Mick Doohan
1965年6月4日生(オーストラリア)
ミック・ドゥーハンは1990年代に5年連続最高峰クラスタイトル獲得をはじめとする数々の記録を打ち立て、一時代を築いたライダーである。
スーパーバイクからレースキャリアを始めたドゥーハンは、その疑いようの無い速さと、マシンの横にぶら下がるような独特のライディングフォームですぐに注目を集めた。そして1989年、23歳のドゥーハンは同郷の偉大なライダー、ワイン・ガードナーのチームメイトとしてWGP参戦を開始した。
WGP初年度は、特に最終戦ブラジルGPでリヤタイヤから派手なタイヤスモークを上げながらコーナーを回る姿が見る者に強烈な印象を与え、いずれ近いうちに好成績を挙げるだろうと予感させた。そして2年目の1990年にはハンガリーでグランプリ初優勝を記録し、早くもタイトル争いに加わるまでのライダーとなっていた。
しかし、ドゥーハンはクラッシュの少なさにもかかわらず、一方で怪我に苦しみ続けたライダーでもあった。デビューシーズンのオーストラリアGPでは手の骨を削る怪我をしており、更にシーズン半ばまでランキングトップを独走していた1992年にはダッチTTの予選でクラッシュし、右足を切断される寸前になるほどの重傷を負った。驚異的な回復力でシーズン終盤には復帰を果たしたドゥーハンであったが、この怪我による欠場が響いて結局この年のタイトルはウェイン・レイニーに譲ることになった。
1993年も前年の怪我の後遺症と不運に泣かされたが、1994年に全戦で表彰台に昇るという圧倒的な強さでチャンピオンに輝くと、1999年のヘレスでの事故による足の骨折がきっかけとなって引退を発表するまで、タイトルを他に譲ることはなかった。
ドゥーハンはそのWGPキャリアにおいて一度も
ホンダ以外のマシンに乗ることはなかった。また、1997年シーズンには全15戦中12勝という歴代シーズン最多優勝を記録している。
WGP戦績
年 |
クラス |
Starts |
1st |
2nd |
3rd |
Tot. |
P.P. |
マシン |
Pts. |
Pos. |
1989 |
500cc |
12 |
|
|
1 |
1 |
|
ホンダ |
81 |
9 |
1990 |
500cc |
15 |
1 |
2 |
2 |
5 |
3 |
ホンダ |
179 |
3 |
1991 |
500cc |
15 |
3 |
7 |
4 |
14 |
2 |
ホンダ |
224 |
2 |
1992 |
500cc |
9 |
5 |
2 |
|
7 |
6 |
ホンダ |
136 |
2 |
1993 |
500cc |
13 |
1 |
4 |
1 |
6 |
4 |
ホンダ |
156 |
4 |
1994 |
500cc |
14 |
9 |
3 |
2 |
14 |
6 |
ホンダ |
317 |
1 |
1995 |
500cc |
13 |
7 |
3 |
|
10 |
9 |
ホンダ |
248 |
1 |
1996 |
500cc |
15 |
8 |
4 |
|
12 |
8 |
ホンダ |
309 |
1 |
1997 |
500cc |
15 |
12 |
2 |
|
14 |
12 |
ホンダ |
340 |
1 |
1998 |
500cc |
14 |
8 |
3 |
|
11 |
8 |
ホンダ |
260 |
1 |
1999 |
500cc |
2 |
|
1 |
|
1 |
|
ホンダ |
33 |
17 |
最終更新:2010年05月10日 15:48