短編集『永久血筋』(視点系)

短編集『永久血筋』(視点系)
私は悪魔の血を流している。 そうとしか思えない。 私の血が、悪影響を及ぼす事だってある。 全ての実験を終えた体は、何時まで持つかもわからないのだ。 でも、この血が活躍する時もある。 人を助ける時、しかもそれが緊急時である時。 この血が真価を発揮する。 カー坊「…いつか、この血がいらなくなるまで…戦いを続けなければならないと…。」 それは、いつもの思い。 でも、それもいつも消える。 戦争が起きる限り、必要性は消えない。 何人かの人物は、この血を与え、別の人生を歩ませてきた。 また、誰かが別の人生を歩んでしまいかねない事件を、誰かは起こすだろうか。 カー坊「…人間は、愚かすぎる…。」 それは、私にとっても辛いもの。辛すぎるもの。 永遠なんて無いから、逆に辛いのだから。 戦争体験者には、辛いものは体験し続けているのだから。 …そう、私は元々人間だった。 だが、それを実験で人間でなくなってしまった。 さらに先祖の血もあり、もはや人間ではない。 自らを『魔族』と称した。 本当の言葉で言えば辛い事。 『魔族』もしくは『悪魔の人物』と称した。 だから、これ以上私を苦しめないで。 私を見捨てないで。 私を傷つけないで。 私を助けて。 ずっと言葉に出来ない言葉は、心の中では浮かんでは消える言葉。 カー坊「…。」 誰でもいいから、助けて欲しいと願う私。 ふと、月を見て赤くなっていた。 カー坊「…赤いな…。」 でも、生きなければならない。 必死に生きなければならない。 だから、生きる。 たとえ辛くても、悲しくても。 私は、生き続けよう。
終わり。 今回はカー坊・クロイツ=ミルドラースです。 悲しさも知っている、戦争体験者です。 助けを呼ぶ感じも出せたかな??

最終更新:2010年04月19日 03:16