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私の願い






昼食を済ませて部屋に戻ろうとすると、廊下の向こうから騒がしい声が聞こえた。
何かあったのかな?と思いながら、声のする方に向かってみた。
すると、エミヤンと沙羅ちゃん達が騒いでいるようだった。

沙「スモーキーさんに会わせて下さい、お願いします!」

エ「駄目だ!」

…そういえば、スモーキーさんは謹慎処分だったね。
それにしても、こっそり会わせてあげれば良いのに…、沙羅ちゃん達可哀想だな。
ここはエミヤンを何とかして連れ出さないとね。
私はエミヤンに近づいた。

ア「エミヤン、ちょっと話があるからついて来てくれるかな?」

エ「俺は今スモの監視中だ。ここじゃ駄目か?」

これぐらいじゃ駄目ね、ここはこの前の話を引き出そう。

ア「…この前の話なんだけど」

エ「待て、それは今じゃなくても良いだろ?」

よしっと心の中で言いつつも、エミヤンを連れ出す為に私が怒った演技をした。

ア「エミヤンの馬鹿、もう知らないッ!」

そして、私はこの場を立ち去った。
こうすれば、エミヤンが私を追ってくると考えたからだ。
少しあるいていくと、焦った様な顔をしたエミヤンが追ってきた。

エ「ちょっと待ってくれ。この前の話って事はさ、その…答えが出たって事で良いんだよな?!」




この前の話というのは、1週間前の事である。
新米ソーサラー達の指導を終えて、部屋に戻ろうとする私を、エミヤンが呼び止めた。

エ「アイ、その…俺と付き合ってくれないか?」

唐突にエミヤンが告白してきた。
エミヤンが私の事を好きだという事に気付いていたけども、
突然の告白によって、私の頭の中は真っ白になった。

ア「え?そんな…、いきなり告白されても。」

エ「返事は今すぐじゃなくても良いんだ、俺は何時までも待つから。」

ア「…うん。」





あれから1週間経って、私は返事を決めた。
私は、エミヤンをグラウンドまで連れて行った。

ア「エミヤン、私と戦って!」

私の言葉を聞くと、エミヤンが驚いたような顔をした。

エ「え、何で俺がアイと戦うんだ?」

私は愛用の杖を持ち、エミヤンの足元にファイアランスを放った。

ア「私は自分より強い人にしか興味が無いの!
  だからエミヤンが私に勝てたら、エミヤンの彼女になってあげる。
  もしエミヤンが負けたら…、潔く諦めて。」

それを了承したのか、エミヤンが短剣を構えた。

エ「俺はアイが好きだ。この勝負、絶対に負けんッ!」





結果は……私の勝利で終わった。
エミヤンは何度も攻撃のチャンスを得たのに、一度も私に攻撃して来なかった。
私は、地面に仰向けで倒れているエミヤンに近づいた。

ア「…どうして攻撃してこなかったの?」

するとエミヤンは、私の顔を見ながらニコッと笑った。

エ「好きな女の子を攻撃なんて、俺にはできねえよ。」

ア「そんな、負けたら諦めるんだよ?!…エミヤンはそれで良いの?」

本当は私なんてどうでもいいのね。
そう思っていると、エミヤンが私の頭を小突いた。

エ「好きだからこそ、傷つけたくないんだ。」

エミヤンのその言葉に、私は顔を真っ赤にしてしまった。
戦いには勝ったものの、エミヤンの思いに負けてしまった。
私は仰向けで寝ているエミヤンの頭を、自分の膝に乗せた。

エ「ア、アイ?!」

私が膝枕をしたから、エミヤンはびっくりしたようだ。

ア「今回だけよ、次もこんな事したら本当に諦めてもらうからね!」

エミヤンの頭から湯気が昇った。
そして意識を失ったらしく、数名呼んで部屋まで抱えていった。
皆が出て行ったのを確認して、私はエミヤンの額にキスをした。
やふやふさん達みたいに私よりも強くなって、今度は言葉以外で私を倒して。
私はそう願った。





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最終更新:2008年04月04日 16:54