― 序章 ― ただ、始まりの風が吹きつける。その風は、まるで今日を歓迎するかのようだった。 少女「さて、迎えに行くか。」 と、少女。そばに、二名も従えている。 弟「兄さん、大変だね。」 兄「当然だろう。」 と、二人は言う。他にまだ二人いるが、ただ、苦笑するしかなかった。 少女「マリ。」 と、兄に言う少女。 マリ「あ、ああ。申し訳ない。ぼんやりしていてね…。」 少女「困るぞ。」 マリ「このマリ・トランスバール、必ずやカー坊の為に微力ながらも協力させていただきます。そして、ルイ・トランスバールも何とぞ…。」 カー坊という少女は、ただ笑みを浮かべた。ルイというその弟も笑みを浮かべた。 カー坊「さて、まだまだやるべき事が残っているが、仕方が無いな。」 そう告げたカー坊は笑みを浮かべ続けていた。そう、これから起きる出来事を楽しみにしつつも、真相を知れば去らなければならないという、そんな運命(さだめ)を持って…。
― 第一章 ― カー坊「さて、アリゾナ、カノンドロフ。どう思う?」 と、そばにいる二人に意見を問いかけた。アリゾナという人物は、その笑みを浮かべながらも、その会場に視線を向けていた。 アリゾナ「面白そうだ。」 カノンドロフというその人物も、その笑みを浮かべ、そして、ガノンドロフへ視線を向ける。彼は、ただその会場のスクリーン…否、周りを気にせず、ただ、正面の会場に視線を向け続けていた。 カノンドロフ「スネークもいるだろ?特殊な方法で。」 カー坊「ええ。今日はマリルイブラザーズもいるし、大抵はわかるでしょ。」 と、カー坊。 アリゾナ「じゃ、俺はとっととあいつに会いに行くよ。」 カノンドロフ「俺も行くか…。」 そして、二人は別々に歩き出す。カー坊だけは、会場のステージへ…。 カー坊「さて、あと数分か。」 その数分は、カー坊にとっては短く感じたのだ。 カー坊「やっほー。」 と、言うカー坊。無論彼女が司会を務めるのだ。 カー坊「注目〜。」※笑顔を見せるカー坊。 と言う前から、ほとんどは注目…否、全員は注目しているのだが、まだ注目していない人たちに向けた言葉であるのは間違いなかった。スクリーンに棒切れのようなものを向けると、笑顔を向けた。 カー坊「さあ、出場者の名前を明かすよ!目をしっかり向けていなさい!」※超元気に。 と、大声を荒げた瞬間、スクリーンに出場者の名前が現れた。そして、ざわめき、動揺などが聞こえてきた。が、カー坊はそのまま視線を向け続ける。無論全員の方へ。 カー坊「しばらくの間、私、カー坊が皆様方の迷惑にならぬよう、スタッフたちに紛れて、生活をする事になりました。部下四名がおりますが、その四名はすぐわかる事でしょう。が、二名はわからないと思うので宣言しておきます。」 と、言った瞬間、マリルイブラザーズが現れる。 マリ「カー坊・クロイツ=ミルドラース、ルイ・トランスバール、アリゾナ、カノンドロフ、そして、俺、マリ・トランスバールが迷惑にならぬよう行動しよう。」 と、マリが深々とお辞儀をしながら話した。 ルイ「俺がルイ・トランスバール。先ほど話したのは、兄のマリ・トランスバールだ。」 と、ルイが言う。 マリ「本日二名もいますが、すぐわかっている事でしょう。重要なのは、真の友だ。」 ルイ「ま、ファルコンとガノンドロフはわかるだろうけど。」 マリ「…だな。」※呆れながら言う。ついでに血の付いた懐刀を持つが、すぐしまう。 カー坊「では、いよいよ神殿にて、特別出演者となる人物の紹介の為、移動しましょう。」 と、カー坊が言う。そして、そのまま神殿へと向かう。 カー坊「…待っていれば来るでしょう。」 と、カー坊は告げた。 それから数分して、ダンボール箱を見たマリオたち。だが、動くのだ。そして、姿を見せたその人物は…。 カー坊「リキッド・スネーク…。」 と、小声で語るが、誰も聞いていなかった。 カー坊「…さて、彼がその出演者、スネークです。どうぞ、仲良くしてくださいね。」 マリオ「質問がある。何処の世界だ。」 カー坊「少なくとも、任天堂ではないのは正しいわね。でも、強いのは確かよ。」 ルイージ「ダンボール箱は大切にしようね、兄さん。燃えるし、濡れるから。」 マリオ「お、弟…?」※唖然として。 ルイージ「ダンボール箱でも使えるからね。」※スネークは笑みを浮かべています。 と、ルイージ。 カー坊「では、戻りましょうか。」 しかし、カー坊は不安があったのだ。見えぬ、その不安が。 カー坊「…さて、第一任務完了、と。」 と、軽く呟くが、それはたった一名にしか聞かれなかった。そう、ファルコンに。