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現代催眠とは

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現代催眠とは,ミルトン・H・エリクソンという精神科医が使った治療技法のことを指します.エリクソンについては,次章でくわしく書くとして,本章では現代催眠とは何なのか考えていこうと思います.

現代催眠を考える上で重要なポイントがあります.それは,現代催眠は精神医学もしくは心理臨床で行われる,治療や援助における一連の方法であり,理論や技術として独立することがむつかしいということです.つまり,エリクソンが治療で行ったことの多くは,催眠では無かったりするのですが,催眠ではない部分までもが現代催眠と呼ばれてしまっているのです.

エリクソンは,もちろん催眠も使いました.その方法は,古典的な催眠とは違ったものでした.それと同時に,催眠とはまったく関係の無い方法も巧みに使ったのです.例えば,エリクソンの使った技法で有名な治療的ダブルバインドは,古典的な催眠では説明ができません.だからこそ,現代催眠と呼ばれるのですが,その名称に「催眠」が入っている事に違和感を感じずにはいられません.また,現代催眠を勉強している人も,催眠だろうと思い勉強する事は,現代催眠の本質を逃すことになるのではないかとも思います.

現代催眠の本当に重要なところは,決して催眠の部分ではありません.また,小手先のテクニックだけでは効果は期待できません.エリクソンが治療の時に,何を考えていたのか.また,その治療全体の構造に目を向けることが,現代催眠習得の第一歩になるでしょう.
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