― 第十七章 ― いつもの空が、マリオたちを迎えてくる。 マリオ「よーし、今度の戦いは誰だ?」 カー坊「今度は、ヨッシーとカービィとファルコンとリンクね〜。」 ルイージ「お茶でも飲んで見物しようよ。」 マリオ「そうだな。」「(おっ、久々に平和な展開だww。)」 ルイージ「でも、ファルコンが…。」 マリオ「…どうなるかな?」 カー坊「力を抑えるのを忘れてた。完璧にミスったわ。」(もしくは カー坊「力抑えるの忘れてた。完璧にミスったわ。」 で) マリオ「終わったな。」 そして試合が始まる。※ステージはカントーのポケモンスタジアム。 マリオ「…やっぱ強ぇ〜。」 ルイージ「ファルコンって、本気じゃない?」 マリオ「…(注:お茶飲んで)…フーッ…どうだろうな。」 ルイージ「オジサンみたいだね。」 マリオ「……失言だ。」 アリゾナ「…本気だとなると、もっと酷い惨劇になるだろう。あの過去は後で知る事になっているが…。彼は、本当に過去、酷い現場を作り上げた。」 マリオ「ホラーみたいだな…。」 ルイージ「カー坊は何処?」 アリゾナ「ああ、あの場所だ。観察場所として最適だからな。」 言っている間にも、脱落者は既に増えていた。 リンク「ヨッシーとカービィを倒しておいて、俺を無視するな!」 ファルコン「…どうだろうな。」 リンク「ふざけるなぁ!!」カー坊「…若いっていいねぇ(お前が言うな)。」 アリゾナ「…いかん!シールドを展開準備!」 ヴンッ。シールドが展開されるのを見て、ルイージたちは唖然とする。 ファルコン「…波動砲だ。」 アリゾナ「!!!」 ルイージ「な!」カー坊「…大剣使い。」 リンク「させるかぁぁ!!!!」 アリゾナ「リンク!向かうなぁ!」 ズッドォォォォォォォォオンッ!!!※全種波動砲電磁波砲攻撃音。 リンク「ぐぁぁぁぁっ!!!」※ついでに場外へ。 アリゾナ「…な!?か、かなり本気だ!!」 ルイージ「これじゃ破壊…」 だが、別のシールドが展開される。そのシールドが、全種波動砲電磁波砲攻撃を防ごうとしている。それでも、ルイージたちは不安が残っている。 ルイージ「…持ちそうに無い気が…。」 アリゾナ「いや、確認したが…あれは…間違いない。」 ルイージ「大剣使いさん?」 アリゾナ「ああ。だが、以前のは消える。だから、辛いぞ。」 が、全種波動砲電磁波砲攻撃は勢いが弱まり、そして光となって消える。歓声が上がる会場、そして試合が終了したという声も出る。 アリゾナ「…持ちこたえたか…。」 ルイージ「みたいだね…。」 アリゾナ「ただ、以前も言ったが…酷い惨劇を作り上げた過去がある。その過去は知りたいか?それとも…」 ルイージ「遠慮します。」 マリオ「…ふぅ。お茶を飲み干したぞ。…で、過去を知れってのか?」 アリゾナ「いや、こいつは任意だ。」 マリオ「聞いてみたい。」 アリゾナ「彼が種族の一員の頃だからな…。」 ルイージ「!?」 アリゾナ「いや、彼は…種族の一員になる以前の話だ。俺も最近知ったばかりだ。」 アリゾナは、淡々と語りだしていく…。その、酷い惨劇とやらを…。 …そもそも、その過去は、かなり昔に遡る。その頃の荒れようは酷いと言われていたのだ。 ファルコン「…。」 その頃の、例の人物(ファルコン)は…ただ、剣を持ち、銃を持ち…そして、敵を殺すのだ。その雨が、彼に振りつくそうとも、気にせず彼は剣を構え、敵を倒していくのだ。そして、兵士たちが、連絡を受けて、向かい、そして彼を囲む。 兵士「おい!殺人者!」 ファルコン「…お前か。」※この時、試作タイプのアパッチ改が飛行していた。 兵士「当然だ!おい!降伏しろ!」 その頃の彼はまさに殺人鬼だった。その銃を持ち、その剣がきらりと輝く。その当時、名刀とも言われた剣の紛失騒動で騒がれていた。そう、その剣こそ…彼を止めるかもしれないとされる名刀『毒蜂』である。七色に輝く剣と懐刀があり、それがこの『毒蜂』と称されているのだった。100年以上も前の剣を手入れするのは…一般人だったと言われているのだ。チョウジという花から出る、チョウジの油を塗る事により、錆止めの効果をもたらすのだ。たっぷり塗れば尚更である。が、チョウジにかぶれる体質を持つ人は注意しなければならないのだが、錆止めの効果だけは捨てられないのだ。 兵士「…銃などは通用しない!!!」 兵士たちはけらけらと笑っていたが、彼はどういう理由からなのか、種族の銃を持っていたのだ。彼は、魔力に関わる問題がある為、銃を持っているのだ。それで兵士へ向け、殺していく。ただ、剣でも使って殺していく。雷鳴竜の力はこの頃持っていた為、彼はそれで兵士たちを倒していくのだ。さらに、捕まえると宣言した兵士をも傷つける。 兵士「…クッ、この殺戮者め…!」 ファルコン「…。」 マイル「俺はマイル。一般の兵士だ…。」 ファルコン「…邪魔だ。」 マイル「部下たちよ、行け!」 マイルの叫びに、兵士たちが襲うが、彼はそのまま一撃も受けず、見事に全員を倒してしまったのだ。その刃が血に染まってもきらりと輝き、まるでそれの美しさを際立てるかのようなものである。 マイル「…『完全なる殺戮者』め…!」 この状態になったのも、また以前の話になる。狂った暗殺者を倒したのがまたきっかけに過ぎず、彼もまた、その暗殺者を倒しきっただけでも不安はあった。しかし、彼が考えたのは…実験体とされた者の苦しみを消すために、彼は殺戮者へ変貌していったのだ。 マイル「…撤退だ…。」 息を殺すかのような声で、そう命じるマイル。生き残っていた兵士たちは、マイルを護衛しながら去っていった。ただ、それを彼は見るだけだった。 ファルコン「…。」※この時、試作タイプのアパッチ改は撤退していく。 この頃は兵士という兵士は弱体化していくのだが、やはり未だに存在する城と兵士は残っている。しかも種族重要文化となっている事から、また珍しいのだと思っているのだろう。この頃の兵士…否、マイルのいるこの者たちは、弱体化せず、逆に強化していく一路を辿っていた。そう、軍人たちもこの『完全なる殺戮者』と呼ばれた彼によって、かなりの打撃を受けていた。兵士たちも同様だが、軍人たちの場合は、逆に兵士たちが攻撃しやすいという機転があったのだ。それでも、傷一つ付かないのもあってか、かなり手強いようだ。軍人たちは既に彼を倒す事ではなく、勧誘へ走っている。 ファルコン「…。」※アパッチ改が飛行していく。この頃のアパッチ改は普通のヘリ。 黒色の布…のようなもの、つまり黒いコートのようなものを羽織っているようだが、彼はただ気にせずに戦っている。そして、ただ銃口を向けて、敵を倒す事だけに考えているかもしれないのだ。彼を倒す方法など、当時はまだ種族を頼っていなかったのか、無かったに等しかった。そう、彼の前に…カー坊が現れるまでは。 カー坊「…そなたが、『完全なる殺戮者』か?」 と、カー坊が言う。 ファルコン「…それがどうした。」 カー坊「言いたい事があって、わざわざ探したのだ。」 カー坊が言うと、魔術で回復してもらったマイルも、ただ唖然としたのだ。 マイル「…また会ったな、『完全なる殺戮者』ファルコンよ。」 ファルコン「…。」 カー坊「水を差すな、マイル。…で、言いたい事はあると言ったのは、いくつかある。」 と、カー坊。 カー坊「そのままでいいのか、本当に。今のままでは、完全に闇の世界へ引きずり込まれるぞ。今は混沌の状態だが、そのまま進行すれば…確実に闇の世界へ引きずり込まれる。知らぬ間に、その世界へ入り込む事になる。そうなれば、確実に命が無くなるぞ。」 マイル「闇の世界…!?」 カー坊「そう。その世界はまさに闇と言える世界。殺戮は当然起きている。その世界へ引きずり込まれる前に止める事だ。今でも引きずり込まれるかもしれないのだぞ。」 ファルコン「…。」 カー坊「そのままでいいのか?そして、今の呼び名で誰が喜ぶというのか?本当に、今の状態を嬉しがるというのか?本当に、そんな事を望んでいたのか?」 と、カー坊が強く言う。それは明らかに、自分と重ねているのかと思えるくらいの、それくらいの言葉だったのだ。 カー坊「戦争になりかねない事をして、楽しいのか?本当に…」 ファルコン「黙れ…!」 彼が銃を撃ち、カー坊に当たる。左腕だった為、応急処置程度に済ませるカー坊。 マイル「カー坊さん、危険です!」 カー坊「…気にするな。自分の命が消えても、彼だけは助けたいからな…。あの青空が見える空を自由に見れる時間を作れるように…。」 マイル「…。」 カー坊「種族は…少なくとも、今の状態を好んではいない。このまま続行するのなら…私だって、辛いと思う。…誰もが望まない事を、そのまま好んでやる事は無かろう。」 ファルコン「…。」 カー坊「…それに、このまま同じ事を繰り返すと…本気で殺してしまう。種族は、道を外した者たちに、正しい道を教える事だって出来る。それに、仲間になる事だって出来る。」 マイル「…種族の、一員…。」 ただ、そこで静けさが訪れる。雨が降りそうな雰囲気の中での、その静けさは心をも不安定にしかねないものだったのだ。それを打ち破ったのは…マイルだった。 マイル「…カー坊さん、種族の一員を信じたくないかもしれないけれど…けれど、本当に種族は…外した道を正しい道へ変更する事が出来るのか…?」 カー坊「運のみが知る。」※この時、アパッチ改が通信をしている。 彼はただ黙っていた。そして、彼は銃を向ける。カー坊も、ただそれは笑みを浮かべて、ただその状況を見るだけだった。 マイル「カー坊さん!」カー坊「…。」 ただ、二発の銃声が鳴り響く。一発は確実にカー坊を狙っていた。しかし、残る一発は…マイルにも、カー坊にも向けられていなかった。それは、彼が自らに向けて撃ったのだ。そして、彼が倒れるのを、ただ見るしかなかったマイル。カー坊は、心臓付近を貫通した弾丸の状況を軽く確認するだけで、倒れている者を見た。 カー坊「…この、バカ者…!」 完全に…自らの銃弾で倒れた彼を、カー坊は回復呪文で少しは回復させる。 カー坊「私は死んでも…彼だけは…『完全なる殺戮者』だけは…死なせない…!!」 ファルコン「…。」※後気絶。 マイル「…どうします?」 アパッチ改(当時は普通だったのだが、後に改造される事となる)「か、カー坊さん!今チヌーク(当時、チヌーク改はチヌークだったのだが、これもまだ試作タイプか、量産型と思われる)を呼びました!チヌークが来るまで、少しかかります!」 カー坊「…できるだけ、早くに…到着してほしい…ものだ…。」 カー坊も怪我の状況を見て、少し考えていたのだ。 カー坊「(心臓とか、急所は外している…。肺は…かすったか…?)」 マイル「…大丈夫ですか…?」 カー坊「全然だ…。血の量が…酷い…。」 カー坊は、撃たれた傷を見て、ただその血を止める程度にしているのだが…カー坊も、自らを撃つ彼を見て、少し辛く感じたのだ。そして、カー坊自身も、辛い戦争を二度体験している事も言いたかったのだと、言いたかったのだ。 カー坊「…言いたかったが…無理だな…。」 そして、カー坊も倒れるのだが、その時には丁度、チヌークがすっ飛んできたのだ。そして、二名をヘリへ乗せ、そのまま離脱していくが、その時、マイルも不安を感じたのか、付いていこうと思ったのだ。しかし、部下がいる為、断念したのだ。だが、例の人物…セシルが姿を見せる。部下たちは種族が伝えると言った為だ。 マイル「…部下たちよ。知られざる種族へ一度向かう。もし生きているのなら…その時は、必ずお前たちへ、手土産としておこう。」 そう告げる。そして、ヘリに乗り込む。そして、ヘリは飛行を開始し、種族本部まで向かったのだ。その場所を見たマイルも驚いたのだ。 マイル「これが、種族本部…。自然がいいじゃないか…。」 と、思わず告げたのだった。すると、 セシル「自然をこよなく愛する種族だからね。木々たちも大分手入れが入っている。」 と告げられたのだ。 マイル「…自然はいいからな。血に染まっても美しいままだといいのだが…。」 セシル「流血しているのなら手当てしてもらいたいが…せめて。」 マイル「それは心得ておりますが…まだ一端なので知らない事ばかりです。」 セシル「種族を信頼している兵士はいないよ。」 マイル「私のいる城は、大分信頼はしているようですが、今回のような事に出す事は無いと王が言われたので…。」 セシル「面白い精鋭が、今伝えに行くだろう。ただ、頼っていただきたかったな。そうすれば、被害は最小限で済んだ。」「本当だぞ?」 マイル「…でしょうね。私もそれを言おうと思ったのですが、大臣がちょっと…。」 と、マイルは言いかける。すると、その大臣が顔を覗かせたのだ。不安そうに、その視線を向ける、その大臣。 城の大臣「…信頼されておらぬのか、私は…。」 セシル「いえ、遠慮したのでしょう。今後、もし何かあったら種族へ…と。」 城の大臣「うむ。王は私が言っておきましょう。それと、マイル。傷は大丈夫かの?」 マイル「軽く種族で回復させていただいたのです。それと、軽い傷程度でしたので…。」 セシル「ああ。完全に回復しているから、多分カー坊だろう。過去と重ねたのだろう。」 と、セシル。治療室(当時は医務室と呼ばれておらず、治療室と呼ばれていたが、セシルが主となった時から改名されている)へ運ばせ、治療させる。城の大臣も念のため確認したり、マイルも確認してもらう事にしたのだ。二人とも傷は無く、彼の傷もただ銃弾だけだったのか、すぐに終えたのだ。※豆知識。ゆっくり走ろう春日井とやらを改造した?シールが…。 マイル「で、怪我は?」 セシル「簡単に言えば…カー坊は重傷だよ。」 マイル「そうですか…。」 城の大臣「お帰りはどうするのじゃ?」 セシル「ああ、アパッチ改に頼みますので、そこは何とか…。」 城の大臣が案内され、部屋から出て行く。ただ、彼が眠っているのを見て、本当にどんな過去を辿ったのかは知りたくも無かったのだ。 その彼は、ただ夢を見ていた。その、狂った殺人者を殺す夢を。その傷は受けず、完全に無傷で倒す、その過去。傷も受けなかった事から、唖然としていたという。その者たちをも殺したのだ。雨の中、血に染まった手を見ていた、その夢を。 そして、彼は目覚めたのだ。 マイル「起きたのか。…ここは物騒なものを持ち込むのは禁止されているぞ。」 ファルコン「…。」 マイル「治療室とやらじゃなく、緊急室だ。それに、お前だけだ、起きたのは。あと、血の量も少ないが、多少は大丈夫だろう。」 ファルコン「…何が言いたい。」 マイル「お前のような奴なら、多少無理しても大丈夫かもしれないだけだ。」 と、マイル。 セシル「こらこら、無理しては行けないのを言いたかったのだよ。」 マイル「このような者が、種族の利益になればいいのに…。」 と、呟くのを見逃さなかったのが、彼とセシルなのだ。 ファルコン「…。」 彼が無理して歩くのを、ただ不安そうに見つめる。そして、未だ意識の無いカー坊の元へ向かう。心配ではなく、ただ、カー坊が告げた言葉が鮮明に残っている為である。 カー坊「……。」 未だ意識が無い、その少女…カー坊を見ているマイルも不安そうに見つめるしかなかった。だが、ただ、彼女が小声で「父上…。」と呟いたのだ。 セシル「…。」 ファルコン「…この者は何歳だ…?」 セシル「来た時は12歳。本当は、15歳で来るつもりだったと、本人から聞いているよ。」 マイル「彼女が!?まだ子供じゃないか!?」 ファルコン「…本来なら、親と一緒でなければならない年齢だ。」 セシル「それに、遊び盛りの頃だからね。…彼女は10歳と12歳の頃に戦争を体験しているが、その時にとても大切な人を失っている。それもあってか、彼女はカッターナイフでの自殺未遂をしているからね。」 ファルコン「…偽るな。自殺して、それで種族が甦らせたのだろう。」 マイル「多分偽っているだろう。自殺して、そして甦らせたのではないか…と思う。」 種族の者たちは唖然としていたが、突然セシルが笑ったのだ。 セシル「流石は種族を信頼する兵士、マイルと…『完全なる殺戮者』ファルコン。看破するとはお見事だな。二人とも、面白い人材だ。」 マイル「…ヤヴァイ、消される。素で消されるかも…」 セシル「その程度では消さないよ。消すとするなら…カー坊の血に関わる事だね。多少は知ってもいいフラグがあるからね。…簡単に言えば、彼女の血は複雑な状態にあると言ってもいい。彼女に流れるのは、神様の血…などといった血だ。」 マイル「噂では、20歳になればカー坊がカー坊でなくなると…。」 セシル「でも、種族のお陰で何とか保たれているだけだ。種族から外せば、彼女はどうなるのか…安易に想像が出来る。自殺未遂という事になっているのは…これも、種族が張った情報網で狂わせているだけだ。これ以上は言えないが、君らはまだ使える。」 セシルが言うと、マイルは少し考えたのだ。20歳という事は、20年までそのカー坊だと言う事なのだ。彼も少し考える。無論、彼は多少笑みを浮かべるのだが。 セシル「もし、狂ったとするなら…『第二の完全なる殺戮者』となりかねない。だから種族は彼女を止めようと研究しているのだよ。」 マイル「…『完全なる殺戮者』よ、このまま種族になればいいのではないか?」 ファルコン「…。」 セシル「…しかし、本人は納得しないと思うぞ…。」 マイル「…そうでしょうけど、提案程度ですよ。…セシルさん、カー坊さんは一体…。」 セシル「…まぁ、カー坊は悲しいような、謎なのか不明な運命を背負ったような感じだとしか言えないが…。」 マイル「そうなのか…。この少女が…。」 セシル「本来なら父親がいるところだよ。彼女は家族を失っているから、それも言えないから悲しいけど…。それでも、彼女は人一倍に頑張ったり泣いたりしたりしているからね。」 マイル「でしょうね…。」 マイルが言うと、彼はそのまま部屋から去って行こうとしていた。セシルが彼を案内しに向かって、部屋から出て行く。そして、マイルはただ、カー坊にそっと頬に触れる。そして、すぐ離れようとする。が、ふと足を止める。 マイル「…悲しい運命か…。」 そうして離れていった。 それから翌日になって、マイルはカー坊の元を訪れた。まだ意識が無い状態だったのだが、マイルは苦笑するしかなかった。すると、カー坊の意識が戻ったのだ。 カー坊「…そうか、気を失って…。」 マイル「起きたのか?」 カー坊「まぁ、一応ね…。」 マイル「辛い運命とか、何たらを一部だけ聞いたけど…。とても辛いのだろ?」 カー坊「…本当に辛いよ。誰にも愛されないから。」 ファルコン「…そうか。」 カー坊「無理は言いたくないし。」 マイル「唐突で悪いが、恋とかは?」 カー坊「するわけ無いだろ。」※即答。約一秒返答。 マイル「…恋は強くする一つのきっかけかもしれないから。俺は無いけど、君はまだ無いのなら、今の内だと思うけどね。本当は。」 カー坊「…意地悪。」 ファルコン「あまりからかうな。傷も広がるかもしれないだろ?」 マイル「…冗談だって。」 カー坊「…どうするのかは、わかるのか…?」 マイル「どうでしょうね…。」 その時、種族に敵襲が。走る二人。カー坊はただ見守るしかなかった。そのグラウンドは当時それほど広くは無く、大勢来てもいい訳が無いのだが…まだ一部しか整備されておらず、荒れたような状態なのだった。 マイル「…珍しいな、闇の一族だよ。」 ファルコン「普通だな。見た事は無いのか?」 マイル「たまにしか無いから。」 カー坊「…マイル、こいつはそなたでは…。」 マイル「見物させていただきますよ。」 彼が銃を持ち、そして乱射するかのように撃つ。剣でまた、闇の一族を切り裂き、そして闇のリーダーすらも殺す。終わってみれば、敵は全滅していたのだ。それも、彼は傷付かず、その現場をあまり傷つけずに。魔力が木々たちや荒れたグラウンドを守るようにシールドが張られていた為、無事であるのだが…。 マイル「な…!」 当時マルイがいたのなら、「驚きに値する」などと言っていたのだろうかと、マイルは考えたのだ。そして、マイルは…紅の悪魔に関する話を軽く聞いていただけだったのだが、目の前で起きた戦場を、たった一人で終わらせたのにも驚いていたのだ。 カー坊「…種族にならないか…?その力なら、きっと…。それと、マイル…。そなたも、種族にならないか…?」 マイル「…どうでしょう…。部下と生き別れはしたくないのですが…。」 ファルコン「…。」 カー坊「どうだ、『全ての殺戮者』よ…。種族にならないか…?」 ファルコン「…言っておくが…完全に厄介者だ。それでもいいのか?」 カー坊「それは承知の上だ。もしかしたら、奇跡とかあるかもしれないし。」 ファルコン「…わかった。種族とやらに入ってやる。」 マイル「少しは考えさせてください。まだ考えが付いていないので…。」 セシル「一人はわかったが、マイル…。無理に返答は戻さなくて良い。」 マイルはただ、そのまま帰還すると告げたのだ。そして、アパッチ改に乗っていく。カー坊はその城を見たいと言うので、無論付いていくのだが。 カー坊「…その城は、重要視されているのか?」 マイル「どうでしょうね…。名前も名前ですし…。近い将来、もしくは遠い未来…カー坊さんが主になっているかもしれませんけどね。」 カー坊「まさか。父上は一応予言してくれたのだが、私が主になるなど、まだ10年早い。子供が主になったら大変じゃないのか、普通は。」 マイル「ですけど、例えの話ですよ。」 その当時、まだ子供が主になるなど、予測は誰も付いていなかったのだ。まさかカー坊が、少女であるカー坊が主になるなど、誰も予想が付いていなかったのだ。ただし、マイルは少しは考えていたと言うだけで、後は誰も考えてすらもいなかったのだ。 カー坊「…あれが、城か。」 見えたその城。それこそ、マイルのいる城で、後に種族重要文化となる城なのだ。 マイル「ご帰還まで見送り、有難うございます。もし、会えたら…お茶でもどうですか?」 カー坊「場合によるけどね。間違いなく。」 マイルはその城へ戻っていき、確かに宣言通りに実行したのだ。そして、カー坊も後に主となり、かなり有名となったのだ。カー坊の年齢も年齢が故に、細心の注意を払うのだが。そして、マイル自身も、種族の一員となるが、城自体が種族重要文化となり、完全に生き残る事が約束されたのだ。 …語り終えたアリゾナは、多少笑みを浮かべていた。既に次の試合が始まっていたが、ルイージはただ驚いていた。 アリゾナ「結局、これは聞いただけだが…まさかF-ZEROの一匹狼が『全ての殺戮者』と呼ばれるとは誰も想像が付かん。それに、カー坊もかなりの強気が未だに健在している事を考えると…この過去も、一部の通過点に過ぎないと思っている。」 マリオ「そうかな。…っと、次は誰だったか?」 ルイージ「チーム戦で、ガノンドロフとサムス、ピカチュウとピチューだけど。」 アリゾナ「これもまた何かやっただろ。ガノンドロフの技一つ一つを見てわかる。」 マリオ「また失敗したか…。」 ルイージ「また制御失敗かな?」 マリオ「…おっ、ピチューが倒れたぞ。」 アリゾナ「そういえば、過去にも出てきたマイル(注:マイルは…外国で使われる何マイル…と言うか、速度の事を意味していると思われる)だが…種族の一員にして、あの城の兵士になっている。城自体が種族保護となっているのもあるが…一応、兵士ではないようだ。」 マリオ「どれほど強い?」 アリゾナ「兵士の頃は…『不滅の剣士マイル』と言われていたそうだ。今もその腕前は健在だが、今のあいつを見ればさらに仰天するだろうな…。」 ルイージ「今の状態より強いからね…。」 マイル「強い…か。先ほどの戦いなどを見てきていたよ。」 マリオ「本人来たぞ。」 アリゾナ「…驚いたのか?あの化物を見て。」 マイル「だろうな…。強くなって、落ち着いた感じが目立つから、軌跡って言うのも…あながち偽りじゃなさそうだな。」 アリゾナ「お前も、だ。」 マイル「…ついでに言うが、ガノンドロフは封じられていたそうだが、解除したのは?」 マリオブラザーズ「カー坊。」 マイル「…神様の力とか、大分昔とは違ってくると面白いな。カー坊は誰かに思いを告げているとか、そこらの報告は無くても、多少わかるかもしれないよ。」 マリオ「…かもな。」 ルイージ「そういえば、これが終わったら僕たちは…」 マイル「その為に俺が来た。」 マリオ「さいですか…。」 そうして試合が終了すると、カー坊の元へ向かっていったのだ。 カー坊「第一試合と第二試合のみだったけど、第一試合から。」 と、カー坊が言うと、ほとんどがざわめくが、すぐに静まり返った。 カー坊「カービィは大分良かった。あれで続けば文句は無いが、ヨッシーは少し油断しすぎでリンクの攻撃を避けたまでは良かった。その後の攻撃を避けられないのは当然だろう。リンクの攻撃の後を考えなかったから、二番目にやられたのだ。」 カービィ「僕は?」 カー坊「結構良かったが、やはり避けに問題がある。そこだけだ。」 カービィ「続けばいいな〜♪」 カー坊「その時の状態にもよるからな。」 と、付け加えている。今回は二名だけだったが、もし三人…となっていれば…とカー坊は思い込んでいるだけで、戦いの状況はカービィがほぼ80点を稼いだと考えている。 マリオ「次は?」 カー坊「ピチューは避けが甘すぎた。だからガノンドロフの攻撃を避ける事ができず、すぐに終わったのだ。此方のミスがあったのも重なっただろうと考えているが、その不利な状況下で健闘したピカチュウも、避けが甘い。」 マイル「…だろうな。避けが甘すぎだ。俺でも勝てるくらいかもしれなかったぞ。」 と、マイルが告げる。 マイル「もう少し考えろ。」 ピカチュウ「そうですね…。」 マイル「精進しろ。俺が大丈夫だと言えるくらいに。」 カー坊「兵士だったので、厳しいよ、色々と。」 マリオ「だろうな。俺に向けても言いそうだ。」 マイル「…。」※追伸、『任天堂学園 〜 寮生活と学園生活なのだ 〜』の過去もどうぞ。 ルイージ「…。」※さらに追伸。P9の20行1桁から、P14の29行37桁までね。 マリオ「…。」※さらに追伸。P19の23行1桁から、P21の34行12桁もついでに。 カー坊「まあ、硬く考えないで。」 と、カー坊。 カー坊「それと、マリオブラザーズは過去を知ったよね?」 マリオ「一応、アリゾナから。」 ※過去は一緒の内容なので省略。 マイル「って、俺とファルコンは知っているだろうが。当の本人だから。」 カー坊「そうだったな。今更ながら。」 ファルコン「…遅いぞ。」 マイル「…で、カー坊。」 カー坊「別に知ろうと問題は無いが、下手に探ると消されるぞ。誰であろうとも…ね。」 ルイ「わかってるよ。カー坊様?」 ルイージ「…探索するなって事だね?」 マリオ「だな…。種族は、ほとんどそういう機密情報をそれで守り抜いている。以前、俺たちが知ったあの情報も、本当は機密情報だったのだ。本人が言うのは法に触れないそうで、俺たちはあの情報を守り抜いたから生きていたようだぞ。」 ルイージ「どれがいいのかわからないよね?」 カー坊「ああ、それなら…。」 と、カー坊。 カー坊「まずは、新たに出てきた…『闇の鬼神』だけど…。これはまだ謎なのよ。」 ルイ「誰が誰かは不明。ただ、カー坊はありえるかもしれないらしい。」 マリ「まだこれは未確認情報なのだが…あの人物もそうだと言われている。」 ルイ「ファルっち。」 マリオ「!?」 ほとんどが静かになった。ただ、一部は考えたりしているが。 カー坊「…未確認だと言った。だから、今後どうなるかわからなくなる。」 と、カー坊が告げた。明らかに、探るなと言いたげに。 マイル「…そういえば、ヴィルセル・カー坊という女性が『闇の鬼神』と呼ばれていたという歴史を記した本が、城にまだあると思うが…見覚えがあったぞ。」 カー坊「教えて。」 そして、早速その城の図書室へ。兵士たちは普通に本を読んでいるようだが、すぐに挨拶はするのだった。そして、本を捜索する為、カー坊たちは本を読む。カー坊は、マイルが見たという本を取ってもらった(注:身長が低いので…)のだ。 カー坊「………これだ。間違いない。ヴィルセル・カー坊。闇の一族でもあり、そして華霊に戦う事から…『闇の鬼神』と呼ばれている…。そばには、本名不明の人物二名がいた。この者も、また…『闇の鬼神の護衛者』とされている……。これって…。」 マイル「…ああ。この三名は、明らかに闇の一族だったという事だ。どうだ、これ。姿を見て…。それに、似ていないか?ほら、この二人。」 ルイ「見つけたのか?」 カー坊「……。」 マイル「一応は。ただ、カー坊はじっとこの本を見ているよ。」 カー坊「…似ている。」 ポポ「誰に?」 ナナ「ええ、そうよ。」 カー坊「とても似ている…。」 マイル「…姿からして、似ているとしか言えないが…ガノンドロフに、似ていないか…?」 と、マイルがそう言うと、 カー坊「とても似ている…。それに、記憶か何かが来るような感じで、怖い…。」 と、カー坊が不安そうに語る。 マイル「しかし、ここの本は重要視されたものだから、売店なら…。」 カー坊「あるのか、売店が…。」 と、カー坊。 マリオ「行ってみようぜ。あるかもしれない。」 そして一同は売店へ。そこに、本を売る専門店があったのだ。 ルイ「へぇ、本がある。」 マイル「…これはいくらだ?」 と、早速値段を聞いているマイル。そして、 マイル「成程…。おい、カー坊。これはどうだ?」 と、カー坊に見せるマイル。カー坊は、その本をめくりだす。そして、あるページで、手が止まる。それは、明らかにマイルとカー坊が、図書室で見たページと同じなのだ。 ルイ「これ、魔術複写…じゃない、ちゃんと印刷されているぞ。」 売店の人「勿論ですよ。印刷で販売していますよ。で、どうだい?買うのかい?」 カー坊「…。」 マリ「…カー坊…。」 ただ、カー坊の表情を見て、ただ不安だけが募っていった。