第11話 光と闇の狭間 後編
始まりの大地に向かう途中で、ユグドラさんを見つけた。
ユ「ついに、ここまで来てしまったのね。」
沙「はい。世界に平和を齎すために、私達は始まりの大地に行くんです。」
ユ「…そう。ブルーはこの先に居るわ。でも、貴女にブルーが倒せるかしら?」
佐「魔物を操って人を殺すブルーヘクサなんかに、お姉ちゃんは負けない!」
佐紀の言葉を聴くと、ユグドラさんは佐紀を睨み付けた。
私は咄嗟に、佐紀とユグドラさんの間に入った。
そんな私を見て、ユグドラさんは何時もの表情に戻った。
ユ「……今の貴女にブルーは倒せないわ。」
沙「確かに、力の差はあると思ってます。だけど」
ユ「力の差だけで、貴女がブルーを倒せないと言った訳じゃない。
貴女にブルーは斬れない。でも、ブルーは貴女を斬る事が出来る。
ただそれだけよ。」
言い終わると同時に、ユグドラさんはクリスタルを取り出した。
そして、眩い光と共に姿を消した。
私がスモーキーさんを斬れない?
力の差だけでは無い何かがあるのかもしれない。
でも…。
沙「負けられない。」
私は世界に光を齎す者。
世界に平和を齎す為にも、スモーキーさんは倒さなければいけない。
始まりの大地に着くと、魔物達は既に陣を敷いているようだった。
他国からの伝令によると、魔物達は始まりの大地中心部を中心に円陣を敷いているらしい。
……守りは堅そうだね。
ウ「弓兵は魔物達に対して攻撃を仕掛けよ。」
傭兵将軍ウィンビーンの指揮により、まず弓兵が魔物達に矢を放った。
すると、円陣を敷いていた魔物達がこちらに向かってきた。
ウ「弓兵はそのまま矢の雨を降らせよ。歩兵は向かってくる魔物達を迎え撃つのだ!」
複数のマーキスオークがこちらに向かってきた。
私はルグナサドを構え、横一文字に振った。
すると、向かって来ていたマーキスオークのほとんどが真っ二つに斬れた。
辛うじて立っているマーキスオークも、佐紀が止めを刺した。
佐「お姉ちゃん以外には負けないように頑張るから!」
そう言って、横に居たマーキスオークを殴り飛ばした。
これでこちらに向かってきた魔物達は全滅だね。
その後も押し寄せてくる魔物たちに対し、魚鱗や鶴翼等の陣形で迎え撃った。
気がつくと、始まりの大地中心部への道を塞いでいた魔物達は居なくなっていた。
ウ「このまま中心部へ突撃するのだ!」
「「おぉーッ!」」
中心部への道が開かれたと言う事で、味方は我先にと突撃していった。
?「プラナバーストッ!」
謎の声と共に、味方の兵士が次々と空へ飛んだ。
いや、大地から衝撃波の様なものが出て、それで弾き飛ばされたのだ。
そしてかなりの高さから地面に落ちてきた。
今のでカセドリア軍の四分の一がやられた様だ。
佐「お姉ちゃん、あそこに誰か居る。」
そう言うと、佐紀が指を指した。
佐紀が指差した方向を見ると、一人の兵士が立っていた。
最初はスモーキーさんかと思ったが、どうやら違うようだった。
両手が人の体程の大きさだったからだ。
しかしよく見ると、巨大なガントレットだった。
どうやらセスタスの様だ。
?「ここを通りたければ、この俺を倒していけッ!」
私がルグナサドを構えつつ近づくと、兵士もガントレットを構えた。
?「……お前が沙羅か?」
不意に私の名を呼ばれた。
沙「貴方もスモーキーさんの仲間なんですね。」
ヒ「俺の名はヒロ。ブルーヘクサの同士にして同志。
誰にも俺達の邪魔はさせない!」
言い終わると同時に、右手のガントレット周辺の空気が歪んで見え始めた。
何かが来る。
直感でそう感じた私は、防御体勢をとった。
ヒ「ほう、俺の気を感じるか。」
佐「お姉ちゃんには、指一本触れさせない!」
近づいてくるヒロに対し、佐紀が殴りかかった。
ヒロは避けることなく、そのまま殴り飛ばされた。
しかしヒロはすぐに立ち上がると、にやりと笑った。
ヒ「ブルー以外に俺を殴り飛ばせる奴が居るとはな。
久しぶりに本気を出しても良さそうだな。」
そう言うと、ヒロは両手のガントレットを外した。
ガントレットを外すとの同時に、ヒロの周りの空気が歪み始めた。
そして、物凄い威圧感を感じた。
まるでジャイアントと対峙しているかの様な気分だ。
私がルグナサドを構えると、佐紀が私の前に立った。
佐「こいつは私が倒すから、お姉ちゃんはブルーヘクサの所に行って!」
何を言ってるのっと言おうとしたが、佐紀の顔が本気の顔になっていた。
アト「ヒロはジャイアントとの合成魔獣。貴女には荷が重いわ。」
いつの間にか、アトラクナクアが横に立っていた。
しかし、攻撃してくる様子は無かった。
アト「何をぼさっとしてるの?ブルーを止められるのは貴女だけなんでしょ?!」
確かに今はスモーキーさんを止める事が先決だ。
だがしかし、佐紀がヒロに勝てるとは思えなかった。
私は、首にかけていたドラゴンソウルを佐紀に渡した。
沙「これは私のとても大事な物。それを少しの間佐紀に預けるわ。
いい?預けるのであって、あげたわけじゃないからね!」
佐「……うん!」
私の言いたい事が解ったのか、佐紀は頷いた。
そして私は、始まりの大地中心部へ向かって走った。
ヒロはそんな私を横目に、佐紀と対峙した。
後ろからはヒロと佐紀の怒号が響いている。
佐紀の事が心配だが、振り返る訳にはいかない。
佐紀は死ぬのを覚悟でヒロと戦うのを選んだのだ。
なら私も、覚悟を決めなければいけないね……。
~始まりの大地・中心部~
ブルーの所へ行こうとすると、不意に前方が眩く光った。
ユ「ニフィス、貴女をこれ以上進ませるわけにはいかない!」
二「姉さんがここで妨害しにくる事は計算通りです。
しかし前回の戦いで力の差は解った筈では?」
ユ「……そうね。あの時の私には、貴女が妹だという思いがあったわ。
でも今は違う。貴女はもう妹ではなく、私達の邪魔をする敵よ!」
二「面白いですね。なら、決着をつけましょうかッ!
永久に凍てつけ!ダイヤモンド・ブリザードッ!!」
ユ「望むところよッ!
地獄の炎で灰燼に帰せ!デス・フレアッ!!」
もうすぐ……終わる byスモーキー
最終更新:2010年01月29日 18:41