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第9話 師弟




やふやふさん達が優勝したという事で、宿舎の集会所で祝勝会を開く事になった。

べ「私達も飾り付けの手伝いをしましょう。」

教官達が祝勝会の飾り付けをしているのを見て、ベルクさんはそう言った。

沙「…ごめん、私ちょっと散歩してくるね。」

決勝の試合が準決勝の様な試合だったなら、私も一緒になって飾り付けをしただろう。
しかし今の私は、とてもそんな気分にならなかった。
私が集会所から出ようとすると、張文遠さん達が入ってきた。
張文遠さんは、出て行こうとしていた私に気付いて話しかけてきた。

張「む?これから祝勝会と聞いたのだが、何処かへ行かれるのか?」

沙「……まだ時間があるみたいなので、ちょっと散歩でもと思いまして。」

張「ふむ。そなたの心に宿るのは、繊細な獣の様だ。」

の「張さんッ!」

張「これはご無礼を、ただの独り言ゆえ、御気になさらぬよう。」

張文遠さん達が一礼して皆の方へ行った。
向かう途中でシャーウッドさんだけ戻ってきた。

シ「あ、そうだ。外に行くなら言伝を頼めるかしら?」

沙「はい?」

シ「スモーキーさんに会うことがあったら、頼まれた物が入手できたって言って。」

沙「…分かりました。」

それだけ言うと、シャーウッドさんも皆の所に向かった。

集会所から出ると、ゼノ君が何故かフェアリー姿で剣心さんに連行されていた。

剣「早くしないと祝勝会始まっちゃうでしょ!」

ゼ「だからって何で僕がフェアリーなんですか?!」

剣「それは…隊長の希望だから!」

そんな事を言いながら、剣心さんは無理やりゼノ君を集会所に連れて行っている。
二人が入ると同時に、集会所が騒がしくなった。
私は足早にその場を後にした。





宿舎を出ると、満天の星空が見えた。
私が宿舎近くの木下で空を見ていると、不意にスモーキーさんが現れた。

ス「祝勝会に出ないで、こんな所で天体観測か?」

沙「それはこっちの台詞です。スモーキーさんこそ祝勝会に出ないんですか?」

ス「あんなもんで祝勝会なんて、俺はそんな気分にはならんな。」

あんなもの……、やはりスモーキーさん達には退屈でしかなかったんだね。

沙「私……ダメでしたね。
  3ヶ月訓練してあれじゃ、一人前の兵士になんてなれるわけ無いですよね。」

私が弱音を吐くと、スモーキーさんが私に近づいてきた。
そして私の近くまで来ると同時に、私の胸倉を掴んできた。

ス「お前…舐めてんのか?
  たった3ヶ月しか訓練してねえ新兵が、一端の口をたたくんじゃねえ!
  俺達が最初から強かったとでも思ったか?!」

そうだ、スモーキーさんや他の教官の人達は、何年も戦場に行ったり、訓練をしたりしてたんだ。
それを、たった3ヶ月しか訓練していない私達が勝てるはずが無いんだ。

沙「私…、私、頑張ります。いつか、スモーキーさんと対等に戦えるように。」

それを聞くと、スモーキーさんは私を掴んでいた手の力を緩めた。
そして、その手で私の頭を撫でた。

シ「おやおや、これはお邪魔しちゃったかな?」

何時の間にか、私達の近くにシャーウッドさんが居た。
…あ、言伝を頼まれてたんだった!

ス「頼んだものが手に入ったみたいだな。」

シ「結構苦労したのよ。これは報酬を倍にしてもらわないと割に合わないかなってね。」

ス「…ったく、ほらよ。」

スモーキーさんが、シャーウッドさんに袋を渡した。
シャーウッドさんは袋の中身を確認して、自分のバックから何かを取り出した。
赤い首飾りのような物が見えた。

沙「スモーキーさん、何ですかそれ?」

ス「これか?これはドラゴンソウルだ。…まあ、お守りみたいなもんだ。」

沙「お守り…ですか。」

スモーキーさんでもお守りなんて持つんだね。

ス「沙羅、ちょっと後ろを向いてみろ。」

言われた通りに後ろを向くと、スモーキーさんがドラゴンソウルを私の首にかけた。

沙「え?これはスモーキーさんが頼んでいた物じゃ?」

ス「俺はもう持ってるから、これはお前にやるよ。」

シ「…私はお邪魔そうだから、集会所に戻るね。ゼノ君が凄い事になってると思うし。」

そう言うと、シャーウッドさんは宿舎の中に入っていった。
ゼノ君がどんな状況なのか、言われなくても分かる気がした。
ゼノ君、強く生きて。
夜空には相変わらず綺麗な星空が見えた。

沙「星が綺麗ですね。」

ス「あの星達みたいに、お前達が早く光輝くのを期待してるぜ。」

沙「ど、どうしたんですか?!スモーキーさんらしくない言葉ですね。」

私は驚いた。
何時ものスモーキーさんからは想像もできない言葉だったからだ。

ス「……だな。ちょっとかっこつけてみたんだが、やっぱり俺には合わないな。」

沙「そうですよ、スモーキーさんは何時もの豪快さを出して良いんですよ。
  だから、このお守りも返しますね。」

ス「それはお前にやるよ、俺も持ってるから。」

そう言って、スモーキーさんは自分が持っているドラゴンソウルを見せた。

沙「でも、それじゃ悪いですよ。」

私が言うと、スモーキーさんは笑いながらまた頭を撫でてきた。

ス「お前が決勝まで勝ち進んだご褒美だ。さてと、俺はそろそろ寝るとするぜ。」

そう言って、スモーキーさんは宿舎の中に入っていった。


私は少しの間その場に居て、空を見ていた。
何時か私も、あの星みたいに輝いてみせる!











久しぶりの執筆だから話が変になってるかもw byスモーキー

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最終更新:2008年06月19日 11:07