みささぎ「ああ、アレス(アリス)さん……!ひなを見ませんでしたか?」
主人公「いえ…なにかあったんですか?」
スカーレット「ひなさんが家出してしまったそうなんです。」
みささぎ「少しきつく叱ったら、家を飛び出してしまって……。」
スカーレット「そのまま、ごはんの時間になっても戻ってこないそうです。」
みささぎ「あの子、また危ないところへ行ったんじゃ……。」
主人公「僕(私)も探します!」
スカーレット「人手は多いほうがいいでしょう。お願いします。」
みささぎ「アレス(アリス)さん、どうかひなを見つけてください。」
主人公「大丈夫、すぐに連れて帰りますよ!」
主人公「ひなちゃん……?」
ひな「あ……アレスくん(アリスちゃん)……。」
主人公「よかった、無事で!ママが心配してるよ。」
ひな「……ママ、心配してる?」
主人公「もちろんだよ。早く元気な顔を見せて、安心させてあげなきゃ。」
ひな「ママは、ひなのことなんて……きらいなんだよ……。」
主人公「どうして、そんなふうに思うの?」
ひな「ひながわるいこで……ママをおこらせるから……。」
主人公「叱られちゃったんだね。なにがあったのか、僕(私)に話してくれる?」
ひな「うん……あのね、ママがね、おへやでひとりで泣いてたの。」
ひな「それをみたら、ひなもむねがぎゅってなって……だから、もりに
キラキラの実をさがしにいったの。」
ひな「きれいなものをみたら、ママもえがおになるとおもって……。」
主人公「ひなちゃんはママが大好きなんだね。」
ひな「うん……でも、
キラキラの実はみつからなくて、もりにいったことをすごくしかられて……。」
ひな「きっとひなはわるいこなの……。」
ひな「わるいこにすきっていわれてもママもうれしくないの……。」
主人公「そんなことない。ママもきっと、ひなちゃんのことが大好きだよ。」
ひな「……ほんとに、そうおもう?」
主人公「うん。だからもう一度、ママとちゃんとお話ししてほしいな。」
ひな「……わかった。アレスくん(アリスちゃん)が言うならそうする。」
主人公「ありがとう。それじゃ、帰ろっか。」
みささぎ「アレス(アリス)さん!」
みささぎ「一度ならず二度までもひなをお救いいただき、なんとお礼を申し上げていいやら……。」
みささぎ「本当にありがとうございました。アレス(アリス)さんはこの町の救世主です。」
主人公「大げさですって。」
主人公「でもひなちゃんにケガがなくて、本当によかったです。」
主人公「ひなちゃん、ママとはもうお話しできた?」
ひな「ううん、まだ……。」
みささぎ「おはなし?」
主人公「ええ、ひなちゃんが森へ行った理由です。」
みささぎ「ひな、なにかトクベツな理由があったの?」
ひな「あのね……ひな、
キラキラの実をとりにいったの。」
みささぎ「
キラキラの実?どうして……。」
ひな「ママ、泣いてたから……げんきになってほしかったの。」
ひな「キレイなものを見れば、きっとママもニコニコしてくれるとおもって……。」
ひな「でも、ぎゃくにおこらせちゃった……。」
みささぎ「そうだったの……ひな……ごめん、ごめんね……ママ、パパのことを思い出しちゃって……。」
みささぎ「ひなは泣いてるママのこと、元気づけようとしてくれてたのね。」
主人公「ひなちゃん。ママはね、悪い子だから叱ったんじゃないよ。」
ひな「ほんと?そうなの、ママ?」
みささぎ「ええ。叱ったのは、ひなが大切だから。」
みささぎ「危ない場所でひながケガでもしたら、ママは悔やんでも悔やみきれない。」
みささぎ「叱るのはつらいけど、ひなが傷つくのはもっとつらいから……。」
ひな「……ママがおこったのは、ひながたいせつだから……。」
ひな「わるいこだからじゃなくて、たいせつだから……。」
みささぎ「そうよ、ひなはママの宝物だもの。」
ひな「……ママ…ううっ、ぐすっ……。」
ひな「……ひな、ママにしんぱいさせてたの。ごめんなさい。」
みささぎ「ママこそ、ひなの気持ちも知らずに頭ごなしに叱ってしまって、ごめんね。」
スカーレット「……おみごとです。」
主人公「え?」
スカーレット「ひなさんを見つけ出すだけでなく、親子の行き違いをも解決した……。」
スカーレット「町の人々を守るSeedにふさわしい仕事ぶりです。」
主人公「いや、そんな……Seedとか関係なく、人として当然のことをしただけで……。」
スカーレット「『Seedである前に、人間であれ』」
主人公「それは……?」
スカーレット「私の尊敬する人の言葉です。」
スカーレット「今回のアレス(アリス)さんの行動はまさにその言葉どおりのものでした。」
主人公(少しは、認めてもらえたのかな……?)
ジュリアン「ひながいなくなったって!?オレ、今すぐさがしにいってくる!」
ひな「がんばって、ひなをみつけてね~♪」
ジュリアン「おう、まかせとけ―――」
ジュリアン「って、ひな!?」
ジュリアン「な、なんだ、もうかえってたのかよ!シンパイさせんなよな!」
ひな「
ジュリアン、おこってる?」
ジュリアン「ああ、おこってるよ!」
ひな「えへへ。それはひなのことがたいせつだからだね~。」
ジュリアン「は、はあ?」
ひな「さっきおしえてもらったの♪おこるのは、たいせつだからなんだって~。」
ジュリアン「えっ、やっ、そ、それはっ、ちが……ちがわねーけど!でもちがう!」
ひな「はて~?」
最終更新:2022年02月02日 21:36