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八咫烏(やたがらす、やたのからす)は、日本神話で、神武東征の際に、タカミムスビによって
神武天皇の元に遣わされ、熊野国から大和国への道案内をしたとされる三本足の烏である。しかし、三本足と明記はされていない。
概要
熊野三山において烏はミサキ神(死霊が鎮められたもの。神使)として信仰されており、日本神話に登場する八咫烏は単なる烏ではなく太陽神を意味する神聖の象徴と考えられ、信仰に関連するものと考えられている。近世以前によく起請文として使われていた熊野の牛玉宝印には烏が描かれている。
『新撰姓氏録』では、八咫烏はカミムスビの曾孫である賀茂建角身命(かもたけつのみのみこと)の化身であり、その後鴨県主(かものあがたぬし)の祖となったとする。奈良県宇陀市榛原区の八咫烏神社は賀茂建角身命を祭神としている。
咫(あた)は長さの単位で、親指と人差指を広げた長さ(約18センチメートル)のことであるが、ここでいう八咫は単に「大きい」という意味である。
戦国時代には、紀伊国の雑賀を治めた鈴木家の旗ともなっている。
金鵄との関係
八咫烏は
日本書紀や
古事記に登場するが、日本書紀には、やはり神武東征の場面で、金鵄(金色のトビ)が登場する。金鵄は、ナガスネヒコとの戦いで神武天皇を助けたとされる。
八咫烏と金鵄は、しばしば同一視ないし混同される。
最終更新:2008年07月16日 08:28