短編集『完全に見えぬモノ…』(視点系)
それで空が青々しく見える。…だから何だ。
俺はいつも平和なんて信じていない。
…が、たまに魔が誘ってくる。
事件がそうだ。流血の現場。
いつも血が騒いでいく。周りが見えなくなる程に。
色々と興奮してしまって、結局は悲劇を迎える。
いつもそうだった。
警官たちも魔術を使う人に変更したのもそうだろうな。
あの時、あの少年の村へ攻撃したのが全てだ。
その少年に会える事は出来ても、家族はいない。
そして、それがまさしく全てだ。
人は復活もしないし、死んだら終わり。
そんな世界で生きている。
だが、あの時、少年とまた会った。
そして、警官の魔術攻撃。
一度目は操作して避けていた。
少年はその後吹っ飛ばされている。…しかも魔術で。
その後は警官の放つ魔術が直撃した。
壮絶な痛み。そして血。
赤く染まっていた。自らの血が赤いとはわからなかった。
その少年は涙ながらに訴えているのは覚えている。
その時は、まだ死の思いは無かった。
自ら死ねばいいと思っていた。
だが、病院で種族の主を見たのだ。
その言葉一つ一つには、生きるという“もの”があった。
そこから、死の恐怖が表れ始めた。
…あれからもう何十年だろうか。
今は、もう死を恐れようが、今の主を信じている。
だから、罪を償いながら生きていよう。
あの少年のように、強く、強く…。
そして、未来を信じて、戦っていこう。
血を見ても興奮しなくなった今の自分を見ながら。
そして、事件だろうが、戦いなら前衛に出よう。
決して破られない扉となって。
終わり。
今回はタルワール=ホワイトソード・フィオンの視点です。
過去という形ですが、ちょっとね…。
タルワールの視点からすれば、凄いもんだな。
そういう感じですね。