短編集『紅色の雨』
ずっと昔に聞いた話だ。
それで、魔王が紅色の涙を流したという。
それ以来、雨が赤くなるときがある。
無論、それはこの俺がいる場所より違う場所だ。
この都市はもう何年も来客が来ていなかった。
だが、沈黙は破られた。
一台の車が都市にやってきた。
ミサイルとか武装していたのだ。
白い車で、不思議な感じは無かった。
道中は敵がいっぱいいるのだから無理も無い。
だが、その人物は驚きの表情を浮かべていた。
無理も無いだろうな。
あれからもう数年。
今は敵がいなくなり、もう平和な道路が出来ていた。
そして、今は一般人も来るようになった。
とはいえ、まだ伝説は伝説だ。
魔王が流す紅色の涙…いや、紅色の雨は母から聞いた。
いつもいつも、母はこういう伝説を知っている。
この雨を調べようとも思わなかった。
だが、番人というものをもらってから、調べたのだ。
本当だったのかどうかを調べる為に。
亡霊たちと会話できる力を持って、調べた。
結果は…本当だった。
しかし、これ以上は調べなかった。
亡霊たちが怒りそうだからな。
そして、今。
未知の世界で必死に頑張っている。
故郷もあまり変化が無いからわかる。
ただ、生まれた時からの知り合いはもういない。
…が、迅帝だけは別だった。
とはいえ、まだまだ故郷へは戻らない。
そう、これは決意だ。
あの時、沈黙を破ったあの時の以前のように。
ずっと調べたりしよう。
終わり。
今回は番人・レンフィールド=グラストの視点です。
この伝説、まさしく伝説だな。
都市伝説『黄金都市』出身者です。
迅帝も同様です。