貴方には帰りを待ってくれている人はいますか?
それとも、誰かの帰りをまっていますか?
それは、大切な家族? 友人? それとも恋人?
今日は雨、しとしとと音を立てて一日中降り続いてる。
雨は余り好きじゃない、いい思い出と嫌な記憶が蘇るから・・・・・・・・。
「今日はもうしめるか・・・。」
中央大陸で大規模な戦闘があるため兵士の殆どが戦地に赴いている。
こんな日は客の入りも悪い。
なんと言っても兵士相手の商売なのだから。
店を閉める準備をしているとドアのカウベルがカラコロとなり、来客を告げる。
入り口には1人の少女が佇んでいる。
その少女はフードを深く被り雨の中を走ってきたらしく息が荒い。
「すみません、もう閉店ですか?」
濡れたフードを脱ぎながら少女は困惑したように問う。
フードの少女は確か、うちの店の前を溜まり場にしている部隊の隊長やふやふだった。
「いや、まぁこんな天気だし、それに兵士は皆中央大陸に行ってるもんだとおもってね。
寒いだろうし早くはいりなさいな。」
そうやり取りしてる間にまた別の来客が現れる。
「ふぃ~、びしょぬれですよ。ささ、やふさん奥で温まりましょう、何でしたら
一緒におふ(ry」
などと、勝手に話しを進めてる。
この子も店先を溜まり場にしてる、AtlacHなんとかって言ってたような。
店先でたまに訳の判らない話しをしている子だ。
二人にタオルを渡し、濡れた頭を拭くよう促す。
ここで、追い出して風邪でもひかれたら寝覚めが悪い。
暖かい飲み物を準備している時にAtlacHなんとかが私に声を掛けてくる。
「そだ、この間カモ(ミール)さんに聞いたんですけど、レッセンさんって元々カセの兵士だたって。」
「ん? まぁ、元だけどね、元。」
「ほうほう、元兵士っと。c⌒っ*゚д゚)φ メモメモ...」
「こらこら、別にメモとるほどでもないでしょうに。」
やふやふがたしなめる。
「え~、でも良いネタだと思うけどな~。まぁいいや、んでレッセンさん何か面白い話しないの?」
まったく人の話を聞いていない。
しかし、雨の音が人をセンチにでもしてしまうのだろうか?
まさかあの頃の話をしてしまうとは、今は激しく後悔している・・・・・・・・・・・・・・・。
~数年前~
「よぉ、レッセン。今度はシディトだって?」
そう、声を掛けてきた戦士は私の所属する部隊の長兼恋人のルークだった。
「ん? ああ、そうだけど、それが何か?」
本当は声をかけられて、飛び上がるほど嬉しいくせに何故か不機嫌に答えてしまう。
そんな、性格に嫌悪。
「い、いやな・・・・その・・・・・・。」
私が不機嫌と感じたルークはしどろもどろになる。
「何? はっきり言いなさいよ、男でしょ!!」
煮え切らない態度に少しいらつきながら、シディトから帰った時には少し素直になろうと考えてたりする。
「いや、今話すことじゃない、レッセンが帰ったときに話す・・・・だからちゃんと帰って来い。」
どうもはっきりしない、この人はこんなにはっきり物を言わない人だったろうか?
「ふん、私を誰だとおもってるの、無傷で帰るなんて余裕だよ。」
そんな、強気な台詞を聞いてかルークは方の力を抜き安心したようだ。
「そうだな、その強気があればどうにでもなるな。」
「それじゃ、私は準備があるから、話しの続きは帰ったあとで。」
「ああ、それだけ自信があるなら安心だ、気をつけて行ってこい。」
ルークは心配性な所がある、そんな性格もひっくるめて好きなのだから、私の物好きにも困ったものだと
思いながら、準備のために自室に向かう。
~シディト水域~
自陣の前にカセドリアの兵士が集う。
斥候の話しによると相手もどうやら精鋭を集めてきたらしい。
どうも、目標がお互いに被ってるらしい、これは激戦になるに違いないと考えつつ、
PTの仲間と作戦を考える・・・・・・・・・・・・・。
私の部隊に下った作戦は僻地にあるクリスタルの確保。
前線に比べ戦闘は激しくないが、少数での行動になるためその分危険も増す。
私的には前線にでて魔法を撃っていた方が性に合ってるのだが、自国を勝利に導くには個を潰し
命令に従わなければならない。
PTとの打ち合わせも済み、開戦を待つばかりの私達に豆が号令をかける。
「ここに集まった精鋭達よ、カセドリアに勝利を!!ヽ(`Д´)ノ」
そして開戦、私達PTは指定された座標にあるクリスタルの確保のために走る。
PTは私(火皿)、キング(両手ヲリ)、ポーン(短スカ)、ナイト(片手ヲリ)、クイーン(氷皿)
で構成されている。
目的のクリスタルに到着直後、PTリーダーである私は仲間に指示を出す。
「キングはスカフォの建設を、ポーンはハイドして周囲の警戒、私とクイーンはクリスタルを回収して
オベを建設します、ナイトは私達二人の護衛を。」
それぞれれが自分の役割を確認し、各位置へと移動する。
敵影はまだ見えない、領域を確保するのは今のうちだ。
支配領域を広げればそれだけ戦闘が楽になるし、早く終結する。
ルークに早く会いたい気持ちを抑えつつ、自分に与えられた仕事をこなす・・・・・・。
どれ位の日数が経ったのだろうか?
報告によると前線は戦力が均衡して決定打に欠けているらしい。
早く首都に戻って、ルークに会いたい、話しをしたい。
更に数日後。
膠着状態の戦場に変化が起きた、カセドリアのキマイラのFBが成功した。
これを機にカセドリア軍が一気に攻勢に回り、戦争は終結した。
私は豆の兵士達を労う声もそこそこにルークの待つ首都行きの船に飛び乗った・・・・・・・。
~?~
それは、そこに佇んでいた。
最初からそこにいたのか?
それとも、どこからか来たのか?
それも、それ以外のものも真実は知らない。
ただ、一つだけ確かなことは、それは生あるもの全てを憎んでいると言うこと。
そう、そこに存在する人間、モンスター全てを・・・・・・・・・。
~首都 アズルウッド~
私は数週間の船旅を終えて、久しぶりの首都の土を踏む。
今回の目標戦はかなり長く、移動期間を含めると実に1ヵ月半近くかかっている。
ルークは約束を覚えてるだろうか?
優しく微笑んで「おかえり」と言ってくれるだろうか?
その時、私は素直に「ただいま」といえるだろうか?
はやる気持ちを抑えて何時もの溜まり場に向かう・・・・・・・・・・・。
ドアを開け何時も集まってるテーブルへ、そこには今回留守役だった、ビショップが1人座っていた。
「ああ、レッセンお帰り、目標戦ご苦労様でした。」
「ビショップ、ルークは?」
私はそこに居る筈の人物を探す。
「ん、ルークは・・・・。」
どうも、歯切れが悪い。
何時もなら自分の意見ははっきり言うタイプなのに。
ビショップは何か考えているようで、溜息を一つつきいを決したように私の目を見た。
「レッセン、落ち着いて聞いてください、今ルークは消息不明です。」
「えっ?・・・・・いまなんて?・・・・・・冗談としては笑えないよ、そんなの。」
「いいえ、決して冗談の類ではないです、レッセン達が目標戦に向かった頃、ネツの別同部隊がラインレイに
侵攻、それを排除するためにルークや私達が防衛に向かいました・・・・・・・。」
ビショップが言うには、ネツがラインレイに侵攻、防衛にでたルークが新兵を助けるために1人戻り
その後の消息が掴めないらしい。
一方、助けられた新兵の証言によるとルークはネツの兵士と一緒に谷に落ちたらしい。
「それで、捜索はだしたの?」
「ええ、捜索は出しましたが消息は掴めず、今となっては生きているかさえもどうかと。」
妙に、冷静なビショップに苛立ち怒りをぶつける。
「なっ、なんで貴方はそんなに冷静でいられるの!!私達の部隊の隊長が行方不明なんだよ?
どうして、見つかるまで捜索しないの?」
「良いですかレッセン、私は隊長不在時に部隊を預かる責任があります、幾ら部隊長が消息不明でも
今現在の部隊の被害を最小限にしなけれいけません、それに今、ラインレイはネツの支配下にあります。」
「そう、わかった・・・・・貴方の意見には納得しました、これ以上は部隊に被害を出したくないと。」
「端的に言うとそうですね。」
ビショップが淡々と答える。
「なら私は部隊を抜けてルークを探します。」
ビショプは表情を変えずに。
「そうですか、今貴方が抜けてしまうと部隊としては大幅に戦力が下がりますが、一度決めた事を曲げない
性格は理解しています、では部隊章を預かります。」
私は左肩に付いた部隊章を外し、テーブルに叩き付ける様にビショップに渡し一言。
「私は、貴方のその小を捨て大を取る性格が大っ嫌いでした。」
「fm、レッセン私は貴方とは仲良くやっていけると思いましたが・・・・・。」
「それでは、私は個人としてルークを探します、それではごきげんよう。ノシ」
怒りを顕に出て行く私の背中に向かってビショップが一言。
「レッセン、貴方はソーサラーとして一つ大事なことを忘れています、目の前の事だけではなく全ての事象
に耳を傾けなさい、そうしないと大事なものと気がつかずに通り過ぎてしまいますよ。」
私は返事もせず溜まり場を出た、ラインレイに行ってルークを探さないと・・・・・・・・・・・・・・。
~?~
それは、餓えていた・・・・・・。
生への渇望、憎しみ、矛盾。
今日も多くの命あるものを屠った。
命の消えたゴブリンの目は、自分の体がそれに咀嚼されている様を冷たく見つめている。
それの行動原理は憎しみと餓えの二つ。
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~ラインレイ~
ラインレイに着いて、まず助けられた新兵の話しを元にポイントを絞り探索する。
ラインレイにはネツの駐留部隊は発見できず、捜索もなんとかなりそうだ。
しかし、ポイントを探しても見つからない、焦る。
今日は、もう少し安全な場所を探しキャンプをはり明日はもう少し奥まで探しに行ってみよう。
ルークは生きている、そしてどこかで救援を待ってるに違いない。
くじけそうな自分に言い聞かせる。
夜更けから降り続いてる雨が鬱陶しい。
今日も、ルークの探索を続ける・・・・・・・・・・・・・。
もう、日が落ちてからずいぶんと時間が経っている。
今日の捜索を諦めてキャンプに戻ろうとした時、背後から異様な気配を感じた。
私は杖を構え振り向くとそこには一体の死にぞこない(ゾンビ)が居た・・・・・・・・。
~死にぞこない~
ある日、死にぞこないは今までと違った命を感じた・・・・・・。
溢れる生命力、憎い・・・・・・・。
死にぞこないはその命の後を追った。
死にぞこないは見つけた、命は振り返り杖を構える。
死にぞこないは己の中にある殺戮衝動と憎しみを声にならない音を放つ・・・・。
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~レッセン~
まずいのに見つかってしまった、ゴブリン等は初級魔法で脅せば逃げて行ったが。
ゾンビは意識がない分幾ら攻撃しても進んでくる、氷系の魔法を習得してない自分を呪う。
無造作に両手に構えた斧を振り下ろす。
ステップで攻撃をかわし、詠唱を始める。
詠唱といっても呪文を長々と唱えるわけではない。
レッセンの場合は意識を切り替えるだけ、中には一々呪文を練る物もいるようだが戦場ではそれが命取りに
もなる。
意識を魔法にシフト。
ランス、ランス、ランス・・・・・・・・。
ゾンビに向かい、ありったけの精神力をつぎ込みファイアランスを叩き込む。
しかし、ゾンビは一向に怯む様子もなく一直線にレッセンに向かってくる。
「・・・・・・・・・セ・・・・・・セン・・・・・・・・・・・。」
「タ・・・・・・・コロ・・・・・・・。」
レッセンの頭に誰かの声が響く。
不意に、別れ際に聞いたビショップの声がリフレインする。
「全ての事象に耳を傾けるか・・・・・・。」
レッセンは意識を声に向ける、声の主は今まで探していたルークのものだった。
「レッセン、お願いだ俺を止めてくれ、君を殺したくない・・・・。」
!! 目の前にいるゾンビはルークの成れの果てなのだろうか?
なおも、ルークの声は続く。
「レッセン、もう限界に来ている・・・・俺の意識があるうちに止めを・・・・・。」
無理だ、幾ら姿が変わっても最愛の人を手にかける事はできない。
このまま、ルークの手にかかって永遠を手に入れるのも悪くない・・・・。
「タ・・・・・・・コロ・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・セ・・・・・・セン・・・・・・・・・・・。」
「う、うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~」
絶叫、私は自分の持てる魔力を込めて火皿最大の魔法をルークに向かって撃つ。
ヘルファイアの轟音のなか、ルークが崩れていく・・・・・・。
「レッセン、すまない君に辛い選択をさせてしまった。」
ルークの幻がレッセンに告げる。
「俺はもうすぐクリスタルに戻らないといけない、クリスタルから君の事を見守っているよ
約束は果たせなかったけど、愛しているよ。」
ルークの幻がクリスタルの方へと流れていく。
ルークの居た跡に一つの指輪が残っていた。
最大の炎で焼かれても原型を残したそれは、ルークからレッセンに送るはずだった約束の指輪。
レッセンは指輪を握り締め雨に濡れながら泣き崩れた・・・・・・。
~宿~
「まぁ、そんなとこさね。」
レッセンはやふやふ達に話しの終わりを告げる。
「それで、その後レッセンさんは部隊に戻ったのですか?」
瞳に涙を溜めながらやふやふが問う。
「いや、戻らなかったよ、なにせその件の後まったくと言っていいほど魔法が使えなくなったからねぇ。」
まるで、他人事のように淡々と話す。
「まぁ、私の力はルークの魂を救う為にあったんじゃないか? そう考えたほうが私も救われるさ。」
やりとりしている二人の間に寝息がひとつ・・・・・・・・・・
zzzzzzz~
「そんなことないですよ~。皆、レッセンさんの事好き好きなのれす~ムニャムニャ」
「この子は自分から話しを聞きたがってた癖に寝るかねwwwwww」
苦笑混ざりにレッセンはアトラクナクアを見つめる。
「もう、あ~ちゃんは自分から聞きたがった癖にレッセンさんに失礼すぎますo(`ω´*)oプンスカプンスカ!!」
「まぁまぁ、おこちゃまに退屈な話だと思うから気にしなくていいよ。」
「えっ、でも・・・・・・。」
困惑するやふやふ。
「さて、貴方達はもう少し休んでいく? 私は雨が上がったみたいだからちょっと外の様子でも見てくるよ。」
「え? あ、はいお言葉に甘えて。」
「もう少し待てば他の仲間とかも来るかもしれないしね、それまでゆっくりしてればいい。」
そう告げるとレッセンは店の外へと足を向ける。
外はさっきのまでの雨が嘘のように満天の星を携えている。
ふと、夜空に目を向けるレッセン。
ワタシハココニイルカラ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
終わり
最終更新:2008年04月22日 00:21