1日目
フーカ「ガウガ、ガガガウ?(フーセン、どこかで見たことないか?)」
フーカ「ガガウ、ガウ。(てがみ、ついたやつ)」
ルーシー「そんなの聞いたってわかるはずないって。」
フーカ「ガウ!?(ホントか!?)」
フーカ「ガガウ、ガウガウガウ!(このコ、見たことあるって!)」
ルーシー「うっそでしょ!?」
フーカ「フンフン……。」
フーカ「ガウガウガガウ……。(町の東の川がながれこむどうくつに……)」
プリシラ「町の東の…川が流れる洞窟……。」
プリシラ「ありがとう、フーカちゃん!わたし、行ってみる!」
ルーシー「待って待って!あたしも行くよ!」
プリシラ「ううん、1人でだいじょうぶ!」
ルーシー「もう……すっかり勇敢になっちゃって。」
ルーシー「アレスくん(アリス)の影響を受けすぎだよ。」
主人公「あの…これはどういう状況?」
ルーシー「あっ、ウワサをすればなんとやら!」
ルーシー「キミ、責任持ってプリシラを連れ戻してよ!」
主人公「なにがなにやら……。(誰かセツメイして……)」
フーカ「プリシラ、ガウッガガウ!(プリシラ、恩人さがしはじめた!)」
フーカ「ガウガウガウガ、ガガウ!(てがかりのフーセン、みつける!)」
主人公「それで、1人で町の東の川が流れる洞窟に!?」
主人公(ルーシーが心配するのもムリないな……)
主人公「プリシラ、それは……?」
プリシラ「風船……。」
主人公「見つかったの!?」
プリシラ「うん……。でも、お返事の風船じゃなかった。」
プリシラ「これは…わたしが飛ばした風船。こんな近くに落ちてたんだ……。」
主人公「プリシラ……。」
プリシラ「……でも、あきらめないよ。」
プリシラ「もう1人でなんにもできないわたしじゃないから。」
プリシラ「必ず捜しだしてお礼を言うの!」
主人公(目が燃えてる……)
主人公「でも、手がかりはなくなったんだよね。どうやって見つけるつもり?」
プリシラ「
シモーヌさんやユキさんは昔のこと教えてくれないから……」
プリシラ「お父さんとお母さんにお手紙を書いて教えてもらおうと思ってる。」
プリシラ「それでもダメなら……」
プリシラ「ううん、今は考えない。」
プリシラ「それじゃあ、アレスくん(アリスちゃん)。わたし、お手紙を書いてくるね♪」
2日目
ルーシー「そんなのムチャだって!」
プリシラ「平気だよ!森にだって山にだって、1人で行けたもん!」
ルーシー「町の近くに出かけてくのと遠く離れた王都まで行くのはぜんぜん違うでしょ!」
主人公「ちょっ、ちょっと、2人とも落ち着いて!」
ルーシー「あ、アレスくん(アリス)!キミからも言ったげて!」
ルーシー「1人でお父さんたちに会いにいくなんてムチャだからやめなさいって!」
主人公「お父さんに?」
プリシラ「……お手紙の返事が来ないの。」
プリシラ「きっとお店が忙しいんだと思う。だから直接会いに行こうって…。」
ルーシー「それはわかるけど、なにも1人で行かなくてもいいじゃん。」
ルーシー「あたしとじゃイヤならアレスくん(アリス)といっしょでもいいし。」
プリシラ「ううん、ダメ。1人じゃなきゃイミないの。」
ルーシー「なにそれ。ワケわかんない。」
プリシラ「わかんないのはルーシーちゃんだよ!」
プリシラ「わたしが1人でなにかしようとするとムリよ、ムチャよ、ダメよ、ばっかり!」
ルーシー「それはーープリシラが心配で……」
プリシラ「心配なんてしてくれなくていい!わたしもう子供じゃない!」
ルーシー「あっそう!だったら好きにすればいいじゃん!」
プリシラ「好きにするもん!!」
主人公「プリシラ!!」
ルーシー「勝手にすれば!!」
主人公「どうしてこんなことに……。」
3日目
シモーヌ「プリシラはまだ帰らないの?」
エルシェ「……ええ。」
主人公「本当に1人で王都に行ったんだ…。」
ユキ「プリシラちゃんが待ってた手紙は届いたんでしょう?」
エルシェ「うん。あの子がいなくなった次の日にね。」
ルーシー「………………。」
シモーヌ「もう何年も恩人への礼のことなんて口にすることはなかったのに、」
シモーヌ「今になってなにを焦っているんだ、プリシラは。」
ユキ「反動……かしらね。」
ルーシー「反動?」
ユキ「幼いプリシラちゃんが大ケガをして殻に閉じこもるようになってから、」
ユキ「わたしたちはあの子の殻を傷つけないように表面をそっとなでるように接してきたわ。」
ユキ「これ以上、傷つくことがないように、怖いものすべてから守るように。」
シモーヌ「そんな殻を外から割ったのがルーシーだったな。」
ルーシー「そ、そうだっけ?」
ユキ「両親といっしょに王都に越していったプリシラちゃんがエルシェと2人でリグバースに戻った日から」
ユキ「ルーシーちゃんが何度もノックするうちに、殻が割れたのだったわね。」
エルシェ「ず〜っと暗いカオしてたあの子が……少しずつ笑顔を見せるようになったっけ。」
ユキ「子供同士だからできたことなんでしょうね。」
ユキ「わたしたちオトナはそれからもプリシラちゃんの殻を外からなでつづけたわ。」
ユキ「それが……」
シモーヌ「彼女を閉じ込めることになっていたのかもしれない。」
ユキ「ええ。だけどーー」
ユキ「アレスくん(アリスちゃん)。」
主人公「え?」
ユキ「あなたに恋をして、あの子は変わったわ。」
ユキ「みずから殻をやぶって外に出た。」
ユキ「あなたの手を取るために。」
ルーシー「それが……反動?」
エルシェ「おとなしかったイイ子が……悪い遊びを知ってやんちゃに走っちゃう……みたいな?」
シモーヌ「その例えは姉としてどうなんだ。」
ユキ「殻の内でじっとしていた反動で走り回りたくなってるのだと思うわ。」
ユキ「そのうえ、恋でしょう?」
ユキ「浮かれたり、はしゃいだり、がんばったり、背伸びをしてみたり……」
ユキ「なんにでも全力でぶつかってみたくなってるんじゃないなしら。」
ルーシー「だからって、なんでもかんでも1人でやんなくていいじゃん。」
ユキ「うふふ。早くオトナになりたいのよ。」
ルーシー「なにそれ?」
ユキ「あらあら、ルーシーちゃんにはまだわからないかしらね。」
シモーヌ「ふうむ……あのプリシラがそこまでかわるとは。」
シモーヌ「恋とはすごいものだな。」
シモーヌ「エルシェ。オマエも恋の1つもしてみたらどうだ。」
シモーヌ「ものぐさな性格が少しはましになるかもしれない。」
エルシェ「パ〜ス…めんどくさい。」
ルーシー「………………。」
ルーシー「あたし……まちがってたのかな。」
ルーシー「プリシラを……また閉じ込めようとしてたのかな……。」
4日目
フーカ「プリシラ、ガウガウ!(プリシラ、かえってきた!)」
むらくも「ケガはないか!?心配したんだぞ!」
プリシラ「…………うん……。」
ドグ「ご両親には会えたのか?」
プリシラ「ん…………。」
シモーヌ「念のため、うちで診察をーー」
プリシラ「……平気。」
主人公「おかえり、プリシラ。」
プリシラ「……ただいま。」
主人公「プリシラ……?」
むらくも「どうなってるんだ、アレ。」
ドグ「上の空だナ。」
ユキ「なにかあったのかしらねえ……。」
ルーシー「………………。」
5日目
プリシラ「!!」
プリシラ「そ、それじゃあ、シモーヌさん、ありがとうございました!」
主人公「プリシラ、その薬ーー」
プリシラ「な、なんでもないよ!またね、アレスくん(アリスちゃん)!」
主人公「あっ、プリシラ!!」
主人公(あんなにたくさんの薬、どうするんだろう……)
主人公「シモーヌさん、プリシラとなにを話してたんですか?」
シモーヌ「すまないがーー」
シモーヌ「あの子がキミに教えようとしないことを私の口から言うわけにはいかない。」
シモーヌ「これは医者としての守秘義務でもある。」
主人公「そうですか……。」
主人公(どこか具合でも悪いのかな……)
5日目
ルーシー「エルシェさん!プリシラがどこ行ったか知ってる!?」
エルシェ「ん〜……なんにも聞いてないけど。どうかしたの?」
ルーシー「また町からいなくなっちゃったんだよ!」
ルーシー「なにか心当たりない!?」
エルシェ「………………あ。」
エルシェ「そういえば…あの子、えらく念入りに出かける準備してたっけ……。」
エルシェ「いつものことかな〜と思ってたけど……よく考えたらいつもの3倍くらい荷物があったかも。」
ルーシー「3倍!?」
ルーシー「王都に行くときでもそこまでの荷物じゃなかったのに。」
主人公「もしかして、薬を買ってたのもどこかに出かけるためだったのかな。」
ルーシー「どういうこと!?」
主人公「シモーヌさんから薬をたくさん買ってたんだよ。」
主人公「理由を聞いても教えてくれなくて……。」
ルーシー「3倍の荷物にたくさんの薬って、それもうヤな予感しかしないじゃん!」
ルーシー「きっと1人でどこか危ないとこに行ったんだよ!!」
主人公「そんな……。」
エルシェ「手紙…………。」
主人公「え?」
エルシェ「お父さんたちからの手紙を読めば…なにかわかるかもしれない。」
エルシェ「あの子の様子がおかしくなったの、お父さんたちに会ってきてからでしょ。」
ルーシー「それだ!!」
ルーシー「手紙はどこ?プリシラが持っていってたりしないかな?」
エルシェ「それなら〜……大丈夫。」
エルシェ「じゃじゃ〜ん。」
エルシェ「ほら、このとおり。手紙はここにあるわ。」
主人公「どうしてエルシェさんが持ってるんですか?」
エルシェ「こんなこともあろうかと思ってね〜。」
エルシェ「……はい、ウソで〜す。渡そうと思って持ってたの、忘れてました〜。」
主人公「やっぱり……。」
ルーシー「むしろグッジョブ、エルシェさん!さあ、早く読んで!」
エルシェ「え〜……アレス(アリス)。キミが代わりに読んで。」
主人公「えっと……。」
主人公「『愛しのわが娘、プリシラへ』」
主人公「『エルシェと2人、元気モリモリやっているかな?父さんと母さんはあいかわらず、元気ラブラブだ』」
ルーシー「そこはいいから!もっと肝心なところ!」
主人公「う、うん。」
主人公「ん…………と、ここかな?」
主人公「『大ケガをしたときのことを教えてほしいということだったね』」
主人公「『結論から言うと、父さんたちも詳しいことはわからない』」
主人公「『キミがどこで冒険してきたのか、どんな風にケガをしたのか……』」
主人公「『キミを助けてくれた恩人に聞こうにも詳しい話を聞く前に姿を消してしまってね』」
主人公「『プリシラもそのときのことを思い出せないというし、誰も本当のことはわからないんだよ』」
主人公「『望む答えをあげられなくて申し訳ない』」
主人公「『でも……答えはきっと、キミの中にある』」
主人公「『プリシラ自身、そのことに気づいているのではないかな?』」
主人公「『あの日のことを思い出せないのは、心のどこかで思い出したくないと感じているからだろう』」
主人公「『ふたをしておきたい、怖い思い出だから』」
主人公「『それでもーー恐怖を超える勇気があるのなら、キミが一番怖いと思うところへ行ってみてはどうだろう』」
主人公「『ずっと心の奥底に沈めていたものが浮かび上がってくるかもしれないよ』」
主人公「『ーーと言っても、くれぐれもムチャはしないようにね』」
主人公「『時がたてば、自然と思い出せる日な来るかもしれないのだから』」
ルーシー「………………。」
エルシェ「一番怖いと思うところ……。」
ルーシー「…………遺跡のことだと思う。」
エルシェ「どうしてそう思うの?」
ルーシー「プリシラが大ケガしたのが……遺跡だから。」
エルシェ「あの子がケガしたときのこと、なにか知ってるの?」
ルーシー「……うん。」
エルシェ「だったら、どうして今まで……。」
ルーシー「怖かったの。」
ルーシー「プリシラが思い出しちゃうのが。」
ルーシー「あの子が遺跡に行ったのはーー」
ルーシー「あたしのせいだから。」
エルシェ「どういうこと?」
ルーシー「あの日……プリシラと冒険ごっこをして遊ぶ約束をしてたの。」
ルーシー「でも前の日からあたし、熱を出して寝込んじゃって……。」
ルーシー「うなされてるあたしを見たプリシラが薬を取ってくるって言いだしたんだ。」
ルーシー「そのときプリシラが読んでた物語に、遺跡に隠された万能薬が載ってて……」
ルーシー「リグバースの遺跡のことじゃないのに、きっとこの町の遺跡にもあるはずだって。」
ルーシー「あたし、止められなくて……そのまま眠っちゃって……。」
ルーシー「目を覚ましたら、うちの1階が大騒ぎになってた。」
ルーシー「下におりてったら、あの子が……プリシラが血だらけで運ばれてきて……!」
ルーシー「あたし、怖くなって部屋に引き返したの!」
ルーシー「あたしのために大ケガしたのに、黙って逃げ出したんだよ!」
ルーシー「そんなことプリシラに知られたら……きっともう近づかないでって言われる!」
ルーシー「それが怖かったの!!」
エルシェ「………………。」
エルシェ「……なんだ。」
エルシェ「ぜんぜんルーシーのせいじゃないじゃない。」
ルーシー「……え?」
エルシェ「あの子が自分で決めて、自分でケガしたって話でしょ?」
ルーシー「でも!あたしが熱を出さなきゃあんなことにならなかった!」
ルーシー「プリシラを怖い目にも痛い目にもあわせることなかった!」
ルーシー「だから……!」
ルーシー「もう二度とそんな目にあわせないようにあたしがプリシラを守ろうって誓ったの!」
ルーシー「なのにーー!また1人で行かせちゃった!」
ルーシー「あたし、また守れなかった!!」
主人公「ルーシー……。」
ルーシー「お願い、アレスくん(アリス)!プリシラを迎えに行ってあげて!!」
ルーシー「もうあたしじゃダメなの!」
ルーシー「キミじゃなきゃ……ダメなの…………!」
主人公「……わかった。」
主人公「ルーシーじゃダメなんて思わないけど…今は僕(私)に任せて。」
主人公(ーー待ってて、プリシラ!)
主人公「プリシラ!!!」
プリシラ「……アレスくん(アリスちゃん)…………?」
主人公「大丈夫!?ケガはない?」
プリシラ「へ、平気……。」
プリシラ「ケガしたときのこと思い出して……うごけなくなっただけ……。」
主人公「思い出したの!?」
プリシラ「う、うん……でもどうしてか怖いところだけしか思い出せなくて……」
プリシラ「わたし、薬をさがしにここへ来て……誰かに襲われた……。」
主人公「待った。話は町に戻ってからにしよう。」
主人公「みんな心配してるから、一刻も早く無事を知らせてあげなくちゃ。」
プリシラ「でも、足に力が入らなくて……。」
主人公「僕(私)がおぶっていくよ。」
プリシラ「じゃあ……あの……失礼します。」
主人公(これはーー前に見たのと同じ記憶……?)
主人公(あのときより、ハッキリしてる……)
主人公(僕が守ろうとしたあの子はーー)
主人公(プリシラ……!)
プリシラ「………………。」
プリシラ「アレスくん(アリスちゃん)だったんだ……。」
主人公「え?」
プリシラ「思い出したの……ぜんぶ。」
プリシラ「わたしを助けてくれたの……アレスくん(アリスちゃん)だった。」
プリシラ「わたしたち……ずっとずっと前に出会ってたんだね…………。」
主人公「……うん。」
主人公「僕(私)も今、思い出した。」
主人公「僕(私)が守ろうとしたのは……プリシラだったんだ。」
プリシラ「………………。」
プリシラ「そうだ、お手紙!」
プリシラ「命の恩人に渡すはずだったお手紙ーー」
プリシラ「ぼろぼろになっちゃったけど……受け取ってください。」
主人公「はい。」
主人公「………………。」
主人公「なんだかこれ……お礼の手紙というよりーー」
主人公「ラブレターみたいだね。」
プリシラ「……うん、きっとそう。」
プリシラ「今になってだけど……わたしの初恋…だったんだと思う。」
プリシラ「ありがとう……アレスくん(アリスちゃん)。助けてくれて。」
プリシラ「またわたしと出会ってくれて。」
プリシラ「わたしを……選んでくれて。」
主人公「こちらこそ、ありがとう。」
主人公「記憶を失った僕(私)がひなちゃんを助けてこの町にたどり着いたとき」
主人公「プリシラが助けてくれただろう。」
主人公「あのときはわかってなかったけど、1人で町から飛び出すなんて」
主人公「とても勇気がいることだったんだよね。」
プリシラ「そういえばそうだ……無我夢中でぜんぜん気づいてなかった。」
プリシラ「そのあとすぐ、ルーシーちゃんも駆けつけてくれたから。」
主人公「いま思えば、あれはプリシラの特訓を陰から見守ってくれてたんだろうね。」
プリシラ「ルーシーちゃんは……いつもそうだった。」
プリシラ「なのにわたし……ひどいこと言っちゃった。」
プリシラ「……謝らなきゃ。」
主人公「そうだね。それと、ありがとうも。」
主人公「プリシラがここにいるって気づいたのはルーシーなんだよ。」
主人公「プリシラを迎えに行ってあげてって僕(私)の背中を押してくれたのもね。」
プリシラ「そう…なんだ……。そんなことも知らずにわたし……。」
プリシラ「もう…ルーシーちゃんに合わせる顔がないよ……。」
主人公「でも、ルーシーはプリシラの帰りを待ってる。」
主人公「だから……合わせる顔とかける言葉をゆっくり考えて、会いに行けばいいと思う。」
プリシラ「う、うん……。」
プリシラ「今日は本当にありがとう。」
主人公「どういたしまして。」
プリシラ「あの……わたしのこと、あきれてない?」
主人公「どうして?」
プリシラ「だって……みんなに心配をかけて、一番大切な友達にひどいこと言って……」
プリシラ「アレスくん(アリスちゃん)にもメイワクをかけちゃった……。」
プリシラ「自分のことがイヤになる……。」
主人公「ユキさんが言ってたよ。それも恋のチカラだって。」
プリシラ「へ……?」
主人公「あれ、違ったかな。閉じこもった反動?」
主人公「とにかく、悪いことじゃないから。そんなに気にしないで。」
主人公「僕(私)は、どんなプリシラのこともその……好き、だよ。」
プリシラ「アレスくん(アリスちゃん)……。」
プリシラ「わたしも……大好き。」
プリシラ「じゃ、じゃあ、また明日。」
6日目
プリシラ「ルーシーちゃん……!」
プリシラ「ごめんなさい!!」
ルーシー「だーかーらー、もういいって。あたしも言いすぎたとこあったし。」
ルーシー「それより、町のみんなにちゃんと無事の報告と、ごめんなさいした?」
プリシラ「う、うん。」
プリシラ「みんな笑って許してくれたよ。」
ルーシー「そっか、よかったじゃん♪」
ルーシー「そんじゃ、お迎えも来たみたいだしあたしはもう行くね。」
主人公「いや、僕(私)は通りかかっただけで……。」
プリシラ「待って、ルーシーちゃん。」
プリシラ「まだ言わなきゃいけないことがあるの。」
ルーシー「…なに?」
プリシラ「あの、あのね……」
プリシラ「今まで、ずっとずーっと守ってくれて……ありがとう。」
ルーシー「………………。」
ルーシー「その言い方だと、もう守ってもらわなくていいって言ってるみたいじゃん。」
プリシラ「えっ?あの、それは……。」
ルーシー「あはは、冗談じょうだんーー」
ルーシー「でもないか。」
ルーシー「もうあたしの代わりに守ってくれる人がいるもんね。」
主人公「え……僕(私)?」
ルーシー「あったりまえじゃん。頼んだよ、プリシラのこと。」
主人公「うん、もちろん!」
プリシラ「わ、わたしもアレスくん(アリスちゃん)のことちゃんと守るからね。」
ルーシー「ひゅ〜、熱いあつい♪」
ルーシー「あーーこれかあ、ユキさんが言ってたの。」
ルーシー「プリシラが早くオトナになりたがってたワケ。」
ルーシー「守られるだけじゃない、与えられるだけじゃない人になりたかったんだね。」
主人公「それってどういう……?」
ルーシー「あたしに言わせんなよ♪ね、プリシラ?」
プリシラ「はわわ、わたし!?」
ルーシー「あれ?もしかして本人も自覚なし?」
ルーシー「うーん……プリシラらしいというかなんというか。」
ルーシー「これはもう、アレスくん(アリス)がびしっと決めるしかなさそうだねえ。」
主人公「決めるって……。」
ルーシー「あたしの親友とのこれからのこと。」
主人公「ああ、そういう……。」
主人公「それなら安心して。ちゃんと決めてみせるから。」
ルーシー「心配なんてしてないよ。なんたってキミだもんね♪」
プリシラ「!?!?」
主人公(プリシラらわかってないみたいだな……。これは本当に僕(私)がしっかりしなくっちゃ)
最終更新:2024年12月31日 14:23