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ここはエイケルナル大陸のティルケット草原。
少女らしき人影が草原を走っていく。

?「ハァ…ハァ…急がなくちゃ。」

少女は酷く焦っているようだ。
カセドリア連合王国の首都アズルウッドに近いとはいえ、
モンスターは生息している。
それでも少女は走っていく。

事の発端はこうだ。
この少女の母親が、ある日突然動く事が出来なくなったのだ。
しかも厄介な事に、その病気は発病して24時間以内に治療をしないと死んでしまうというものだったのだ。
この病気を治す薬草が、首都アズルウッド近郊のティルケット草原にある事が分かり、少女がやって来たのだ。
しかし、武器も持たず、またモンスターを見た事も無い少女である。
モンスターに見つかるまいと物陰に隠れつつ、その薬草の生えている場所を目指した。
少女の名前は「沙羅」 この物語の主人公である。

沙「……あった!」

ようやく少女は治療用の薬草を見つける事が出来た。
しかし其処には、今までに見てきたモンスターよりも大きいモンスターが徘徊していたのだ。
此処ティルケット草原には、蜘蛛の姿をしたヴェノマスというモンスターが数多く生息している。
そして、それらを束ねるBOSSの様な存在のヴェノマスも居る。
少女が見つけたのは後者の方だった。

沙「どうしよう……。」

急がないと母さんが死ぬ!
そう思った沙羅は、意を決して薬草の生えている場所に走った。
しかし、その姿が運悪くヴェノマスに見つかってしまった。
もう少しで薬草を手が届きそうな少女の前に素早く移動し、
少女が気付き逃げようとするのを糸で身動きできないようにした。

沙「キャッ! 嫌だ! 嫌だああぁああああぁ!!」

食べられるッ!!
そう思い、沙羅は目を瞑った。
その瞬間、何処からか声が聞こえた。

?「真空の刃にて、彼の者を切り裂け!ソニックブームッ!!」

沙羅が目を開けると、自分を喰らおうとしていたヴェノマスが、
奇声と共に真っ二つに斬れた。

?「…だ、大丈夫か?!」

先ほどの声の主が沙羅に近づき、ヴェノマスの糸を解いた。

沙「あ…、ありがとうございます。」

?「いやいや、間に合ってよかったよ。母親を救う為に、少女が一人で薬草を取りにティルケット草原に向かったと聞いて急いで来たんだ。これがその薬草だな。 よし、帰りは私が護衛しよう。」

沙「はい、よろしくお願いします。」

その後は、モンスターに怯えずに首都への道を急いで戻った。
沙羅が持ってきた薬草により、母親は一命を取り留めることが出来た。
気付くと自分を助けた兵士が、母親が助かったのを見て去ろうとしていた。

沙「どうもありがとうございました。何とお礼を言って良いのやら。
  宜しければお名前を伺っても宜しいですか?」

?「いや、兵士としての義務を果たしたまでだ。
  それよりも、お母さんが助かって良かったな。」

兵士は沙羅の頭を優しく撫でた。
そこへ、外から伝令兵の大きな声が聞こえてきた。

「アンバーステップ平原にゲブランド帝国軍が侵攻中!
 カセドリア国軍兵士は至急集結せよッ!!」

?「…行かなきゃな。」

扉を開けて外に出てみると、数名の兵士が集まっていた。

「何してるんだスモーキー、急がないとアンバーステップ平原が占領されちまうぞ!」

一人の兵士が自分を助けた兵士に向かって言った。
この人の名前はスモーキーって言うんだ。

ス「すまんすまん。それじゃ、またね。」

沙「はい、ありがとうございます。スモーキーさん。」

沙羅は、仲間と共に走っていく恩人に手を振って見送った。
そして、将来自分もカセドリアの兵士になる事を決めた。

この話は、これから始まる物語の序章として語られる事になる。
しかしその時の沙羅には、想像する事すらできなかった。


一応序章だが、微妙なSSだと自分でも思う=_=; byスモーキー

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最終更新:2008年03月05日 11:37