― 第二章 ― それから翌日、カー坊は試合表を持って現れた。 カー坊「次の対戦者、マリオとヨッシーとカービィとリンクね。」 と、言うカー坊。嬉しそうな笑顔を見せるリンク。 マリオ「よーし、マスターハンドとクレイジーハンドのように戦うぞ。」 ヨッシー「わーい、戦い、戦い♪」 カービィ「ワクワクするね。」 リンク「さて、やるか。」 カー坊「…心配。」 と、軽く語るカー坊。 マリ「いいじゃないか。いい余興じゃないか。」 ルイ「にしても、二人ともわかってないな〜。」 不意を付いた事とはいえ、護衛二名とも、正体がわかっていないのだ。しかもごく一部にしかわからないがゆえに、カー坊も流石に呆れたのだ。が、 ルイージ「アリゾナ?」※不思議そうに言う。 と、声をかけたのだ。 アリゾナ「それがどうした。」 ルイージ「そっくりだね、ファルコンに。」 アリゾナ「黙れ。」 ルイージ「紅いからわかりにくかったよ。」 アリゾナ「俺はマリオと同じかよ…。」 ルイージ「ゴ、ゴメ…。」 ルイ「あまりアリゾナをいじめるなよ。」 マリ「今は法律で裁けるぞ。」※本当です。実話だったりして。 と、付け加えたのだ。カー坊も苦笑するが、外を見て少し苦笑する。 カー坊「悪いけど、この空気からして、何かわかる?」 と、その一言でほとんどの声が消える。簡単に言えば、静まり返ったのだ。そして、ルイもようやく事態を理解し、そしてマリに笑みを浮かべた。 ルイ「こいつは戦いの空気だ。場外戦争だぜ、ファルっち。」 と、ルイはそう告げた。 ファルコン「戦争か…。」 と、ファルコン。 マリ「俺たち四人にとっては慣れた空気だ。」 ルイ「頑張るぜ〜。」 カー坊「どうでもいいけど、状況報告。」 と、カー坊が言う。ルイの発言を聞いていたほとんどがざわめいていたが、カー坊の言葉を聞いて、また全員は冷静さを取り戻していた。 ルイ「ああ、それだが…。これは神々の世界か、もしくは…何処かの世界か。どちらにしろ、いい空気じゃない。悪い空気だ。殺意を隠していない、愚かな奴だ。」 マリ「試合を中止して、止めに行くぞ。」 そうして、全員は出発する。無論、スタッフには、既に五人とは別の人物が告げていた事は、その五人にしか知らないのだ。 その一方で、敵側となる人物は。 敵1「どうやら行動を開始したみたいです。」 敵2「そうみたいです。」 敵3「カー坊という切り札もいるからな。」 と、三名が言う。が、空にまだ、知らぬ内にその種族が言う切り札が待っていた。その切り札がきらりと輝き、そして、狙いを定めていた。 マリオたちはというと。 マリオ「にしても、歩きにくいな。俺にとってはまだいいけど。」 スネーク「もう無理だと言うのか、任天堂の者たち。」 ルイージ「僕も楽勝だよ。あまりキツイとダメだけど。」 ファルコン「お前ら弱すぎるぞ。」 リンク「ちょっと待て、言い過ぎだぞ…」 マリ「んー、俺も簡単だし。」 ルイ「ヘリとかは使えないのはわかるだろうが、お前ら。」 カノンドロフ「弱すぎるぞ。」 アリゾナ「ちょっと待て、ガノンドロフは何処行った。」 と言ったその時、坂の頂上と言える場所に、ガノンドロフはいたのだ。魔術を使ったのは間違いないが、マリオは半分怒りが溜まったのだ。 マリ「いやっほぉ〜。」※三角飛びを要領としたかのように飛び、頂上へ到着。 ルイ「待って〜〜。」※後を追う。 ようやく頂上へ到達した一同は、一度休憩する事にしたのだ。用意するのは…。 ルイ「さて、俺たちは種族だ。水くらい簡単だから…な。」 言いながらも水を出す。とりあえず瓶に水を汲む者もいるが、飲む者もいる。無論、全員は瓶に水を汲むのだが、ルイたちは笑みを浮かべた。 マリ「カー坊、何処に行ったのかな。」 ルイ「…不穏な空気だね。穏便に済ませればいいけど。」 マリ「次元を無理に接続できる種族の言う台詞じゃないぞ。」 ルイ「そうだね。」 と、軽く流すルイだが、ルイージとスネークだけは視線を向けていた。 ルイ「参った、かな。」 マリ「だな。」 アリゾナ「俺たち種族は、次元自体を作ったり、修復したりする事ができる。それで移動できるのだが…ヘリたちもそれを使える。だが、この空は…。」 と言いかけて、鳥が飛んでいるのに言葉をとぎった。そして、その鳥が突然悲鳴のような声を上げ、そして落ちていく。その鳥は、地面へ激突し、ぴくりとも動かなくなった。それを見た、二名を除くほとんどが驚いていた。 カノンドロフ「今のは見ただろう。」 ガノンドロフ「鳥をも殺す空、か。」 ファルコン「F-ZEROのマシンも使えなさそうだな。」 ルイ「無理だろうね。ハイオクタンのマシンで実験した。カミオンなどでやった結果だが…損傷の酷さが目立った。浮けばそれで終わりかもしれないな。」 マリオ「つまり、浮いている者には傷つけるわけか。」 カービィ「良かった〜。浮かなくて。」 プリン「ぷ。」 安堵する者がいる中で、ルイはただ、空を見上げた。 マリ「ハイオクタンのマシンだろうと傷つける空が、F-ZEROのマシンを傷つけないとは限らない。ワープスターだろうと破壊できる威力を持つかもしれない。浮く事は、死を意味する可能性もある。が、覚悟があれば浮けばいい。」 そう告げたマリ。が、 ルイージ「歩いて移動するのか。でも、この空は何秒で傷つけるの?」 ルイ「それはわからないのだ。何度か実験をしてみたが、時間にズレがある。最低5分程度は無事だが、それ以上は無理そうだ。5分1秒でも立てば、狙ってくる。」 ルイージ「秒数の攻撃だね。」 マリ「実験結果だ、本当かわからない。ただ、マシンたちの傷を見て驚いたのは、深さだ。相当な深さの損傷を作ったのだ。カミオンは複数の傷を負った。しかも、深すぎるのだ。修理艇とかは使わない実験だったから良かったが、建物にいるなら、それは無かった。」 そう言うマリにも、厳しそうに視線を向けていた。が、気楽に水を飲んだルイージは笑顔を見せ、そして視線を向けた。 ルイージ「でも、その不利な条件でも戦うのが普通だよね。」 マリオ「だな、弟。」 リンク「よし、いろいろと考えよう。」 声「そうはいかないわ。」 その声は、懐かしさを持ったかのような声だった。 声「これ以上は行かせない。」 その言葉は、殺意を持っていた。が、三人は剣を構えていた。光のような剣を。