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催眠で人を自由に操れるの?
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匿名ユーザー
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催眠を恐れる人の中には「人にあやつられたくない」と思っている人がいます。これは催眠に対する典型的な怖れであり、迷信でもあります。そしてこの迷信こそ、多くの人を催眠に引き付ける原因だと思われます。でも、そんな「おいしい話」はないです。
催眠にかかっていても、やりたくない指示には従わないことは早くから(それこそ「催眠術」という呼び名もないころから)知られていました。催眠中であっても、主導権はつねに本人の手にあります。ベイソンは、催眠に関する様々な恐れや不安を手っ取り早く取り除く暗示として「○○さん、あなたは催眠中いつもハンドル(操縦桿)を握っていますよ」といった言葉を使うことにしているといいます。
確かに催眠をつかって人の知覚や感情や記憶や判断などに影響を与えることはできます。ただ、催眠を使わなくても、人の知覚や感情や記憶や判断などに影響を与える方法はいくらもあります。たとえば脅迫や恫喝がそうです。もっとスマートなやり方もありますが、これは催眠のテキストなどで別の機会に譲りましょう。具体的には社会的認知の本などおもしろいと思います。
さて催眠中の人は、周囲で何が起きているかも完全に気づいていますし、意思決定の力も奪われることはありません。その人が普通の意識状態でいるときに同意できない内容の指示には、催眠状態でもやはり同意させられません。そんな指示を出したとしても、被催眠者は拒否するか無視するか、あるいは催眠から目覚めてしまうかのいずれかになるでしょう。