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すぺしゃるイベント第1段階 突然ですが、お見合いです~室賀兼一編~ - (2007/07/16 (月) 18:08:18) の編集履歴(バックアップ)


お見合いエントリー:3400678 室賀兼一


承前

―――南国、リワマヒ国はその夜、嵐に包まれていた。
この世ならざる奇怪な生物が誕生することを怖れるがごとく。

61707002 名も無き旅人の日誌より

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東京地区一帯を襲った嵐の止んだころ、
にゃんにゃん共和国 リワマヒ国湾岸地域。

I=D工場、別名“女神の砦”を遠くにも眺めることのできる橋、
通称“虹の大橋”に、一人の女丈夫が仁王立ちしていた。

後ろには、大丈夫たちが20人ほど。
それぞれ見上げるほどの大刀を軽々と背負う彼らは、
生半可な砲撃、--誤字ではない-- などでは毛ほどの傷も負わせられない、
たくましいししむらで全身をくまなく、包んでいた。

適度な脂肪と筋肉とにて覆われた頸(くび)、背筋、
そしてハムストリングス。

紛れも無く先の会戦にて共和国軍に痛打を与えた黒オーマ軍団、
竜殺部隊に属するドラグンバスターどもである。

彼らは一様に、すそを潮風にはためかせる女の後ろで腕を組み、
ともに上り行く朝日を眺めていた。

/*/

ことは数週間前、
後にノワールの戦いと称される大敗北に、遡る。

にゃんにゃん共和国およびわんわん帝國軍による
I=Dを主軸とした第一陣にて壊滅的被害を受けた、
黒オーマ竜殺部隊。

結果として第一陣、第二陣を粉砕し司令部に止めを刺したものの、
戦士たちはその半数以上が羅幻王国の肥料に堕するところであった。

これを良しとせず、力及ばずながらも、助けたものがいた。
粉砕された第一陣に所属していた、
リワマヒ国医療分隊である。

彼らは洋上待機していたアダマンタイト級揚陸支援艦に
残存戦力ともども収容されたが、一様に敵、黒オーマ軍の兵士達を抱えていた。
狂おしいほどの敗戦のなか、リワマヒ国の医療チームはその日も、胸に翻る医療の旗、おこた十字の誓いを忘れること無かったのである。


別世界からの稀人(まれびと)ゆえか、
はたまた収容された病院の食事がことのほか高評価だったのか。

思いのほか時間のかかった治療を終えた男達は、
お見合いイベントへ向かう室賀兼一子(自称28歳バツイチ)に率いられ、
一路羅幻王国へとその歩を進めるのだった。

後に言う、リワマヒ暁の出撃事件の戦端はこうして開かれた。


女が一人。その名は室賀兼一子。

 ここはリワマヒ国。祭政一致を信条としているかもしれない藩王がいる国。
どうやら黒オーマとのお見合いが企画されているらしいとの噂を聞き、兼一王はノリノリである。
今日は参加者のお披露目という名目で予行演習が行われている。


 これは、おこたの間で繰り広げられた惨劇のひとコマである。

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「室賀兼一子、19歳と11●ヶ月。ピチピチの十代です♪」

……静寂が訪れた。どこからか乾いた風が吹き抜ける。

「え、えっとぉ、旦那とは別れてきちゃいましたぁ。てへっ☆」
いや、それも問題あると思うのだが。

「ええと、あの、兼一子、歌いますっ!」
『おおー』
唐突な展開にざわざわと喧騒が戻る。
「リワマヒ国国歌! 魅惑のひまわ…」
『やめんかあああぁーっ!!』

見合いの最中にどさくさに紛れて国歌を熱唱し、後に引けない状況を作り出してしまおう
という兼一子の壮大な計略は
スリッパによる袋だたきという古典的な手段で未然に阻止された。

室賀兼一子、撃沈。

<了>


※この物語はフィクションです。
 リワマヒ国は国歌アイドレスを取得しておりません。
でも、設定としての国歌、あるんですよね。(参照
でもこれはタイトル未定なので架空の国歌ということで。

室賀兼一子とは?
藩国NPC、ようえんなひとづまです。かつて、芥藩国ホスト部を荒らした、
伝説の女傑(嘘)です。
詳しくはこちらをご覧下さいませー。

○その後のやりとり
シコウ「人妻でしたよネゥ?」
室賀兼一子「(指輪痕をさすりつつ) 旦那? ああ別れてますわよ。 旦那は男の仕事がありますもの」
室賀兼一子「“家族サービスのために男の仕事をおろそかにするぐらいだったら、出てくわ!”って、 ……まあ、タンカ切ってきたってわけ」
シコウ「また室賀の名字の人は無茶を言うネゥ。で、男の仕事、ネウか?」
室賀兼一子「男って何か? 簡単よ。小学校、漢字の書き取りで習うことだわ。」
室賀兼一子「 男 ってのは、性別のことをいうんじゃないの。」
室賀兼一子「 その本意は “たをささえるちから” よ。 
 た は多、田、他。いろんな文字があてられるわ。
 そういう生き物よ。男って」
室賀兼一子「あなたにはないの? 男としての、た。 
 私にはあるわ。 
 なぜなら私も、国家に淫する、ひとりの男ですもの。」


リワマヒ国技族によることの経緯の説明。

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参謀服を脱いで半分寝かけの兼一王をスケッチ。
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その後、事情を話すと藩王は快諾するわけなのですが。
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何か間違えているような気がしなくもない。

その後、シコウさんの苦労と努力により、付け胸などSFXの粋を凝らし、
室賀兼一子が誕生したのである。

リワマヒ国摂政の手記より。


 共和国を上げての大お見合い大会だそうである。黒オーマの面々の男っぷりにやられた女性達がゾクゾクと集い、お見合いを希望しているそうである。いや、まぁ彼らの気っぷの良さなどを考えれば、それも理解できなくはない。(戦いこそが我が人生な彼らと結ばれて幸せになれるかどうかは、その女性の度量と器量の大きさによると思われるので見ない事にしておこうと思う)

 さて、リワマヒ国での状況だが、概ね適齢期に居る女性達が多いのだが、仕事に忙殺されて居てそれどころではない、と口をそろえて突っぱねられた。中にはヤガミじゃないから嫌とかも居たが。流石に誰も出ないというのも、寂しかろうとシコウさんと悪巧みをし紆余曲折その中で、室賀兼一子と言う女性が立候補をした。
(しかし藩王……何をやって居るんですか)

 思慮深く静かな立ち振る舞い、どこかの華族の生まれか気品あふれるその容姿は、リワマヒ国でも有数の美女として評判であり(たぶん)、その大胆な判断は今回のお見合いによる和平継続に向けて、行動を始めたのである。


(文:薊、東 恭一郎、室賀兼一/絵:シコウ)
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