(この季節になると昔の事を思い出す)−今から11年前ー 「父さん!!焚火しようよ!!」 と息子のマリオが私に声を掛けてきた。(そうか・・・もう焚火の季節か)とそう思いながら外に出た。 するともう息子達が焚火の準備を した後だった。「あっ来た来た。 父さん早く早く!!」と息子の ルイージが私を急かした。「まぁ そう焦るなルイージ今火を付けてやるからな。」そう言いながら私は山盛りになった落ち葉に火を付けた。「あぁ!!大変だ!!肝心な物を入れるのを忘れてた!!今すぐ買ってくるよ!!」と息子のルイージは買い物袋を持ち走っていった。「ねぇ父さん?」「何だ?マリオどうしたんだ?」「 父さんとこうやって話すのって 初めてだなーと思って・・・。」息子のマリオにそう言われてみると 初めてのような気がする。「そうだな。初めてだなマリオと二人で 話すのは・・・なんか変な感じがするな。」「だって父さんいつも仕事で忙しいから例え話してもルイージと三人で話すことしかなかったから・・。」と息子のマリオはそう言い終わると黙ってしまった。「私もマリオと話すことが少なかったからなー。言いたい事も言えなかっただろうし・・・マリオ、これからは二人で話す機会を増やそうではないか!!」「えっいいの父さん?」「当たり前だろうが私の自慢の息子だからな。」「ありがとう父さん・・・。」−それから11年後ー(あんなに月日が経っても未だにこの季節になると思い出すほど印象深い思い出なんだな)とふとそう思う。「父さん!!焚火しようよ!!」と息子のマリオは私を焚火に誘った・・・。(これが本当の親子の会話)
fin