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Ernest R. Hilgard
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ヒルガード,アーネスト(1904-2001)
アメリカ心理学会会長をつとめたこともある、アメリカの心理学者。最も網羅的でいまも版を重ねる心理学教科書(Introduction to psychology、初版1953年)の編者であり、現在もその教科書は「ヒルガード」の名で呼ばれる(邦訳名は『ヒルガードの心理学』である。中身は「ほとんどすべての心理学」を網羅しているのに)。心理学界の主流に位置しながら、多くの面でアメリカの学問的催眠研究の基礎を築き上げた。
スタンフォード大学に催眠研究ラボラトリーを設立し、催眠現象および催眠感受性の科学的立証・究明に打ち込み、それまで学術研究の外にあった催眠研究をアメリカ心理学界のメイン・ストリームの一角に位置づけさせた。とくに若き同僚アンドレ・ヴァイゼンホファーと共同で催眠感受性テストの金字塔とされる一連の「スタンフォード尺度」を作り上げたことで名高い。
臨床においても、精神科医であった妻ジョセフィーヌと共に催眠による痛みのコントロールの研究を行い、Hypnosis in the Relief of Pain(邦訳「痛みの心理学」)にまとめた。痛みとくに疼痛のコントロールは、今も臨床催眠が最も活躍する分野である。
また多くの催眠研究者、臨床家の育成に努め、彼のもとから優れた多くの催眠家を輩出した。