった。
……といっても、結局は得体の知れない土地に放り込まれている現状に不安を感じるのに変わりは無い。
考えたって何も無い。まったくの無意味なのだ。
何も考えず、今はとにかく身体を休める事を大事にしよう。
そうして綾乃は目を瞑った。何も考えずに、視界を黒に染めた。
何の音も聞こえない。風すら吹かない。それでも気にせず………。


ガサ…ガサ…


(………ん?)

突然、そんな音が聞こえてきた。風すら吹いていない自然の中でガサガサと音が鳴った。
誰かが近付いてきたのかしら、と綾乃はそんな推測をしたが確かめる事はしなかった。
こんな時間にこんな場所で外を歩き回ってる人。危険な予感しか感じられない。
バレずにやり過ごした方が絶対に良いと、綾乃はそう思ったから動かない事にした。
心臓が微かにバクバクいっている。怖い?もしかして、恐怖を感じている?
当然よ……こんな状況に恐怖を感じない方が絶対におかしい……。


「ねえ」


とても近くで、声が耳に入って来た。幼い女の子の声だった。
綾乃は顔を上げて、その子の姿を見る事にした。
なんだ女の子か、と安心し過ぎたのかもしれない……。
起き上がった綾乃が見たその子の姿は………人間とは思えなかった。

人型ではあるものの、その背中から生えた羽は一体何なの?


「もしかして、人間?」
「ぇ……え…ええ……人間よ」
「へー、そっかー」


訳が分からない。何でそんな質問をしたのか。
人間だったら何?ここは嘘でも吐いて誤魔化すべきだったの?
もう遅い。これから殺されてしまうのか?それよりも惨い事になるのか?
綾乃は自分の生涯と終わりを感じた。人間じゃない何かに殺されると確信した。
殺されると思ってるのに、何で返答出来たのかは不思議だったけど。

「この異変について何か知らない?」
「異変………?」
「うん、異変」

何の事を言ってるのか、全然分からない。異変なんてあった?
考える……。思い当たる節は………ある。一つだけ、ある。
今のこの現状が異変。事件みたいなものだけど……異変とも言えるかもしれない。
もし異変がこの事を指しているというのなら………何だっていうのか?
こんな小さな子が何か出来るのか?事件を解決出来る何かがあるというのか?
絶対無い。あり得ない。普通に考えて………。
じゃあ何で異変の事を訊いてきた?………全然、分からない。何もかもわからない。

「そっか……」

気が付いたら、前の子はそう呟いていた。口に出てしまっていたらしい。
………私とした事が何で……もう散々。もう嫌……。
これからどうなっちゃうのか。決まってる、これから殺される。
綾乃はそんな絶望を抱きながらも、前の子の言葉を聞いた。

「じゃあねっ!」

そう言って、その子は走り去って行った。
………助かった?殺されずに、済んだ?

……………。

「はぁ~……良かったぁ……」

安堵の声が漏れる。絶対に殺されると思っていたのに殺されなかった。
恐怖から解放されてとても安心した。綾乃はその場で寝転がった。

(それにしても何だったのかしら……あの羽は、何だったの……?)

分からない、そればっかりだ。
考えても分かる気がしない。綾乃は思考停止してまたゆっくり夜空を眺めた。


……………。


「あっ」


また声が響いてきた。でも今度は聴き覚えのある声。
これは確か………そう、あのごらく部の………。

綾乃はまた起き上がって、姿を確認しようとした。
………そして、前には刃物があった。
その刃物は真っ直ぐこちらに向かってきていて………。
綾乃の胸に目掛けて向かってきていて………。
相手の姿を確認してる余裕も無く、その刃物を避ける時間も無い。
それでも綾乃はそれを避けようと必死に身体を動かす。

グシュ、と嫌な音が鳴り響いたと思えば右肩に激痛ははしった。

「っっ……な、何で……?」

どうしてこんな事をしたの?分からない。
顔見知りの筈なのに、何で?嘘でしょう?


「すいません……でも、結衣先輩の為……死んでください!!」


どうしてなのよ、吉川さん。


無我夢中で、その場から綾乃は逃げだした。
でも右肩の痛みが逃走を邪魔する。上手く逃げれない。
このままじゃ直ぐに追いつかれて今度は心臓を刺されて……。
先程の羽の子と出会った時以上と恐怖が綾乃に襲い掛かってくる。
どうしよう、どうすればいい?何も持ってない。

(そんな、嫌よ……歳納京子ともっと仲良くしたいのに……。
 それなのにこんな所で死ぬなんて………)

もう死ぬしか無い。その事実を全力で否定する。
死なずに済む方法を必死に考える。どうすれば、吉川さんを止めれる?

「考え直して、吉川さん!そんな事をして本当に良いと思ってるの!?」
「良いんです……結衣先輩が優勝すれば……結衣先輩は私が死んでも助けてくれる……」
「だからって、人を殺すなんて……そんな事したら……」
「もう手遅れ……私はもう人を殺したもの……」

説得をしようと話をしたら、衝撃の発言が綾乃の耳に入ってきた。
追いかけて来ている吉川ちなつは、既に人を殺しているとのこと。
そんな、そんなの嘘であって欲しい。顔見知りが殺人を犯したなんて……。
綾乃はショックを受けた。それでも会話は続く。

「……それは、本当なの……?」
「はい、ついさっき殺しました……」

ついさっき……と、いうことは……。
そういえば殺し合い……あれは絶対に嘘だと思っていた。
でも本当は違う。本当にここは殺し合いの会場……?
本当にそうだとしたら、さっきの羽の子が私を殺害しなかった理由は……?
いや、今はそれどころじゃない。兎に角やめさせてあげないと……。
どうしよう?考えてる内に、吉川さんの方から声が聞こえた。


「京子先輩を、殺しました。私が」
「………え?」


どういうこと……?京子先輩って……それって……
それって、もしかして……もしかして……。


「それじゃあ、さようなら。」


歳納京子のこと、なの……?


グシュ、と音が鳴り響く。
今度は綾乃の胸を刺していた。
先程よりも大きな痛みは不思議と感じなかった。
……けど、分かった。これが死というものなんだろうと。


足音が遠ざかって行く、吉川さんの足音だろう。
私を殺して……次は誰を殺そうとしているのかしら。
分からないけど………いや、もう分かる必要も無いんだ。
ここでお終いなんだから。殺し合いを信じれなかった私の負け。


「だっ、大丈夫ですか!??」


また、聴き慣れない声が聞こえてきた。
今度は誰?もう誰であっても、私はここで……。


(歳納京子……これからも仲良くしましょう)



             ◆◇



「あわわわわ……どうしよう、どうしよう……」

目の前で人が……たくさんの血を流して倒れている。
このままじゃ死んじゃう……このままじゃ……。
何とかならないかな?私の力で何とか………。
……とにかく、やってみよう!この人を、助けなくちゃ……!

「んぅ~……」

力を注ぐ。自然の力を集めて、この人に癒しの効果を……。
RPGとかでのヒールとか、そういう奴みたいなの。
正直、あんまりそんな事しないから出来るか分からない。
だって妖精は自然に回復してしまうから、しなくても大丈夫。
回復させる能力なんて滅多に使わないのである。

「……………」

集中する。この人を助けたい一心で頑張る。
知らない人でも、こんな人を見捨てる訳にはいかない。
優しい妖精は見知らぬ人の為に頑張った。
その頑張りは、認められたのだろうか?


(お願いします……この人を、助けてください……!!)


祈りは……通じ………る筈が無かった。
大妖精に治癒の魔法とかが使える訳でもなく、あったとしても力が制限されている。
現実は非常に残酷。いつまで祈り続けていても、命が戻ることはない。
個々の生命はそう簡単に復活しないのだ。RPGのようにはならないのだ。
そんなこと、妖精の頭じゃ理解できずただひたすら無意味に祈るしか出来なかった。
力を存分に使っても、大妖精には助けられない。


「そんな………」


精一杯の力を使っても、一向に目の前の人の状態は変わらない。


でも……その事実を大妖精はまだ認めない。
絶対に助けてみせるんだ。大妖精の優しい心が、諦めさせないでいた。
まだ……まだ力を引き出せる……。
目を閉じて……集中して……能力を最大限に使って……。

………やっと、手ごたえを感じて来た。

まだ目を閉じているから姿は見えない。けども、なんとなくそう感じた。
癒しがしっかりと伝わっている。そんな気がしてくる。
いけるかもしれない。大妖精はそう思い始めてきた。

(………どう、ですか…?)

ゆっくりと目を開けて現在状況を確認してみる。
映ったのは……先程と然程変わっていない人の姿だった。

(まさか……もう…駄目、なんですか……?)

大妖精の目に涙が浮かんでくる。私じゃこの人を助けられない……。
助けたいのに……全然、怪我が治らない。


(うぅぅ………ごめんなさい………)


大妖精は、その人の身体の上で涙を流していた。


………ところが、大妖精のヒールのようなものは微量だが効果はあった。
このまま放置すれば死亡してしまうであろうが、更に力が加われば……もっと強い回復効果があれば……。
大妖精の魔力は自然回復していくが、そこは大会によって力を抑えられているために、
回復するスピードは遅く、回復効果も微々たるものにしかならない。
でも大妖精は優秀なヒーラー。止血の量を抑える事に成功していた。
完全に止血が出来れば、この人――ー杉浦綾乃の命は救われるに違いない。

―――しかし、大妖精といえど妖精。頭が残念系。
そんな事を知る筈が無かった。


(うぅぅ………)


心の優しい妖精は、泣き続ける。



【C-4・一日目/黎明】
【C-4 草原/深夜】
【杉浦綾乃@ゆるゆり】
【状態】胸部を刺され、出血(大妖精により出血量を抑えられている) 意識無し
【服装】七森中学校制服(胸部が赤くなっている)
【装備】なし
【道具】基本支給品 生徒会長日記@オリジナル未来日記 ペット用クリーパー@Mine craft
【思考】基本思考:今起きてる事を調べると共に、ごらく部の皆を探す。
0、……………。
1、歳納京子は………。
2、殺し合い……だったの……ね……。
※未来日記所有者に選ばれました。
※このままだと死亡する可能性があります。



【大妖精@東方project】
【状態】疲労(大) 少し恐怖 泣いている 魔力枯渇
【服装】大ちゃんの服
【装備】なし
【道具】基本支給品 ミニ八卦炉@東方project マトリョーシカ・おにぎり@THE IDOLM@STER Dearly Stars
【思考】基本思考:自然に生気を取り戻す為に動く。
1、急いでチルノちゃんに会う。
2、ここ、怖いよぅ………。
3、この人を助けたい。…でも私じゃ……。
※殺し合いを理解したかもしれません。
※もしかしたら能力制限に気付いたかもしれません。



「また、殺しちゃった……でも……でもこうしなきゃ……結衣先輩は……!!」

綾乃を殺害した吉川ちなつは、自分にそう聞かせていた。
偶然にもまた同じ学校の人を殺害してしまった。
何でこんな事になったのか……もう頭がどうにかなりそう。
でも……逆に助かったかもしれない。

……これで、自分と結衣以外に同じ学校の生徒はいなくなった。

もう躊躇う必要も無い。全力で、ただひたすら殺す。
ちなつは選択してしまったのだ。歪んだ方向へと進んでしまったのだ。
本人に自覚は無く、また次なる獲物を求めてちなつは地上を歩く。
憧れの結衣先輩の為に………。



???「待ってよー、私もいるよぉー?!!」



【B-5 ゲイパレス周辺・一日目/黎明】
【吉川ちなつ@ゆるゆり】
【状態】疲労(小) 制服に多量の血
【服装】七森中学校制服
【装備】家庭用包丁@現実
【道具】基本支給品 不明支給品1~3
【思考】基本思考:結衣先輩の為に、皆を殺す。
1、結衣先輩と必ず………。
2、もう躊躇う必要は無い。
※綾乃を殺したと思っています。



「やっぱり人間は何にも知らない、かあ……」

殺し合いを異変と見て調査する吸血鬼。(実はちょっとお遊び気分でやっている)
調理されてない人間を見たけど、特に面白いことも何にもなかった。
この異変についても何も知らないみたいだし………。
だから直ぐに別れてしまった。フランドールにとっては、どうでも良かった。
遊んでも良かったけど、今の自分に起こってる異変を知らない訳じゃない。
空が飛べなくなっただけで人間に負けるなんて事は絶対にないけれども、
でもいつもよりはつまんなさそう。やっぱり全力じゃないとやる気になれない。
フランドールはそんな軽い気持ちで人間と遊ばなかったのである。
気分的にもそんな乗り気じゃなかった、というのもある。だから……


気分次第じゃ、遊んでたかもしれないね。もしそうなら、あの人間は壊れちゃってたのかもしれないね。


まあ、いいや。さっさと紅魔館に帰ろう。
こんな所でいつまでも歩いてちゃ、先を越されてしまうわ。
ちょっと足早に、フランドールは二つ目の橋を渡って行った。


しかし、危機は直ぐ傍にある。
その危機にフランドールが注意するかどうかは、分からない。


【C-4 橋付近・一日目/黎明】
フランドール・スカーレット@東方project】
【状態】健康
【服装】フランドールの服
【装備】なし
【道具】基本支給品 不明支給品1~3
【思考】基本思考:異変解決をする。その為に先ずは飛行能力を戻す。
1、紅魔館を探して、パチュリーに空を飛べるように戻せるか聞く。
2、犯人はきっと空の上!
3、人間は異変について知らないみたいね。
4、全力じゃなきゃ遊んでも楽しくない、かなあ……?
※空が飛べない事に気付きましたが、弾幕やスペカ等に気付いてるかは不明です。
※殺し合いである事を理解していないかもしれません。



sm023:無能だって言ってるじゃん 投下順 sm025:[[]]
sm006:なんというものを支給してくれたんでしょう 杉浦綾乃 sm000:[[]]
sm016:物凄いまともなフランちゃんが物凄い可愛い フランドール・スカーレット sm000:[[]]
sm013:禁断の愛、残酷な現実 吉川ちなつ sm000:[[]]
sm017:メイガスフェアリー 大妖精 sm000:[[]]


最終更新:2012年07月11日 16:28