リュカ「おお、アレス(アリス)。お散歩でもしているのですか。」
主人公「そんなところです。
リュカさんは、なにしているんですか。」
リュカ「実は……ちょっと目を閉じてた時に、こんな石が飛んできたんですよ。」
主人公(目を閉じてた……って、居眠りしていたんじゃ……!?)
主人公「ケガとかしなかったんですか?」
リュカ「それが、気づいた時には頭にコブが出来ていたのです。大事はないようですが……。」
主人公「……あらら。頭に当たっちゃったんですね?」
主人公「
リュカさん本当に大丈夫なんですか。なんとなく、雰囲気もいつもと違うような……。」
リュカ「え? そうでしょうか!? いつもと雰囲気……う~ん。」
リュカ「あの……ところで、ここは、どこでしょうか?」
主人公「どこって、
リュカさんがいつも働いている、お店の前です。」
リュカ「いつも働いているお店……。駄目……ダメです。思い出せません。」
リュカ「名前以外、思い出せないです!!!」
主人公「もしかしてそれって……
記憶喪失って事ですか!?」
主人公(石が当たって記憶がなくなってる……?)
リュカ「いや……これは……おそらく……」
リュカ「
記憶喪失! 間違いありません!」
主人公「はい。そう言いました。」
リュカ「なんと! それは、たいへん失礼しました。いまいち……ピンとこないのですが……。」
リュカ「私は、普段どんな感じなのでしょうか?」
主人公「そ、そうですね。」
いつも変わった喋り方をしてます。・無口でクールな感じですよ。
▼いつも変わった喋り方をしてます。
リュカ「変わった喋り方?」
主人公「
リュカさんっていつも、なんというかこう難しい言い方をするんですよ。夜は俺の時間(ターン)だ! ……とか。」
リュカ「ターン……。」
主人公「吹き荒れろ、風の精霊たちよ! とか、空が泣いているのか……とか。」
リュカ「それは、危ないですね……。私の記憶がないからって、適当な事を言ってますね。」
▼無口でクールな感じですよ。
リュカ「無口で……クール。そうか。そうなのか……。」
主人公「
リュカさんどうしたの?」
リュカ「……ふっ。」
主人公「記憶が戻ったの?」
リュカ「……いや、無口でクールをやってみた。」
主人公「いやいや。」
リュカ「ところで、アンタはいったい誰だ?」
主人公「え……。」
主人公「僕(私)のこと、忘れたの?」
リュカ「ま、まて、近づくな……。」
主人公「だって。ぶつけた所も心配だし。」
リュカ「とにかく、それ以上、オレに近寄るな。アレス(アリス)。」
主人公「近寄るな……って、あれ? いま、僕(私)の名前、呼んだよね?」
リュカ「私は、名前など呼んでいません。」
主人公(……近付いたら口調が戻ったような気がするし、思い切って近寄ったら、思い出してくれるかも)
主人公「
リュカさん!!」
リュカ「ど、どうしたアレス(アリス) 近い、近いって!」
主人公(お願い元に戻って!)
リュカ「な、な、何で顔を近づけてるんだ……?」
主人公「えっと……
リュカさんのために。」
リュカ「オレのため? オレ、何かやったのか……。」
主人公「ううん。僕(私)のことがわかるなら、それだけでいいよ。」
リュカ「うっ……。まだボヤッとする……何か悪ぃ。」
主人公「もう、大丈夫? 頭とか痛くない?」
リュカ「お、おぅ……。」
主人公「よかった。」
リュカ「あ……。」
主人公「ん?」
リュカ「あ、いや、何か……メイワクかけた。」
主人公「ううん。ほんと、元に戻ってよかった。」
リュカ「うん……。オマエに何かあったら、次はオレが……。」
主人公「え?」
リュカ「……なんでもない。」
最終更新:2021年08月02日 01:57