シュリッツ城騒然
父上は教官が拘束されているとの事で、アズルウッドに向かわれた。
使用人達に昨夜賊に荒らされた場所等を清掃させた。
夕食時だった。
不意に賊が攻めて来たという報告が来た。
父上が居ない今、兵士の指揮を取るのは私だった。
べ「とにかく城門を硬く閉じて!各国に賊徒襲撃の報をッ!
時期に援軍も来るでしょう。それまで耐えるのですッ!!」
兵「了解ッ!」
しかしその時だった。
どうやら城内に内通者が居たらしく、いとも簡単に城門が開いた。
兵「如何いたしましょう?」
べ「侵入されては仕方ありません。迎え撃ちましょう!」
兵「分かりました。王女様は安全な場所へ!」
べ「私は逃げません。傭兵王の娘として恥じない戦いをしてみせます!」
兵「しかしもしもの事があってはいけません!」
べ「……分かりました。皆さん、生きてください!」
兵「了解!全兵士に告ぐ、賊を迎え撃てッ!」
「「「オーッ!!」」」
私は隠し部屋に走った。
本当は私も戦いたかった。
しかしもしもの事があったとしたら、それはシュリッツ城の負けを意味する。
謁見の間の王座に近づき、壁に隠されたボタンを押す。
すると、隠し部屋への扉が開いた。
私はそのまま隠し部屋に入った。
私が入ると、扉の役割をしている壁が閉まった。
これでこの部屋は完全に隔離される事になる。
この部屋には、シュリッツ一族に代々伝わる武器や宝等も隠されている。
食料もあり、一週間くらいなら篭城できるようになっている。
私は沙羅さんに助けを求めた。
べ「沙羅さん、聞こえてますか?聞こえたら返事をしてください!」
沙「な、何、どうしたの?!」
べ「やられました。まさか今夜も賊が来るなんて…。」
沙「賊が?!ベルクさんは大丈夫なの?」
べ「父は出て行ってるので、城の兵士だけでは無理です。
今は隠し部屋に隠れていますが、このままでは見つかるのも時間の問題でしょう。
沙羅さん、助けてッ!」
沙「分かったから落ち着いて。必ず助けるから!」
誰か……助けて。
その時だった。
?「見ーつけた。」
不意に壁の向こうで声が聞こえた。
まさか、この隠し部屋が見つかるなんて事が?
?「ボタンは何処かしら?…面倒だし、壊しちゃえ。」
そう言い終わると、壁が物凄い音と共に崩れ落ちた。
べ「そんな…、ありえない。」
そこには昨晩襲ってきたアトラクナクアと呼ばれた女性が立っていた。
アト「兵士にだけ戦わせて、王女は一人だけ隠れちゃうの?
これがあの傭兵王の娘だなんて、世間が聞いたら幻滅しちゃうわ。」
べ「…ッ!彼の者を凍らせよ、アイスジャベリンッ!」
アイスジャベリンは紙一重で避けられた。
そして、一瞬にして私は隠し部屋から王座の前まで連れて行かれた。
アト「貴方には死んでもらうと困るのよ。だからちょっと大人しくしててもらうわ。」
そう言って、私を縄で縛った。
その後に、アトラクナクアは父上だけが座る事を許される王座に座った。
アト「…さあ、早く来てよ。私の気が変わる前に。」
まるで誰かを待っているのかのように王座から謁見の間の扉を見ている。
しばらくすると、謁見の間の扉が開いた。
其処には…、教官が立っていた。
べ「教官は軍法会議にかけられて拘束中のはずでは?!」
アト「レディーを待たせるなんて、紳士のやることじゃないわよ。」
ス「…賊は全員殺した。残ってるのは、お前だけだ。」
アト「あら、そうなの?あの賊達は弱くてつまらなかった?」
ス「あれぐらいなら例え1000人居ようが負ける気はせん。」
すると、アトラクナクアはクスクスと笑い出した。
アト「…まったく、昔の仲間が呼んでるのにどうして人間の味方をするの?」
ス「それを聞いてどうする?」
アト「別に、言いたく無いならそれでも良いけど。
でもこれだけは忘れちゃダメよブルー、貴方は私達の仲間って事を。」
そう言うと、アトラクナクアは姿を消した。
それを確認したのか、教官が近づいてきた。
そして、私を縛っていた縄を解いた。
ス「怪我は無いか?」
べ「教官は、アトラクナクアの仲間なんですか?!」
私の問いに対し、教官は無言だった。
べ「無言は肯定と受け取りますよ!」
すると、教官が重い口を開いた。
ス「…確かに、俺とあいつは仲間だ。しかし、こうゆう関係の仲間じゃない。
もしそうなら、お前を助けに来たりはしない。」
べ「昔のっと言っていました。それでは、既に離反したという事なのですか?」
ス「おしゃべりはそこまでだ。俺は今から首都に戻る約束なんでな。
お前の父親には感謝するぜ、これで刑罰もチャラだからな。」
そう言って、教官は謁見の間を出て行った。
私も後を追ったが、扉を開けても教官の姿は無かった。
代わりに、隊長さん達が立っていた。
や「大丈夫でしたか?!」
べ「…はい、先ほどスモーキー教官に助けられました。」
張「スモーが此処に?」
二「おいおい、拘束されてるんじゃなかったのかよ。」
や「ともかく、無事で何よりです。賊も全滅してたみたいですし、宿舎に帰還しましょう。」
張「御意。」
隊長さん達は扉にクリスタルを付けると、何処かに消えていってしまった。
私は城の兵士達を集めるなど、戦後の処理を行った。
城の兵士で負傷した者は僅かだったらしい。
しかし、口々に怪物や化け物が出たと言っている。
教官はアトラクナクアの仲間?
それでも、2度もこの城を救った。
……この事は他の人には内緒にしておいた方が良さそうですね。
そんな時、沙羅さんが話しかけてきた。
私は自分が無事なのと、今は忙しいとだけ伝えた。
教官の過去に、いったい何が……。
最終更新:2008年10月04日 11:16