― 第二十八章 ― その過去は、ただ切ないほどに、カー坊にとっては辛いほどの過去にもなっている。それを語る事はまだしていない。本人がどう反応するのかが怖いのだ。 カー坊「…例の過去、言う事はしたくないけどね。」 ファルコン「…言えばいいだろうが…。」 カー坊「しかし、それでは…過去に…」 ファルコン「逃げる事はしたくないからな。」 カー坊「…わかった。伝えてくるが、一応日付を経たせて、まずそれから反応を聞く。」 と、カー坊は告げたのだ。そうして、日付を確認する。 カー坊「…強い人間なんて…いないのに…。」 と軽く呟いたのだ。そして、ただその事を考えながら、空を見上げたのだ。 それから数日。ようやく種族軍隊本部が落ち着いたという連絡を聞いたカー坊は、あの事件で関わった人物たちを呼んだりしたのだ。 カー坊「集まった理由はわかるな?」 ルイ「わかります。例の過去ですか?」 カー坊「先ほど確認したのだが、語ってもいいそうだ。」 ヨッシー「へぇ。」 カー坊「さて、まず何処から話そうか…。」 カー坊は過去を語りだしたのだ。 …それはとても悲しい過去の物語だと、カー坊は自覚しながら。 その過去は、またある事件がきっかけとなる。ある大会をのっとった主催者が、サバイバルゲームを行ったのだ。…無論それでの生き残りでもあったが、“彼”(ファルコン)はこの大会で、この世界では重要な人物を殺してしまったのだ。…後悔…絶望。“彼”(ファルコン)はもう戻れないと自覚した。そして、ただ主催者すらも殺した彼は、ただ殺し続けた。敵となる人物を。犯人となる人物を。ある国にも、その殺戮者…否、『完全なる殺戮者』と名乗る人物は現れた。 ファルコン「…その程度で、よく犯罪ができたな…。」 ただ、赤色に染まった剣がきらりと輝いた。その剣が、再びその犯人を殺した。ただ、“彼”(ファルコン)は必死に願っていた。誰かがこの虚構を消す人物が出てくる事を。ただ、願っていたのは、平和という言葉で、殺戮ではない。ただ、“彼”(ファルコン)はさ迷っていたようにも見えたのだと、カー坊は言った。カー坊は偶然にも、“彼”(ファルコン)を見つけたが、その時の状態は、まさしくさ迷っているかと、そう思ったのだ。 カー坊「それよりも…どうして此処へ…。」 と、不安がったカー坊。しかし、その時の“彼”(ファルコン)は、まだ答えが見つかってもいないと思ったのだ。まるでそれは漆黒の闇の如く。…しかし、“彼”(ファルコン)の方はまだ歩いていた。あの番組で、ただルイージの名が挙がった時、彼は紛れも無く足を止めた。 番組で紹介されたルイージはただ、ボウガンを持って走っていた。あの時の殺戮者と、そしてあの事件の犯人探し。この二つだけだった。とにかく平和にするために。 そして、裏路地。そこに、ルイージが探していた人物が血を流して倒れていたのだ。黒色のコートか何かで、殺した人物は身を隠していた。そして、ただ笑みを浮かべたのだ。ある首輪を見つけてから、ずっと立ち止まっているのだ…否、血溜まりのところから少し離れた場所に立っていたのだ。返り血は無論浴びていて、明らかに証拠は残っていた。 そして、ボウガンを持ったルイージが裏路地へ来たその時、凍りついた。 カー坊「…さて、撃てるかな。」 と、カー坊。 カー坊「私なら容赦無く撃つ。私なら撃つ事が出来る。だから―――…。」 ルイージはただそのボウガンを向けた。 カー坊「撃て、遠慮無く。容赦無く撃て。」 カー坊は願いを知っていたわけではないが、明らかに、その攻撃から悟っていたのだ。死に急ぐ剣技を繰り出していた事を。 ルイージ「ねえ、聞いて。…マリオ兄さんを殺したのは、もしかして…。」 ファルコン「…そうだ。殺した犯罪者だ。」 ルイージ「…!」 冷酷な言葉。カー坊にとってはそう思ったが、ルイージは無我夢中で、ボウガンで攻撃をしたのだ。ただ、赤色の血が舞い、そしてただ、唖然としていたのだ。だが、救急車を念の為配備していたのはカー坊だ。それから病院に到着してから治療が行われる事となった。 ルイージ「…兄さん…。」 カー坊「バカね。復活計画なんてものがあるのに。」 ルイージ「!?」 カー坊「まだ『完全なる殺戮者』にも言っていなかった事実なの。こんな事なら言えば良かったって思っているの。」 ルイージ「…でも、どうして…。」 カー坊「あれは犯人がいるからなの。復讐心を作ったのは、あの大会。」 カー坊はそれから事実を告げたのだ。その事実に、ルイージは唖然としたのだ。 ルイージ「大会が原因で…死んだ…。」 カー坊「その為に、種族が行動を起こしたのに。ルイージ、恐怖などあったら逆に後が怖くなるわよ。今も『完全なる殺戮者』を恨んでいる人が何処かにいるかもしれない。」 ルイージは黙ったのだ。ただ、悲劇など無いとは思えぬ事に。 しかし退院したとの情報を聞いたのは少し経ってからである。カー坊はその連絡を受け取っていたが、ただ自殺願望とかは考えないだろうと思っていた。しかし、ある展望台の落下事故を受け、カー坊は現場へ向かったのだ。病院へ既に搬送された事を聞いたが、安全性はどうだったのか、それを問いかける事にしたのだ。まだその当時、強化ガラスとかを使ってもいなかった。軽い衝撃でもう割れてしまうのだ。ただ、軽い傷があったとの報告も聞いていた。割れたガラスの破片が、まさしく落下を伝えようという形になったのではないかとの事を聞いた。カー坊はその現場を見ようと思ったが、部下に任せたのだ。それから病院へと向かう。 カー坊「何が事故だってーの…。」 カー坊本人は不機嫌で、事故の事を気にしていたものの、負傷者が誰か気になっていたのだ。その時、連絡が入ったのだ。展望台からの落下で、大体20メートル程。それほどの高さから助かる事はあまり無いというが、その負傷者は助かっていたのだ。風に煽られ、木々がクッションになって助かったのでは無いかという見解でもある。 カー坊「…そうか、木々が…。ここまで悪運があると…考えられるのは…。」 カー坊は急ぎ足で案内所へと向かう。この病院は種族病院、案内所は存在する。 カー坊「申し訳ない、展望台からの飛び降りに関して、負傷者はどのような状況で…!」 そしてカー坊は聞いたのだ。骨折などで、全治するまでにかなりかかるという。1年はいるくらいの怪我だという。カー坊はそこで判断したのだ。 カー坊「あの、バカ…!」 カー坊はただ走ろうとしたが、その案内所の人に止められたのだ。今はまだ面会禁止だというが、この頃カー坊は種族の主代理の権限すら無かったのだ。しかし、カー坊はただ視線を向ける。それは、案内所の人へ向けたのである。 カー坊「…いくらなんでも、意識は無いかあるか。それもはっきりと確認したい。」 そこで種族だと観念したのか、特別処置での面会は許可された。無論、例の情報も同時に、である。意識ははっきりとしていて、窓の外を見つめるのが多いという。そして、その人物との面会許可を取ったのだ。それから、その場所へと向かったのだ。 カー坊「…どうやら悪運はあるのか、強運があるのか、どちらかだろうな。」 ルイージ「…そうだよね。」 カー坊「って、何時の待に。」 ルイージ「特別面会だよ。」 カー坊「…死ぬのは止めていただきたい。生きて罪を償うのも、また大切ではなかろうか?もしそれがわからないというなら、種族に来てくれるという条件で教えてやろう。」 ファルコン「…。」 ルイージ「あの、まだ歩く事は…。」 カー坊「わかっている。孫市もわかって行動をしているのだから。」 ルイージ「?」 カー坊「孫市や周瑜、呂布もわかって行動を起こしている。この事件、何か止まらない気がして仕方がないのだ。…かといって、この件を信長や光秀に任せるのも難しいと思うぞ。それでも、あきらめずに調べている人物には感謝しているけど、な。」 ルイージ「…兄さんの死を、しっかりと背負う事もあるの?」 カー坊「まあね。本来はありえない事から起きた悲劇だし。」 ルイージ「…。」 そして、カー坊はある警告を出したのだ。これ以上自殺を考えるのなら、種族本部へ強制送還する事となるだろう、と。そしてカー坊はただ去ろうとした。 ルイージ「きょ、強制送還の使い方が違います…。」 カー坊「黙れ。」 そしてカー坊は去っていった。…しかし、それから数日後。事件が起きた。種族病院の力で完全に回復できた人物たちの避難が開始される。ところが、犯人は一人を除く人物がまだ残っているという。…その犯人は、ある人物と遭遇していたのだ。 犯人「へぇ…。こんな病院に『完全なる殺戮者』がいたとはねぇ…。」 ファルコン「偶然だろ。」 犯人の容赦無い攻撃が、たまたま通りかかったルイージを負傷させ、犯人は笑みを浮かべた。…だが、次の瞬間―――。突然の揺れが起こる。犯人はそこで驚いていたのだ。 カー坊「な…!」ルイージ(重傷)「…。」 ファルコン「…お前に、死を与える。」 カー坊もゾッとしたのだ。まさしく、この空気自体が震えているのではないかとも思った。カー坊は、ルイージを魔術で非難させたが、この恐怖が、カー坊の心を止めているかのように、カー坊は身動きすらしていない。 カー坊「…恐怖が、襲ってくる…。彼の、負の感情が流れてくる―――…。」 流石のカー坊ですら、この状態では戦っても負けると思ったのだ。どうしても動けない犯人とカー坊。カー坊はただ、持っていた剣を落とした。カシャン、という音を立てる。 カー坊「…どうして…。」 ただ、一瞬に近かった。犯人が絶命するのは。犯人がどうして死んだのかは、カー坊も謎だと思ったのだ。だが、その時手から電流が流れていたのを、カー坊は見たのだ。そこで、剣を拾うカー坊。震えなどはもう収まっていた。 カー坊「真の、力…。」 ようやく落ち着いたカー坊は、ただ電気が付いている病院に視線を向けた。 カー坊「…大丈夫か?」 ファルコン「…一応は。」 カー坊「…死なれても困るが、先ほどの奴は…。」 ファルコン「…覚えている。」 カー坊「自分自身でも止められない力か?」 ファルコン「…そうなるだろうな。」 カー坊「…難題増えたな(汗)。」 カー坊は難題の事だと考えながら、とりあえず病院から出る事にしたのだ。病院に出る前、剣は収納しておいたのだが。そして外は明るく感じたのだ。 カー坊「ルイージは…搬送されたのかな?」 マリ「搬送しました。」 ルイ「搬送済みです。」 カー坊「そう。最近見ないと思えば、どこにほっつき歩いていた。」 ルイ「そういう話じゃないだろー!」 マリ「とりあえず…搬送は終えましたが、重傷だそうです。」 カー坊「そう。それで、一応土産もん。」 ルイ「違うだろ。」 カー坊「とにかく、ルイージの安全は?」 マリ「それなら大丈夫です。病院に機銃があるから。」 ファルコン「…病院に機銃って何だ…。」(汗) カー坊「守る為に設置されたもの。私は知らないけど、遊びじゃないわよ。」 カー坊はすぐさま連絡を取り、無事の確認などに追われた。…それから翌日。意識が戻ったルイージと遭遇して、すぐにカー坊は確認を取る。 カー坊「…どうだろう、今の現状は…。ちょっと状況が思わしくないな…。」 ルイージ「どうするの?」 カー坊「…そうね…。困ったものよ。」 ルイージ「…。」 しかし、その夜。 ルイージ「…何?」 騒ぎの声。それを聞いたルイージはただ起き上がった。 ルイージ「…。」 ただ、歩き出すルイージ。だが、その足を止めた。 ルイージ「…いるんだね。」 犯人は無言で、ルイージに刃を向けた。 その一方で、ただ警戒をしている人物がいる。その人物は、以前問題を起こした人物でもあったが、銃を片手に、ただ慎重に歩いていた。そして、倒れているルイージがいたのだ。 ファルコン「…殺したのか?」 敵「いんや。殺していないさ。」 RC−P90(ちょwww待www)をかまえ、そして狙いを向ける。丁度ルイージは部屋で倒れていた為、その部屋の扉辺りにいる犯人を狙うだけにしているのだ。 ファルコン「銃声ならわかるだろう。」※気が付くどころか…。(汗)byカー坊 敵「…うわぁ。」 カー坊「『うわぁ』じゃねー!」 隠れていたらしいカー坊が思わずツッコミを入れたのだ。無論ルイージを治療中だが、集中力は生半端ではないが、これでも集中が切れた事には違いない。 カー坊「…少し静かにしてくれないと困るわ…。」 敵「誰がするか!死ね!」 カー坊が銃を構えた矢先、P90が火を噴いた。けたたましい銃声音が鳴り響き、騒音となって外へ響き渡る。カー坊もただ、その敵が走って逃げているのを見かけたのだ。 カー坊「…ルイージの失血は…まだいい。」 ※カー坊は銃を使い、ガラスを割った!そしてそばにいたマリルイブラザーズはルイージを救助!…因みに、マリにガラスの破片が手の甲に刺さり負傷。 カー坊「…おいおい。」 そうしてある部屋へと到着した。立ち入り禁止である場所である。 カー坊「…一体…。」 そうして入っていく。そこで見たのは…。 カー坊「じ、人工呼吸器…そして、亡骸たち…。」 主犯「そうさ。俺がやった。ズタズタに斬って。」 カー坊「…人殺し。」 ファルコン「お前も、誰もが同じだろうな、今の状態は…。」 カー坊「…そうね。」 主犯「死ぬか?」 だが、何かが這いつくばっているのを見たカー坊が銃を発砲したのだ。そして、カー坊は銃を主犯へ向けた。その矢先、ゾンビみたいな奴が二体現れたのだ。 主犯「銃は効果が無いぞ。」 ファルコン「…そういう事か。」 カー坊「銃剣でもやりますか。」 主犯「…殺せるなら。」 そのゾンビみたいな奴を斬るカー坊。そして魔術を放つ。その際、機械を同時に破壊しているが、カー坊は狙いを定めたのだ。 ファルコン「…まさか…こいつら…。」 主犯「お前が殺した奴だ。」 カー坊「…復讐は復讐でしかならない。」 アメーバみたいなものが、カー坊を襲う。だが、カー坊を誰かが突き飛ばしたのだ。 カー坊「え―――…。」 その物体が誰かを包む光景を見るまで、カー坊は信じなかった。 カー坊「…人を、殺せと言うか?」 主犯「助ける方法はそれしかないだろう。」 カー坊「…呂布奉先、蹂躙を許可する。」 主犯「!?」 呂布「了解だ。」 槍に光が集まっていく。それをただ見つめる敵側。その槍が振り落とされる。その瞬間、アメーバみたいなものだけが死んだのだ。捕まった人物は無傷のままで。 ファルコン「…呂布…。」 呂布「間に合ったみたいだな。」 カー坊「…仕掛けは何重にも仕掛けるのが一番だよ。病院に機銃とか。」 主犯「ありえね―――…。」 カー坊は銃を向けた。 カー坊「さて、死にたいか生きるか。」 主犯「…それはこっちの台詞だ!」 カー坊「決裂。殺しなさい。」 P90の銃弾が、その主犯を撃ち殺した。ただ、カー坊は軽く笑う。カー坊はただ、軽く笑った。その後に“ドサッ”という、倒れる音が響き渡った。それでも、カー坊は笑ったのだ。平和になったという空間があった為である。 呂布「…終わったな…。」 カー坊「まぁ、そうでしょうね。」 気を失った人物を、呂布が運ぶ。カー坊はP90とカー坊が愛用する銃を持って歩く。そして、外はまだ夜だったが…記者たちが騒いだのだ。 カー坊「…はい、どいて、どいて〜。」 そうして別の病院へと向かったのだ。 それから数日間は平和だったが、その日の夜。 ファルコン「…。」 未だ眠るルイージの手に触れる。ただ、不意をつかれたのかは…本人ではないと完全にわからない。それでも、ルイージが倒れていたあの時、“彼”(ファルコン)は紛れも無くあの力を感じた。 ファルコン「…。」 小刀をただ、自らに向け、切りつけた。血が、ルイージに飛ぶ。 ファルコン(軽傷)「…お前は…生きろ…。死ぬな…。」 もう一撃、さらに深く、自らに切りつけた。そこでルイージが起きたが、きょとんとしていたのだ。しかし、ただ、水が落ちるような音を聞いて、ふと視線を向けたのだ。 ルイージ「!!!」 さらに、扉が飛ぶかのような勢いで開かれた。そこから、赤色の帽子をかぶった人物が。 マリオ「!!!!」 ルイ「あ゙?」 マリ「アホか、弟!呼べ!急げ!この失血量じゃ、あまり長くは持たない!!!!」 マリオ「あ、ああ。」 ルイージはナースコールを押し、マリオは病院用の電話で連絡をする。マリルイブラザーズは傷などを確認したりしているが、ルイージは不安そうな表情を浮かべたのだ。 マリ「…ちくしょう…!」 ルイ「兄さん、傷が深いよ!今簡易的な治療を行っているけど…。」 この当時ルイはまだあまり操れる技術が低かったのだ。マリも同様だが、当時はあまり修行などしないと言ったのだ。この、悲劇をきっかけにするようになったという。 マリ「…しっかりしろ…!」 ルイ「ルイージ。その血は、見えるか?」 ルイージ「…え?」 マリ「ここで鏡登場〜。」※三種の神器 鏡を使う。 ルイージ「…え?これ…血…!?」 ファルコン(重傷)「…ル、イー…ジ…。」 ルイージ「もう何も言わないで…!勝手に、僕の知らない間に死なないで…!」 ただその手を掴むルイージ。ただ、涙が流れているのに気が付かずに。 マリ「おい、危険レベルに入った!ルイ!急げ!」 ルイ「うん!ドクターマリオ!」カー坊「…おーい、医者まだ来ないのかよ〜。」 ドクターマリオ「わかった。マリオ、連絡は?」 マリオ「一応入れた。」 カー坊「今見張っているけど、どう…?」 ルイ「失血量が思わぬくらいに流れている為、長時間放置されていると死に…。」 ルイージ「死!?」 ほとんどが驚いていたが、血に染まる手の甲に軽く視線を向けるルイ。 マリオ「…おいおい、本当かよ、それは…。」 ルイ「ああ。もしこの失血量で放置されていた場合…最悪、死に至る事も…。」 カー坊「そう。緊迫した空気を破るようで悪いけど、ようやく医者らしき人物が見つかったみたい…いえ、駆けつけに来たみたいよ。」 ルイージ「助かる確率は?」 カー坊「…五分五分しかありえないわ…。あとは、彼の体力に任される。」 ルイ「…。」 医者たちに後は任せるマリたち。そして、ただカー坊は今回の事件を聞いて、種族が監視しなければならないのかと考えていたのだ。ただ、自殺というものはカー坊にとって、辛いものだと感じているのだ。 カー坊「…自殺して誰が喜ぶというのだ…。」 ルイ「…。」 カー坊「でも、これだけは言えるわ。…ありえない…なんて事はありえない。」 マリ「…何?」 カー坊「ありえない。…なんて事はありえない。」※ネタあり。 ルイ「そう、信じるのか?」 カー坊「今はそうとしか思えない。」 そうして警察官たちの調査などが始まったのをきっかけに、カー坊はデータを見始めたのだ。そして、ただある結論が浮かぶ。 カー坊「あの事件は…大きすぎる。まず種族で捕縛。」 カー坊はそう呟いた。 カー坊「そして、状況判断。」 カー坊は立ち上がったのだ。 カー坊「…決して、諦めないわけがない。」 そして、そこから数日後(略しすぎ)。 カー坊「…怪我人は?」 マリ「起きたみたいだ。そして、搬送をしたところだ。」 カー坊「ご苦労。」 ルイ「ご側路願ったのだが。一応。」 マリは状況とかを考えながら、ただカー坊へ視線を向けた。 マリ「本任務は完了したとみていいだろうな。一応は。」 カー坊「一応は、ね…。」 カー坊も辛く感じたのだ。例え自殺をしようとする者がいる限り、明らかに辛い気持ちがあふれ出しているのだ。それでも、彼に生きる事を選択させたいという願いは変化していないのだ。しかしそれでも生きる事だけは約束していただきたかったという願いもある。 カー坊「で、どうなの?」 マリ「素直に牢獄となるでしょう。」 カー坊「…。」※そういえば総理変更。福田総理。2007年9月23日より。 とても辛く感じたのだ。一体何が彼をこうさせたのか、と…。そしてその場所へやってきたカー坊。ただ視線を軽く向ける。 カー坊「…。」 ルイ「いや、俺の所為じゃないか?俺がこう言った…」 カー坊「何?」 ルイ「いや…『悲劇を経験した人は、長く生きられるのだろうか』って…。」 カー坊「それだけ?それだけ?」 ルイ「後は…『辛い戦いなんざ戦争みたいなものだ』って…。」 カー坊「…それだ。」 カー坊はすぐにわかったのだ。 カー坊「追求しすぎだ。下手に追求すれば自殺とかしやすくなると言われなかったか?」 ルイ「…。」 ただカー坊は視線を向けている。それはまさしく化物を飼うかのように。 カー坊「だからこうなるのよね。」 マリ「…さて、どうする?」 カー坊「そうね…。」 カー坊はただ笑みを浮かべた。その矢先襲撃があったのだ。 カー坊「あいつらを倒す為、働かなきゃね。彼にも戦わせなさい。」 ルイ「え?あ、いいけど…。」 カー坊「じゃ、私は戦うから。」 そのままカー坊は戦場へ向かう。そしてただ剣を持つ。 カー坊「敵であった事が不幸と成す。」 その言葉が、まさしく運命を変えたのだろう。 カー坊はただ笑みを浮かべながら刃を向ける。 そして、ただ走り出す。未来という場所へ。 カー坊「…さあ、相手になるわ。」 マリ「行くぞ。」 ルイ「倒すぜ。」 その時にはカー坊以外わかってもいなかった。 そう、とんでもない逆転劇というものが隠れていた事を。