アットウィキロゴ
一周年記念SS
アマテラス






ある雨の強い日だった。
突然の雨に、私は近くの木の下で雨宿りをする事にした。
木の近くまで行くと、先に男の人が雨宿りをしていたようだった。

や「一緒に雨宿りをしても良いですか?」

?「……。」

私が近づくと、黙って少し横に動いた。
雨宿りをしながら、その人を見ていた。
歳は私と同じくらいかな?
じっと下の方を向いて居る。
目に生気が無く、今にも死にそうな感じすらあった。

や「よく降りますね。」

?「……。」

少しでも会話をしようと色々話しかけるが、ずっと黙っていた。
そうこうするうち、不意に2.3人くらいの人が走ってきた。
雨宿りかな?
足音に気付いたのか、男の人は木に登って身を隠した。
走って来た人達は私に近づくなり、唐突に話しかけてきた。

「この辺りに男が居なかったか?」

まさか、この人達に追われてるのかな?
私が黙っていると、また話しかけてきた。

「じゃあ、この辺りで男を見なかったか?歳はあんたと同じくらいなんだが。」

や「…いえ、さっきからずっと一人で雨宿りしてましたよ。」

私は咄嗟にそう答えた。
何か、嫌な予感がしたからだ。

「…そうか。もし見かけたら、すぐに知らせるように!」

そう言うと、その人達は走って行った。
見えなくなるのを確認して、私は声をかけた。

や「あの人達は行っちゃいました。出てきて大丈夫ですよ。」

すると、さっきの男の人が降りてきた。

?「何で…此処に居るって言わなかった?」

私の近くに来るなり、不思議そうな顔で言ってきた。

や「別に、私の勝手でしょう?」

?「…そうか。」

や「ここではまたさっきの人立ちが来るかもしれないから、付いて来て。」

私は彼を連れて、宿舎に向かった。
宿舎には、私の部隊員や知り合いが多く集まっていた。

二「隊長、誰だそいつは?」

や「えっと…知り合いだよ。理奈ちゃん、タオルを2枚持ってきてくれる?」

理奈ちゃんにタオルを2枚持ってきてもらった。

理「はい、どうぞ。」

タオルを受け取ると、1枚を手渡した。
私達がタオルで服などを拭いていると、突如宿舎の扉が開いた。
入ってきたのは、先ほど彼を探していた人たちだった。

「先ほど此処に男が入ったという情報が入ったが、怪しい男が来なかったか?」

彼はちょうど頭を拭いていたため、気付いていないようだ。

二「怪しいっつか、知らない男ならここに居るぜ。」

不意にニッシンさんが彼を指差してそう言った。

?「…ん?」

タオルを頭にかけたまま、彼がこちらに向いた。
そしてこの人達に気付いたのか、顔を背けた。

「む、怪しい奴だ。ちょっとこっちを向け!」

私は二人の間に入った。

や「ま、待ってください、この人は私の知り合いなんです!」

しかしこの人達は、私が言った事が信じられないといった感じの顔をしている。

「本当に知り合いなのか?それならば、この男の名前は何と言うのだ?」

名前なんて、聞いてないから分からないよ…。
すると、彼がタオルをはずしてこちらを向いた。

「貴様ッ!」

この3人が驚いている間に、彼は外に出て行った。
そして、追手の3人も彼を追って外へと走っていった。





……数日後。
私は部隊員3名と共に、シディット水域に向かった。
カセドリア連合王国の領土に、ネツァワル王国が攻めてきたのだ。
最初に小競り合いをしたかと思うと、ネツァワル王国軍が撤退していった。

恋「罠かもしれないね。」

や「そうですね。警戒しつつ、前進しましょう。」

他の味方と一緒に前進していると、私だけ少し遅れてしまった。
敵は遠くに居るから大丈夫だろうと思っていると、突然後ろから敵のスカウトが現れた。
まさか、パニッシングストライク?!

「油断大敵だぜ、ソーサラーさんよ!」

ソーサラーの私では、一撃で死んでしまう攻撃である。

や「こんな所で…。」

もうダメだッ!
そう思って目を瞑っていると、何時まで経っても斬られた感じがしなかった。
もしかして、私はもう死んでるんじゃないのかな?
そう思って目を開けると、さきほどのスカウトが倒れていた。
そして、あの男の人が立っていた。

?「敵が遠くに居るからって、油断するのはどうかと思うぜ。」

や「……貴方が助けてくれたの?」

私がそう言うと、急に顔を背けた。

?「この前の礼を返しただけで、別に感謝されることじゃない。」

それだけ言って、何処かに行こうとした。

や「待って。」

呼び止めると、背を向けたままで話しかけてきた。

?「俺と一緒に居ると、あんたにまで迷惑を掛けちまう。」

彼が立ち去ろうとした時に、部隊員の皆が来た。

二「何してるんだたいちょ…ってまさかスカウトに襲われたのか?!」

何時まで経っても私が来ないので、部隊員の皆が私の所まで戻ってきたらしい。

や「うん…でも大丈夫、助けられたから。」

二「助けられたって、こいつにか?」

ニッシンさんが彼を指差して言った。

や「ニッシンさん、私を敵のスカウトから助けてくれた人に対して、こいつとは何ですか?!」

ヌ「それはそうだけど、だったらどうして立ち去ろうとするの?」

?「別に文句を言われる事をした覚えは無い。」

恋「味方を助けたのに、その味方に背を向けるの?」

?「別に、面と向かってないと話せないって訳じゃないだろ。」

皆の言葉に対して、無愛想に返事をする。
そしてそのまま立ち去ろうとする彼に対し、私は大きな声で叫んだ。

や「私達は何時もは宿舎に居ます。まだ結成したてで人も少ないですけど、
  立派な部隊にしたいと思っています。
  もしも部隊に入ろうと思ったなら、何時でも宿舎で待ってますからッ!」

私の声が届いたのか、彼が脚を止めた。
そして、一度振り返ったかと思うと、また走り去ってしまった。

二「ここも危なくなってきたな、早めに撤退しようぜ。」

や「…そうですね。」

ニッシンさんの言った時には、反撃にでたネツァワル王国軍が遠めに見える位だった。
私達はそのまま撤退し、カセドリア連合王国軍はシディット水域から撤退した。
カセドリア連合王国軍の撤退により、この戦争に幕が下りた。





……それから数日後
いつもの様に散歩に出ようとすると、宿舎の前に誰か居た。
その人は、あの時の彼だった。
私は少し驚いた。
まさか、本当に来てくれるとは思わなかったからだ。

や「あ、あなたは。」

?「…あのさ、あんたや、あんたの部隊員に迷惑を掛けるかもしれないけど、
  こんな俺で良かったら……あんたの部隊に入れてくれないか?」

私が言った事を、覚えててくれたんだね。
私は嬉しくなった。

や「迷惑だなんて、貴方にも色々と事情があるんでしょう。それを詮索する気はありません。
  あ、それと、私の名前は「あんた」じゃなくて「やふやふ」です。…貴方の名前は?」

?「名前…、俺の名前は」






「…………さ…、や…………ん、や…やふ……。」

誰かが私を呼んでいる気がした。

理「やふやふさんッ!」

や「は、はい!?」

私は飛び起きた。
何時の間にか机で寝ていたようで、懐かしい夢を見ていたようだ。
思い起こせば、あの時は数名しか居なかった部隊員が、今では100名近く居る。
戦争が終わったわけではないが、皆毎日を楽しく過ごしている。

理「起きられましたか?アマテラスへの入隊希望者が居るので、集会所まで行ってください。」

入隊希望者?
そういえば今日は、新しく兵士になる人が来る日だったね。
私は急いで集会所に向かった。
集会所の扉の前で一度深呼吸をして、それから扉を開けた。
日々を彩る光、すべてを照らす…天をも照らす光。

や「初めまして、私の名前はやふやふ。 カセドリア連合軍所属部隊アマテラスの隊長です。」






一周年記念SSと呼べるかは謎だが、一周年おめでとう>w<ノ byスモーキー


タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2008年05月21日 18:49